どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年4月11日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 The淡麗 らぁ麺や嶋監修 醤油らぁ麺」の実食レビューです。
こってりに飽きたら、この一杯。すっきりなのに “旨み贅沢” で大好評「The淡麗」シリーズ第2弾は開店わずか4ヶ月で業界最高権威に認められた「らぁ麺や 嶋」監修のカップラーメンを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
The淡麗 らぁ麺や嶋監修 醤油らぁ麺
The淡麗(ザたんれい)とは、ある種の社会現象になっているG系・二郎インスパイア系の対極を成す、見た目は透き通ったスープでありながら、素材の旨みで奥深い味わいに仕上げる “淡麗系ラーメン” に着目したシリーズで、ポストコロナ時代の到来を見据えた明星食品の新戦略。淡麗系を代表する店主に監修を仰ぎ、まるでトレンドの逆張りを打つかの如く、即席カップめん市場にメスを入れました。
今回の新商品「明星 The淡麗 らぁ麺や嶋監修 醤油らぁ麺」は、名門「支那そばや」出身の経歴を持ち、開店わずか4ヶ月で “業界最高権威の評論家たちに認められた” 新進気鋭の名店「らぁ麺や 嶋」監修による一杯で、2022年2月14日に発売された「麺や金時監修 塩わんたん麺」に続くThe淡麗シリーズの第2弾。
らぁ麺や 嶋(しま)とは、東京都渋谷区本町(西新宿五丁目)に構える都内きっての実力店で、2020年(令和2年)6月10日にオープン。その約4ヶ月後、2020年10月22日に講談社が発行した『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』の “TRY新人大賞・総合部門第1位” に選出されるや否や、食べログ評価でも全国1位に君臨し、その名を全国に轟かせました。
「らぁ麺や 嶋」を切り盛りする店主の盛島博志氏は、ラーメンの鬼と呼ばれた故・佐野実氏が1986年(昭和61年)8月6日に創業した「支那そばや」出身の経歴を持ち、ラー博卒業前の「支那そばや 新横浜ラーメン博物館」で修行を始めたのが37歳の頃。週2〜3日のアルバイト(ホールスタッフ)に始まり、掛け持ちで東京都中野区(東中野)の名店「かしわぎ」でも研鑽を重ね、現在の礎を築きます。
「らぁ麺や 嶋」という屋号は、佐野実氏の妻であり、現「支那そばや」の代表・佐野しおりさんと盛島店主が2人で考えた名前で、お店っぽく盛島の “島” を「嶋」の字に変換。味の面においても「支那そばや」の影響を強く受け、素材の持つ魅力を最大限に引き出す “支那そばやイズム” を継承しているのですが、盛島店主は二郎インスパイア系のラーメンにも精通している人物。
「らぁ麺や 嶋」の開業前、2019年(平成31年)2月5日にオープンした「煮干しそば 虎空」グループ5店舗目の店長を務めていた時期があり、日・月・火・水は二郎インスパイア系の「トランキーロ!」として、木・金・土は「煮干しそば 虎愼 離レ」として営業する二毛作を行っていましたが、虎空の閉店と同時に店主を引き継ぎつつ、居抜きで「らぁ麺や 嶋」を独立開業した珍しい経歴の持ち主。
「トランキーロ!」や「煮干しそば 虎愼 離レ」時代の看板商品とは一線を画す現在の「醤油らぁ麺」は、2種の銘柄鶏(岡山の山水地鶏、山梨の信玄鶏)の丸鶏を軸に、モミジ(鶏の足)や豚の背ガラ、ゲンコツ(豚の大腿骨)のほか、本枯れ節、ごまサバ節、白エビ、ドライトマトなど、多彩な素材をバランスよく纏め上げた “淡麗系” の一杯で、意識高い系の最高峰とも噂される至高の逸品。
——と、かなりハードルを上げましたが、2022年2月発売のシリーズ第1弾「明星 The淡麗 麺や金時監修 塩わんたん麺」が素晴らしい出来栄えだったので、自ずと期待が高まるのも必然的な話。はたして都内を代表する淡麗系ラーメンの臨場感が楽しめるのか、明星食品の手腕が問われるところ。
関連ページ:The淡麗シリーズ第1弾【麺や金時】監修「塩わんたん麺」が本気だった件 明星食品 “淡麗系” でトレンドの逆張り狙う
