どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年8月15日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 北海道 コーン塩バター味ラーメン」の実食レビューです。
スーパーカップ夏向けメニュー新商品(ラーメン)初月出荷実績歴代No.1 “あの2大最強メニュー” を現代版にアップデート!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップ1.5倍 北海道 コーン塩バター味ラーメン
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップ麺の牽引役として重要な位置を占めるエースコックのブランドで、同社の2代目経営者を務める村岡寛(むらおか ひろし)現社長が発起人。まだ村岡社長がマーケティング部に所属していた頃、当時の開発担当が「ルート2の法則」で従来品比めん1.5倍が “適量” と弾き出し、大盛りバケツ型の金字塔を打ち立てました。
今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 北海道 コーン塩バター味ラーメン」は、1994年(平成6年)発売の大ヒット作「北海道ラーメン」を復刻させたカップラーメンで、当時の味わいよりも全体的な味付けを濃いめにアップデート。さらに2003年(平成15年)の大ヒット作を復刻させた「塩バター味焼そば」も同時に発売ということで、なかなか気合が入っています。
1994年(平成6年)発売の「スーパーカップ1.5倍 北海道ラーメン」に関する詳しい資料は残っていないため、ネットで検索しても画像すら出てこないのですが、過去にエースコックが発売してきた「スーパーカップ」全商品のうち、夏向けメニューとして開発されたラーメンの中で “初月出荷実績歴代No.1” の売上を叩き出した実力派。
思い返せば2020年5月25日、過去に期間限定スーパーカップの売上NO.1とNo.2を飾ったフレーバーの復刻版「スーパーカップMAX こく搾りラーメン こくだししょうゆ味」及び「同 北海道コーン塩バター味ラーメン」を発売しているため、今回の「コーン塩バター味ラーメン」は企画的にも後者の焼き直しに該当するのですが、調理前の麺重量はMAX(100g)から1.5倍(90g)に減っています。
すでに周知のことかとは思いますが、2022年6月6日に実施されたリニューアル以降、従来の「スーパーカップMAX」3品(しょうゆラーメン、みそラーメン、とんこつラーメン)は「スーパーカップ1.5倍」に回帰しているため、残念ながら麺特盛100gの「スーパーカップMAX」は終売となり、おおむね市場から姿を消しました。
常に原材料の高騰に悩まされている即席カップめん業界、その中でも商品の主原料となる小麦粉の高騰には大きな打撃を受けたようで、各社こぞってメーカー希望小売価格の底上げに踏み切ったのですが、スーパーカップMAXも麺の減量を余儀なくされた様子。とはいえ発売当初の麺重量に戻っただけなので、いうなれば原点回帰。
話を「コーン塩バター味ラーメン」に戻しまして‥‥即席カップめん業界における「コーン塩バター味ラーメン」といえば、東洋水産の「でかまる」が代表的。大盛りバケツ型のパイオニアはエースコックの「スーパーカップ」ですが、東洋水産の「でかまる コーン塩バター味ラーメン」は “1989年(平成元年)7月から販売を続けている” ため、このフレーバーについてはエースコックのほうが後発組。
パッケージには北海道産コーン100%の訴求があるように、具材と北海道についての “こだわり” を見せているのですが、スーパーカップといえば具材に貧弱なイメージが強いため、そのあたりにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「調味油」の計2種で、具材は最初から容器の中に入っている状態。これについては2020年5月発売の「スーパーカップMAX 北海道コーン塩バター味」にも共通する構成なのですが、小袋のデザインと色は変わっています。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。かやくはコーン、ねぎ、人参とシンプルなラインナップで、さすがに「でかまる」ほどの充実感ではないけれど、思っていたよりもコーンの量が多く、それについては素直に好感が抱けるポイント。
メーカー希望小売価格は232円(税別)なので、既存の「スーパーカップ1.5倍」(しょうゆラーメン、みそラーメン、とんこつラーメン、新・豚キムチラーメン、新・野菜タンメン)の222円(税別)よりも高めの値段。しかし、2022年8月現在の大盛りカップ麺におけるメーカー希望小売価格の設定は245円(税別)が基準になっているため、それと比較して低めの設定には企業努力を感じました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップ1.5倍 北海道 コーン塩バター味ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:103g(めん90g) 商品コード:4901071235772(JAN) |
