どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月7日(月)新発売のカップ麺、エースコック「池袋大勝軒 特製ワンタンみそラーメン 大盛り」の実食レビューです。
エースコック×大勝軒のカップ麺・第32弾は「池袋大勝軒」の秋冬限定メニュー「みそラーメン」を再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
池袋大勝軒 特製ワンタンみそラーメン
「池袋大勝軒(いけぶくろたいしょうけん)」とは、つけ麺の元祖「もりそば」の考案者であり、 “ラーメンの神様” と謳われた故・山岸一雄氏[1934年(昭和9年)4月28日 – 2015年(平成27年)4月1日]が1961年(昭和36年)6月6日に開業したラーメン店で、その当時から今もなお多くの方に影響を与え続けています。
もともとは1951年(昭和26年)12月30日、山岸一雄氏の兄貴分である坂口正安氏が旧中野区橋場町(現在の東京都中野区中央5丁目バス停前)に開業した「大勝軒」(現「中野大勝軒」)が前身で、屋号の由来は “大きく軒並みに勝る” という言葉に因んだもの。その初代大勝軒が生まれる前、坂口氏と山岸氏は「丸長 中華そば店」という店で共に働いていました。
2人は「丸長 中華そば店」から独立開業するかたちで「大勝軒」を立ち上げ、1954年(昭和29年)には代々木上原にも「大勝軒」をオープン。その代々木上原を坂口氏が務める本店とし、山岸氏が中野店の店長を任され、その中野大勝軒から暖簾分けで独立開業することになった「東池袋大勝軒」創業当時に提供されていた幻のメニュー「みそそば」を再現したのが今回のカップ麺。
たとえば「大勝軒 みそ」で検索すると、「東池袋大勝軒 南池袋店」の「冬だけ限定みそラーメン」や「もり味噌(つけめん)」がヒットするのですが、他にも「東池袋大勝軒 ROZEO(ロゼオ)/ 秋田 森商店 / 埼玉 弁天店」「郡山大勝軒(福島)」「青森大勝軒」「大勝軒next 上野店」などなど、東池袋大勝軒の直営店や寒い地域に店舗を構える大勝軒がヒット。
それぞれ「味噌ラーメン」又は「中華そば(みそ)」という商品名で提供しており、今回のカップラーメン及びエースコックのニュースリリース(PDF)にも「みそラーメン」と記載してあるのですが、「特製ワンタンみそラーメン 大盛り」は “池袋大勝軒(旧本店)昭和36年の創業当時に提供されていた「みそそば」のレシピに基づいて再現した商品” とのこと。
エースコックと大勝軒の関係は深く、その歴史は2003年(平成15年)に発売された初のカップラーメン「こころの一杯 池袋大勝軒 中華そば」から始まり、今回の「特製ワンタンみそラーメン 大盛り」でカップ麺は第32弾。即席袋麺もカウントすると36作目になる大勝軒監修商品で、そのうち「みそラーメン」は過去4回発売されているのですが、ワンタン入りは今回が初めて。
2013年(平成25年)9月9日発売の「池袋大勝軒 みそラーメン 大盛り」がエースコック×大勝軒の初代みそラーメンで、動物系と魚介系の旨みを合わせた伝統のWスープをベースとし、中でも白味噌の効かせ方にこだわった、まろやかで濃厚な味わいが特徴の新商品として発売。それは生前の山岸一雄氏が自ら監修した商品で、今回と同じ大盛バケツ型のカップラーメンでした。
その次に出た味噌は、2015年1月19日発売の「タテロング 池袋大勝軒 復刻 特製みそラーメン」で、今度は手軽なタテ型ビッグで登場。同年10月19日にノンフライ麺を採用した大判どんぶり型「池袋大勝軒 復刻 特製みそラーメン 大盛り」を発売、そして2016年10月24日発売の創業55周年記念商品第2弾「池袋大勝軒 55周年記念 継承の味みそラーメン」以来の味噌ラーメンです。
開封
別添の小袋は、「粉末スープ」「液体スープ」「かやく」の3袋。これまで発売されてきたカップ麺は、大勝軒の “量も美味しさのうち” という信念に基づき、どんぶり型・タテ型・バケツ型・一部の特殊なカップ麺(ありがとう池袋大勝軒 つけめん)を含む “すべての商品が大盛り” で、第32弾となる今回の「特製ワンタンみそラーメン」も例外ではなく、大盛バケツ型の容器で再現されました。
