どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月4日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛 激辛チゲ風 タテビッグ」の実食レビューです。
旨辛? 激辛!? 隠れファンも多いサッポロ一番の変わり種「みそラーメン 旨辛」の味わいを “激辛チゲ風” にアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
サッポロ一番 旨辛みそラーメン 激辛チゲ風
サッポロ一番(さっぽろいちばん)とは、サンヨー食品株式会社を代表するインスタントラーメンのブランドで、1966年(昭和41年)1月に発売された袋麺「サッポロ一番 しょうゆ味」を皮切りに、1968年(昭和43年)9月発売の「サッポロ一番 みそラーメン」や1971年(昭和46年)9月発売の「サッポロ一番 塩らーめん」など、いずれも日本の家庭に欠かせない商品としての地位を確立しています。
今回の新商品「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛 激辛チゲ風 タテビッグ」は、数種類の味噌にビーフやコチュジャン、豆板醤、唐辛子の辛さを効かせた旨辛みそラーメン「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛」の味わいをベースに、イカやアサリなどに由来する海鮮の旨味をブレンドした「チゲ風」のカップラーメンで、なおかつ辛さレベルは「激辛」というインパクトの強い変わり種。
サッポロ一番(袋めん)の「みそラーメン」といえば、前述のように1968年(昭和43年)9月から現在もサンヨー食品が販売を続けているロングセラーで、実は同ブランドの人気商品「塩らーめん」を凌ぐ売り上げを記録しているようですが、それはさておき「みそラーメン 旨辛」の発売日は2013年(平成25年)9月と「サッポロ一番」の中では比較的に歴史の浅い味。
ただ、さらに遡ること2007年(平成19年)9月、既存の「サッポロ一番 みそラーメン」をベースに、コチュジャンや豆板醤を加えてアレンジした「サッポロ一番 ピリ辛みそラーメン チゲ風」という袋麺を発売していたサンヨー食品。それが「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛」の前身で、袋めんタイプは2021年9月13日のリニューアルで “辛さをアップした” ばかり。
サッポロ一番の中でも不動の人気を誇る御三家「しょうゆ味」「みそラーメン」「塩らーめん」と比較して、今回のベースになっている「みそラーメン 旨辛」は世間的な注目度が低いのか、ほかのフレーバーほどカップラーメンとしてアレンジされることはなく、筆者が最後に食べた変わり種は2018年(平成30年)3月12日発売の「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛3倍 タテビッグ」というスポット商品。
それ以来、関連する商品がリリースされないか目を光らせていたのですが、このページでレビューする「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛 激辛チゲ風 タテビッグ」まで鳴りを潜めている状態だったので、カップラーメンとしての商品化は3年ぶり。しかも “激辛チゲ風” ということで、シリーズ史上最強の辛さレベルを商品名に冠してきました。
サンヨー食品の公式ウェブサイト内にある製品情報には “サッポロ一番みそラーメン旨辛の味わいに、海鮮のうまみと唐辛子を合わせた激辛チゲ風ラーメン” とあり、続けて “数種のみそのうまみをベースに、ポーク、魚介のうまみを合わせ、ガーリックの風味を加えた-・” と、スープについての特徴が記載されていたので、袋麺には使われているビーフエキスは省いた様子。
しかし、袋麺の粉末スープには含まれない “魚介エキス” を使っているのがポイントで、袋麺と味の差別化を図ってきました。というわけで、どのくらい辛いのか、体感的な辛さレベルについてはもちろん、海鮮の旨味にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。容器側面には “辛味成分が強いので、小さなお子様や辛みの苦手な方の喫食には十分ご注意ください” と、辛味に対しての警告文(注意事項)を表示。
具材はキャベツ、イカ、スクランブルエッグ、かに風味かまぼこ、ねぎの組み合わせで、かに風味かまぼこは文字通り魚肉練り製品なのですが、きちんと本物のイカも使っているのが好印象。辛いスープと甘いスクランブルエッグの対比は間違いなく美味しそうですし、開封直後のファーストインプレッションは悪くありません。
メーカー希望小売価格は220円(税別)なので、コンビニで購入した場合の税込価格は232円(2021年10月6日現在)が相場。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」と「ミニストップ」での取り扱いを確認しているのですが、スーパーマーケットやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗も販売店の対象です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 みそラーメン 旨辛 激辛チゲ風 タテビッグ 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:W・太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:96g(めん72g) 商品コード:4901734043799(JAN) |
発売日:2021年10月04日(月) 実食日:2021年10月06日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(糖類、食塩、みそ、香辛料、植物油脂、豚脂、魚介エキス、ポークエキス、豆板醤、たん白加水分解物、乾燥酵母)、かやく(キャベツ、イカ、味付卵、ねぎ、かに風味かまぼこ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、香料、カラメル色素、香辛料抽出物、増粘剤(キサンタン)、かんすい、クチナシ色素、レシチン、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部にえび・かに・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
