どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年5月24日(月)新発売、エースコックのカップ麺「カレー専門店が挑む一杯 SPICY CURRY 魯珈(ろか)スパイシーチキンカレーラーメン」の実食レビューです。
異彩を放つ異業種外食店とのタイアップシリーズ第2弾は “スパイスカレーの女神” 監修!? 熱狂的な支持を受ける「本格カレー」と「魯肉飯」の人気店「SPICY CURRY 魯珈」のカップラーメンついに誕生!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
本格カレー×魯肉飯「SPICY CURRY 魯珈」監修カップ麺
SPICY CURRY 魯珈(スパイシー カレー ろか)とは、東京・大久保(東京都新宿区百人町 – シュミネビル1F)に店を構える「本格カレー」と「魯肉飯」の専門店で、2016年(平成28年)12月1日にオープン。インドのスパイスカレーと台湾の家庭料理・魯肉(ルーロー)を融合した “あいがけ” ワンプレート「ろかプレート」を考案・確立し、多くのマニアを唸らせ、カレー業界に衝撃を与えました。
今回の新商品「カレー専門店が挑む一杯 SPICY CURRY 魯珈 カレーラーメン」は、大阪府吹田市に本社を置くエースコック株式会社と「SPICY CURRY 魯珈」の共同開発商品で、異彩を放つ異業種外食店とのタイアップシリーズ第2弾。2021年3月1日に発売されて話題になった「さば料理専門店が挑む一杯 SABAR監修 さばを味わうコク塩ヌードル」の続編で、今度は “専門店ならではのカレーとラーメンの融合を味わえる一杯” とのこと。
「SPICY CURRY 魯珈」の店主 “えりつぃん” こと齋藤絵理(さいとう えり)さんは、物心ついた頃からカレーが大好きで、高校生の頃には「将来、カレー屋さんになる」と決意。大学卒業後の進路も大手カレーチェーン「CoCo壱番屋(ココイチ)」に内定していたそうですが、在学中にストリート系のダンスとバイトに明け暮れる日々を送っていてこともあり、大学を卒業してから2年間、プロのダンサーとして活躍。
それもミュージシャンのバックダンサーとして日本テレビに出演するなど、かなり本格的に活動していたそうですが、カレーに対する情熱が抑えきれずに一念発起。南インドの定食・ミールスをはじめ、ビリヤニやティファン(軽食)など、本場の南インド料理を東京で流行らせた立役者「ERICK SOUTH(エリックサウス)」に入社し、修行すること7年間。
「ERICK SOUTH(エリックサウス)」では後に店長を務め、大学に在学中は渋谷の魯肉飯(ルーローハン)専門店「鬍鬚張魯肉飯(ひげちょうるろうはん)」で働いていた経験を活かし、それらの知識と齋藤店主の類稀なセンスが重なった結果、常識にとらわれない現在の異次元なハイブリッドカレー「ろかプレート」を確立。
2016年12月に「SPICY CURRY 魯珈」をオープンするや否や、日本におけるカレー界の最高権威「Japanese Curry Awards」で新人賞を受賞。加えて2017年〜2018年には、グルメサービスSARAHが主催する「SARAH JAPAN MENU AWARD」の関東カレー部門にて、看板メニューの「ろかプレート」で2年連続 “3つ星” を獲得するなど、破竹の勢いで名店の仲間入りを果たします。
また齋藤店主は「カレー料理人」として、毎日放送(MBS)が送る『情熱大陸』(2019年1月6日放送分)にも出演しており、そこで “スパイスカレーの女神” と称された著名人。そんな新進気鋭の女性店主が切り盛りするカレー専門店がカップラーメンを監修ということで、筆者も発売前から注目していました。
カップ麺のモデルになっているのは「魯珈チキンカレー」という商品で、甘みの強い玉ねぎを炒めた後、トマトの水分で煮込み、しっかりとスパイスを効かせたカレーをカップ麺にアレンジ。その味を再現すべく “スパイスは「SPICY CURRY 魯珈」で使用しているスパイス同様の香りを追求しています” と、エースコックのニュースリリースに記載されていたので、スパイスのバランスや香り立ちに注目しながらレビューします。
開封
