どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年11月19日(月)新発売のカップ麺、イオン×東洋水産「マルちゃん 魂の一杯 芳醇旨味醤油ラーメン」の実食レビューです。
発売日前の11月18日(日)夜、行き付けのイオンで宵積みの新作カップ麺がないか男性の店員さんに尋ねてみたところ、彼が倉庫から持ち出してきたのは「魂の一杯」と題した東洋水産(マルちゃん)のカップラーメンでした‥しかも高いw
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん 魂の一杯 芳醇旨味醤油ラーメン
実は、イオンの「BLACK FRIDAY」(ブラックフライデーセール)のために開発された特別なカップ麺で、販売者はマルちゃんこと東洋水産。その詳細を知るために東洋水産(営業)の方から話を伺いましたので、頂いた情報も踏まえながら、まずは実食の前に取扱店や開発コンセプトを解説します。
まず販売ルートですが、「イオンリテール」(イオン・イオンスタイル)限定なので、ミニストップやマックスバリュ、ダイエーなどのグループ企業では取り扱いがありません。メーカー希望小売価格はオープンプライスなんですけど、いわゆる廉価版(安売り用)の製品ではなく、私の購入価格は “税込375円” という驚きのハイプライスでした。
前述したように発売日は11月19日(月)からで、販売個数は数量限定。開発コンセプトは2018年11月23日~2018年11月25日の3日間、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」で開催されるイオンの「BLACK FRIDAY」(ブラックフライデーセール)用に、なにか特別なカップラーメンを作ってもらえないか‥というイオンサイドから東洋水産に依頼があったそうです。
2018年11月16日(金)の朝9時からスタートしていたYahoo! JAPAN PR企画「プレモノ」の「無料お試しクーポン」または「値引きクーポン(50円引き)」の対象商品にもなっていたのですが、その2日後にあたる18日(日)には合計53,000点、規定数到達にてクーポンの配布は終了していました。
私は税込375円で購入したと書きましたが、スープには「マルちゃん 匠 芳醇 旨味醤油」や東洋水産こだわりのカップ麺・袋麺にも使われることの多いヒゲタ醤油超特選「本膳」を使用。パッケージには「だしの旨みに芳醇な醤油の香り広がるコク深い和風醤油ラーメン」と製品の特徴がアピールされています。
しかも、レトルト調理品のチャーシューにフリーズドライの具材を合わせている、ちょっと東洋水産のカップ麺としても近年に類を見ない徹底的な高級路線です(特に値段w)。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
別添の小袋は「液体スープ」「かやく」「レトルト調理品」の合計3袋になるのですが、肌寒い季節ということもあって味付豚肉由来の豚脂が白く固まっています。今回の待ち時間は熱湯5分‥とてもじゃないけどフタの上にのせて5分じゃ厳しいと思うので、事前にマグカップ、どんぶり等に熱湯を注ぎ、レトルト調理品を “開封せずに” 袋のまま浸けて温めておきましょう。
主な販売ルートがコンビニだと難しいことになるのですが、おそらく今回のカップ麺は家庭で召し上がる方が多いと思うので、ちょっと手間をかけてみてください。スープの温度低下も防げますし、開封時はスムーズに中身が出てきます。(※でも温めすぎには注意!お湯に浸けて2分くらい温めたら後はフタの上で充分です)
先ほどオープン価格と書きましたが、およそ定価は398円に設定されているようなので、もちろん油で揚げていないノンフライ麺が使用されています。よく見ると小さな黒い粒がチラホラあったりするのですが、特に全粒粉入りであることはアピールされていません。
最近の東洋水産が製造している高価格帯の麺は「マルちゃん正麺 カップ」や「ラーメン横綱」のカップラーメンにも採用されている “生麺ゆでてうまいまま製法” が多かったんですけど、最近あまり見かけなかった正麺カップ誕生以前のノンフライ麺に似ていますね。
ちなみに製造所は愛知県知多郡武豊町字川脇にある「ユタカフーズ株式会社」となっているのですが、ユタカフーズは東洋水産のグループ会社です。
製品情報・購入価格
