どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年3月28日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」の実食レビューです。
和風カップ麺の最高峰ここに誕生!? これまでの「どん兵衛」を超えた衝撃の一杯 “すべてが主役の最強どん兵衛” 登場!! 従来の8分どん兵衛との違いとは——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清の最強どん兵衛 きつねうどん
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、即席カップめん市場の和風どんぶり型うどん・そばカテゴリーにおいて圧倒的な占有率を誇るブランドで、定番の「きつねうどん」が発売されたのは1976年(昭和51年)8月9日の話。現在を遡ること45年以上、業界初となる “どんぶり型” の容器に身を包み、当初から粉末スープを東日本と西日本で使い分けていました。
今回の新商品「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」は、45年以上の歴史を誇る「日清のどん兵衛 きつねうどん」を究極的なまでに突き詰めた一杯で、通常よりも太い “もちもち食感をアップさせた熱湯8分の極太うどん” を搭載。つゆには6種の出汁(だし)を合わせ、ふっくらおあげの厚みも増した、これまでの「どん兵衛」を超える “すべてが主役” の新作です。
もちもち食感をアップさせた熱湯8分の極太うどんといえば、暗黙の了解を打ち破る “8分どん兵衛” で話題になった「日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん 史上最(さい)もっちもち麺」(2020年11月16日発売品)と共通するアピールポイントで、ふっくらおあげのサイズをアップさせていたのも記憶に新しいところ。
それは2021年11月15日に「日清のどん兵衛 きつねうどん 45周年記念プレミアム 史上最極もっちもち麺」というタイトルで復活を果たし、またもやネット上でも話題になっていたので、ご存知の方も多いでしょう。つまり、その第3弾に位置する商品が「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」といっても過言ではないのですが、まったくテコ入れなしの再販ではありません。
なかでも「6種の合わせだし」は従来品になかった特徴で、鰹節、昆布、サバ、煮干し、干し椎茸、あご(飛魚)の6種をブレンド。三大うま味成分として有名なイノシン酸(鰹節、サバ、煮干し、あご)とグルタミン酸(昆布)を軸に、グアニル酸(干し椎茸)を重ねることで、高級老舗料亭も取り入れている “うま味の相乗効果” を意識。
さらに、長野県長野市の老舗「根元 八幡屋礒五郎(やわたやいそごろう)」で特別に調合した “特製ゆず七味唐辛子” 付きということで、これも昨年・一昨年のプレミアムどん兵衛にはなかった要素。 2015年3月2日に関東甲信越限定で発売された「日清のどん兵衛 天ぷらそば 善光寺御開帳記念商品」にも八幡屋礒五郎の七味唐からしを別添していましたが、全国発売のNBどん兵衛では初めての試み。
ちなみに2020年11月発売品及び2021年11月発売品の “8分どん兵衛” には「もち小麦」を原料の一部に(小麦粉に占める割合で30%)使用していたのに対し、今回の「最強どん兵衛」では小麦の品種に関する訴求がなかったので、その旨を日清食品に問い合わせてみた結果、手元の資料に “そういった表示はない” とのこと。
さらに詳しく調べてもらったのですが、やはり今回の油揚げ麺に “もち小麦は使用していない” との回答だったので、話題をさらった従来の8分どん兵衛とは違う極太うどんを使用していることが分かりました。というわけで、通常品との違いはもちろん、もち小麦の有無による麺の変化にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は「七味付き粉末スープ」ということで、通常の「きつねうどん」と同じような構成ですが、粉末スープ側には “最強ブレンド 6種の合わせだし” とあり、使用している素材を強調。七味側にも “八幡屋礒五郎” のロゴマークをデザインし、特別感を演出しています。いまさらですけど、粉末スープと七味の間にある切り取り線の配慮が嬉しいですね。
具材のカマボコは通常品と変わりませんが、ただでさえ大きな油揚げの存在感は増していて、麺のサイズにも違いを感じます。ただ、もち麦を使用していた「限定プレミアムきつねうどん 史上最もっちもち麺」や「45周年記念プレミアム 史上最極もっちもち麺」と比較して明らかにサイズダウンしているのが気になるところ——。
ちなみにメーカー希望小売価格はレギュラーサイズの「どん兵衛」193円(税別)よりも圧倒的に高く、今回の「最強どん兵衛」では248円(税別)ということで、まさかの55円も値上げしています。私が住んでいる地域のローカルスーパーを例に挙げると、通常品の販売価格は148円(税込159円)なのに対し、最強どん兵衛は228円(税込246円)だったので、87円もの差が生じていました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清の最強どん兵衛 きつねうどん 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:93g(めん66g) 商品コード:4902105271506(JAN) |
