どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月11日(火)新発売、ファミリーマート×サンヨー食品のカップ麺「ファミマル 中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介まぜそば」の実食レビューです。
お店では食べられない “カップめん限定” の特別メニュー!? 山梨は甲府の人気店「中華蕎麦うゑず」監修シリーズ初の汁なし湯切りタイプ新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介まぜそば
中華蕎麦うゑず(ちゅうかそば うえず)とは、山梨県中巨摩郡昭和町にある予約制の名店で、創業は2015年(平成27年)4月6日。
千葉県松戸市に本店を置く「中華蕎麦とみ田」の富田治(とみた おさむ)代表を運営統括責任者とし、その右腕として8年間「とみ田」を支え続けた一番弟子・上江洲恵介(うえず けいすけ)氏が “一人娘の妻を故郷山梨へ返したい” との想いから「中華蕎麦うゑず」を立ち上げ、たしかな実力の高さから瞬く間に山梨屈指の人気店としての地位を確立しました。
今回の新商品「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介まぜそば」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、PB(プライベートブランド)のカップ麺で、担当しているメーカーはサッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品。これまでに3度「中華蕎麦うゑず」監修のカップラーメンを展開しているため、ご存知の方も多いかとは思いますが、湯切りタイプの商品は前例がありません。
「中華蕎麦うゑず」の店舗で提供されている「中華そば」と「つけめん」の味わいは、ゲンコツ(豚の大腿骨)や豚足、鶏ガラ、魚介(イワシ・サバ・アジ)に複数の野菜を加え、じっくり炊き上げること30時間。その濃厚な豚骨魚介ベースのスープに、後がけの魚粉でパンチを強め、柚子の清涼感がメスを入れる “かつての「中華蕎麦とみ田」に実直なスタイル” を特徴としています。
※「中華蕎麦とみ田」本店では、2020年7月18日の営業をもって従来のスタイルを封印し、同年8月13日の営業再開から「らぁめん」「つけめん」ともに幻の豚・TOKYO X(東京エックス)を主軸にした「TOKYO-X 純粋豚骨」にブラッシュアップ。その約6ヶ月後、2021年2月から「つけめん」のみ “豚骨魚介” に変わりましたが、2022年10月現在も「らぁめん」は “純粋豚骨” を提供中。
そんな「中華蕎麦うゑず」監修シリーズ第1弾「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば(初代)」は、縦型ビッグのカップラーメンで、2020年4月28日に新発売。登録店舗数5万店を超える日本最大級のラーメン専門クチコミサイト・ラーメンデータベースの “年間ランキング2018” にて「中華蕎麦うゑず」が全国1位に輝き、それを記念した商品だったのですが、正直あまり印象に残る味ではなく——。
というのもサンヨー食品サイドの問題で、縦型ビッグという製品スタイルが評価を下げる主な要因になっていたのですが、2021年2月9日発売のコラボ第2弾「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば(二代目)」は大判どんぶり型の本気モードにブラッシュアップ。鬼門の麺も油揚げ麺からノンフライ麺に変わり、コラボ第1弾の印象を払拭してくれました。
直近では2022年2月15日にコラボ第3弾「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば(三代目)」を発売しており、まさかの縦型ビッグに戻ってしまったのですが、初代と比較して麺とスープの配合を見直したことが功を奏し、このブログでは高評価を記録。というわけで、今回の「濃厚豚骨魚介まぜそば」はコラボ第4弾に該当するのですが、前述のように湯切りタイプでの商品化は前例がありません。
タイトルから察するに、カップラーメンでの味わいを踏襲している確率が高く、しかしながらカップラーメンのスープでは特に強調されていなかった “ブラックペッパーの刺激” を訴求しているのがポイント。あとはサンヨー食品の鬼門となっている麺の仕上がりなど、見どころが多い一杯です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「特製調味だれ」と「特製スープ」(別の容器で作るマルちゃんのアレではないw)の計3種。ファミリーマートの公式ウェブサイトには “豚骨と魚介の旨みがきいたタレに、別添で魚粉とピリッとしたブラックペッパーを合わせ、濃厚でも飽きの来ない味に仕上げています” とあったので、特製調味だれが前者、特製スープが後者の解説。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分と中途半端に思える設定ですが、それだけに緻密な計算を感じるところ。容器はサンヨー食品の規格においてレギュラーサイズ(めん85〜100g用)に該当する158×175×58(mm)だったので、商品を売り場で見たときに「あ、けっこう小さいんだ」などと思ったのですが、調理前の麺重量は130gの大盛り仕様となっています。意外と収まるもんだなw
2022年10月現在、大盛りサイズのカップ麺におけるメーカー希望小売価格は245円(税別)が基準なので、コンビニで購入した場合の税込価格は264円が相場になっているのですが、今回のファミリーマート通常価格は249円(税込268円)と相場よりも若干ながら高めの値段。たった4円の差に思えますが、即席めん業界は1銭(100分の1円)単位でコストを調整しなければいけないため、けっこうな額。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介まぜそば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業 関西工場 内容量:165g(めん130g) 商品コード:4901734047926(JAN) |
