どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年3月16日(火)ファミリーマート限定発売、東洋水産のカップ麺「中華そば しながわ HOT ABURASSO(ホットアブラッソ)」の実食レビューです。
再び現れた「中華そば しながわ – BASSO DRILLMAN(バッソドリルマン)」のABURASSO(アブラッソ)今年は「カップ麺限定メニュー」として “HOT” な辛口版にアレンジ!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ファミマ限定「HOT ABURASSO」
「Japanese Soul Noodle 中華そば しながわ」とは、ラーメン激戦区・東京都豊島区西池袋でも特に人気が絶えない行列店で、2013年6月25日「BASSOドリルマン」のセカンドブランドとしてオープン。店主・品川隆一郎(しながわ りゅういちろう)氏は、大勝軒系「七福神」や「大塚 大勝軒」及び「川越 大勝軒」並びに「地雷原」の出身で、2007年6月3日に「BASSOドリルマン」の前身「中華そばゼットン」を立ち上げました。
2008年11月1日「中華そばゼットン」から店名を「BASSOドリルマン」に変更後、惜しまれながら2018年12月2日に閉店しましたが、店主の地元・秋田県雄勝郡で2018年1月26日にオープンした「BASSOどりるまん商店 羽後町本店」と「中華そば しながわ」は2021年3月現在も絶賛営業中。さらに近日、秋田2号店「BASSOどりるまん 蔵しこ」もオープン予定ということで、人気の高さがうかがえます。
「中華そば しながわ」の前身「BASSOドリルマン」の由来となっているBASSO(バッソ)とは「そば」のことで、東池袋大勝軒を創業した故・山岸一雄(やまぎし かずお)氏が名付け親。そこに品川店主が “勉強” や “鍛錬” を意味する「ドリル」と “人” を表す「マン」を合わせ、そば(麺)を鍛錬する人=BASSOドリルマンと命名し、現在の「中華そば しながわ」と「BASSOどりるまん商店」の基盤を構築。
品川店主監修のカップ麺は「BASSOドリルマン」時代まで遡り、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産株式会社と共同開発したカップラーメン「マルちゃん BASSOドリルマン 濃厚中華そば」をファミリーマート限定商品として2012年11月6日に新発売。その名を全国に轟かせるだけでなく、実店舗は2015年から2018年の間『ミシュランガイド東京』の “ビブグルマン” に4年連続掲載されるなど、世界も認めた実力派。
今回のカップ麺「中華そば しながわ HOT(ホット)ABURASSO(アブラッソ)」は、ミシュラン掲載店として鳴らした「BASSOドリルマン」の後身であり、それを立ち上げた「Japanese Soul Noodle 中華そば しながわ」の代表を務める品川店主と東洋水産の共同開発商品で、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない販路限定・数量限定のPBカップ麺として市場に投下。
ABURASSO(油っそ)は「油そば」を意味しており、2020年3月24日に発売されたファミリーマート限定商品「中華そば しながわ ABURASSO」の続編。昨年のモデルになったABURASSOは「中華そば しながわ」の実店舗にもある商品で、秋田の「BASSOどりるまん商店」にはHOTBASSO(辛つけ)という “つけ麺” もあるらしいのですが、今回の「HOT ABURASSO」は “カップ麺限定メニュー” として開発された特別版。
ちなみに東洋水産×ファミリーマート×BASSOドリルマン(中華そば しながわ)のタイアップは、前述の2012年11月発売品を皮切りに、2015年6月16日と2016年6月14日に「バッソドリルマン ABURASSO」という汁なしカップ麺を発売しているのですが、辛口の「HOT ABURASSO」が商品化されたのは今回、2021年3月発売品が初の試み。
2020年3月24日発売の「中華そば しながわ ABURASSO」は、ごわごわとした食感のワイルドな油揚げ麺に、多めのアブラとニンニクの風味を効かせた醤油ベースのタレを合わせ、具材には味付豚肉、たまねぎ、ねぎ、刻み海苔をトッピング。随所に東洋水産らしさを色濃く感じさせる商品ではあったものの、ひとつの汁なしカップ麺として総合力が高く、このブログでは高評価を叩き出しました。
開封
というわけで、2020年3月発売品(以下「前回」)の流れを汲む今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「きざみのり」で合計3袋。液体スープの小袋はデザインを変更していますが、小袋の構成自体は前回と共通で、かやく・きざみのりの小袋については完全に同じデザイン。
麺はエッジの効いた角刃で切り出されている熱湯5分の油揚げ麺で、調理前から強めに主張してくる精製ラードの芳ばしい香りが東洋水産らしいポイント。これは「珍々亭(ちんちんてい)」監修商品をはじめとする東洋水産のカップ油そばでは定番の油揚げ麺で、前回の麺と似たような雰囲気を醸しているのですが、麺の量は前回の120gから130gに増量しています。
ただし、前回のファミリーマート標準価格は215円(税込232円)だったところ、今回は223円(税込240円)ということで若干ながら値上げ。2021年3月現在、コンビニで大盛りカップ麺を購入した場合の税込価格は232円が相場。それと比較して高めの値段ではあるものの、前回から辛味をプラスかつ麺を増量しているため、その分の調整でしょうか。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華そば しながわ HOT ABURASSO(ホットアブラッソ) 販売者:東洋水産株式会社 製造所:M1・関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:163g(めん130g) 商品コード:4901990368490(JAN) |
