エースコック、本物の “スッポン” を使った「スーパーカップ1.5倍」を新開発。話題性は申し分ないが‥‥

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エースコック

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年7月24日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 スッポンスープ味ラーメン(魚介だし仕立ての醤油味)」の実食レビューです。

みなぎるパワーのスッポン風味ペースト付き!? ブランド誕生35周年を記念して “スッポンパウダー” を配合したカップラーメンを新開発!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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スーパーカップ1.5倍 スッポンスープ味ラーメン

スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、今年で発売35周年を迎えたロングセラーで、大阪府吹田市に本社を置くエースコックの主力商品群。食べ応え抜群の大盛り麺と濃いめの味付けを特徴とする “大型カップめんのパイオニア” として、競合他社の追随を誘発させるなど、この業界に大きな功績を残しました。

発売35周年でスーパーカップ×すっぽん実現

今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 スッポンスープ味ラーメン」は、夏の暑さと体の疲れを吹き飛ばすべく、スタミナ素材の代表格 “スッポン” 特有の風味を活かした一杯で、スッポンパウダーを使用した特製の「スッポン風味ペースト」を新規に開発。パッケージに “35th Anniversary” とあるように、同ブランドの発売35周年を記念した一杯なのですが、ずいぶんとギャップを感じる組み合わせですよね。

スッポン(鼈・龞・鱉 / 英:Chinese softshell turtle / 学名:Pelodiscus sinensis)とは、爬虫綱カメ目スッポン科に属する柔らかい甲羅を持ったカメ(亀)の総称で、食用としての歴史は古く、そのルーツは3,000〜4,000年前の中国まで遡るのですが、スッポンそのものは “2億年ほど前から姿かたちを変えることなく” 地球上に生息し、現在に至るといわれています。

——はい。あらためまして、カップ麺の新商品をレビューするブログ「本日の一杯」です。このブログでは、ブランドの歴史や商品開発の背景だけでなく、たとえば有名店監修のカップ麺であれば、お店に関する情報や沿革など、様々なデータを事前に「知っている」のと「知らない」とでは味の感じ方も変わってくる、といったスタンスから “ちょっと前置きが長い” ので、えっと‥‥お付き合いくださいw

画像は清澄庭園のスッポン

今でこそ高級食材のイメージが強いスッポンですが、江戸時代の中頃は “蕎麦(そば)よろしく屋台に行けば手軽に食べられる” 庶民の食べ物で、現代でいうところファストフード的な扱いでした。しかし、その人気が高まるにつれて消費者が増加。スッポンは成長が遅いため、需要と供給が一致せず、いつしか庶民では手の届かない食べ物になってしまった‥‥というのがスッポン=高級食材たる所以。

そんな希少価値の高さも然る事乍ら、滋養強壮や美容効果など、様々な効能に期待できることでも有名なスッポン。日本で食用にされるのは、昔から生息しているキョクトウスッポン(別名:ニホンスッポン)あるいは中国産のシナスッポンが主流となっており、なかでも前者は老舗の日本料亭から新進気鋭のミシュラン掲載店、さらにはサプリメント業界でも重宝されています。片やカップ麺といえば——

健康に悪い、高級感は皆無、場合によっては底辺の食べ物など、そういった負のイメージを抱いている方も多いでしょう。これが江戸時代の中期であれば、お湯を注ぐだけで手軽に食べられる革命的な食べ物vs.捕獲場所や下処理の仕方によっては食えたもんじゃないスッポンの立場も逆転したのでしょうけれど、そんな因縁のライバル(?)を結び付けてしまったエースコック。

※特製ペースト中にスッポンパウダーを0.2%使用

即席カップめん業界におけるスッポンといえば、2016年(平成28年)4月11日に「カップヌードル リッチ 贅沢だしスッポンスープ味」を ——2019年(令和元年)9月2日には「カップヌードル リッチ スッポンスープ味」を—— 日清食品が発売しているため、エースコックは後発になりますが、スッポンパウダーを使用した「スッポン風味ペースト」のインパクトに期待したいところ。

