どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年9月26日(月)リニューアル新発売、サンヨー食品のカップ麺「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯(二代目)」の実食レビューです。
こってり一筋、50年——。京都の老舗「天下一品」監修によるカップラーメンが “よりハイグレードな高付加価値” を目指して「史上最高のこってり」に突入!! はたして再現度は上がっているのか‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
天下一品 京都濃厚鶏白湯(二代目)
天下一品(てんかいっぴん)とは、京都府京都市左京区一乗寺に総本店を構える中華そば専門店で、大量の鶏ガラを使用して作る唯一無二の「こってり」が自慢。遡ること1971年(昭和46年)京都は北白川の銀閣寺(慈照寺)近辺、創業者である木村勉その人が引き始めた1軒の屋台を発祥とし、3年9ヶ月もの試行錯誤を重ね、スープの根底を覆す「こってり」の金字塔を打ち立てました。
今回の新商品「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯(とりぱいたん)」は、創業から半世紀以上の歴史を誇る「天下一品」の代名詞といっても過言ではない「こってり」を再現したカップラーメンで、販売者はサッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品。2021年9月21日発売品*1 のリニューアルにつき、まったくの新開発ではないけれど、初代を凌ぐ “こってり” を実現させたことが伝わってくる自信作。
天下一品の店舗で提供されている「こってり」とは、もはや “飲み物ではない” とまでいわれている、スープの概念を根底から揺るがせた逸品で、主原料となる食材は大量の鶏ガラと11種類の野菜。今でこそベジポタ(ベジタブルポタージュ)系というラーメン用語が存在しているものの、半世紀近く前に確立された「こってり」の原型は、その先駆けといっても過言ではありません。
2022年9月27日現在は228店舗を展開しているため、1日に工場で使用する鶏ガラの量は約16,000kgと凄まじく、11数種類の野菜については “玉ねぎ・長ねぎ・ニンニク・生姜・カブ・人参” の計6種まで解明されているのですが、残りの5種類については社外秘。文字通り「こってり」とした口当たりでありながら、不思議と後味に濁りはない、その絶妙な味わいが多くの心を射止めています。
その「こってり」を超えた「超こってり」という限定メニューが存在し、直近だと総本店を除く店舗で2022年7月1日〜31日の期間中、1日先着5食限定で提供されていたのは、まだ記憶に新しいところ。それも2021年9月発売の初代「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」と同様に、50周年特別企画の一環として実施されていたので、リニューアル後の二代目は「超こってり」をイメージしているのかも?
——と、胸が躍る展開なのですが、ここで思い返しておきたいのがリニューアル前の完成度。ウェーブを抑えた黄色みの強いノンフライ麺に、スープの粘度も限界まで高めていましたが、ずいぶんと荒削りな骨組みで、麺の質感も店舗とは異なるベクトルを歩む仕上がり。かやくの味付豚肉にも情緒のないハムみたいなチャーシューチップを採用するなど、正直あまり再現度が高いとは思えませんでした。
むしろ再現度の高さでいえば、2022年4月25日に発売された日清食品のNB(ナショナルブランド)商品「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯*2」のほうが “よっぽどテンイチの「こってり」に近い” と感じたくらい、後発された日清食品のオリジナル商品に本家が図らずも敗北するカタチになっていたので、それを上書きするほどの「こってり」に期待したいところ。
ちなみに初代「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」には直径165mmの容器を使用していましたが、二代目の容器は直径180mmにサイズアップしているのもポイントで、これについては2022年9月9日に実施された「純連(じゅんれん)」及び「桂花(けいか)」のリニューアルと同様の変更です。
*1 こってり一筋【天下一品】のカップ麺ついに発売!! 創業50周年記念「名店の味 京都濃厚鶏白湯」その再現度は‥‥
*2 日清の “ジェネリック天一” ドロラ王「ドロ、コッテリ、鶏白湯」を食べてみた結果 → 再現度高すぎwww
