どうも、taka :aです。
本日の一杯は、イオングループの和風タテ型カップ麺、トップバリュベストプライス「関西風 きざみきつねうどん 」の実食レビューです。
先日、低価格に特化したイオンの黄色いラベル、「トップバリュベストプライス」の「ノンフライ麺 うどん」を記事にしたのですが、それを読んでくださった読者の方から「関西風のタテ型うどんはレビューしてくれないんですか?」というメッセージを頂きました。はい、よろこんでお応えします。
というわけで、関西生まれ関西育ちの私taka :aが、関西風を名乗る本体価格88円(税込価格95円)のカップうどんを実際に食べ、その感想と経験に基づいて評価します。関西で親しまれている各うどんの種類なども軽く紹介しているので、お時間よろしければ最後までお付き合いください。
タテ型 関西風きざみきつねうどん
関西の「うどん」といっても様々で、たとえば最もポピュラーで代表的な「きつねうどん」は何を隠そう大阪で生まれた食べ物なんですけど、大阪でも南部から河内方面で親しまれている「かすうどん」という牛の小腸(ホルモン)を揚げた “油かす” をトッピングしたメニューや(普通の天かすをのせたら「ハイカラうどん」)神戸の「ぼっかけうどん」(牛すじ肉とコンニャクを出汁で甘辛く煮込んだ料理「ぼっかけ」をトッピングしたうどん)、また京都の「たぬき」は刻み揚げの入った餡掛けうどんのことを指すため、「関西風」を一括りにすることはできません。
しかし、一貫して言えることは、つゆの「だし」を重視しているということです。ちなみにSAでも人気の「天ぷらうどん」といえば海老を丸ごと揚げた天ぷらが基本で、かき揚げではございません。(でも立ち食いうどん・そば屋で注文するとカップ麺の天ぷらみたいなやつが入ってる)
今回は「きざみきつね」とタイトルにもあるように、もし餡掛け風だったら京都の「たぬき」になるわけですが、小さな字で「昆布だしのきいた関西風つゆに」と書かれているので、おそらく “出汁の指標が関西風” ということなんでしょうね。
関東では主に鰹と濃口醤油、関西では昆布を基調に薄口醤油、讃岐はイリコが基本で “かけ” なら薄口醤油、 “つけ” なら濃口醤油でしょうか。ちなみに家庭で愛されているのは、我らが兵庫県たつの市に本社を構える「ヒガシマル」の「うどんスープ」です。それで作る三つ葉を入れた鍋焼きうどんといったら‥(閑話休題)
関西風なのに「埼玉県の工場で作っています」というのがネタっぽくて面白いポイントに思えたりもするのですが、この “埼玉県の工場” というのは埼玉県比企郡嵐山町にある「東日本明星株式会社」の工場を指しています。
パッケージの側面にある製品情報欄に注目していただきたいのですが、「販売者:イオン株式会社」の横に掲載されているローマ字と数字の組み合わせを「製造所固有記号」といい、「A960」は天下の「明星食品」を意味しているんですよね。2018年現在、本体価格88円(税込価格95円)という格安製品ですが、大企業が作っているカップ麺なので、ご安心ください。
トップバリュの公式サイトでは、発売前のモニターテスト結果「A判定」、おいしさの評価(絶対品質評価)では90%の人が「おいしい」と回答。購入意向(知覚品質評価)は、比較対象商品に対して55%の人がトップバリュの商品を買いたいと回答したことが紹介されていました。
イオンを月1回以上利用し、プライベートブランド商品購入者で、かつ当該商品カテゴリを月1回以上購入する20〜50代の女性を対象としたモニターの審査結果らしいです。A判定を叩き出しているのに購入意向は55%とは、なかなか興味深い割合ですね。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
おお、これは意外と具沢山じゃないですか。税込価格95円のカップ麺なんですけど、早くも具材が充実しております。店舗によって取り扱いがない場合もあったり、グループ会社と一部価格が異なる場合もあるのですが、これはコンビニ(ミニストップ)で購入しても95円ですからね。別添の小袋も付属していないので、フタを開けたらチャチャッと店頭で熱湯を注ぐことも可能です。
それでは、私もチャチャッと熱湯を注いできます。調理の際は、やけどに気を付けてください。
製品情報・購入価格
製品名:関西風 きざみきつねうどん 販売者:イオン株式会社 製造所:埼玉県比企郡嵐山町 東日本明星株式会社 内容量:71g(めん60g) 発売日:- JANコード:4549741418904 希望小売価格:88円(税抜) 発売地域:全国(イオングループ) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:紙 必要湯量:280ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:- |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 油揚げめん[小麦粉、パーム油、食塩]、かやく[味付油揚げ(大豆・小麦を含む)、鶏卵加工品(豚肉・たん白加水分解物(魚介類)・鶏肉・大豆を含む)、かまぼこ、ねぎ]、スープ[食塩、デキストリン、かつおエキス(さば・小麦・大豆・ゼラチンを含む)、しょうゆ(小麦・大豆を含む)、昆布エキス、昆布粉末、香味調味料(小麦・大豆・乳成分・さけ・さば・ゼラチン・鶏肉・豚肉・卵・えびを含む)、香味油(大豆・小麦を含む)、たん白加水分解物(小麦を含む)、そうだがつおぶし粉末、さばぶし粉末]、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、ソルビット、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、乳化剤(大豆・乳成分を含む)、カラメル色素、豆腐用凝固剤、酸化防止剤(ビタミンE:大豆・乳成分を含む)、膨脹剤、甘味料(スクラロース)、増粘多糖類、香料、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロテノイド色素 |