発売日:2022年10月11日(火) 実食日:2022年10月13日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:268円(税込) ファミリーマート通常価格:249円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー(※ただし麺は大盛り) 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:580ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(特製調味だれ・特製スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、粉末卵、チキン調味料)、スープ(糖類、植物油脂、魚粉、豚脂、ポークエキス、ポーク調味料、しょうゆ、食塩、香味油、ガーリックペースト、香辛料、たん白加水分解物、チキンエキス、調味油脂、酵母エキス)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、かんすい、焼成カルシウム、香料、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、増粘多糖類、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は味付豚肉とネギのみ。お世辞にも量が多いとはいえず、正直なところ値段相応とは思えないファーストインプレッション。しかし、縮れの弱いストレート状の油揚げ麺は、サンヨー食品が自社の公式ウェブサイトで “当社独自の特殊製麺技術による” とアピールするタイプに酷似しているため、そちらは期待できそうなポイント。
添付調味料は2袋とも後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製調味だれ」の小袋を温めながら待つこと4分。時間になったら湯切りして、粉末の「特製スープ」よりも先に「特製調味だれ」を馴染ませるのがポイント。それから「特製スープ」を加え、再び混ぜ合わせたら出来上がり。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き「中華蕎麦うゑず」監修の恩恵に注目しつつ「めん」「たれ・スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(165g)あたり |
カロリー:737kcal たん白質:15.7g 脂 質:34.2g 炭水化物:91.7g 食塩相当量:5.0g ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.34mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ハイクオリティ
ゆるやかに縮れているため、完全なるストレート状ではないけれど、適度なウェーブが功を奏し、後述する「特製調味だれ」や「特製スープ」との一体感は申し分なく、注目すべきは密度の高さ。ノンフライ麺に見紛うほどではないけれど、中心部に向けてギュッと小麦を押し固めているような、しっかりとした噛み応えが印象的。
それでいて全体がガチガチに固めてあるわけではなく、表面は比較的にソフトな層になっていて、そっと圧を吸収した後、中心部の密度を見せてくるタイプ。油揚げ麺特有のニオイも弱いので、これも有名店が監修したカップ麺において評価すべきポイント。
もちろん「中華蕎麦うゑず」が誇る自家製麺とは異なるベクトルを歩んでいるのですが、今回は “カップ麺限定の特別メニュー” なので(これ、ほんとに使い勝手がいい謳い文句なんですけどw)単純に添付調味料との相性がいいのか、麺単体でのクオリティは高いのか、という部分だけに集中すればよく、その点においては値段相応の仕上がりだと感じました。
たれ・スープ
いわゆる “またおま系” だけど “汁なし二郎” 的な清涼感もある
先に絡める「特製調味だれ」は芳醇で、やや乳化感を強めた動物系のコクを軸に、サバやカツオから抽出したと思しき出汁(だし)感を保有。しょうゆダレは塩気よりも旨みに重きを置いているため、塩分的な尖りは感じません。そのため「特製調味だれ」単体で味が完成するわけではないのですが、旨味の骨組みは丁寧で、しっかりと土台を支えています。
片や「特製スープ」はゴリゴリの武闘派で、魚粉(サバ、カツオ、ニボシ)を筆頭に、全体の魚介感がイッキに加速。それに伴い塩分のキレも強くなるのですが、糖類のジャンクな甘さが相俟って、かなり中毒性の高いテイストに。それと柚子かな? ふわっと柑橘系のアクセントが通るので、それも印象に残りました。
ちなみに1回目の実食では「特製スープ」が満遍なく行き渡るまで念入りに混ぜ合わせたんですけど、2回目(撮影なし)の実食ではザックリと絡める程度に混ぜてみた結果、2回目のほうが圧倒的に(★ひとつ左右しかねないレベルで)インパクトを感じたので、液体の「特製調味だれ」は丁寧に馴染ませなければいけませんが、粉末の「特製スープ」は “軽く混ぜる程度がベスト” かもしれません。
かやく
うーん‥‥ww
やはり皺寄せが否めない‥‥というか、さすがにショボすぎないですかねw かやくだけ見るとオープン価格の廉価版と遜色ないレベルなので、麺と添付調味料の満足度を加味しても値段相応の内容とはいえません。味付けの方向的に、刻み海苔やメンマ、FD(フリーズドライ)の柚子皮なんかが入っていると嬉しかったんですけど、サンヨー食品の悪い癖。
総評
現在の大盛りカップ麺における相場よりも高いのに、あまりにも具材が貧相だったので、その分を総評から差し引かざるを得なかったのですが、おいしい・まずいの二択でいえば即決で前者。いわゆる “またおま系” の味わいなので、目新しさこそないけれど、二郎インスパイア系や淡麗系、激辛系にスポットが当たっている現状を思えば、逆に新鮮な提案といえるかもしれません。
ちなみに師匠である「中華蕎麦とみ田」監修のカップ麺はセブン&アイと明星食品の管轄で、2018年6月18日に “お店では食べられない” 湯切りタイプの「豚骨魚介まぜそば」を発売しているのですが、2020年6月16日発売の「豚まぜそば」から二郎インスパイア系の方向にシフト。はたして来年の「中華蕎麦うゑず」が見せる変遷とは、引き続き注目したいシリーズです【author・taka :a(大石敬之)】