どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年3月29日(火)新発売、ファミリーマートのレンジ麺「ラーメン荘 歴史を刻め監修 汁なし(まぜそば)」の実食レビューです。
ジェネリック二郎に新しい風を吹き込んだ関西屈指の二郎インスパイア店「ラーメン荘 歴史を刻め」監修シリーズ第2弾は汁なし(まぜそば)を再現!! でも、一部では売ってない‥‥?
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コンビニラーメンとしての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
歴史を刻め監修 汁なし(まぜそば)
ラーメン荘(そう)歴史を刻めとは、関西屈指のラーメン激戦区・京都府京都市左京区一乗寺で産声を上げた京都二郎系(富士丸系)の原点「ラーメン荘 夢を語れ」の系譜に連なる二郎インスパイア店で、2010年(平成22年)8月1日に大阪府大阪市東淀川区で現在の「下新庄本店」を開業。京都と大阪を中心に展開している「ラーメン荘」グループの3号店に位置し、マニアの間でも高く評価されています。
今回の新商品「ラーメン荘 歴史を刻め監修 汁なし(まぜそば)」は、ファミマルKITCHEN(キッチン)にカテゴライズされている電子レンジ加熱専用のコンビニラーメンで、濃厚な豚骨の旨味をベースに、醤油やラード、黒胡椒でアクセントを付けた “ジェネリック二郎” のニューフェイス。ファミリーマートとのコラボレーションは2度目の試みで、初の汁なし(まぜそば)が商品化されました。
「ラーメン荘 歴史を刻め」監修によるファミリーマート限定のコラボ商品が初めて発売されたのは、2021年12月14日と比較的に最近の話。同店の味わいをストレートに再現したレンジ麺「ラーメン荘 歴史を刻め監修 豚骨醤油 豚ラーメン(背脂入り)」を皮切りに、それまでファミリーマートのジェネリック二郎を台頭していた「千里眼」と同じ土俵に並びます。
ジェネリック二郎(じろう)とは、二郎インスパイア系の食べ応えを再現したコンビニラーメンの総称で、2019年1月22日に発売されたセブンイレブン限定商品「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」がブームの火付け役。この呼び名に違和感を抱いている方もいるようですが、多くのニュースサイトでも使用されており、けっこう言い得て妙だなと。
以前はファミリーマートもオリジナルのジェネリック二郎を展開し、ローソンやセブンイレブンに対抗していましたが、2020年10月27日発売の「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」から駒場東大前の人気インスパイア店「千里眼」とのコラボが始まり、同年11月13日にローソンが「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」を発売するなど、それぞれ有名店監修による三つ巴の戦いに発展。
そこにメスを入れたのが2021年12月発売の「ラーメン荘 歴史を刻め監修 豚骨醤油 豚ラーメン(背脂入り)」で、新たな二郎インスパイア店の参入に衝撃を受けたのは記憶に新しいところ。2020年12月17日にローソンが関西限定で「無鉄砲監修 ブタブタラーメン」をリリースしていましたが、純粋な二郎インスパイア店のニューフェイスではなかったので、歴史を刻めの参戦は衝撃的でした。
かくして「ラーメン荘 歴史を刻め」監修シリーズ第2弾となる今回の「汁なし(まぜそば)」も期待値の上昇が否めない展開なのですが、前回の「豚骨醤油 豚ラーメン(背脂入り)」と同じように “静岡の一部を除く東海・関西・中国・四国エリアのファミリーマート店舗限定商品” なので、それ以外の地域では手に入りません。
出典:HOME > 商品情報 > そば・うどん・中華めん > 千里眼監修 マシマシにんにくまぜそばマヨネーズ付(ファミリーマート)
しかし、静岡の一部(「ラーメン荘 歴史を刻め監修 汁なし(まぜそば)」の販売圏内)を除く北海道・東北・関東・北陸・九州・沖縄エリアのファミリーマート店舗では「千里眼監修 マシマシにんにくまぜそば マヨネーズ付」を販売ということで、各エリアごとの知名度を基準に棲み分けを図っています。
別添の小袋と作り方
調理方法は電子レンジ専用で、加熱目安は家庭用の電子レンジ(500W)で6分00秒、ファミリーマートの業務用レンジ(1600W)なら2分00秒と表示。前回の「豚ラーメン(背脂入り)」では500W・7分00秒、1600W・2分20秒だったので、すこし短くなっています。家庭用の電子レンジは機種によって加熱時間が変わるため、目安通りに加熱しても冷たいようであれば、10秒ずつ追加熱してください。
地域によっては包装の仕様が変わることもありますが、今回の場合だと商品名やカロリーなどの栄養成分表示、原材料名などが印刷されている帯とフタの間に袋入りの黒胡椒が別添されています。ただ、事前にコショーを取り出してください等の注意書きはないので、加熱前に帯などを剥がす必要はありません(※レンジ麺の構造上、加熱前に帯を剥がしてしまった場合、調理不良の原因になります)。