発売日:2022年03月28日(月) 実食日:2022年03月29日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:246円(税込) 希望小売価格:248円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯8分 小袋構成:1袋(七味付き粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維)、かやく(味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(食塩、糖類、粉末しょうゆ、かつおぶし調味料、魚粉(かつお、さば、あご)、にぼし調味料、七味唐辛子、ねぎ、こんぶ調味料、こんぶ粉末、しいたけ調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(アラビアガム)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、乳化剤、パプリカ色素、クチナシ色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に小麦・乳成分・ごま・さば・大豆・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は切り離した後の「粉末スープ」のみ先入れで、八幡屋礒五郎の特製ゆず七味は食べる直前に加える仕様。通年販売されている「日清のどん兵衛 きつねうどん」の粉末スープは、北海道・東日本・西日本の3地域で配合を変えているのが特徴で、香りは西日本の粉末スープよりも魚粉が強く、やや醤油も強めのファーストインプレッション。
作り方は通常の「きつねうどん」と共通で、粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、5分ではなく8分待った後、食べる直前に八幡屋礒五郎の「特製ゆず七味唐辛子」をトッピングしたら出来上がり。油揚げの存在感は過去最高クラスといっても過言ではなく、ゆず七味の上品な香りにも特別感を覚えるのですが、前述のように最大の問題は販売価格。
ちなみに「限定プレミアムきつねうどん 史上最もっちもち麺」と「45周年記念プレミアム 史上最極もっちもち麺」のメーカー希望小売価格は205円(税別)だったので、それも踏まえながら「めん」「つゆ・特製ゆず七味」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)あたり |
カロリー:410kcal たん白質:9.8g 脂 質:17.2g 炭水化物:53.9g 食塩相当量:6.1g (めん・かやく:2.5g) (スープ:3.6g) ビタミンB1:0.17mg ビタミンB2:0.21mg カルシウム:203mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:410kcal(めん・かやく:389kcal)(スープ:21kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もち麦は不使用だけど高品質
通常品と原材料名を比較してみると、現時点での最終リニューアルから導入された “こんぶエキス” と “糖類” は練り込まれていませんが、それ以外の原材料は同じような様子。ちなみに2020年11月と2021年11月のプレミアム版では “でん粉” を使用していたのに対し、それもカットしているため、そこも従来のプレミアム版とは異なる部分。
サイズも前回の8分どん兵衛ほど極太ではなくなったので、いつもより一回り太めかな? くらいのサイズ感ではあるものの、通常品よりも縮れが弱く、より本物らしい質感に。もち小麦を使用した史上最もっちもち麺(史上最極もっちもち麺)と比較して、やはり見劣りする部分もありますが、クオリティの水準でいえば遜色ありません。
話題になった「10分どん兵衛」はもちろん「16分どん兵衛」にも耐え得る弾力の持ち主ですが、熱湯8分ジャストで食べ始めても致命的な戻りムラはなかったので、もっちりとした粘りの強さを食べ始めから違和感なく楽しめます。ちなみに定番の「きつねうどん」(めん74g)よりも少なめですが、それ以上に食べ応えがあったので、量的な物足りなさは感じませんでした。
つゆ・特製ゆず七味
西日本向けを軸にしながらもハイグレード
東日本か西日本かでいえば西日本向けの「きつねうどん」をベースにした味付けで、それは過去のプレミアム版とも共通する項目になるのですが、出汁の深みが段違い。しょうゆ感は香りから想像していたよりも弱く、けっこう甘みの強い関西風の味付けなので、しょうゆのキレには期待できないテイストになるけれど、濃密な出汁を優しい甘さが包み込み、お互いを引き立て合うようなフレームワーク。
私は物心つく前から “うどんといえば甘い出汁” で育ったので、ある程度その補正も影響していると思いますけど、人工甘味料を駆使しているような鬱陶しい甘さではありません。あくまでも自然に、優しく深みを与えてくれるような甘さで、過保護なまでに出汁を大切にしています。しかし、八幡屋礒五で特別に調合した「特製ゆず七味唐辛子」を忘れてはいけません。
その配合までは公表していませんが、唐辛子と山椒は控えめで、体感的に強いのは柚子と陳皮に由来する柑橘系の清涼感。赤唐辛子を効かせた東の「彩り七味」とも和山椒を効かせた西の「彩り七味」とも完全に別物。けっこう粉末スープの甘さが強い分、柚子の清涼感が華やいでいました。
西日本どん兵衛がベースになっていたので、その延長線上に位置する味わいですが、この味に慣れ親しんでいる私も明らかな違いを感じたのと、西日本の粉末スープに馴染みのない方にも是非、味わってもらいたいと思える作り込みです。
具材
標準どんぶり型では最重量かもしれない
通常の「きつねうどん」に入っている油揚げの重量は調理前の状態で16gなのですが、2020年11月と2021年11月のプレミアム版では18gに増量しており、それに続く今回の「最強どん兵衛」では “20gにアップしていた” ので、気合を感じるポイント。ふっくらとした噛み応えに、じゅわっと滲み出る旨みも凄まじく、得られる満足感は通常の「きつねうどん」を圧倒的に凌駕していました。
ちなみに油揚げの味付けも東西で分かれているのですが、体感的に西日本仕様の味付けだったので、つゆとの親和性が高かったです。
総評
スーパーやドラッグストアなど、販売店を問わない全チャネル商品ですが、コンビニで購入した場合の税込価格は268円(2022年3月現在)が相場。コスパだけでいうと「日清のどん兵衛 特盛きつねうどん」を買ったほうが得なことは明白で、この価格帯なら他に選択肢があるのではないか‥‥という意見もあるかとは思いますけど、パッケージにもある “すべてが主役” は誇張ではありません。
実売価格だけがネックになりますが、より本物に近付いた太うどん、厳選された出汁、圧倒的な食べ応えを実現した油揚げなど、西日本で販売されている「日清のどん兵衛 きつねうどん」を値段の分だけブラッシュアップしたような一杯でした。コスパ重視の方にはオススメできないけれど、話のネタに肩の力を抜いて買った場合、それ以上の感動が待っていると思います【author・taka :a(大石敬之)】