【アレルギー表示】 卵・乳・小麦・えび・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・魚介類 ※同じ生産工程で「かに、そば、落花生、いか、牛肉、ごま、りんご」を含んだ食品を扱っています。 |
遺伝子組換情報
○味付油揚げ(大豆)・鶏卵加工品(ばれいしょ)・かまぼこ(ばれいしょ)・かつおエキス(ばれいしょ)・たん白加水分解物(とうもろこし)・加工でん粉(とうもろこし)・酸化防止剤(大豆)・香料(とうもろこし):遺伝子組換えではありません。 |
●乳化剤(大豆):遺伝子組換え不分別(遺伝子組換え大豆が含まれる可能性があります。) |
実食開始
うん、やはり充実のビジュアルに仕上がりましたね。私は撮影のために整頓しましたが、そんなことしなくても麺の大部分が隠れるほどのボリュームです。他社になりますが、なんだか日清食品の「どん兵衛」を調理している時のイメージに通じる湯気の香りが漂ってきました。
それでは、実際に食べてみます。
1食(71g)当たり
カロリー:309kcal |
食塩相当量:4.2g(めん・かやく:1.5g)(スープ:2.7g) |
めん
3分でフタを開けて軽く混ぜてから食べることを想定すると、おそらく口に運ばれるのは熱湯を注いでから3分30秒前後。その時点ではパキッと歯に引っかかる食感が部分的に残っていたので、念の為に3分30秒〜4分くらい待ったほうが安全だと思います。
食感は歯切れのいいタイプで、最初は少しコシも感じるのですが、その状態だと部分的に戻っていない箇所が残っていました。悲しいかな均一に戻る頃には全体も柔らかく、あまり粘り気も感じられないのですが、100円以下のカップうどんでタテ型レギュラーサイズの商品ですからね。ただ、優しい関西風つゆと柔らかい食感の麺という組み合わせのバランスとしては悪くなかったです。
おそらく隣に置いてあるであろう「日清のどん兵衛」や「赤いきつねうどん」と比較して圧倒的に劣りますが、タテ型の利便性と本体価格の安さを加味して妥協すべきポイントかもしれません。
つゆ
先ほど京都の「たぬき」について触れましたが、特に餡掛け風というわけではありません。で、えっと‥この味はですね、日清食品の「どん兵衛(西)」に近いです。とても。いや、それよりも昆布の旨味と甘さを強化している「北のどん兵衛」に近いかもしれません。なんにせよ香りからも感じたように、 “日清のどん兵衛に酷似した味” なのは間違いありません。
彩り七味は付属していないため、鮮烈な複雑味と香りのスパイスこそ得られないものの、鰹と昆布が手を取り合って土台を構築し、いりこ(煮干し)などは強く幅を利かせず、醤油は薄口を選択してキリッと塩で味を整えた、なるほど関西風です。ちなみに私の主観的な感想は、どん兵衛のつゆより好みの味でした。(※うどんは甘口が好き)
北のどん兵衛を知っている方にとっては西より北の印象に傾倒するかもしれませんし、もちろん関西の中でも地域や家庭によって味は大幅に異なりますが、甘さの強い出し重視の和風つゆという点においては関西のイメージと合致します。それに、 “カップうどんでの関西風つゆ” としてはイメージの照準ど真ん中と言っても過言ではないでしょう。
かやく
きつね(油揚げ)は刻んでありますが、容器がタテ型なので、単純に食べやすさや戻りやすさに配慮しての理由だと思います。具材の構成は刻み揚げ、大きめのネギ、スクランブルエッグ、かまぼこと充実のラインナップ。刻み揚げは厚みがあって、ふっくらジューシーな食感から、きちんと存在感がありました。ご覧の通り量も多く、ほんのり優しい甘口の味付けは関西風つゆにベストマッチです。この刻み揚げから滲み出る味は、つゆの旨味に対しても大きくプラスに影響していたように感じました。
スクランブルエッグは、いかにもカップ麺らしい具材ではあるものの、大きく膨れてボリューム感の演出に貢献。ねぎも歯触り重視の小葱ではなく和風カップ麺に嬉しいカットのサイズが好印象で、けっこう風味もリアルでした。かまぼこも雰囲気を高めることに寄与しており、ちゃんと魚介練り製品らしい旨味が得られます。口径の狭いレギュラーサイズの容器であることも功を奏しての完成図ですが、それを差し引いても100円以下のカップ麺としては具沢山ですね。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(4)
(標準は★3です)
特に醤油が控えめで甘めの和風だしが効いたカップ麺が好みだという方は、およそ手放しに楽しめる味だと思います。それだけに西日本のカップ麺ユーザーにとっては新鮮味の感じられない味ですが、関東や東北、煮干しの効いた讃岐風に馴染みのある方にとっては新鮮味のあるテイストと言えるかもしれません。
私は西日本在住なので、もし隣に「どん兵衛」が置いてあったら‥すみません30円ほど余分に出して西のどん兵衛を購入します。モニターテスト結果では「A判定」を叩き出しているのに購入意向が55%なのは、もしかすると憶測ですが “まぁどん兵衛があるし‥” という感想も影響しているのかもしれませんね。しかし、味の雰囲気は近かったので(どん兵衛に例えると北のどん兵衛に近かったんですけど)、その代替商品になれるだけのポテンシャルは秘めていました。
どん兵衛や赤いきつねと比較して麺のクオリティや具材も見劣りし、およそ実売価格の差も30円前後であることを踏まえて評価は★3が妥当かと悩んだのですが、つゆの味に関しては定価180円どんぶり型に匹敵すると感じたので、★ひとつプラスしました。つゆにウェイトを置いている方は高い満足感が得られると思いますし、西のどん兵衛や北のどん兵衛が手に入らない方にとっては、その雰囲気が税込95円で楽しめる代替商品としての価値が見出せるでしょう。