本日の一杯は、2020年10月26日(月)新発売のカップ麺、明星食品「スタミナ満点らーめんすず鬼監修 スタ満ソバ」の実食レビューです。
究極のハイブリッドを確立した禁断の新ジャンル “アリラン×二郎系” 鬼才「すず鬼」が放つ衝撃の看板メニューをカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
鬼才・すず鬼のカップ麺「スタ満ソバ」
元祖スタミナ満点らーめん・すず鬼(き)とは、東京都三鷹市(味の散歩道 / 公団三鷹駅前第2アパートB1)に店を構える「鶏こく中華 すず喜(とりこくちゅうか すずき)」のセカンドブランドで、2019年11月18日に満を持してグランドオープン。
同店を代表する看板メニュー「スタ満ソバ」は、豚の旨みあふれる醤油味のスープを軸に、ごろっとした豚肉とニンニクのパンチを効かせた “新時代のガッツリ系ラーメン” で、それを求める客が連日長蛇の列をつくっています。
鶏こく中華「すず喜」は昼営業(11:00〜15:00)限定なのに対し、スタミナ満点らーめん「すず鬼」は夜営業(18:00〜22:00)限定の二毛作で、2020年10月現在「すず鬼」の営業期間は1年に満たない新事業でありながら、オープンするや否や強烈な個性で話題になり、開業2ヶ月後には「スタ満ソバ」をオマージュした “すず鬼インスパイア” が現れるほど。
史上まれに見る大ブレイクを果たした「スタミナ満点らーめん すず鬼」と「スタ満ソバ」は、その名を破竹の勢いで全国に轟かせ、現在もっとも注目を集める人気行列店の一つにカテゴライズされました。
今回の新商品「明星 スタミナ満点らーめん すず鬼(き)監修 スタ満(マン)ソバ」は、明星食品株式会社と「スタミナ満点らーめん すず鬼」の共同開発商品で、業界屈指の実力を誇る鬼才・鈴木信介(すずき しんすけ)店主監修のもと、今を時めく新時代のハイブリッドラーメン「スタ満ソバ」を大判どんぶり型のカップラーメンにアレンジ。
「すず鬼」の看板メニュー「スタ満ソバ」とは、日本一食べに行くことが難しいことでも有名な千葉県長生郡の山奥に店を構える「八平の食堂」発祥のスタミナ系 “アリランラーメン” と東京都港区に本店を構える「ラーメン二郎」発祥の “二郎系ラーメン” を掛け合わせた中毒性の高い食べ物で、店主曰く千葉県富津市「梅乃屋」発祥の “竹岡式ラーメン” もオマージュしたとのこと。
店主の鈴木信介氏は、東京都練馬区にあった「参代目 麺屋とらのこ(現在閉店)」や「肉汁やZERO」「練馬ちゃんどん(現・麺酒やまの)」など、数々の実力店を手掛けてきた業界屈指の人物で、2017年11月19日に自身の名を冠した「鶏こく中華 すず喜」をオープン。今回のカップ麺は夜営業の「すず鬼」とタイアップしていますが、昼営業の「すず喜」もオープン初日に70人以上の行列を作り、現在も人気は衰えません。
そんな「鶏こく中華 すず喜」では、看板メニューの「こく塩(オススメ)」と「こく醤油」を軸に、専用の “和え玉” も定評のある「煮干しソバ」をはじめ、機知に富んだ店主のアイディアが詰まった数量限定メニューも人気を博しているのですが、対する夜営業「スタミナ満点らーめん すず鬼」のメニューは「スタ満ソバ」と「辛いスタ満ソバ」の2種類が基本。
麺は “二郎系ラーメン” 御用達のオーション(麩質が強い日清製粉の強力粉)を使った自家製麺で、極太サイズの平打ち麺でありながら、加水率は低めの設定。真っ黒な見た目のスープには大量の背脂とラードが入り、タレに使われるのは濃密な濃口醤油。具材は大きめの背脂に豚バラ肉、ざく切り玉ねぎ、ニラ、ニンニクと “アリランラーメン” を彷彿とさせる構成で、もはや味の暴力といっても過言ではない存在——
その「スタ満ソバ」をカップラーメンにアレンジしたのが今回の新作で、パッケージに “にんにく祭” と書いてあるように、めん・スープ・かやくの “すべてにニンニクを使用” した、にんにく尽くしのスタミナ系ラーメンに仕上がっているとのこと。三鷹の鬼才・すず鬼監修の一杯ということで、中毒性の高さに注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「粉末スープ」「液体スープ」「あとのせかやく」で合計3種類。明星食品のニュースリリースによると、粉末スープは豚の旨みに醤油を重ね、香味野菜や胡椒で味を調えているらしく、液体スープは野菜を加えた醤油ダレを軸に、ポークやオニオンオイル、にんにく、豚肉の香りを効かせているとのこと。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。麺重量は90gの大盛り仕様となっており、具材の味付豚肉とキャベツは最初から容器の中。そこまでキャベツの量は多くないけれど、四角くカットされた味付豚肉(ダイスミンチ)は多めに入っていて、まだ “開封前の” あとのせかやくからフライドガーリックの芳ばしい香りが漂い、食欲を煽ってきます。
