どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年2月9日(火)新発売のカップ麺、ファミリーマート「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば(二代目)」の実食レビューです。
とみ田のDNAが宿る山梨甲府の人気店「中華蕎麦うゑず」のカップラーメン第2弾は “ノンフライ麺” 搭載の本気モード!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば(二代目)
中華蕎麦うゑず(ちゅうかそば うえず)とは、山梨県中巨摩郡昭和町にある予約制の名店で、創業は2015年(平成27年)4月6日。千葉県松戸市に本店を構える業界屈指の怪物店「中華蕎麦とみ田」の店主・富田治(とみた おさむ)氏を運営統括責任者とし、その右腕として8年間「中華蕎麦とみ田」を支え続けた一番弟子・上江洲恵介(うえず けいすけ)氏が独立して「中華蕎麦うゑず」を立ち上げました。
今回の新商品「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば」は、サンヨー食品(サッポロ一番)と「中華蕎麦うゑず」の共同開発商品で、コンビニの中でもファミリーマートでしか買えない数量限定商品として企画された再現カップ麺。2020年4月28日(火)にも同じ条件で、同じ商品名のカップラーメンをリリースしていましたが、それとは大きく製品スタイルが異なります。
2020年4月28日発売のファミリーマート限定・数量限定商品「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば」(以下「前回」という)は、中華蕎麦うゑず初監修のカップラーメンで、今回の2021年2月発売品と同じくサンヨー食品とコラボ。登録店舗数5万店を超える日本最大級のラーメン専門クチコミサイト「ラーメンデータベース」の年間ランキング2018にて、みごと全国1位に輝き、それを記念して商品化されました。
前回の再現カップ麺は、簡便性に優れたコンビニ向けの縦型ビッグ容器を採用し、フタの上に “仕上げの小袋” を別添。麺はノンフライ麺よりもコストの低い油で揚げたフライ麺を使用していたので、当時のファミリーマート通常価格は212円(税込228円)と手に取りやすい値段に設定されていたのですが、その麺がイマイチといわざるを得ない仕上がりで落胆——。
スープは優等生なイメージを抱かせる “またおま系” で、味としては可もなく不可もなし。具材は情緒のない汎用のチャーシューチップや小さいナルト、ネギとシンプルな構成で、本物にトッピングされているメンマや「中華蕎麦うゑず」を象徴する特徴の一つである柚子は採用しないなど、国内最大のラーメン専門情報サイトで全国1位に輝いた店の味とは思えない、正直あまり印象に残る商品ではありませんでした。
>> 中華蕎麦うゑず監修「濃厚豚骨魚介中華そば」2020年4月発売品レビュー
しかし、このページでレビューする今回の2021年2月発売品は、柚子の爽やかな風味を加えた濃厚豚骨魚介スープが特徴ということで、昨年のレビューでも指摘した柚子のアクセントを意識。さらに容器を本格志向の大判どんぶり型に刷新するだけでなく、麺も油揚げ麺からノンフライ麺に変更するなど、前回の「中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば」とは別物といっても過言ではない製品スタイルです。
カップ麺のモデルにもなっている「中華蕎麦うゑず」の「中華そば」は、ゲンコツ(豚の大腿骨)や豚足、鶏ガラ、魚介(イワシ・サバ・アジ)に野菜を加え、じっくり炊き上げること30時間。その濃厚な豚骨魚介スープを軸に、後がけの魚粉でパンチを強め、柚子の清涼感がメスを入れる「中華蕎麦とみ田」のDNAを色濃く残しているのが特徴的なポイント。
麺は「つけ麺」よりも一回り細く、しかしながら「中華そば」としては極太の部類に入る全粒粉入りのストレート麺で、2018年2月21日より自家製麺での提供を開始。サンヨー食品の縦型ビッグに使われる油揚げ麺は当たり外れが激しいのに対し、こと大判どんぶり型のノンフライ麺は基礎クオリティが高いので、今回は期待していいかもしれません。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製スープ」と「液体スープ」に、先入れの「かやく」で合計3袋。パッケージのイメージ写真にもある柚子皮は、かやくの小袋に仕込んであり、前回のスープは粉末だけで構成されていたところ、今回は液体スープを採用しているのも大きな違い。
そして、今回の二代目にはノンフライ麺を使用しているのですが、その色にビックリ‥‥ファミリーマートの公式ウェブサイトや商品本体に “全粒粉” の文字は見当たらないので、現段階それが練り込んであるのかどうかは断定できないのですが、お店の麺を彷彿とさせる濃いめの色合い。これまで様々なカップラーメンを食べてきましたが、ここまで色の濃いノンフライ麺は一般的ではありません。
なおファミリーマート通常価格は258円(税込278円)と前回から大幅に値上げされているのですが、個性的な見た目のノンフライ麺をはじめ、今のところ印象は悪くありません。ちなみに「中華蕎麦うゑず」の店頭にて、ファミリーマートがカップ麺の発売日に出張販売したところ、初日に450個以上売れたそうです。まじか‥‥
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:106g(めん70g) 商品コード:4901734042150(JAN) |