開封

3つの小袋を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「特製ペースト」の計3種で、特製ペーストの中身がスッポン風味ペースト。コンセプト的に、メニュー(素材)の持つ美味しさの代表要素を “とことん” 高めたシリーズ「MEGA」と被る雰囲気もありますけど、はたして「スーパーカップ1.5倍」のイメージと上手く噛み合っているのかどうか。

これが吉と出るか凶と出るか‥‥

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は4分と中途半端な設定。この時点で力強さを感じる佇まいは「スーパーカップ1.5倍」らしい要素になりますが、同時にエースコックの揚げ油に由来するニオイも強いので、漠然とスッポンの存在感が危ぶまれる展開。

メーカー希望小売価格は271円(税別)なので、定番の「しょうゆラーメン(鶏ガラ醤油)」「とんこつラーメン(濃コクとんこつ)」「みそラーメン(熟成味噌)」各240円(税別)よりも高めの設定ですが、271円(税別)は2023年8月現在の大盛りカップ麺において基準となる値段。コンビニでの税込価格は292.68円になりますけど、スーパーやドラッグストアなども販売店の対象です。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:スーパーカップ1.5倍 スッポンスープ味ラーメン
製造者:エースコック株式会社
製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816−175)
内容量:123g(めん90g)
商品コード:4901071401634(JAN)
発売日:2023年07月24日(月)
実食日:2023年08月05日(土)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
小売価格:271円(税別)
購入価格:235円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:大盛りバケツ型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:500ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:3袋(液体スープ・特製ペースト・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、スープ(しょうゆ、植物油脂、食塩、ポークエキス、砂糖、たん白加水分解物、チキンエキス、魚介エキス、ビーフエキス、ジンジャーパウダー、香味油、酵母エキス、ハクサイエキス、ゼラチン、ジンジャーペースト、コンブエキス、鶏レバーパウダー、スッポンパウダー)、かやく(味付鶏だんご、キャベツ、人参、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

大きめの鶏だんごが嬉しい

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は味付鶏だんご、キャベツ、人参、ネギの計4種。スーパーカップは麺のボリュームと引き換えに具材がショボい、みたいなイメージが強く、実際に具沢山な商品は少ないのですが、スッポン鍋を意識しているのか漠然と鍋っぽいラインナップで、比較的に頼もしい雰囲気。

ペーストけっこうイカついなw

添付調味料は2袋とも後入れなので、かやくを麺の上に空けてから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「特製ペースト」を温めながら待つこと4分。上記の画像では味を確認するため「特製ペースト」を混ぜ込んでいませんが、熱湯4分後に「液体スープ」と「特製ペースト」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。

引き続き揚げ油のニオイが気になるところではあるものの、それと同時に調理後は生姜の主張も強く、スッポンらしさはさておき香りは悪くありません。はたしてスッポン風味ペーストの実力は如何なるものか、ここから先は「めん」「液体スープ・特製ペースト」「かやく」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(123g)あたり
カロリー:467kcal
たん白質:10.2g
脂  質:17.0g
炭水化物:68.4g
食塩相当量:6.4g
(めん・かやく:2.0g)
   (スープ:4.4g)
ビタミンB1:0.40mg
ビタミンB2:0.41mg
カルシウム:280mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:467kcal(めん・かやく:387kcal)(スープ:80kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

スーパーカップ的には悪くない

3.0

形状は丸刃で切り出された平打ちで、表面はキメが細かく、滑らかな口当たり。大盛りカップ麺の元祖である「スーパーカップ」といえば、食べ応え重視しなければいけないコンセプトの問題で、どうしても無骨なイメージが並行するかと思いますが、今回は比較的に上品なタイプです。