発売日:2022年08月15日(月) 実食日:2022年08月19日(金) 発売地域:全国 希望小売価格:232円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(粉末スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(食塩、香味油、植物油脂、乳化油脂、野菜パウダー、香辛料、砂糖、チキン調味料、乳等を主要原料とする食品、ポークエキス、たん白加水分解物、カレー粉、全卵粉)、かやく(コーン、ねぎ、人参)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、開封すると香辛料の主張が強く、漠然とカレーっぽいような‥‥と、原材料名を確認してみたら “カレー粉” の表示を発見。あくまでも隠し味に使っているようですが、ちょっと意表を突かれたファーストインプレッション。
粉末スープの小袋には “スープをよく溶かしてください” との記載があったので、麺の上に粉末スープを入れた後、ゆっくりと粉末スープを溶かしながら熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で後入れの「調味油」を温めながら待つこと3分。時間になったら調味油を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。
調味油の中にバター風の香りが仕込んであったので、それっぽい雰囲気は醸しているのですが、エースコックのバター系といえば “香りほど味の主張は強くない” というのが定番のパターン。そのイメージを覆すことはできるのか、引き続き「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(103g)あたり |
カロリー:455kcal たん白質:8.9g 脂 質:16.7g 炭水化物:67.3g 食塩相当量:5.2g (めん・かやく:1.4g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.44mg ビタミンB2:0.45mg カルシウム:305mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:455kcal(めん・かやく:405kcal)(スープ:50kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
平成初期のクオリティとは違う
形状は丸刃で切り出された平打ち麺で、縮れは穏やか。エースコック特有の油揚げ麺臭が強いため、ノンフライ麺に見紛うほど上品なタイプとはいえないけれど、縮れのない形状には「スーパーカップ」らしからぬ洗練さを感じます。
すこし表面にザラつきを覚えますが、のどごしに問題はなく、噛めばパツッと弾けるように切れる加水率の低い質感。しょうゆで下味を施していることも功を奏し、スープとの一体感も悪くありません。平成6年代の「スーパーカップ」における油揚げ麺の記憶は曖昧ですが、圧倒的にパワーアップしていることは言うまでもないでしょう。
しかし、前半は手放しでポジティブに思えたのですが、麺を中心に食べ進め、残り1/3程度に差し掛かった頃、油揚げ麺特有のニオイが野暮ったくなってきます。ハイペースに食べ進めたら気にならないと思いますけど、じっくりと味わうのではなく、食欲に任せてイッキに食べ切るのが正解かもしれません。
スープ
カレー粉の存在感よw
まずは「調味油」を入れずに「粉末スープ」だけの状態で味を確かめてみたところ、バターの風味は目立っておらず、それよりも思いのほか味覚に訴えかけてくるカレー粉の自己主張たるやw それはタイトルにカレー味を名乗っていいほど強いわけではないけれど、はっきりとした香味野菜のキレにも負けない存在感だったので、パッケージに “カレー風味” くらいなら書いても問題ないレベル。
ほんと “なんでカレー粉こんなに強いの?” くらいにはカレー風味だったのでw そこにギャップを覚えたのですが、別添の「調味油」を加えると、ほんのりバターのような香りが漂ってきます。ただ、本物のバターは使用していません。
粉末スープだけでは打ち出せない、オイルのコクとバターっぽい香りはプラスされますが、味覚に訴えかけてくるバターの主張は控えめで、それよりも強いのがカレー粉の個性。おそらく意識しちゃったからだとは思いますけど、如何せんバターの味は弱いので、もうすこし頑張ってほしかったです。というのは、エースコックのバター系全般にいえることなんですけどね。
かやく
コーンはイイけどネギは美味しくない
メインの北海道産コーンは甘く、コーン塩バター味ラーメンの「コーン」はバッチリと体現。人参もコリコリとした歯応えで、彩りにも寄与していたのですが、熱風乾燥のネギは‥‥うーん、色と風味が悪いですね。個体差かな? ネギよりもジャガイモを入れてほしかったところではあるものの、そしたら「でかまる」意識しすぎ的なことになるので、とりあえず及第点でしょうか。
総評
麺は明らかに令和の水準にアップデートされていたのですが、商品名に掲げている「コーン塩 “バター味” ラーメン」のわりにバター味は弱いので、そこに期待してはいけません。なるほどスーパーカップらしい食べ応えは得られるものの、同時にスーパーカップ=大味の方程式に漏れない仕上がりというか、よくも悪くも‥‥といったところ。
しかし、評価は及第点としましたが、体感的な塩分濃度の高さだったり、化学的なピリピリとした刺激だったり、スーパーカップらしいと思える部分は踏襲されていたので、そういった意味ではファンの期待を裏切らない一杯といえるかもしれません【author・taka :a(大石敬之)】