どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年7月23日(火)新発売のカップ麺、エースコック「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」ファミリーマート限定商品の実食レビューです。
辛さレベルは “あの北極” を越えた!? 実店舗で人気の「旨辛麺MAX」を再現した来来亭コラボ史上最強の激辛カップラーメン登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
来来亭 旨辛麺 辛さMAX
「来来亭(らいらいてい)」とは、滋賀県中洲市に本社を置くラーメンチェーン店で、京都風醤油味の鶏ガラスープに背脂を浮かべているのが特徴。いわゆる “背脂チャッチャ系” のラーメンを代表メニューに展開しているのですが、今回の新商品「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」は実店舗でも提供されている「旨辛麺MAX」の味を再現したもので、カップ麺のパッケージでも “辛いものが得意な方のみ挑戦してください” と挑戦的な警告——
「旨辛麺MAX(うまからめんマックス)」とは、お店の “表メニュー” で4段階(1辛~4辛)の辛さが調節可能な「旨辛麺」の激辛バージョンで、どのくらい辛いのかというと表メニューのMAX(4辛)を超える「7辛」前後。もともとは裏メニュー的な辛さレベルでしたが、4辛以上を注文するお客さんが多かったようで、それを受けた本部が正式にメニュー化したそうです。
そして、まだ全店対応ではないようですが、来来亭の開発部が「蒙古タンメン中本」の “北極ラーメン越え” を目指して作った「旨辛麺MAX-END(マックスエンド)」という裏メニューの提供も実施。「旨辛麺MAX」の辛さを「7辛」とした場合、「旨辛麺MAX-END」の辛さは「40辛」と桁違いで、来来亭の某店長曰く “中本の北極デフォよりも辛さレベルは上” とのこと。
「情熱」だけは抜けないけれど、麺の茹で加減にネギや背脂の量、醤油の濃さ、チャーシューの部位指定に一味唐辛子の有無だけなく、きっちり激辛党のニーズにも対応してくれた、来来亭の柔軟性とサービス精神の現れと言っても過言ではありません。とはいえ残念ながら今回は裏メニューの「旨辛麺MAX-END」を再現しているわけではないのですが、このパッケージですよ。
お店で提供されている表の「旨辛麺」は4段階の辛さが選べると書きましたが、実は1辛〜2辛間、3辛〜4辛間に使われている唐辛子の量は変わりません。1辛と2辛には韓国産の激辛青唐辛子「プッコチ」は不使用で、1辛は背脂あり・2辛は背脂なしと背脂の有無(コク)で体感的な辛さレベルを調節。3辛以上からプッコチを使用し、3辛は背脂あり・4辛は背脂なし——といった具合です。
「来来亭」のカップラーメンは昔からエースコックが製造を担当しているのですが、初めて発売されたのは2006年5月の「来来亭 特製しょうゆラーメン」で、当時の製品スタイルは大判どんぶり型。以来、ファミリーマートとサークルK・サンクスが統合するまでの間、サークルK・サンクスのオリジナル商品として数量限定の再現カップ麺を定期的に発売し、初代から数年の間は実店舗で使える割引券などのオマケ付きでした。
ファミリーマートに吸収合併される前は期間限定・数量限定商品でしたが、経営統合後はファミマの定番商品として、2017年10月31日からタテ型ビッグの「来来亭 しょうゆラーメン」を販売開始(2018年10月2日リニューアル)。そして2017年10月31日に数量限定商品「来来亭 旨辛麺」が発売されたのですが、2018年10月2日のリニューアルをもってレギュラー入りが確定し、ちょうど1年前の夏となる2018年7月24日——
来来亭のカップラーメン史上「辛さMAX」とされていた「来来亭 旨辛麺 辛マシ(からまし)」という数量限定の激辛カップ麺(写真左)が発売されていたのですが、今回の旨辛麺MAXを再現した「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」は “昨年の辛マシよりも辛い” とのことなので、その違いも意識しながらレビューしたいと思います。
開封
別添の小袋はフタの上ではなく、エースコックお得意の最初から容器の中に入っているパターンで、しかも今回は「液体スープ」と「激辛注意スパイス」の合計2袋。いきなりドクロマークが出迎えてくれる危険度の高そうな演出もさることながら、イラストの下に “まずは入れずにお召しあがりください” との注意書きがあります。わかりました、最初は入れずに食べて味と辛さの変化にも注目してみましょう。
具材はネギが多めでニラが少し、あと謎の白い物体が入っているのですが、原材料名(かやく)には “唐辛子、大豆加工品、ねぎ、ニラ” と書いてあるため、この白い物体は大豆加工品に該当します。昨年の「辛マシ」には鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子、メンマ、もやし、ニラが入っていたので、早くも具材の大幅なグレードダウンは否めません。
麺は油揚げ麺ですが、実店舗の「旨辛麺」と同じように太めの麺。お店の「ラーメン(しょうゆ)」や「こってり」「塩ラーメン」の麺は加水率が低くて歯切れのいい細めの低加水麺が標準仕様なのに対し、「旨辛麺」や「味噌」「カレーラーメン」では縮れた太麺(中太麺)を使用しているので、きちんとサイズ感の再現は意識されていました。