ファミリーマート標準価格は554円(税込598円)と高めの設定になりますが、第1弾の「豚骨醤油 豚ラーメン(背脂入り)」から据え置きで、エリア別にリリースされた同時発売品の「千里眼監修 マシマシにんにくまぜそばマヨネーズ付」も同じ値段。ちなみにセブンイレブンの現行品「中華蕎麦とみ田監修デカ豚ラーメン」は598円(税込645.84円)なので、まだ手に取りやすい値段といえるでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ラーメン荘 歴史を刻め監修 汁なし(まぜそば) 製造者:株式会社ジョイアス・フーズ 京都工場 製造所:京都府久世郡久御山町市田大領2-8 内容量:記載なし |
発売日:2022年03月29日(火) 実食日:2022年04月03日(日) 発売地域:東海・関西・中国・四国(静岡の一部を除く) 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:598円(税込) ファミリーマート通常小売価格:554円(税別) |
麺の種類:ゆで中華麺 スタイル:レンジ汁なし(まぜそば) 容器材質:プラ(PS) 加熱方法:電子レンジ専用 加熱時間:500W・6分00秒 1600W・2分00秒 小袋構成:1袋(コショー) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】ゆで中華麺(国内製造)、たれゼラチン、ゆで野菜(もやし、キャベツ)、チャーシュー、豚脂、ラード、フライドオニオン、にんにく、黒こしょう、袋入り黒こしょう / 増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、酒精、かんすい、乳酸Ca、加工デンプン、酢酸Ca、グリシン、酸化防止剤(V.C、V.E)、カラメル色素、リゾチーム、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※当工場では、そば・卵を含む製品を生産しています。 |
実食開始
電子レンジでの加熱が完了したら、火傷(やけど)に注意しつつ‥‥と、その前に栄養成分表示をチェック。カロリーは914kcalということで、前回(1147kcal)よりも低く、脂質も前回(60.3g)と比較して低い43.1gとなっているのですが、おそらくスープの有無による違い。二郎インスパイア商品に必須のニンニクについては加熱前から加熱中、加熱後も強烈で、それについての期待は裏切りません。
私の行動圏内にあるファミリーマートの日配食品(消費期限が短い加工食品)を担当しているのは、京都府久世郡久御山町にあるジョイアス・フーズの京都工場で、かの日清製粉グループに数えられる工場の一つ。前回の「豚骨醤油 豚ラーメン(背脂入り)」をレビューした際にも同じ工場で製造された商品を使用したのですが、後述する感想において工場の違いによる個体差も意識していただきたいポイント。
もちろん工場ごとに配られるレシピは共通なのですが、なかでも製麺設備については工場ごとに培ってきたノウハウが違うため、それに伴う個体差が生じてしまうことは、あらかじめ念頭に置いておいてください。それでは、二郎インスパイア商品特有の背徳感に注目しつつ「めん」「タレ」「具材」の特徴を解説し、レンジ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1包装当り |
カロリー:914kcal たん白質:34.1g 脂 質:43.1g 炭水化物:100.4g (糖 質:95.7g) (食物繊維:4.7g) 食塩相当量:8.1g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
前回の茹で中華麺とは一線を画す食感
レンジ麺に使われる茹で中華麺は、事前に加熱してから冷却し、それを再度レンジアップしなければいけないため、どうしても “茹で置きの頼りなさ” を完全に払拭することはできません。それをセブンイレブンの現「中華蕎麦とみ田監修デカ豚ラーメン」はクリアしているのですが、まだファミリーマートは同等のレベルには達していない‥‥というのが正直な感想です。
前回の「豚ラーメン(背脂入り)」から配合を変えたのか、それともスープの少なさが功を奏したのか、その両方が勝因になったのかは定かでないけれど、あきらかに前回よりも茹で置き感は控えめで、わしわしとした食べ応えが楽しめたのは、いい意味で実食前の予想を裏切ってくれたポイント。
写真で見ても濃淡があるように、麺がタレに使っていた部分は色が濃く、そうでない部分は色が薄いので、食感に大幅な差が出るかと思いきや、食べていて違和感はありません。むしろ若干ながらベクトルの違う弾力が混在することで食感がランダムになり、味の濃淡についてもニュアンスが生まれるため、それが楽しいとさえ感じました。
たれ
中毒性注意!!
