どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年1月12日(火)新発売のカップ麺、ファミリーマート限定「とら食堂 ワンタン麺」の実食レビューです。
並んででも食べたい白河ラーメンの最高峰「とら食堂」監修のコンビニ限定カップラーメンが今年も登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
とら食堂 ワンタン麺 2021
とら食堂とは、福島県白河市に本店を構える手打ち中華そばの名店で、ラーメンの天才と謳われた創業者・竹井寅次(たけい とらじ)氏が1969年(昭和44年)に開業した店「中華そば とら」が前身。1973年(昭和48年)から現在の本店が位置する双石滝ノ尻に移転し、お店の名前を「とら食堂」に改め、田園風景の中にありながら行列の絶えない人気店として知られます。
白河(しらかわ)ラーメンとは、豚骨や鶏ガラから取った化学調味料不使用の醤油清湯(ちんたん)に、コシの強い手打ちの多加水麺を合わせているのが最大の特徴で、福島県白河市を代表する「ご当地ラーメン」の一角。もともと白河地方は、信州・出雲・盛岡に並ぶ日本四大そば処の一つ(白河そば発祥の地)として知られ、その技法をラーメンに応用したのも竹井寅次氏のアイディア。
白河ラーメンには、とら食堂(中華そば とら)を発祥とする「とら系」をはじめ、それとは別に「茶釜系」と呼ばれるジャンルも存在し、後者は福島県白河市本町に店を構える1943年(昭和18年)創業の「茶釜本店」及び福島県白河市年貢町に店を構える1947年(昭和22年)創業の「茶釜食堂」が一子相伝で守り続けてきたもの。
対する「とら食堂」の創業者・竹井寅次氏は、弟子入りを志願する人たちを拒むことなく受け入れ、なおかつ自身が培ってきたノウハウを惜しげもなく伝授し、多くの弟子を輩出した人物。そのため白河市発祥のラーメンにおいて歴史が長いのは「茶釜系」ですが、一般的に白河ラーメンの代表格としてイメージされるのは「とら系」で、それが “白河ラーメンの元祖=とら食堂” とされる所以です。
今回のカップ麺「とら食堂 ワンタン麺」は、明星食品株式会社(東京都渋谷区)と元祖とら系「とら食堂」の共同開発商品で、コンビニの中でもファミリーマートでしか買えない数量限定のPBカップ麺。以前はサンヨー食品のナショナルブランド「名店の味」とコラボしていましたが、2016年7月4日発売の「サッポロ一番 名店の味 とら食堂 中華そば タテビッグ」を最後に契約を解除。
2018年10月23日発売のファミリーマート・サークルK・サンクス限定商品「とら食堂 ワンタン麺」から明星食品とのタイアップを始め、2019年12月17日にも同じ商品名のカップラーメンを再販。そのため今回のページでレビューする「とら食堂 ワンタン麺」は3代目になるのですが、従来の商品と比較して “ワンタンを1.5倍に増量している” のが大きなリニューアルポイント。
2018年10月発売の初代「とら食堂 ワンタン麺」は、明星食品が誇る “ノンフライ麺” に、業界でも珍しい “ノンフライワンタン” を搭載した本格志向のカップラーメンで、当時のファミリーマート通常価格は278円(税込)と高価な商品に分類されましたが、なんのこれしき値段以上の満足感を打ち出してくれた至極の逸品。
それに続く2019年12月発売の二代目「とら食堂 ワンタン麺」は、超絶ハイクオリティな多加水麺とノンフライワンタンを受け継ぎ、当時のファミリーマート標準価格は289円(税込)に値上げしていましたが、ノンフライ麺の量を65gから70gに増量するなど、結果的に値上げをネガティブに思わせない仕上がりで、このブログでは2年連続高評価を叩き出しました。
関連ページ:ファミリーマート「とら食堂 ワンタン麺」元祖とら系 “白河ラーメンの真髄” カップ麺で再現(2019年12月発売品レビュー)
開封
2021年1月発売の「とら食堂 ワンタン麺」に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「粉末スープ」と「液体スープ」で合計3袋。小袋の構成自体は2019年12月発売の前回品から変わっておらず、メイン具材のワンタンは最初から容器の中に入っているのも同じ仕様となっているのですが——
前回・前々回のワンタンは4個だったのに対し、2021年1月発売品のワンタンは6個(4個×1.5倍)ということで、ワンタン増量に偽りなしのボリューム感が嬉しいラインナップ。もちろん麺も独特な見た目が個性的な色味の薄いノンフライ麺を採用しているのですが、ワンタンのサイズが一回り小さくなっているので、そこにコスト調整が見られました。
ファミリーマート標準価格は268円(税込289円)ということで、これについては2019年12月発売品から変更なし。今回もファミリーマートにしか売ってない販路限定のPB商品ですが、全国のファミリーマートが販売店の対象になっているため、取り扱いのある店舗は多いかと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:とら食堂 ワンタン麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場 内容量:113g(めん70g) 商品コード:4902881476102(JAN) |
発売日:2021年01月12日(火) 実食日:2021年01月17日(日) 発売地域:全国(数量限定) 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:289円(税込) ファミリーマート通常価格:268円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、でん粉、大豆食物繊維、香味調味料、ソース、酵母エキス)、スープ(鶏・豚エキス、豚脂、チキンオイル、しょうゆ、たん白加水分解物、食塩、糖類、香味油、チャーシューペースト、酵母エキス、醸造酢、酵母粉末、植物油脂、昆布粉末、香味調味料)、かやく(ワンタン、チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、酒精、ソルビット、カラメル色素、香料、炭酸カルシウム、かんすい、炭酸マグネシウム、増粘多糖類、セルロース、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、基本的なラインナップは変わっていませんが、すこしチャーシューのサイズが小さくなっているような‥‥とはいえ脂身の部分がリアルなのは嬉しいポイントですし、フリーズドライ(凍結乾燥)と思しきメンマも見どころ。ちなみにワンタンは調理前に触ってもヌルヌルしないので、こちらも前回と同じくノンフライとみて間違いありません。