日本のラーメン界に多大なる影響を与えた山岸一雄氏の訃報が流れたのは、2015年4月1日(水)。それから早4年と6ヶ月が経過しているため、残念ながら今回のカップ麺は山岸一雄氏本人の監修商品ではありませんが、エースコック曰く歴代みそラーメンと同じように、まろやかで濃厚な甘みのある味噌スープが特徴とのこと。
麺は実店舗の多加水卵中太麺を彷彿とさせる、ほんのり黄色味がかった油揚げ麺で、けっこうサイズは太く、もちろん麺重量は90gの大盛り。メーカー希望小売価格は税別230円、コンビニで購入すると税込価格は245円(税率8%)。コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では、「ローソン」と「ミニストップ」での取り扱いを確認しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:池袋大勝軒 特製ワンタンみそラーメン 大盛り 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:126g(めん90g) 商品コード:4901071231934(JANコード) 商品サイズ:縦140mm×横140mm×高さ105mm 発売日:2019年10月07日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS)+胴巻き紙 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(粉末スープ・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、スープ(みそ、糖類、動物油脂、ポークエキス、ごま、食塩、植物油脂、ポーク調味料、チキン調味料、香辛料、香味調味料、酵母エキス、オニオンペースト、ニボシパウダー、たん白加水分解物、みそ加工品、香味油、魚介エキス)、かやく(ワンタン、キクラゲ、もやし、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘多糖類、酒精、ソルビット、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(カンゾウ)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
「粉末スープ」と「かやく」は先入れ(※液体スープは後入れ)で、メインのワンタンは3個。さらにキクラゲ、もやし、ねぎ、メンマと具材が貧弱になりがちな大盛バケツ型なのに豊富なラインナップ。エースコックは有名店や他企業とのコラボを盛んに行っているのですが、特に「大勝軒」はエースコックにとっても思い入れが強い店なので、その思いが現れているようです。
湯戻し時間は熱湯4分、粉末スープからは香味野菜や胡麻の芳ばしい香りが漂っている現在なんですけど、お湯を注ぐ前に小袋を開封する順番に気を付けてください。先ほどの写真ではワンタンと粉末スープを分けるようにして撮影していますが、調理方法には “ワンタンの上に充分熱湯を注いでください” とあり、粉末スープの小袋には “スープに充分熱湯をかけて——” とのこと。
したがって “かやくを先に開封し、ワンタンの上に粉末スープをあける” のが無難。ゆっくりと粉末スープを溶かしながらワンタンにも同時に熱湯をかけ、待っている間に液体スープの小袋フタの上で温めましょう。それでは、山岸一雄氏がこだわっていた白味噌の効かせ方とワンタンの戻り具合にも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(126g)当たり
カロリー:513kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:513kcal(めん・かやく:411kcal)(スープ:102kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