そう、スーパーカップ的には悪くない

しかし、するすると啜り上げた後に噛み込んだ途端、それを押し返してくるような反発性の持ち主。表面こそソフトな印象を与えてくるのですが、その下には弾力の強い層が待ち構え、これぞ「スーパーカップ」らしい力強さを実現。それでいて後半は、適度に歯切れがよくなってくるため、大盛りでも最後までダレたり飽きたりすることはありません。

というわけで、有名店監修のカップラーメンにも問題なく使えそうなくらい、基礎クオリティの高い油揚げ麺なのですが、終始主張が止まらない揚げ油の風味が玉に瑕。ガツンとニンニクを、あるいは辛味を効かせたスタミナ系であれば、この風味がプラスに働くことも珍しくないけれど、スッポンの存在感を大幅にマスキングしてくるため、コンセプトを重視すると複雑に感じました。

液体スープ・特製ペースト

鍋ですね

3.0

まずは別添の「特製ペースト」を溶かさずに、土台を支える「液体スープ」だけの状態で味わってみたところ、2種の生姜(ペースト、パウダー)を効かせながらも優しいテイストで、なるほどスッポン鍋のベースを彷彿とさせるフレームワーク。ただ、スッポンの個性を最大限に支える下地というよりも、これ単体で完結しそうなくらい、いろいろ入ってるなー、って。

原材料名を見ても、ポークエキスやチキンエキス、魚介エキス、ビーフエキス、ハクサイエキス、コンブエキスなど、さまざまなエキスが詰め込んであるので、漠然と「鍋」らしい雰囲気は申し分ないのですが、同時にスッポンを主役に据える気はないのかなと。そんなことを考えながら「特製ペースト(スッポン風味ペースト)」の味を確認してみた結果‥‥

お?

うん、なんか “それっぽい” かもしれないw ヘタな店だと懸念される泥臭さや生臭さは皆無に等しく、でもスッポンを彷彿とさせる個性的な旨みも皆無ではない、けっこう独特なペースト。ただ、いつぞやの鶏レバーも併用しているため、それが旨みを複雑にしてくれると同時に情報量が多すぎるというか、そういえばスッポンを食べに来たんだけど何鍋なんだコレ? みたいな。いや、おいしいですよw

いろいろ難しいことを考えずに「おいしい」と「まずい」の二択で聞かれたら、鍋の〆(しめ)っぽくて「おいしい」と答えます。しかし、麺から滲み出てくる揚げ油のニオイが後半にかけて増してくるので、結果的に諸々の要素に気を取られてしまい、スッポンを見失ってしまいました。単純に味は悪くないんですけどね、ぜんぜん。

かやく

鶏だんごウマい

3.0

カップ焼きそばでも定番のキャベツと熱風乾燥の青ネギに新鮮味はないけれど、ニンジンはコリコリとした歯応えが嬉しく、メインの鶏だんごは生姜を効かせた味付けで、前述したスープとの親和性はバッチリ。いつもは具材に不満を感じるブランドですが、今回は比較的にポジティブです。ただ、スッポンらしさはないw

たとえばエンペラ(甲羅周辺のコリコリした部分)をイメージした具材を入れるとか、もうひと工夫あっても‥‥いや、それは望み過ぎですかね。

総評

3.0

とりあえず、スッポンらしさはさておき「鍋」をイメージした「スーパーカップ1.5倍」としては及第点を超える勢いで、満足度の高い仕上がりだったのですが、スッポンを追い掛けると捕まえるのが大変w スッポン風味ペーストを直接舐めてみたときは(けっこうショッパかったけど)それっぽい雰囲気で、面白いなーと思っていたら、全体に馴染ませた途端にスッポンがスーッ‥‥と雲隠れ。

旨みの情報量が多かったので、もうちょっと削ったほうがスッポンを引き立てられたんじゃないのかなと。でも、それはそれで油揚げ麺が野放しになっちゃうし、っていうか揚げ油に由来する風味は結局のところ気になったわけで——などと、評価が難しい一杯でした。でも、繰り返すように “まずいわけではない” ので、話のネタに食べてみる価値はありますよ【author・taka :a(大石敬之)】

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