製品名:マルちゃん 魂の一杯 芳醇旨味醤油ラーメン 販売者:東洋水産 製造所:ユタカフーズ 内容量:138g(めん70g) 発売日:2018年11月19日(月) JANコード:4901990362023 希望小売価格:オープン価格 発売地域:全国(イオンリテール限定) |
麺の種類:ノンフライ麺 容器材質:プラ(PS) 必要湯量:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・レトルト調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 めん(小麦粉(国内製造)、食塩、食物繊維、卵粉)、かやく(味付豚肉、キャベツ、味付メンマ、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん、でん粉)、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、豚脂、魚介エキス、植物油、野菜エキス、香味油脂、香辛料、こんぶエキス、食塩)/ 加工でん粉、トレハロース、調味料(アミノ酸等)、レシチン、酒精、カラメル色素、かんすい、炭酸カルシウム、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、増粘多糖類、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
実食開始
お湯を注ぐ前に開封するのは「かやく」のみで、東洋水産が得意とするフリーズドライ(FD)野菜ブロックが入っています。しかし、パッケージに写っているメンマは見当たりません。豚脂が白く凝固していて分かりにくいのですが、どうやらメンマはレトルト調理品の中に入っているようですね。
とりあえず熱湯を注ぐ際は、このFDブロックめがけて注ぎましょう。それから5分、待っている間に「液体スープ」をフタの上で温め、食べる直前に投入するのですが、事前にレトルト調理品と一緒に温めてからフタの上で再度温めると効率がいいです。
さて、完成。FD野菜ブロックが膨れて広がるのと、レトルト調理品のボリュームが相俟って、さすがに壮観な眺めですね。先ほど液体スープとレトルト調理品は事前に温めたほうがよいと書きましたが、沸騰している鍋の中に放り込むと容器が変形する恐れがあるため、くれぐれも “ぐつぐつ煮たりしないように” 注意してください。それでは、実際に食べてみましょう。
1食(138g)当たり
カロリー:430kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) エネルギー:430kcal(めん・かやく:357kcal)(スープ:78kcal) |
めん
一見すると “熱湯5分で大丈夫?! ” と不安になるような細さなんですけど、実際は中細〜中くらいでコシが強く、しっかり5分待っていただいて大丈夫。丸刃でカットされた断面の丸い縮れ麺になるのですが、口当たりがよく、最も印象的だったのはリアルな小麦の香り‥それこそ生麺風の臨場感が得られました。しかし、食べ始めはモチモチとした粘り気と弾力のある強めの歯応えが楽しめたのですが、残念ながら湯伸びするスピードは速めです。
後述するスープが優しかったので、柔らかめの食感でもバランスとしては頭ごなしに悪いわけではなく、むしろ一体感が高くなるメリットが見えたものの、やはり食べ応えとしては劣ってしまいます。それに、どうしても「マルちゃん正麺」のノンフライ麺と比較してしまいました。
特許製法の “生麺ゆでてうまいまま製法” を駆使しつつ、スープや具材を充実させながらもメーカー希望小売価格は税別205円とは思えないクオリティを打ち出している正麺カップなのですが、それを差し引いても税込375円のカップ麺として、今回のノンフライ麺は可も無く不可も無し。けっして出来の悪い麺というわけではないのですが、もし薄く見える粒が全粒粉だったとしても体感的には気にならず、200円前後のカップ麺であれば及第点ちょい上といったところでしょうか。
スープ
あっさりとした醤油スープで、動物系の旨味は鶏ガラと豚骨清湯。そこに豚脂で軽めに厚みを持たせ、ほんのり魚介エキスを合わせているのですが、煮干しや鰹がガツンと効いた魚介系ラーメンではありません。あくまでも魚介はスープの層を軽く重ねているような、とにかく全体的にシンプルで優しいスープです。
FD野菜ブロックの風味やレトルト調理品の味付けや塩気が加わってくるので、わざとスープは全体のバランスに配慮して雑味を加えず、シンプルに個性を控えたのかもしれません。しかし、後述する具材に特化したためにスープはシンプルにせざるを得なかった‥と、そのようにも思えます。ヒゲタ醤油超特選「本膳」を使用とのことで、たしかに醤油の香りには淀みが少ないものの、くっきり主張してくるほどキレのある鮮烈な存在ではありません。