調理前は縮れが弱かったので、けっこうストレートなのかと思いきや、けっこう強めの縮れ麺に仕上がります。エースコックといえば大盛りカップ麺のパイオニア「スーパーカップ」の印象が強く、昨年まではエッジの効いた “カドメン” をアピールしていましたが、最近では丸刃でカットされた麺が主流となっていて、今回の麺も丸刃でカット。
さらに麺の断面は楕円形の平打ちではなく分厚い丸型で、けっこう箸で持ち上げた時にも重量感あり。そして麺の弾力が驚くほどに凄まじく、これまでエースコックが製造していた大盛バケツ型カップの麺といえばプリッ、とした歯切れの良さが特色となっていたのに対し、何時間こね続けたの!? ってくらい強靭な歯ごたえに驚きました。
かなり反発性のある弾力で、一度や二度では噛み切れず、時間が経っても伸びにくいどころか伸びないw さすがに20分以上経つと歯切れの良さが目立ってきますけど、なお一定の弾力を残す加水率の高い多加水麺。表面は滑らかで摩擦抵抗はゼロに近く、それでいて濃厚なスープとのバランスも整っていて、しっかり食べ応えのある太麺です。
スープ
液体スープの中身は八丁味噌(塩分濃度の高い豆味噌)よろしく濃いめの色だったので、白味噌の存在感が危ぶまれたのですが、なんのこれしきマイルドです。スープの食塩相当量は5.3gと高めの数値で、たしかに実際の味としても後から喉が乾きそうな(というか実際に後から喉が乾いた)ほど濃い味なんですけど、あくまで味噌を中心とした旨味の純度を高めているような状態。
食塩のように舌を刺してくるような塩気ではなく、かなり濃い味なのにマイルドで、ちゃんと白味噌の効果が見られると同時に絶妙なバランスでブレンド。さらに粉末スープの中には胡麻(いりごま・すりごま)が多めに、それも舌触りにザラつきを感じるほど入っていて、その芳ばしいパンチの効いたアクセントも魅力的なポイントの一つ。
魚介系は煮干しを中心に強すぎず、弱すぎない適度な効かせ方。加えてオニオンペーストや生姜、にんにくといった香味野菜が旨味を引き立て、動物系は豚骨と鶏ガラから丁寧に抽出しているような、とても深みのある多層的な味。それでいて複雑な旨味が渾然一体となり、バラついた印象は皆無。濃い味なのに大味じゃない、実によくできたスープだと思います。
具材
具材はエースコックの「ワンタンメンどんぶり」にも入っているワンタン3個、あとは濃厚な味噌ラーメンに嬉しいキクラゲ、もやし、青ねぎ、メンマとバリエーション豊かな構成で、具材が貧弱になりがちなエースコックの大盛バケツ型なのに、まったく寂しくありません。メンマは極小ですが、コリコリとした歯ごたえと特有の風味が濃厚な味噌スープとマッチ。
キクラゲも細切りなんですけど、メンマ以上に歯ごたえが強く、こちらも濃厚な味噌スープの中で箸休めに効果的。もやしも大きいとは言えず、大量に入っているわけではないものの、いずれの具材も今回の味噌スープにはピッタリですし、それぞれ違ったアクションで自己主張してくれるので食べ飽きません。
ただし、あいかわらずワンタンは熱湯を直接かけられた後、せり上がってくる麺により、完全にはスープに浸かり切らないため、どうしても皮の繋ぎ目が硬いまま適切に戻りません。ワンタン3個で食べ応えは大幅にアップしますけど、繋ぎ目は改善の余地ありです(※追加で15分くらいスープの中に浸けておけば8割ほど戻りますが、箸で持ち上げると破れて中身が出てきます)。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
カタめに仕上がる大盛り太麺に濃い目の味噌スープ、さらにワンタン3個という組み合わせから、実際かなり食べ応えのある一杯ではあるものの、けっしてガテン系ではありません。麺・スープ・具材いずれの項目からも力強さを感じるのですが、同時に包容力もあって、エースコックと大勝軒の思想が見事に合致している、とても総合力の高い良品でした。
コンビニで買ったら税込245円、おそらくスーパーでも税込価格200円前後〜200円オーバーかもしれません。しかし、それだけの価値は十二分にあります。一点集中型の突き抜けたインパクトこそないものの、まろやかで濃厚な味噌スープは寒くなってくる秋・冬にも嬉しいテイストなので、旨み濃いめの味噌ラーメンさえ大丈夫なら、ぜひお試しください。