開封
さて、リニューアル後の「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯(二代目)」に別添されている小袋は、前回発売品には入っていなかった「先入れ粉末スープ」に、先入れの「かやく」と「あと入れ粉末スープ」「あと入れ液体スープ」の計4種。小袋を入れる順番を間違えたらヤバそうなので、しっかりと調理方法を把握しておかなければいけません。
麺の特徴について、サンヨー食品の公式ウェブサイトには “しなやかで弾力のあるめんです。極力ウェーブをつけないめんに仕上げました。” との解説があり、やや細めの形状や黄色みの強い見た目など、リニューアル前から大きく変わった様子はありません。原材料名も完全に一致するため、ここは変更なしの確率が高いです。ただ、メーカー希望小売価格がビックリで‥‥
リニューアル前は260円(税別)となっていましたが、まさかの350円(税別)となっているため、なんと90円の値上げに踏み切ったサンヨー食品。2022年6月1日出荷分からの価格改訂により、即席めん商品の希望小売価格が業界全体で上がっているのですが、それを踏まえても異例の値上げです。しかし、それだけ本格的にパワーアップしているのであれば、結果オーライとなる可能性も0ではありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:138g(めん75g) 商品コード:4901734047414(JAN) |
発売日:2022年09月26日(月) 実食日:2022年09月27日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:375円(税込) 希望小売価格:350円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 φ180×78(mm) 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:4袋(先入れ粉末スープ・あと入れ粉末スープ・あと入れ液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、大豆食物繊維、粉末卵)、スープ(チキン調味料、ポークエキス、しょうゆ、鶏脂、食塩、糖類、豚脂、調製ラード、ガーリックペースト、チキンエキス、油脂加工品、たん白加水分解物、香辛料、大豆加工品、米粉、ポテトパウダー、鶏レバーパウダー、調味油脂、酵母エキス、ゼラチン、植物油脂)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、カラメル色素、乳化剤、クチナシ色素、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、カカオ色素、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」と「先入れ粉末スープ」のみ先入れで、これが油揚げ麺だと不安も少ないのですが、ノンフライ麺を搭載した製品は添付調味料を後入れとするパターンが主流。その理由は “麺が適切に戻らなくなるから” というのが定番なんですけど、先入れ粉末スープの小袋(赤)には「お湯を注ぐ前」とあるため、その指示に従います。
また熱湯を注ぐ際は「先入れ粉末スープ」を溶かしながら‥‥というのもポイントで、待っている間に「あと入れ液体スープ」の小袋をフタの上で温めながら待ち、4分経ったら “添付調味料を入れる前にノンフライ麺をほぐしながら先入れ粉末スープを溶かす” のも大切な工程。それから「あと入れ粉末スープ」と「あと入れ液体スープ」を入れて、しっかりと混ぜ合わせたら出来上がり。
ええ、なかなかに大変なんですけど、びっくりするくらいドロッドロになるのでw スープ類は徹底的に溶かしてください。またトッピングの質も明らかに変わっているため、引き続きリニューアル前との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(138g)あたり |
カロリー:503kcal たん白質:12.9g 脂 質:18.9g 炭水化物:70.2g 食塩相当量:8.5g (めん・かやく:3.2g) (スープ:5.3g) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:503kcal(めん・かやく:334kcal)(スープ:169kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
たぶんリニューアル前と同じだけど結果的に一体感が増した