カレー専門店が挑む一杯「SPICY CURRY 魯珈」監修のカップ麺には、フタの上に「スパイス」の小袋が別添されており、なおかつ “別添スパイスはスープを混ぜた後に仕上げでかけ、香り立ちをお楽しみください!” という「おすすめポイント」を表示。これは店主の意向を汲んだもので、本格感を高めるために、わざわざ別添えをオーダーした特別仕様。
さらにフタを開けると「特製ペースト」が入っているのも特徴的なポイントで、簡便性に優れた縦型なのに、小袋が2種類も別添されているのはエースコックの常套手段。とんこつ系のフレーバーだと粉末まみれになっている小袋ですが、今回は比較的に控えめだったので、そんなにストレスを感じませんでした。
ちなみにエースコックは “世界で初めてカレー味のカップ麺を開発した会社である” というのは、意外と知られていない話。一般的には日清食品の「カップヌードル カレー」が先駆けと思われているようですが、その「カップヌードル カレー」が発売されたのは1973年(昭和48年)5月なのに対し、エースコック初のカップ麺として開発された「カレーヌードル」は同年3月発売だったので、カレーに関しては日清食品よりも先輩です。
※2021年5月30日現在、エースコックの「カレーヌードル」は東北限定で絶賛販売中。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カレー専門店が挑む一杯 SPICY CURRY 魯珈 カレーラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:K・東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901071247195(JAN) |
発売日:2021年05月24日(月) 実食日:2021年05月30日(日) 発売地域:全国 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(特製ペースト・スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、砂糖)、スープ(野菜ペースト、食塩、糖類、カレー粉、チキンパウダー、野菜パウダー、ソース、チキン調味料、オニオンエキス、酵母エキス、香辛料、チキンエキス、乳化油脂、おからパウダー、小麦粉、香味調味料、でん粉、たん白加水分解物、全卵粉)、かやく(トマト加工品、大豆加工品、ねぎ、玉ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、増粘剤(キサンタンガム)、カラメル色素、重曹、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(カンゾウ)、香料、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は2種類とも後入れで、麺は調理前の段階から存在感を放っている熱湯5分の油揚げ麺を採用。エースコックの太麺は、よくも悪くも自己主張が激しく、実際この段階から油揚げ麺特有のニオイを感じるので、せっかくのスパイス感がマスキングされるのではないか‥‥などと懸念していたのですが、なんのなんの。
熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをして5分。その間は油揚げ麺のニオイが強く、すこし不安に思ったのですが、後入れの特製ペーストを加えることでスープにおける香りの厚みが増し、続けて仕上げの別添スパイスを入れた途端、香辛料の存在感がブースト。粉末スープには人工的なトロミ成分が含まれていたので、それがスパイス感をマスキングしないかどうか‥‥という新たな不安が生じたものの、ひとまず印象は悪くありません。
場合によっては売ってない地域もあるかと思いますが、全国のスーパーやドラッグストアはもちろん、コンビニでは「ローソン」での取り扱いが意欲的だったので、販売店の参考にしてください。それでは、引き続きスパイスの効かせ方や油揚げ麺との兼ね合いに、念のため辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:360kcal たん白質:9.7g 脂 質:10.0g 炭水化物:57.8g 食塩相当量:5.9g (めん・かやく:1.4g) (スープ:4.5g) ビタミンB1:0.41mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:312mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:360kcal(めん・かやく:301kcal)(スープ:59kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープとのバランスは良好
