どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年2月17日(月)新発売のカップ麺、エースコック「リンガーハットのあさりだしちゃんぽん」の実食レビューです。
人気外食チェーン店「リンガーハット」の春限定メニュー “あさりたっぷりちゃんぽん” をカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
リンガーハットのあさりだしちゃんぽん
リンガーハット(Ringer Hut)とは、1962年(昭和37年)7月22日に長崎市鍛冶屋町で創業した「とんかつ浜勝」(現「とんかつ 濵かつ」)を起源とする長崎ちゃんぽん専門店で、開業1974年(昭和49年)8月13日の「長崎ちゃんめん」1号店(現「リンガーハット 長崎宿町店」)を前身とし、2020年2月現在の店舗数は “700店舗以上” を誇ります。
外食産業が急成長した1970年代の波に乗り、そのポジションを九州地方で確立したリンガーハットの前身「長崎ちゃんめん」は、1977年(昭和52年)に名称を「リンガーハット」に改め、2年後の1979年(昭和54年)に満を辞す関東に進出。首都圏1号店「リンガーハット 大宮バイパス与野店」を埼玉県にオープンし、長崎ちゃんぽんの名を全国に轟かせました。
今回の新商品「リンガーハットのあさりだしちゃんぽん」は、リンガーハットグループが春季限定メニューとして販売している「あさりたっぷりちゃんぽん」を再現したカップラーメンで、製造は10年以上の付き合いがある大阪府吹田市のエースコック株式会社。2007年(平成19年)8月27日に初めて同社からリンガーハットのカップ麺が発売されて以来、定期的にコラボ商品を展開しています。
2020年は2月1日(土)より実店舗で提供されている春季限定メニュー「あさりたっぷりちゃんぽん」ですが、2012年3月6日(火)に期間限定で販売された創業50周年記念第1弾「贅沢あさりちゃんぽん ~あご(飛魚)のつみれ入り~」が前身で、当時は長崎県産の飛魚(あご)と鯵(あじ)の擂り身を合わせた甘めの摘入(つみれ)と有明海の干潟で獲れたアサリを売りにしていました。
再びリンガーハットに “春のアサリ” が登場したのは、創業50周年記念の第1弾から6年後となる2018年3月15日の木曜日。同年5月初旬までの季節限定メニューとして販売されていたのが「あさりたっぷり春ちゃんぽん」という商品で、以前の摘入は使用されておらず、たっぷりの “あさり” に三重県産の “あおさ” を加え、いつもの長崎ちゃんぽんスープにアサリの煮汁と “あご白だし” をブレンド。
その翌2019年2月21日(木)にも春限定の「あさりたっぷり春ちゃんぽん」を販売しましたが、今度は期間限定ではなく材料がなくなり次第販売終了の数量限定商品として展開。前年よりも大幅に増量した “蒸し焼きのアサリ” と三重県産の “あおさ” に加え、旬の国産 “三つ葉” も強調し、あご出汁を軸に豚ガラのコクと旨味を追加した特製Wスープを使用していました。
そして今季、2020年2月1日(土)販売開始の「あさりたっぷりちゃんぽん」は、蒸し焼きにした “あさり” はそのままに、三重県産から愛知県産の “あおさ” に切り替え、スープはアサリの旨味を軸に5種類の出汁(ホタテ、カツオ、サバ、煮干し、焼きアゴ)を使った魚介の旨味を特徴としているらしく、それについての概要をカップラーメンのパッケージにも記載。
これまで縦型カップラーメンの乾燥具材で水菜を見た記憶はなく、パッケージのイメージ写真にも掲載されていないため、その再現は期待できそうにありませんが、押さえておきたいポイントはカップ麺でも再現できる凝縮された「あさりの旨味」と「5種類の出汁」に決め手の「あおさ」といったところ——というわけで、カップ麺の中身をチェックしていきましょう。
開封
「リンガーハットのあさりだしちゃんぽん」に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」が1袋。エースコックの工場にもフタの上に小袋を貼り付ける設備は整っているはずなのですが、いつものように最初から容器の中に入っています。ここに小袋が2袋入っていることも珍しくないので、あおさ入りの “ふりかけ” も同梱されているのかと思いきや、それは見当たりません。