メーカー希望小売価格は税別250円と高めの設定で、スーパーやドラッグストアでの値段は販売店によって変動しますが、コンビニで購入した場合の税込価格は270円となっている2020年10月現在。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ミニストップ」での取り扱いが多かったので、販売店の参考にしてください(一部地域では売ってないかもしれません)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 スタミナ満点らーめんすず鬼監修 スタ満ソバ 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(R) 内容量:121g(めん90g) 商品コード:4902881451031(JAN) |
発売日:2020年10月26日(月) 実食日:2020年10月27日(火) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:270円(税込) 希望小売価格:250円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:470ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・液体スープ・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、酵母エキス、香辛料(ガーリック))、スープ(しょうゆ、豚脂、食塩、ポークエキス、たん白加水分解物、香辛料(ガーリック、ジンジャー、ペッパー)、香味油、香味調味料、糖類、植物油脂、発酵調味料)、かやく(フライドガーリック、キャベツ、味付豚肉、赤唐辛子、ニラ)/ 加工デンプン、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、香料、乳化剤、酒精、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、そば・かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
かやく及び添付調味料は “すべて後入れ” なので、3つの小袋を取り出してから熱湯を注ぎ、待つこと5分——時間になったら麺をほぐし、粉末スープを完全に溶かしてから液体スープを加え、あとのせかやくをトッピングしたら出来上がり。
大量のフライドガーリックが放つインパクトもさることながら、スープのニンニク臭も凄まじく、これは期待できそうな予感——なおスープまで飲み干した場合のカロリーは514kcalで、食塩相当量は8.2gと強烈な値なのですが、今回の容器には「しおケアカップ」を導入しています。
しおケアカップとは、明星食品が一部の自社ブランドに導入している減塩政策の一環で、お客様自身で内側下線までスープを残し、食塩相当量の摂取を調節できるようにした容器のこと。2020年2月10日から九州・沖縄エリア限定のチャルメラどんぶり「コーンとんこつラーメン」及び「にんにくラーメン しょうゆとんこつ味」に採用され、2020年9月よりオープン価格の「旨だし屋」にも搭載されました。
とはいえ今回の場合、カップ内側下線までスープを残した際の “摂取する食塩相当量の目安は5.5g” となっているため、健康に配慮されている方はスープの飲み過ぎに注意して‥‥いや、それも度外視したくなるほど背徳的な魅力の持ち主なのか、引き続き中毒性の強さとスタミナ感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(121g)あたり |
カロリー:514kcal たん白質:10.4g 脂 質:18.2g 炭水化物:77.1g 食塩相当量:8.2g (めん・かやく:3.2g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:155mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:514kcal(めん・かやく:431kcal)(スープ:83kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
タイプは違うけど高品質