こってり感もなく、それについてはイオンリテールの幅広い客層や主婦の方でも食べやすい利点とも言える反面、税込375円のスープとしては記憶に残らない味でした。しかし、ひとつ珍しかったのは、人工甘味料はもちろん原材料に “糖類や砂糖も使用していなかった” こと。見方を変えると雑味がなく、スープから感じるのは野菜具材の自然な甘味が主だったので、これについては印象がよかったです。
かやく
かやく(具材)は実に充実していて、レトルト調理品の味付豚肉(焼豚)と味付メンマ、フリーズドライのキャベツ、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじんとボリューム満点。原材料名には「でん粉」の記載もあるのですが、各野菜をボイル後、でん粉またはゼラチンを混合して成形し、それから凍結乾燥(フリーズドライ)加工して梱包、というのが基本的なFDブロック製造の流れになるので、そのためでしょう。
水分除去方法から通常の乾燥具材と異なっているのですが、凍結乾燥は氷のまま融解することなく昇華除去されるため、形状や組織の変化が少なく、それぞれの野菜は可能な限り本来のみずみずしさを保っています。たとえばキャベツの歯応えについては通常乾燥の具材に劣るのですが、歯触りについてはナチュラルで、煮込んだタイプでありながら自然な繊維質を残します。
たまねぎ、ねぎ、にんじんは、それぞれ大幅に目立っているわけではなかったものの、ふとした拍子に感じる玉ねぎの優しい甘味が心地よく、小松菜もカップ麺の具材としては個性的ですよね。味や食感としては青梗菜ほど分かりやすく強い主張は見せてこないのですが、ほんのりと甘く、小松菜の旬は12月から2月なので、これからの季節的にもピッタリでした。(※収穫時期は不明なので、あくまでもイメージ的に)
味付豚肉の側面にはパッケージと同じように焼き目が見られ、サイズは厚み1cm強と分厚く、事前に温めてから投入すると箸で形を崩さずに持ちあげるのが困難なくらい、ホロッ‥と解ける柔らかい食感。イメージ的には角煮を炙ったようなタイプで、しかしながら味付けはそれほど甘くありません。むしろ、けっこう塩気が強めに効いています。
サイズ的にも存在感は絶大なのですが、熱々の状態じゃないとパサついた食感が気になること、また常温保存を可能とするために加圧加熱殺菌が施されているため、どうしても風味は缶詰っぽさが否めません。レトルトメンマは「激めんワンタンメン」にも採用されていますが、今回は焼豚の味付けが移っているので、メンマも塩気は強めです。数は分厚いのが2つ、小さいものが1つ。厚みがあって歯応えバッチリなことに加えて濃い味なので、しょっぱいメンマが苦手な方は野菜と一緒に食べましょう。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3)
(標準は★3です)
味のバランスは整っていたし、おいしいかマズイかでいえば素直に美味しかったです。オープン価格なので、店頭表示価格は各店舗によって違いが生じるかもしれませんし、無料引換券を所持されている方にとっては大満足の逸品になるでしょう。ただ、これで税込375円は高すぎるかな‥というのが正直な感想ですね。
とりあえず具材特化型ですが、野菜のボリュームについては「マルちゃん正麺 カップ 野菜ちゃんぽん」でも楽しめますし、「魂の一杯 芳醇旨味醤油」ならではの個性としては、分厚い(でも缶詰っぽい味の)チャーシュー以外に見られず、コスパ的にイマイチと言わざるを得ませんでした。でも、これはイオンのブラックフライデーセールのために開発された催事用の特別なカップ麺‥‥セール開催中(2018年11月23日〜25日の3日間)は値段が大幅に変わる確率が高く、なんと税込398円が258円!とか、まさかの半額!くらいの値引率になってくると話は別。
2018年11月19日(月)現在、税込375円という取得価格を加味して及第点以下と評価していますが、セール当日ないし事前にセール中の販売価格が分かり次第、評価を改める(加点する)可能性があります。変更の際は理由と修正日時を明記しますので、ご理解ください(2019年3月31日10:24追記:不良在庫を捌くような売り方でしたが、イオンリテールにて販売価格が税込198円だったのを確認したので、税込200円以内であれば買って損のない一杯だと思います)。