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「粉末スープ」と「液体スープ」の計3袋。明星食品のニュースリリースには “お店の品質に近づけた醤油の旨みをしっかり効かせたスープです” とあり、続けて “別添パックの「重ね出汁醤油スープ」は強い醤油感と複数の出汁の旨みの合わせ技で、複雑で強い旨みの満足感のある醤油味” と、スープの魅力をアピールしています。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、そこまで太いわけではないのですが、湯戻し時間は長めの熱湯5分。明星食品のカップ麺に使われるノンフライ麺は、容器が大判どんぶり型だとスーパーノンフライ製法を基本とし、縦型だとスチームノンフライ製法となっているため、今回の麺は「スーパーノンフライ製法」とみて間違いないでしょう。
メーカー希望小売価格は260円(税別)と高めの設定で、The淡麗シリーズ第1弾の「麺や金時監修 塩わんたん麺」と同じ値段。スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなど、販売店を限定しないNB(ナショナルブランド)商品ですが、コンビニで購入した場合の税込価格は280円が相場になるため、それも踏まえながらレビューを続けます。
※2022年4月15日現在、コンビニ大手4社の中では「ローソン」と「ミニストップ」での取り扱いを確認済みで、セブンイレブンでは4月19日(火)以降順次発売となっています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 The淡麗 らぁ麺や嶋監修 醤油らぁ麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:102g(めん65g) 商品コード:4902881453233(JAN) |
発売日:2022年04月11日(月) 実食日:2022年04月15日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:280円(税込) 希望小売価格:260円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、乳たん白)、スープ(しょうゆ、豚脂、鶏・豚エキス、たん白加水分解物、食塩、糖類、魚醤、チキンオイル、アサリエキス、香辛料、香味油、かつおエキス、昆布エキス、さばぶしエキス、醸造酢、ローストオニオン粉末、植物油脂、香味調味料)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、かんすい、酒精、炭酸カルシウム、増粘多糖類、香料、卵殻カルシウム、炭酸マグネシウム、乳化剤、カロチノイド色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・いか・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、チャーシュー、メンマ、ネギとシンプルなラインナップ。実際の「醤油らぁ麺」にトッピングされる具材も “特製にしなければシンプル” なので、あながち的外れな構成ではないのですが、大振りのノンフライワンタンが6個も入っていた「麺や金時監修 塩わんたん麺」と比較すると、やや寂しさが否めません。
「粉末スープ」と「液体スープ」は食べる直前に加える後入れ仕様なので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で液体スープの小袋を温めながら待つこと5分。添付調味料を加える前は小麦の香りが芳醇に漂い、スープを完成させると濃密な香りが‥‥なんですけど、ちょっと人工的な部分も気になりますね。