麺は角刃で切り出された太めのフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。辛いスープに埋没しないように‥‥という計算を感じる佇まいなのですが、オリジナルの袋麺に使われている油揚げ麺には “味噌や醤油を練り込んでいる” のに対し、今回の油揚げ麺に日本の調味料は練り込まれていないため、その重要なポイントが再現されていないのは寂しいところ。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注いだ後、フタをして待つこと5分。時間になったらフタを剥がし、小袋の中身を加え、しっかり混ぜたら出来上がり。極端に唐辛子の香りが強いわけではないけれど、湯気から漂ってくるのは海鮮入りのテンジャンチゲっぽい雰囲気で、かなり具沢山なのも好印象。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き辛さレベルと旨味のバランスにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)あたり |
カロリー:434kcal たん白質:8.2g 脂 質:17.9g 炭水化物:60.0g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.4g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.59mg カルシウム:229mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:434kcal(めん・かやく:352kcal)(スープ:82kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もうすこし粘りも欲しいが悪くない
「サッポロ一番」の袋麺に使われている油揚げ麺は、しょうゆ味=角断面、みそラーメン=楕円形、塩らーめん=丸断面とスープの味に合わせて麺を変えており、しょうゆ味の麺には醤油を、みそラーメンの麺には醤油と味噌を練り込むことでスープとの一体感を高め、塩ラーメンだけは山芋の粉を練り込んで粘りを強めるなど、それぞれ原材料の構成に工夫を凝らしています。
袋麺の「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛」には「みそラーメン」と同じ油揚げ麺を使用しているため、醤油や味噌が練り込まれているのですが、前述のように今回の油揚げ麺に食塩以外の調味料は使用されておらず、袋麺には使われていない “大豆食物繊維” を練り込み、なおかつ太めの角断面に切り出すなど、あまり再現度は高くありません。
サンヨー食品の公式ウェブサイトには “もっちりとした食感の太めん” と記載されているのですが、もっちり感よりも強付きが目立つので、いろいろとギャップが生じています。しかし、後述するスープとの相性に問題はなく、むしろ食べ始めの強付きがクセになる感じだったので、結果的な印象としては悪くありませんでした。
スープ
凝縮された貝の旨味に注目
袋麺の「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛」に使われている粉末みそと比較して、やや赤味噌の比率を抑えているような、コクを出しながらも穏やかな表情を感じるファーストインプレッション。しかし、この時点でオリジナルのスープよりも辛味は強く、まだ騒ぐほどの辛さではないかと思いますが、辛い食べ物が得意でない方にとっては余裕で辛口と認定されそうなレベル。
その刺激的なフレームワークもさることながら、香りで感じた以上に海鮮感が濃厚で、なかでもアサリなどの二枚貝に由来する旨味が印象的。ちょっと舌の脇にキュッとくる、二枚貝のエキスを凝縮したような特有の旨味が広がるため、袋麺のビーフ×コチュジャンとは大幅に雰囲気が異なるものの、それだけに味の差別化は明確。
さらに「仕上げの小袋」を加えると、中には赤いオイルが仕込まれており、スープのコクを深めてくれると同時に辛さもアップ。非常識な辛さの商品がコンスタントにリリースされている近年、それを基準に判断すると “大辛” 程度の辛さだと感じたのですが、間違っても辛い食べ物が苦手な方にはオススメできない辛さには到達。
とはいえ二枚貝に由来するエキスと味噌や豆板醤のコクを中心に、旨辛の「旨」も負けていなかったので、ただ辛いだけのスープではありません。むしろ唐辛子の刺激と貝の旨味が共鳴しあっているような、ある種の相乗効果を感じたので、極端に辛すぎない辛さが絶妙に思えました。
具材
文句なし
上記の写真ではスープに沈んでいる状態ですが、けっこうキャベツの量が多く、それだけで麺が見えなくなりそうなほど。みずみずしい歯触りに食べ応えが得られるだけでなく、辛いスープと野菜の甘さが対比を描き、甘さといえばスクランブルエッグも効果的な存在で、ちょっと人工的な甘さが全体のジャンクさを底上げしてくれるのもポイント。
イカは熱湯で戻している間に縮んでしまうので、2回りほどサイズダウンするのですが、それでもカップ麺の具材としては大きめのサイズ。しっかりとした噛み応えのある弾力もさることながら、独特の旨味がスープに滲むので、出汁(だし)を深めることにも寄与。かに風味かまぼこもイカとは違う方向性から海鮮の要素を強めてくれる、これといって文句の付け所が見当たらない内容でした。
総評
たとえば日清食品(セブンプレミアム)の「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」や寿がきや食品の「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」など、激辛カップ麺の指標となる不朽の名作と比較して、辛さレベルは “大辛” だと感じたのですが、ちゃんと「旨辛」だったのが好印象。その絶妙な辛さと二枚貝の旨味がクセになる、個性的で美味しい一杯に仕上がっていると感じました。
ビーフとコチュジャンの旨味が省かれていたので、基本的なコンセプトは踏襲しつつ、袋麺の「サッポロ一番 みそラーメン 旨辛」とは雰囲気が異なっていたのですが、それこそが変わり種の魅力。本文中でも触れたように、激辛を謳う近年のカップ麺は極端な辛さに振りがちなので、いい意味で箸休めになる商品だと思います【author・taka :a(大石敬之)】