発売日:2021年02月09日(火) 実食日:2021年02月11日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:258円(税込) ファミリーマート通常価格:278円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(特製スープ・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、大豆食物繊維)、スープ(ポークエキス、魚粉、糖類、食塩、魚介エキス、豚脂、植物油脂、チキンエキス、ゼラチン、香辛料、しょうゆ、すりごま、酵母エキス、ゆずパウダー)、かやく(チャーシュー、メンマ、ナルト、ねぎ、ゆず皮)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、酒精、レシチン、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、チャーシューやネギは高級感のないタイプではあるものの、前回は入っていなかったメンマを採用し、小さかった複数のナルトも大きめのナルト1枚に変更することで臨場感アップ。さらにフリーズドライと思われる柚子皮の清涼感が重なって、前回の不満を一つ解消しています。
あとは熱湯を注いで5分後に麺をほぐし、特製スープ(粉末)と液体スープを馴染ませるのですが、特製スープに魚粉が含まれているので、上記のように少し後がけすると調理後の雰囲気がアップします。ただ、この特製スープに “けっこう強めのトロミ成分が含まれていた” ので、手順としては特製スープを完全に溶かした後に液体スープを馴染ませるのがベストかもしれません(※粉末スープの推奨まぜ時間は、最短でも1分以上)。
ちなみに製造所は太平食品工業株式会社の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き前回との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(106g)あたり |
カロリー:379kcal たん白質:13.6g 脂 質:9.0g 炭水化物:60.8g 食塩相当量:6.7g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.58mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:379kcal(めん・かやく:276kcal)(スープ:103kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
加水率は低いけど強めの歯応えが嬉しい
調理前から褐色の見た目が個性的だったノンフライ麺は、独特の縮れと捻れがあり、やや低めの加水率に意表を突かれましたが、食べ始めに感じる強めのコシが印象的。かなりスープの味が濃厚なので、小麦の風味が前面に主張してくることはないけれど、食べ終わる頃になっても続く歯応えにより、濃いめの高粘度スープに麺が埋没することはありません。
実際の「中華そば」に使われている極太麺と比較した場合、どうしてもカップ麺の限界を感じる太さになりますが、コンビニのカップラーメンに使われるノンフライ麺の中では太めの部類。スープとのバランスを考慮すると、もうすこし粘りを強めてもいいような気もしますが、けっしてチグハグというわけではなく、前回の油揚げ麺と比べたら雲泥の差。
またスープの後ろに隠れている小麦感に目を向けてみると、じわじわ奥から感じる小麦の甘みが心地よく、たしかな歯応えと70gの麺量で食べ応えあり。加水率や形状など、お店の麺を忠実に再現しているわけではないようですが、きちんと値段に伴った品質だと思います。
スープ
前回から数段上のレベルに
特製スープに含まれる魚粉は、体感的にカツオ・サバ・煮干しの混合で、なにかが突出しているわけではないけれど、節の芳ばしい風味と煮干しのホロ苦い風味がリアル。そこに仕込まれたトロミ成分は人工的なので、ナチュラルな高粘度スープではないのですが、しっかり魚介の風味を効かせることで不自然な印象を和らげます。
さらに液体スープを重ねると、濃口醤油(かえし)のキレがプラスされ、粉末スープに仕込まれていた旨み成分の野暮ったい風味が奥に下がり、豚脂のコクが全体の濃厚感をブーストさせるフレームワーク。
野菜の旨味や豚骨の骨っぽさは打ち出せていませんが、ポークエキスのベクトルは濃厚さの指標を履き違えておらず、とろみに負けない重心の低いテイストを実現。どうしてもカップ麺らしさを感じる味ではあるけれど、前回のスープとは比べ物にならないほどレベルが高くなっているので、こちらも値段に見合った内容です。
具材
柚子のアクセントがハイライト
大きめのナルトは他の商品に採用されたこともあるので、新開発の具材ではないのですが、魚肉練り製品特有の甘みが心地よく、雰囲気の底上げに大きく寄与。また前回の縦型ビッグには採用されていなかった柚子皮が効果的で、意識しなくても常に感じる清涼感が心地よく、どっしり濃厚な高粘度スープでも最後まで飽きることはありません。
図らずも上の写真ではポテトチップスのように見えますが、それはさておきチャーシューはカップ麺にありがちな成型肉ど真ん中だったので、値段に見合った肉具材とはいえません。しかし、なんといっても今回は柚子皮のアクセントが嬉しく、結果的に不満を覚えることはありませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
方向性としては “またおま系” と呼ばれるジャンルに該当するため、もしもセブンイレブンのPB商品「明星 地域の名店シリーズ 中華蕎麦とみ田」が現存していた場合、それと比較して価値が薄れてしまうのですが、幸いなことに中華蕎麦とみ田のカップ麺は縦型ビッグ(銘店紀行)にグレードダウンしている現在。大判どんぶり型の容器にノンフライ麺を採用した “またおま系” は、近年あまりリリースされないため、一定の需要を感じます。
もちろん安いカップ麺ではないけれど、めん・スープ・具材ともに税込278円という値段に見合った内容だったので、今回の総評は上出来の5つ星としました。流れ的に2021年の後期、もしくは来年またコラボしてくれそうなので、次は別添の魚粉(ふりかけ)を用意するとか、縮れのある麺を極太ストレート麺に改良するなど、さらなるブラッシュアップにも期待したいですね(author・taka :a)