あとは熱湯を注いで5分間、待っている間に液体スープの小袋をフタの上にのせて温めて、時間になったら先にノンフライ麺をほぐし、それから粉末スープ・液体スープの順に馴染ませて完成です。調理前はワンタンやチャーシューのサイズが小さくなったように感じたのですが、調理後は具材で麺が見えないほどのボリューム感を打ち出し、なおかつ芳醇な動物系の香りでカップ麺らしからぬオーラを漂わせている実食前。
ちなみに販売者は明星食品株式会社、製造所は東日本明星株式会社の埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360)となっているため、販売者と製造所は初代・二代目・三代目と共通でした。というわけで引き続き前回との違いやコストパフォーマンスにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(113g)あたり |
カロリー:434kcal たん白質:11.2g 脂 質:13.0g 炭水化物:68.0g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.1g) (スープ:4.5g) ビタミンB1:1.31mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:113mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:434kcal(めん・かやく:335kcal)(スープ:99kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
超絶もっちり多加水ノンフライ麺
「とら食堂」の実店舗で提供されている麺は、とら系の醍醐味とされる完全手打ちの多加水麺で、粉の配合から職人の手作り。近年、白河ラーメンを提供している店の中でも本格的な手打ちの自家製麺は珍しくなってきたそうですが、元祖「とら食堂」では昔から変わらず手打ちの自家製麺にこだわり、もちもちとした加水率の高い粘りと弾力が特徴となっています。
それをイメージしている今回のノンフライ麺も加水率が高く、もちもちとした粘りの強い弾力と密度の高いコシを特徴としているのですが、数ある多加水ノンフライ麺の中でも最高峰に位置するクオリティの高さ。表面は滑らかな質感でありながら、適度な味付けでスープとの親和性が高く、ランダムに施された縮れが手打ち風の雰囲気を再現している抜け目のなさも魅力。
2019年12月発売のノンフライ麺と比較して原材料の構成(小麦粉、植物油脂、食塩、でん粉、大豆食物繊維、香味調味料、ソース、酵母エキス)は変わっていませんし、ほとんど体感的な差も生じていません。しかし、後述するスープのクオリティと具材のボリューム感をアップさせながら、ファミリーマート標準価格は据え置きだったので、今年は評価を見直しました。
スープ
芳醇な動物油脂と醤油感のバランスが見事
お店のスープは “いっさい化学調味料を使っていない” ことを売りにしているのに対し、カップ麺の粉末スープは人工的な旨み成分と粉末醤油を軸にしているため、インスタントラーメンど真ん中といわざるを得ないテイストですが、あくまで粉末スープは下支えに過ぎません。
味の決め手となっている液体スープを入れるや否や、豚脂(ラード)と鶏油の芳醇な香りがグワッと押し寄せ、液体しょうゆ(濃口醤油)の旨みが粉末スープでは出せない臨場感を打ち出し、それが尖り過ぎないように多めの動物油脂がカドを包み込む緻密なフレームワーク。
海産物は昆布しか使っていないため、ごりごりの動物系しょうゆスープに仕上がっているのですが、重心の低い動物油脂にチャーシューペーストを重ね、さらに醸造酢のアクセントでフレッシュな醤油感を演出している、もはやコンビニで買える税込289円のカップ麺とは思えないレベルのスープに仕上がっていました。
スープだけで99kcalという数値が表しているように、けっこう油脂感の強いテイストですが、油揚げ麺ではなくノンフライ麺を使用しているため、こってり感のバランスも申し分なかったです。
具材
非の打ち所がないラインナップ
やはりメインのワンタンは、皮のサイズや餡(あん)の量に若干のスケールダウンを感じるものの、数は2019年12月発売品と比較して1.5倍増量と体感的なボリュームは歴代最強クラス。餡を包み込む皮の表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさを実現し、なおかつモチモチとした弾力が心地よく、本物さながらの質感には脱帽せざるを得ない再現度の高さ。
また中に入っている餡に使われている鶏ひき肉も大きめで、生姜の香味を効かせているスパイシーな味付けから、他の追従を許さないクオリティの高さを打ち出します。たとえば東洋水産(マルちゃん)やエースコックもワンタン入りのカップ麺を得意としているのですが、筆者の知る限り、カップ麺で明星食品のノンフライワンタンを超えるワンタン具材は存在しません。
加えて優しい歯触りと適度な発酵感を特徴とするフリーズドライのメンマは、その上質な食感と風味はもちろん、縦型カップだとメンマだけで麺を隠せるほど大量で、ネギも大きめの斜め切りで香りがよく、やや小さくなったチャーシューは濃いめの味付けでサイズ以上の存在感。なかでもメンマのインパクトはチャーシューを上回る勢いで、しっかりと印象を残しました。
総評
★★★★★★★★☆☆(★8)
このブログでは2018年10月、2019年12月と高く評価してきたファミリーマート限定発売のカップ麺「とら食堂 ワンタン麺」ですが、2021年1月発売の三代目はサンヨー食品とのタイアップ(サッポロ一番)時代から数えても “歴代最高傑作” と断言できる完成度の高さだったので、今年は総評を見直しました。
ファミリーマート通常価格は税込289円とカップラーメンの中では安くない値段に設定されていますが、なんのこれしき300円で釣り銭が出ることにコストパフォーマンスの高さを感じるレベル。量・質ともに非の打ち所がない一杯なので、気になっている方は早めに最寄りのファミリーマートをチェックしてください(author・taka :a)