「SPICY CURRY 魯珈」のグランドメニューに “スパイシーチキンカレーラーメン” はないので、再現度については評価できない、つまり単純に “スープとの相性が問題ないか” どうか。結論からいうと、それについては問題なく、スパイス感の強いスープと麺の相性は良好で、麺が孤立するような嫌いはありません。
形状は角刃で切り出された平打ち麺で、やや縮れは強く、サイズは太め。加水率は特別に高いわけでも低いわけでもないのですが、食べ始めにはカタめの歯応えを打ち出し、なおかつ醤油や砂糖で適度に下味を調えて、スープとの親和性にも配慮。ただ、フライングすると食感にムラが生じるタイプだったので、きちんと湯戻し時間を守るのは鉄則。
たとえば丸刃で切り出した細めの麺を採用しても面白かったかも‥‥と、一瞬ながらに思ったのですが、後述するカレースープが “想像していたよりもスパイシーだった” ので、存在感の強い熱湯5分の太麺を合わせたことにも納得。むしろ細麺だったら確実に埋没していたと思うので、いい取り合わせだと感じました。
スープ
スパイス感は強く、辛さレベルは硬派に中辛(場合によっては辛口)
前述のように最初から入っている粉末スープは “とろみ” が強く、ところどころ固まっていたので、まずは容器の底から念入りに混ぜるのが作り方のコツ。日本の家庭で一般的なカレーライスのカレーは、小麦粉とバターを炒めたルゥをベースにしているのに対し、スパイスカレーは基本的にサラッとしているため、後者のイメージとは真逆になりますが、この時点でスパイスの刺激とアロマは明確。
そこに加える「特製ペースト」は、文字通り粘度の高いペースト状で、これが実に個性的。実食前はカレーを強化するための小袋かと思っていたのですが、飴色になるまで炒めた玉ねぎを豊富とさせる甘みと、加熱したトマトの穏やかな酸味が加わって、ふわっと鶏の出汁(だし)が全体を包み込むような、ラーメンのスープとして成立させるためのコクを担っているアイテム。そして、仕上げの別添スパイスが肝。
体感的に目立っているスパイスはクローブで、次にカルダモン、シナモン、クミン、マスタードシードを順番に合わせているようなフレームワーク。もちろん日本のカレーに通じる家庭的なスパイス感も含みますが、いわゆる “ルゥを使わないスパイスカレー” 特有の本格さがあったので、その複雑なアロマと玉ねぎの優しい甘み、トマトの爽やかな酸味の妙に「SPICY CURRY 魯珈」監修の恩恵を感じました。
具材
具材でもトマトと玉ねぎが活躍
内容はトマト加工品、大豆加工品、ねぎ、玉ねぎということで、鶏肉はおろか本物の肉すら入っていませんし、トマト加工品も混ぜると溶けてしまいますが、後者についてはスープのトマト感を底上げすることに寄与。また大豆加工品も例の粗悪なスポンジ肉そぼろ(ハズレの程よく味付けした肉そぼろ)とは違い、独特のクニッとした食感が楽しくて、結果的に悪くありません。
ねぎは他のカップラーメンにも入っているような汎用の青葱だったので、もうすこし個性的な素材を起用してほしかったところ。しかし、玉ねぎはシャキシャキした食感とフレッシュな香味が特徴的な、存在感の強いタイプを使ってくれていたので、そのアクセントが嬉しかったです。
総評
油で揚げた(それもエースコックらしく特有の風味が強い)フライ麺を使っているため、常にスナック感は並行しますが、それさえも上手く「SPICY CURRY 魯珈」の中に取り込み、ひとつのカップラーメンとして成立させているような、とても総合力の高い一杯です。あえてインスタントらしさを否定せずに受け入れた、そんなスタンスが最大の勝因だったかもしれません。
というわけで、このブログでは第1弾の「とろさば料理専門店SABAR」に続き、第2弾の「SPICY CURRY 魯珈」も高評価を叩き出してくれた、異彩を放つ異業種外食店とのタイアップシリーズ。次はどんな異業種外食店とコラボしてくれるのか、引き続き目が離せない企画です【author・taka :a(大石敬之)】