どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月25日(月)新発売、日清食品のカップ麺「スープノトリコ 極々 特濃魚介豚骨ラーメン」の実食レビューです。
イオングループ限定の新ブランド!? 炊き出した豚骨のコクと4種の魚介ダシが広がる “息もつかせぬ” 濃厚スープに刮目!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スープノトリコ 極々 特濃魚介豚骨ラーメン
スープノトリコとは、イオングループの店舗に突如として現れたカップラーメンで、製造者は即席めん業界最大手の日清食品。NB(ナショナルブランド)ではなく留型(とめがた)なので、日清食品の公式ウェブサイトに製品情報は掲載されておらず、イオン側からの事前告知もない、正体不明の新ブランドなのですが、確実に伝わってくるのは “スープに特化した新商品” であること。
ブランド名がスープノトリコ(スープの虜)となっているように、おそらく “極々” は嚥下音(スープを飲み込む際のゴクゴク音)にも掛かっている表現。どのようにして商品化に至ったのか、開発経緯や販路など、日清食品に詳細を問い合わせてみた結果、いかにも涼しげなテンプレ対応だったのでw あまり詳しいことは教えてもらえなかったんですけど、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
まずは、スープノトリコの販売店について。この質問については “イオングループ限定商品です。” との回答で、イオンリテールやマックスバリュほか、コンビニだとミニストップでの取り扱いも確認済み。行動圏内にあるウエルシア薬局では見かけなかったのですが、まいばすけっと、イズミ・ゆめタウン、カスミ、ダイエーなど、イオングループの店舗であれば、広く取扱店の対象に入っている様子。
次に、注目すべきは販売価格。筆者が最初にスープノトリコを目撃したのは「イオン」の加工食品売場で、値段は298円(税込321.84円)とハイクラス系に位置する商品。イオン限定の高級なカップラーメンといえば、同じく日清食品が製造を担当している「贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺」及び「同 濃厚味噌チャーシュー麺」が台頭で、未だに販売価格は当初の298円(税込321.84円)を維持しています。
つまり、新ブランドの「スープノトリコ」は「贅の逸品」の後身(リニューアル)なのか——。それについて日清食品曰く “別の商品になります。” との回答で、2014年(平成26年)9月29日に “イオンの上場40周年を記念して発売された、特別感謝商品” にルーツを持つ「贅の逸品」とは違い、何かを記念して企画した商品ではないとのこと。
では、なぜ「スープノトリコ」の開発に至ったのか——。それについてはノーコメントだったので、憶測での発言は控えますけど、数量・期間限定なのかを尋ねてみたところ “現時点では通年販売商品として継続して販売する予定です。” との回答でした。というわけで、以上が日清食品から聞き出せた情報になります。なんか、ほんとに淡々とした対応で‥‥w
気を取り直しまして、このページでレビューする「スープノトリコ 極々(ごくごく)特濃(とくのう)魚介豚骨ラーメン」は、文字通り濃厚なスープに特化した魚介豚骨ラーメンがコンセプト。マニアの間では “またおま系” と呼ばれているジャンル(最近は呼ばれてないのかな?)を意識していることは明白で、すっかり即席カップめん業界にも浸透していることから、他製品との差別化が問われるところ。
ちなみに「スープノトリコ 極々 特濃芳醇味噌ラーメン」(298円+税)を隣に陳列している店舗も多かったのですが、JANコードを見ると「スープノトリコ 極々 特濃魚介豚骨ラーメン」のほうが早めに登録されていたので、特濃魚介豚骨から詳しく掘り下げます(ちなみに余談なんですけど、2023年2月20日に「スープノトリコ」は商標出願されており、同年7月7日に日清食品の登録商標になっていました)。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の計3種。残念ながら「贅の逸品」に匹敵する厚切焼豚は入っていませんが、この時世に “あの品質で298円(税込321.84円)の販売価格を維持している「贅の逸品」は異常” なので、今後この価格帯は「スープノトリコ」に一任し、折を見て「贅の逸品」は廃盤、または値上げのフラグかもしれません。
「贅の逸品」値上げについては推測の枠を出ませんが、それはさておき麺は油で揚げずに乾燥させた角刃・平打ちのノンフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。日清食品の高価格帯に使われるノンフライ麺は、ときに致命的な戻りムラが気になることも珍しくないため、そこが一つの懸念ポイントになるのですが、ふと‥‥298円(税込321.84円)って冷静に考えると安いんじゃね?