パッケージ(ラベルの商品名下)には “Soupless Ramen(汁なしラーメン)” と記載されていますが、麺の下にタレとアブラが仕込んである状態で、やや濃口しょうゆ強めのテイストですが、カラメマシほどの攻撃性はなく、世間受けするギリギリのラインを狙っているイメージ。ただ、二郎インスパイア商品らしく、アブラの量についてはコッテリめに仕上がっており、なかでも注目したいのがコレ。
前回の「豚ラーメン(背脂入り)」と同じように、白い背脂の塊(それも平均1cm以上のサイズ)がゴロゴロと入っていて、大きめの豚脂ならではの歯触りと甘みが楽しめるのはもちろん、いい意味で豚臭い風味が鼻に抜けるところも印象的。この大きな背脂の塊が口に飛び込んできた瞬間、ただでさえ背徳的な味なのに、その背徳感が急激にブーストします。
店舗のスープは非乳化系に分類されるのに対し、前回のレンジ麺と同じく豚骨の乳化感が強く、そこは再現度を重視するとマイナスすべきポイントになりますが、ぽってりとした口当たりのマイルドな豚骨が下地を整え、それを下品に飾りつける豚脂の芳ばしさと背脂の塊による絶妙なコンビネーションが見事。味の濃さも強過ぎず弱過ぎず適切で、おもわず箸が止まりませんでした。
具材
再現度を高めるためのポイントを押さえている
メインのチャーシューは約1cmほどの分厚いサイズに切り出され、加熱するとパサつきやすい赤身の部分は柔らかく、脂身はタレの背脂と異なるタイプの甘みが印象的。味付けは控えめなので、肉の旨みが尊重されています。また全体のニンニク感を大幅に底上げしてくれる中央の刻みニンニクとは別に、千切りのフライドオニオンが個性的で、これは本物の「汁なし」にもトッピングされている具材。
黒胡椒は最初から適度に入っているのですが、実際の「汁なし」には多めの黒胡椒がトッピングされているのも特徴で、それを再現するために後入れの黒胡椒を別添しているのもポイント。もやしとキャベツは常識的な量ですが、麺とは違う歯触りが食欲増進に寄与しており、このコントラストも箸が止まらなくなった要因でした。
総評
お店の「汁なし」をコンビニ向けにデフォルメしているため、まったく同じインパクトに期待してはいけないけれど、二郎インスパイア商品らしい背徳感を筆頭に、それをキリッと引き締める黒胡椒の清涼感やフライドオニオンの芳ばしいアクセントなど、ただ単純に前回の「豚ラーメン(背脂入り)」を汁なしにアレンジしたような芸のない商品ではありません。
汁なしジェネリック二郎には先駆者が存在するため、今回の「ラーメン荘 歴史を刻め」がパイオニアではないものの、過去に類を見ない組み合わせの個性に有名店監修の恩恵を感じました。販売エリアが限られるため、それ以外の地域では入手困難な商品になりますけど、手に入る環境であれば、食べるべき価値のある一杯だと思います【author・taka :a(大石敬之)】