具材はアサリ、キャベツ、もやし、人参、紅梅花麩の5種類で、リンガーハットの実店舗と同じように具材の野菜は “すべて国産” なのもポイント。2020年2月10日にリニューアルした「ロカボデリ リンガーハットの長崎ちゃんぽん」には “新開発の味付キャベツ” が入っていたのですが、エースコックのニュースリリースを確認したところ、今回そのような記載はありませんでした。
なお、2019年8月5日に発売された前回の新作「リンガーハットのピリカラちゃんぽん 期間限定3辛」がエースコック×リンガーハットのタイアップ商品(即席カップめん)第22弾だったので、今回の「あさりだしちゃんぽん」は同店監修シリーズ第23弾の新作です(※その間に2回リニューアルした「ロカボデリ リンガーハットの長崎ちゃんぽん 糖質オフ」はノーカウント)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:タテロング リンガーハットのあさりだしちゃんぽん 製造者:エースコック株式会社 関西滝野工場 製造所:兵庫県加東市河高1816-175(固有記号 W) 内容量:87g(めん70g) 商品コード:4901071246693(JAN) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm |
発売日:2020年02月17日(月) 実食日:2020年02月19日(水) 発売地域:全国(スーパー・コンビニ等) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:245円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(たん白加水分解物、還元水飴、食塩、魚介エキス、でん粉、植物油脂、砂糖、チキンエキス、チキンパウダー、香味調味料、酵母エキス、あごパウダー、ポーク調味料)、かやく(あさり、キャベツ、麸、もやし、人参)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、カラメル色素、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、増粘多糖類、微粒二酸化ケイ素、紅麹色素、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
麺は角断面の油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。2015年4月13日に発売された「タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん」以前の商品には “丸刃で切り出した麺” を採用していたのですが、2014年に実施された「スーパーカップ1.5倍」のリニューアル(カドメン)を皮切りに角刃の麺が増え始め、もれなくリンガーハットの監修商品も影響を受けました。
メーカー希望小売価格は税別230円、2020年2月現在のタテ型ビッグは税別220円が標準価格なので、それよりも10円高い値段に設定されているのですが、本物のアサリを筆頭に国産キャベツ、国産もやし、国産にんじん、紅梅花麩と彩り豊かな構成です。まったくアオサの影は見えないものの、紅梅花麩が春らしく、調理後のイメージは悪くありません。
なお、販売店は限られていませんが、販売期間は推定2〜3ヶ月前後の期間限定商品で、実際に立ち寄ったコンビニでは「ローソン」と「ミニストップ」での取り扱いを確認。コンビニでの税込価格は245円、現在の平均売価(税込232円)よりも13円高い値段でした。それでは、魚介の旨味にも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(87g)あたり |
カロリー:341kcal たん白質:7.7g 脂 質:9.8g 炭水化物:56.4g (糖質:54.6g) (食物繊維:1.8g) 食塩相当量:5.3g (めん・かやく:1.5g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.41mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:217mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:341kcal(めん・かやく:288kcal)(スープ:53kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もちもちの多加水麺