実店舗で提供されている「スタ満ソバ」の麺は、前述の二等粉・オーション(蛋白13.0±0.5% 灰分0.52±0.04%)に加え、福島県白河市を発祥とする「白河ラーメン」の麺にも使われる小麦粉をブレンド。かために茹で上げているのもポイントで、小麦の香りも豊かに香り、ワシワシとした二郎系ラーメン特有の食感もファンを引き寄せる魅力の一つになっています。
対して今回のカップ麺に使われている麺は、丸刃でカットされた平打ちの太麺で、原材料に香辛料(ガーリック)を練り込み、もちもちとした加水率の高い弾力と滑らかな口当たりをアピール。そのため二郎系ラーメンや「スタ満ソバ」の特色とされるゴワゴワ・ワシワシとした食感とは程遠く、むしろ口当たりや弾力はイメージの逆を行く仕上がり。
しかし、単純に一つの油揚げ麺としてのクオリティは高く、表面は滑らかでも練り込まれたニンニクの効果によって、スープとの一体感も悪くありません。おそらく2019年11月19日に発売された二郎インスパイア店監修の激辛カップ麺「明星 千里眼監修 辛辛辛(カラカラカラ)にんにく豚骨醤油ラーメン」と同じか、その流れを汲んだ油揚げ麺で、独特の風味とジャンクなスープの兼ね合いには背徳感を高める相乗効果を感じました。
スープ
基礎は “あの味” の流れを汲んだフレームワーク
たとえば人工的な旨味成分の加減に、醤油感や香味野菜・香辛料の効かせ方など、粉末スープは同社の「チャルメラ しょうゆラーメン」に通じるベクトルで、これぞ普遍的なインスタントラーメンの醤油味というか、端的に特徴を表現すると “チャルメラをベースに醤油とガーリック感を強めている” ようなテイスト。
そのため行列のできる店のラーメン店が監修したスープというよりも、圧倒的にインスタント感の強い味に仕上がっているのですが、液体スープを加えると印象は一変。
インスタントラーメンど真ん中の粉末スープを軸に、実際の「スタ満ソバ」ほど分厚い油膜が張っているわけではないのですが、ジェットストリームアタックよろしく “ガーリックパウダー×ガーリックオイル×生おろしニンニク” の波状攻撃によって、とにかくニンニクの風味が強く、その効かせ方は申し分ありません。
加えてオイルからは豚臭い風味が漂い、なるほど結果的にスタミナ感は凄まじく、キリッとした濃口醤油のキレと全面で主張してくるニンニクのパンチから、白ご飯をぶっこみたくなるタイプ。果たして「スタ満ソバ」かといえば、だいぶアレンジが施されているような気がしないではないものの、印象は悪くありませんでした。
かやく
大量のフライドガーリックが強烈
実際の「スタ満ソバ」に使われている具材は、とろける口当たりの背脂をはじめ、甘辛い豚バラ肉やザク切りの玉ねぎ、ニラは注文後に炒める手法を取っているのですが、カップ麺に最初から入っていた具材はキャベツとダイスミンチの2種類のみ。
いたってキャベツは汎用の野菜なので、特別な具材ではないけれど、みずみずしいキャベツは箸休めに効果的。ダイスミンチは親会社の「カップヌードル」に入っている “謎肉” ほどジャンクな風味ではないけれど、大幅にカップ麺サイドの肉具材で、背徳的な印象を強めてくれます。
さらに主犯のフライドガーリックは後入れなので、サクサクした食感や特有の芳ばしさなど、熱湯によって特有の魅力が抜けることはありません。しかし、フライドガーリックがふやけると、ほくほくした食感やベクトルの違うエッジが楽しめるため、それはそれで乙な変化。
さすがに本物さながらの臨場感を再現しているとはいえず、唐辛子の存在も飾りに過ぎないけれど、ニラはスタミナ感を底上げしてくれますし、とにかくフライドガーリックのインパクトが強いので、まったく貧弱な印象は受けませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
加水率の高い油揚げ麺に、インスタント感の強いスープ、さらにフライドガーリックメインの具材など、振り替えってみれば実際の「スタ満ソバ」と雲泥の差が生じているのですが、にんにく祭の名に恥じないガーリック感は素直に好印象。本物を知っている方からすれば賛否両論ある仕上がりかと思いますけど、あくまで今回は “カップめん用に開発された商品” なので、割り切れば悪い商品ではありません。
ちなみに「すず鬼」では無料トッピングのニンニク・ショウガ・背脂のほか、有料トッピングとして生卵や “まさお”(うずら卵3個)が用意されているため、ニンニクマシマシはもちろん、ざく切りの炒め玉ねぎや甘辛く味付けした豚バラ肉、うずらの茹で卵をトッピングしてアレンジすると、中毒性が倍増すること間違いなし。
なお今回は辛くない「スタ満ソバ」の再現でしたが、お店の二枚看板「辛いスタ満ソバ」も人気商品なので、第2弾は激辛仕様のハイインパクトな一杯がリリースされるかもしれません(author・taka :a)