というのも2023年10月現在、たとえば直近にレビューした日清食品のカップラーメンを例に挙げると、ファン待望の復活を遂げた二代目「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯」の希望小売価格は438円(税別)だったし、他社の製品を例に挙げても300円(税別)の壁を超えるカップラーメンが増えてきた今日この頃。もちろん仕上がり次第ですが、もしかするとコスパの高さが光る新作なのかも——。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スープノトリコ 極々 特濃魚介豚骨ラーメン 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:118g(めん70g) 商品コード:4902105281710(JAN) |
発売日:2023年09月25日(月) 実食日:2023年10月06日(金) 発売地域:全国 取得店舗:イオンリテール 小売価格:298円(税別) 購入価格:321.84円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、植物性たん白、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(しょうゆ、ポークエキス、豚脂、魚粉(さば、いわし、かつお、あじ)、糖類、食塩、魚介調味油、酵母エキス、かつおぶしエキス、植物油脂)、かやく(味付豚肉、ねぎ、味付メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、かんすい、酒精、カラメル色素、炭酸Ca、グリセリン、香料、カロチノイド色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、チャ抽出物、ビタミンB1、酸味料、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容はチップ状態の味付豚肉に、小さなメンマ、熱風乾燥のネギと最低限のラインナップ。おそらく取扱店ごとに販売価格が大きく変動することはないと思うので、298円(税込321.84円)に固定された商品としては、もうすこし頑張ってほしい気持ちが無きにしも非ず。ただ、あくまでも今回の商品は特濃スープが主役。
スープの小袋は後入れなので、かやくを入れてから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら “スープを入れる前に” 箸で麺を軽くほぐし、それから「粉末スープ」を入れて混ぜ合わせ、溶け残りがないことを確認してから「液体スープ」を馴染ませる、その段階を意識しながら調理するのがポイント。
また前述の「日清ドロラ王」シリーズほど強烈ではないけれど、特濃なテクスチャーを演出するための “とろみ成分” がスープ各種に含まれていたので、いつもはチャチャッと作っちゃう方も丁寧に調理してください。それでは、引き続きスープの高級感とコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(118g)あたり |
カロリー:413kcal たん白質:14.2g 脂 質:11.7g 炭水化物:62.7g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.9g) ビタミンB1:0.24mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:242mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:413kcal(めん・かやく:303kcal)(スープ:110kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
日清食品といえばコレ! みたいなノンフライ麺
日清食品の高価格帯に使われるノンフライ麺は、ときに致命的な戻りムラが気になることも珍しくないと前述したように、ちょっと構えていたのですが、熱湯5分きちんと待ってからフタを開けたところ、拍子抜けするほどスムーズに箸が通ったので、ほぐれにくさの第一関門は難なく突破。
植物性たん白と大豆食物繊維でコシを強化し、チキンエキスを配合することでスープとの一体感を高めている、これは日清食品のノンフライ麺における常套手段で、ちぢれを押さえた角刃のストレート麺という形状も然り。系統としてはファミリーマートの「東京油組総本店 油そば」(レビューは2023年6月27日発売品・6代目)に使われていたノンフライ麺と同じような‥‥というか、完全に同じ?
みたいな感じで個人的に新鮮味はなかったものの、鼻に抜ける小麦感は程よく芳醇で、コシの強さと輪郭のある口当たりが功を奏し、後述するスープに埋没することはなく、それでいて邪魔をすることもない、なんとも適切なポジション厳守。販売価格は298円(税込321.84円)なので、どえらい高級品ではないけれど、きちんと値段に見合ったクオリティを打ち出していました。
スープ
めっちゃまろやか
「粉末スープ」の構成は魚粉メインで、サバ・イワシ・カツオ・アジをブレンドしているのですが、想像していたよりも荒々しさは控えめ。そのためバッチバチに魚粉が攻め込んでくるようなタイプとはいえないけれど、膨よかな魚介感と糖類に由来する強めの甘さが相俟って、ふりかけ的な魅力を感じるフレームワーク。これ、あつあつの白ご飯にかけても絶対うまい。
「液体スープ」にも魚介を強める成分(魚介調味油、かつおぶしエキス)が入っているため、それが粉末スープの魚粉と手を取り合い、より奥行きと深みのある魚介感にブラッシュアップされていくのですが、ここでイッキに豚骨がブースト。一般的にネガティブとされる豚骨臭や獣臭は皆無に等しく、骨っぽさも強いとはいえないけれど、徹底的にミルキーな方向に振り切っているようなイメージ。
先に糖類の甘さに触れましたが、それに豚骨が反応し、まろやかでクリーミーな豚骨感にリンク。スープの食塩相当量は4.9gなので、カップラーメンの中でも多い部類に入りますが、しょうゆダレの主張は目立っておらず、豚骨の乳化感と膨よかな魚介感を最大限に尊重しているような、ちょっと珍しいタイプ。とろみも不自然に感じさせないギリギリを狙っていたので、その加減も好印象でした。
かやく
もうちょい頑張ってほしかった
縦型カップなら具沢山で好印象な量になりますが、今回は口径の広い大判どんぶり型の容器なので、チップ状態の味付豚肉、小さなメンマ、熱風乾燥のネギ、それぞれ特別に多いとは感じません。しかし、味付豚肉は意外とジューシーで、メンマはコリコリとした食感も然る事乍ら、特有の発酵感が前述の魚介豚骨スープと相性抜群。
ネギに凍結乾燥(フリーズドライ)のような高級感は備わっていないけれど、ジャキジャキとした歯触りがミルキーなスープのアクセントに効果的。欲を言えば厚切焼豚を入れてくださいなんですけど、それぞれ細切れにカットされたサイズが功を奏し、意識せずとも具材の存在感が伝わってくるので、なかなかどうして悪くありませんでした。でも、値段を思うと何か一つ個性的なアイテムが欲しかったです。
総評
2023年10月6日現在、298円(税込321.84円)で「贅の逸品」が手に入ることを加味すると、あきらかに「スープノトリコ」は分が悪いので、どうしようか迷ったのですが、それよりも引っ掛かったのが “セブンプレミアムゴールドのカップラーメン(一風堂、すみれ、山頭火、飯田商店、中華蕎麦とみ田)と同じ値段” であること。
販売者は異なりますが、こちらもイオングループ限定という縛りがあるので、迷ったラインから★ひとつマイナスしました。でも、単純に「おいしい」「まずい」の二択でいえば前者。荒々しい “またおま系” とは違う、穏やかに濃厚な魚介豚骨にはオリジナリティを感じたので、既存品との差別化は伝わってきました【author・taka :a(大石敬之)】