断面は四角いため、ちゃんぽんらしい丸麺ではないのですが、数年前のカドメンを彷彿とさせるような口当たりではありません。麺の表面が摩擦抵抗ゼロの滑らかさなのも要因の一つではあるものの、断面から見て四隅に輪郭はなく、あまり角の尖っていない角刃でカットしているというか、いい意味でエッジが気にならない穏やかな口当たり。
ゆるやかな縮れのある太麺なので、いわゆる長崎ちゃんぽんで一般的な丸刃のストレート麺ではないのですが、麺の加水率は高く、もっちりとした粘り気のある弾力を重視しているような作りです。このタイプはフライングして早めに食べ始めると “逆に食感が衰える” ため、熱湯5分きちんと待ってから液体スープを入れた後、さらに1分ほど休ませてみてください。
今回のスープはアッサリ・スッキリした優しいテイストだったので、もうちょっと麺が細めでも——と、食べながら思ったのですが、太さのわりに油揚げ麺特有の風味は不躾ではなく、浮いているような印象を抱くことはありませんでした。10年以上前に長崎のリンガーハットで食べた時、実店舗の麺は丸刃だったと記憶しているのですが、現在の麺は角刃が主流になっているようですね。
スープ
長崎ちゃんぽんとは完全に別物
事前に粉末スープが入っていたので、液体スープを入れる前に味を確かめてみたところ、そんなに目立った塩気や突出した旨味はありません。けれども動物系は鶏を軸に魚介系は飛魚の粉末(あごパウダー)で下地を整え、嫌味に思われない適度に旨み調味料(化調)を効かせている、なかなか丁寧な和風だし系統の旨味を感じます。で、後入れの液体スープを加えてビックリ‥‥
いつも「リンガーハットの長崎ちゃんぽん」系に別添されている液体スープには、ややベージュっぽい乳白色の濃縮スープ(豚骨ベース)と調味油が入っていて、いわゆる白湯(ぱいたん)系のザ・ちゃんぽんスープど真ん中の味わいなのですが、今回の「あさりだしちゃんぽん」は濁りのない清湯(ちんたん)系の魚介しょうゆ味という——ええ、長崎ちゃんぽんのイメージは皆無。
液体スープの中には濃口醤油ベースのタレと調味油が入っていて、その調味油から野菜を炒めたような風味を感じるのですが、土台のスープは丸みを帯びた醤油味の清湯スープ。カップラーメン特有の刺激は控えめで、たしかに貝の旨味を感じるものの、舌の脇に訴えてくるような二枚貝特有のエッジはなく、ちゃんぽんというよりも醤油ベースの “タンメン” みたいな雰囲気。
商品名が「あさりだし」なので、もうちょっとインパクトのある味かと思っていたのですが、女性の方から年配の方まで食べやすい、そんな優しい印象を受けるスープでした。けっきょくアオサの風味は意識されていなかったので、そこまで磯磯しい風味ではないものの、これなら幅広い層の方が楽しめると思います。
具材
値段に伴った品質
「ロカボデリ」に入っていた新開発の味付キャベツには、ほんのり胡麻油っぽい風味が添加されていたのに対し、今回の「あさりだしちゃんぽん」に入っているのは従来の国産キャベツです。しかし、日本のカップ麺でも定番のキャベツ(中国産)とは違うナチュラルな風味は特別で、もやしも乾燥具材にしては太くてシャキシャキ、人参は皮付きで “ほんのすこし土臭い” のもポイント。
あさりは固有のカタチを保っている個体が多く、乾燥状態から戻った具材にしてはリアルな食感。今回ちょっと風味が気になるアサリもあったのですが、数は約5個と充分で、本物の「あさりたっぷりちゃんぽん」には入っていない麩(ふ)も今回の和風スープにベストマッチ。最近なぜか定番のピンクかまぼこの風味が悪いので、春らしい雰囲気の花麩は素直に喜べる具材でした。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)
2020年版の「あさりたっぷりちゃんぽん」は実物を見ていないので、とりあえずネット上の評判・口コミをチェックしてみたところ、中には “アサリが強すぎる” とのコメントを見かけて気になりました。しかし、カップ麺での貝出汁は実に穏やかなもの。以前からアサリと一緒に強調していたアオサも不使用で、さらに長崎ちゃんぽんとのハイブリッド型を想像していた場合、確実にズッコケます。
とりあえず “長崎ちゃんぽんにアサリを入れたものではありません” とパッケージに表示しておいてほしかったところですが、単純に美味しいか不味いかでいえば前者。コンビニで買ったら高いので、あまりコストパフォーマンスに優れた一杯とはいえないものの、漠然と “こんなメニューもある” というのは伝わってくると思います。実店舗で提供が続く限り、今後はカップ麺でも毎春恒例になるかもしれません。