ちなみに今回の容器は食塩相当量の摂取を調整できる「しおケアカップ」を採用しており、カップ内側下線までスープを残した際の摂取する食塩相当量は5.3gとなっているため、塩分が気になる方は内側の下線を目安にしてください。それでは、引き続き値段との兼ね合いにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:359kcal たん白質:10.6g 脂 質:9.8g 炭水化物:57.0g 食塩相当量:7.9g (めん・かやく:2.2g) (スープ:5.7g) ビタミンB1:1.50mg ビタミンB2:0.19mg カルシウム:146mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:359kcal(めん・かやく:283kcal)(スープ:76kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度は低いけど高品質
店内の麺箱には「らぁ麺や 嶋」と書いてありますが、自家製麺ではなく「支那そばや」謹製の中細ストレート麺で、店主こだわりの茹で加減から硬めオーダーは御断り。あえて茹で時間を長めに取ることで表面をシルキーに仕上げ、スープとの親和性を高めるだけでなく、厳選小麦から滲み出る芳醇な香りや甘み、自然な粘りを引き出します。
それを再現している今回のノンフライ麺は密度が高く、内部の気泡が小さいイメージで、熱湯5分きっちり守っても硬めの食感。あえて柔らかめに-・という「らぁ麺や 嶋」の “こだわり” とは対極の位置にあるというか、イメージとしては硬めにオーダーしたようなコシの強い質感で、緩やかな縮れも店舗も麺から遠退くポイント。
明星食品は麺の内部に発生する気泡を自在にコントロールする技術を保有しているため、もうすこしコシを落とすとか、麺のサイズを細めにして調整するとか、そういう工夫があってもよかったかなと。しかし、多加水麺のベクトルにある小麦感は芳醇で、スープの持ち上げも悪くない、基礎クオリティの高いノンフライ麺であることは間違いありません。
スープ
淡麗のイメージに反して重厚なテイスト
まずは「粉末スープ」の味を確認してみたところ、いかにもカップラーメンらしい旨み成分が舌に残るテイストで、なるほど香りで気になった人工的な部分はコレかと。粉末スープの中に魚粉も含まれているのですが、それ以上にピリピリとした化学調味料に由来する刺激と雑味が気になります。しかし、液体スープを加えると‥‥
粉末スープで感じた雑味は「液体スープ」を投入した後も残りますが、同時に濃口醤油のキレも強く、鰹エキスや鯖節エキスによる多重奏な魚介の旨みも印象的。またカップ麺のオリジナルかアサリエキスも併用しているため、節系の芳ばしさとは違う二枚貝の滋味が舌の脇に浸透し、日本三大魚醤に数えられる能登の “いしる” をイメージした魚醤のアクセントが醤油感に深みを持たせています。
ただ、濃いめの醤油と魚介が強く主張してくる一方で、パッケージにもデザインされている鶏については目立ちません。白エビやドライトマトの隠し味も意識されておらず、それらの個性に期待していた場合、物足りなさを感じてしまうかもしれません。
具材
もうちょっと頑張ってほしかった
メインの丸いチャーシューは、適度に脂身を入れた成型肉で、加工肉特有の雑味が目立つタイプ。明星食品は脂身たっぷりのジューシーな肉具材も保有しているのですが、値段のわりにランクは低め。小ぶりのメンマも風味が弱く、歯触りだけは強靭で、このラインナップならフリーズドライのネギだけでも後入れできるように分けてほしかったところ。
実際の「醤油らぁ麺」には備長炭を入れた七輪で都度炙られるチャーシューがトッピングされており、それがスープに及ぼす影響も強いので、そういった個性がオイルなどで表現されていると面白かったんですけど、ひとまず具材については可もなく不可もなしの内容でした。
総評
世間一般的に抱かれている淡麗系のイメージとは裏腹に、濃口醤油のキレと節系の芳ばしい旨みをガツンと効かせた重心の低いテイストなので、淡麗系だから物足りないんでしょ? みたいな頼りない味ではありません。しかし、メーカー希望小売価格が260円(税別)のカップラーメンなので、もっと雑味を削ぎ落とすとか、動物系の要素にも力を入れるとか、もうすこし踏み込んでほしかったのも事実。
第1弾のインパクトが凄まじかっただけに、ちょっと厳しく見てしまったかもしれません。ただ、おそらくコンビニ以外の店舗では税込230円台が相場になってくるハズなので、その価格帯であれば評価も変わってきます。醤油感の強い節系のラーメンが好みであれば、おおむねストライクゾーンに入ると思うので、今回の総評に惑わされないでください【author・taka :a(大石敬之)】