発売日:2021年03月16日(火) 実食日:2021年03月16日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:240円(税込) ファミリーマート通常価格:223円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:720ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・きざみのり) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(しょうゆ、香味油脂、植物油、ラード、ポークエキス、香辛料、豆板醤、酵母エキス)、かやく及びふりかけ(味付豚肉、たまねぎ、ねぎ、のり)/ 加工でん粉、トレハロース、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、パプリカ色素、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・豚肉を含む)※本製品で使用しているのりは、えび、かにが混在する方法で採取しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身は味付豚肉、玉ねぎ、ネギとシンプルなラインナップになりますが、東洋水産が誇るリアルな豚肉を筆頭に、細長いカットの玉ねぎは量が多く、後者については前回の「中華そば しながわ ABURASSO」でも猛威を振るった存在。あとは熱湯を注いで5分後に湯切りするのですが‥‥
後入れの液体スープは量が多く、その中には冷えると凝固する動物油脂の豚脂(ラード)が入っているので、お湯を注いでから待っている間にフタの上で小袋を温めておくのがポイント。前回と同じく調理後の見た目はシンプルに仕上がりますが、刻み海苔の別添が嬉しいのと、あきらかに赤みを帯びているのが大きな違い。
ちなみに総カロリーは720kcalと凄まじく、麺増量の兼ね合いもありますが、前回のカロリー(684kcal)を上回る値。けれども脂質は33.4gから32.8gに減少、食塩相当量の値も5.1gから4.9gに減っているため、その変化も気になるところ——。というわけで、引き続き前回との違いや辛味の強さ(辛さレベル)にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(163g)あたり |
カロリー:720kcal たん白質:13.7g 脂 質:32.8g 炭水化物:92.6g 食塩相当量:4.9g ビタミンB1:0.49mg ビタミンB2:0.70mg カルシウム:293mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
量が増えて質は劣化した印象
形状は前回と同じ角断面の平打ち麺で、かなり縮れが強く、サイズは汁なしカップ麺の中でも極太クラスの頼もしさ。実店舗の「ABURASSO」に使用している麺は丸刃で切り出したストレート麺なので、再現度の云々については評価できない麺になりますが、今回の「HOT ABURASSO」はカップ麺だけのオリジナルメニュー。
油揚げ麺を使用した東洋水産のカップ焼そば・油そば系統の例に漏れず、精製ラードの芳ばしい風味が特徴となっているので、生の麺にはないインスタント感が魅力となっているのですが、前回の「ABURASSO」と比較して加水率は低めの設定。麺の量は10g増えていましたが、前回は気にならなかった “ふかふかとした食感” が気になります。
ある意味この軽さも油揚げ麺ならではの魅力といえるので、頭ごなしに否定することはできないものの、前作を知っている身としては劣化が否めない仕上がり。これが有名店監修のPB(プライベートブランド)商品ではなく、東洋水産オリジナルのNB(ナショナルブランド)商品であれば評価を見直さなければいけませんが、せっかくなので「中華そば しながわ」の “こだわり” を出してほしかったです。
スープ
ありきたりだけど味はバッチリ
脂質の量は前回の「ABURASSO」から減っていると書きましたが、なんのなんの。新たに「酵母エキス」を加え、オイルの比重を「豚脂 > 植物油 > 香味油脂」から「香味油脂 > 植物油 > ラード」に変更しているのですが、多めに入っていた液体スープは半分以上がオイル。
しかしながら濃口しょうゆベースのタレに、乳化感を強めたポークエキスを合わせ、すこし酸味を効かせているのもポイント。一見するとシンプルな構成でありながら、豆板醤のキレと絶妙な酸味、さらに胡椒のアクセントを効かせることで大味の印象を与えることはなく、濃いめの味なのに塩辛くないのも利点。
辛さレベルは一般的に見てもピリ辛以上でありながら、おそらく中辛前後と思われる辛さだったので、辛味のインパクトに期待してはいけないけれど、あきらかに前回の「ABURASSO」よりも辛くなっていました(※よほど辛い食べ物が苦手でなければ構える必要はありません)。
具材
ハイライトは刻み玉ねぎ
味付豚肉は他の汁なしカップ麺やカップラーメンにも頻繁に採用している具材なので、いまさら目新しさもないのですが、食感・風味ともにヘタなチャーシューよりもリアルで再現度が高く、甘辛い味付けも今回のスープと相性抜群。それに匹敵する‥‥いや、それ以上の存在感を放っている玉ねぎは、同社の「MARUCHAN QTTA サワークリームオニオン味」にも入っているフレッシュなタイプ。
そのシャキシャキした食感とフレッシュな香味のアクセントが飽きさせない工夫となり、磯の香りが嬉しい別添の刻み海苔も全体を大味に傾けないための重要なアイテム。麺の量が大盛りなので、もうちょっと刻み海苔を増やしてほしい思いもありますが、シンプルながらに無駄がない、あいかわらず効果的な取り合わせでした。
総評
基本は昨年の「中華そば しながわ ABURASSO(アブラッソ)」を踏襲しつつ、カップ麺だけの辛口「HOT(ホット)ABURASSO(アブラッソ)」にアレンジされていた2021年のABURASSO。なるほど辛味は前回よりも強く、こってりとした背徳感には魅力を感じたのですが、麺の増量に伴う質の低下が気になったので、すこし評価を見直しました。
単純に一つの汁なしカップ麺としてレベルが低いわけではないのですが、だいぶ東洋水産のオリジナル色が強かったので、もっと「中華そば しながわ」ないし「BASSOドリルマン」ならではの個性を打ち出してほしかったところ。特に近年の東洋水産は「マルちゃん正麺」からクオリティの高い湯切りタイプの汁なしカップ麺を出しているので、今度はノンフライ麺を使った本気モードの登場にも期待しています(author・taka :a)