おそらくリニューアル前と同じノンフライ麺で、熱湯4分きっちり待った後、フタを剥がしてから「先入れ粉末スープ」を溶かすのに1分ほど費やし、続けて「あと入れ粉末スープ」と「あと入れ液体スープ」を加えてからダマが気にならなくなるまで混ぜること1分以上‥‥ええ、さすがに手指と腕と気持ちが怠くなること請け合いですw
つまり、熱湯を注いでから麺を食べるまで、およそ7分半の時間を要したのですが、ちょうど食べ頃。タックフーズ(天下一品グループ)が製造している店舗の麺と比較して、引き続き異なるベクトルを歩んではいるものの、しっとりとした口当たりが心地よく、程よいコシの加減が功を奏し、またノンフライ麺だからこそスープのインパクトを雑味なく、ダイレクトに伝えてくれるのは大きなメリット。
通常のスープよりも保温性に優れている、超高粘度スープの中に閉じ込められている状態なので、もちろん後半にかけて柔らかくなってくるのですが、時間が経って伸びたというよりも、どんどんスープとの一体感が増してくるイメージ。それでいて最初に感じたコシは食べ終わる頃まで適度に保っている、これはこれと割り切れば悪くありませんでした。
スープ
リニューアル前よりも圧倒的に好印象
念のため「先入れ粉末スープ」単体の味を確認してみたところ、まったくの無味ではなかったのですが、とろみ成分が大半を占めるような内容で、混ぜたら混ぜるだけ粘度がアップするような、どこで混ぜ終えたらいいのかタイミングが掴めないタイプw ただ、ここで混ぜの作業を怠ると後述のボテッと感が出せないと思うので、最短でも1分は混ぜ続けるのがベストかもしれません。
次に「あと入れ粉末スープ」を加えると一瞬にしてダマになるので、ちょっと萎えるというか戦意喪失気味になるかとは思いますけどw こちらが鶏の骨っぽさと白湯系の旨みを出すための重要なアイテム。リニューアル前と同様にポテトパウダー(粉末ポテト)を使い、ベジポタらしさを表現している工夫も然る事乍ら、注目すべきは “鶏レバーパウダー” の程よい癖。
加熱したレバーが苦手な方でも大丈夫なくらい、めちゃくちゃ強烈な風味ではないものの、これが骨髄の旨味を彷彿とさせるため、鶏の濃度を底上げすることに大きく寄与しています。
最後に加える「あと入れ液体スープ」もリニューアル前の液体スープと別物で、引き続きポークエキスや豚脂、調整ラードなど、豚に由来する成分を併用しているのですが、体感的には鶏白湯。そのコクも値段の分だけ深くなり、鶏脂の芳ばしさも臨場感を増しています。本物の「こってり」に匹敵するとはいえないけれど、それっぽい雰囲気は無きにしも非ずですし、塩っぱさが控えめになったのもポイント。
とろみの加減は実際の「こってり」もとい「超こってり」をイメージさせるほど、かなりドロッドロというかボッテボテで、まさに食べるスープといっても過言ではない状態。数ある即席カップ麺と比較しても異例なレベルに到達しているため、よくぞここまで振り切ったなとw
味についても質感についても本物の「こってり」から大幅にデフォルメされてはいるものの、天下一品監修だからこそ許されたような、非常識にも程がある粘度の高さには一点突破型のインパクトがあり、麺を啜るだけでスープが極端に減っていく過程も然る事乍ら、ふと途中で深呼吸したときに感じる余韻など、リニューアル前よりも明らかに臨場感が増していました。
具材
かやくの質も向上した
熱風乾燥の青ネギはリニューアル前と共通かと思いますが、あの頼りなくてスカスカ食感の味付豚肉はサシ入りのチャーシューに変わり、端材メンマも香りが強い長めのメンマに変わるなど、たしかな進化を感じるラインナップ。もちろん本物の「こってり」には敵いませんが、実際のトッピングもチャーシュー、九条ネギ、メンマとシンプルなので、あながち的外れな構成ではありません。
さすがに上記の内容では物足りないと感じた方は、こってりねばり系新感覚ラーメンで話題沸騰中の「納豆ラーメン」よろしく納豆をトッピングすると新しい発見があるかも?
総評
リニューアル前と同様に、天下一品の熱狂的なファンからすれば、引き続き物足りない仕上がりだと思います。また一つの即席カップめんとして評価しても、350円(税別)というメーカー希望小売価格はコストパフォーマンスに優れた設定とはいえません。ただ、ボッテボテの高粘度スープは記憶に残ること間違いなし。あいかわらずデフォルメされていますけど、確実なレベルアップを実感しました。
さらに赤ん粉(あかんこな)をイメージしたスパイスの別添があれば‥‥と、それは扨措き発売日から察するに、毎年恒例となっている10月1日(天一の日)に合わせてのリリースなので、これを機会に本物とカップラーメンを食べ比べてみるのも一興です【author・taka :a(大石敬之)】