製品詳細情報・購入価格等
容器底面にある「製造所固有記号」は「K」となっていて、これは埼玉県川越市にあるエースコックの自社工場「東京工場」(埼玉県川越市今福461-1)を意味しています。そしてファミリーマート標準価格は200円(税込216円)と良心的で、2019年6月1日(土)以前の値段(値上げ前)と変わりません。
その日を境にメーカー希望小売価格205円(コンビニでの実売価格は税込216円)だったタテ型ビッグ・大盛りサイズのカップ麺は、ほぼ例外なく税別220円(コンビニでの実売価格は税込232円)への価格改定が実施されました。けれども今回のファミマ専売×エースコック×来来亭のコラボは値上げ前の価格を守っている、このマイナス16円の差額は大きいですね。
製品名:来来亭 旨辛麺 辛さMAX 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(K) 内容量:96g(めん70g) 商品コード:4901071287733(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年07月23日(火) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体スープ・激辛注意スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(ポーク調味料、みそ、食塩、糖類、香辛料、しょうゆ、植物油脂、動物油脂、ポークエキス、発酵調味料、粉末みそ、酵母エキス、でん粉、たん白加水分解物、魚介エキス、ねりごま、全卵粉)、かやく(唐辛子、大豆加工品、ねぎ、ニラ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香辛料抽出物、カラメル色素、香料、増粘多糖類、酒精、カロチノイド色素、かんすい、紅麹色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、微粒二酸化ケイ素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
湯戻し時間は熱湯5分、先ほどの写真で “激辛注意スパイス” の下に隠れていた液体スープの小袋は待っている間にフタの上で温めます。明らかに具材は劣化していましたが、昨年の「辛マシ」に入っていたのは “深うまいの素” と書かれた液体スープの小袋が1袋だけだったので、スパイスの面目躍如に期待ですね。
というわけでエースコックのアドバイス通り、最初はドクロ印のスパイスなしで食べてみましょう。可能な限り具材を集めてはみたものの(向かって左がネギ、中央やや右奥が大豆加工品、右下がニラ)、もやしや肉具材、メンマなどは入っていないため、再現度は高くありません。ただ、スープの辛そうな色はバッチリ。
それに液体スープを投入した瞬間、炒め野菜風の香りが強く漂ってくるのですが、これについては定番の「旨辛麺」や2018年の「辛マシ」と共通のポイントでした。それでは、辛マシとの違いや “旨辛麺MAX” の再現度と辛さレベルに注目しつつ、「めん」「スープ・激辛注意スパイス」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)当たり
カロリー:379kcal(熱量 / エネルギー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:379kcal(めん・かやく:281kcal)(スープ:98kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
定番の「旨辛麺」は多加水麺寄りですが、やや旧世代チックな印象も並行。そして前回の「辛マシ」は歯切れの良さも目立っていたのに対し、今回は厚みのある超もっちり多加水麺に(それも先進的な麺に)進化していて驚きました。このタイプは水分をしっかり含ませることでクオリティがアップする尻上がりの麺なので、熱湯5分で食べ始めるよりも1分ほど長めに待ったほうが麺のポテンシャルを引き出せます。
見た感じ角刃でカットされているのですが、麺の表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさなので、口当たりに攻撃性はありません。しかし、その滑らかさから勢い余って喉に直撃した時の攻撃力は凄絶で、かなり盛大に噎(む)せる危険性を伴います(※噎せました)。けれども噛んでいる時に奥から上がってくる絶妙な麺の甘みが心地よく、それが異様に印象的な、かなり中毒性の高い組み合わせ。
さらに時間の経過による食感の劣化も緩やかなので、スープが想像以上に辛くて早く食べられない——となった場合でも大丈夫。定期的にかき混ぜてやれば熱湯を注いでから25分くらいは余裕でモチモチ感をキープしてくれますし、麺の表面は滑らかでも適度な縮れでスープとの一体感は高く、前回の「辛マシ」や現行の「旨辛麺」(2018年10月2日リニューアル品)よりも再現度がアップしました。
スープ
別添の液体スープを開封すると、まるで地獄の底から湧き出た “なにか” を思わせるようなドス黒い液体と真紅のオイルが出てくるのですが、カップ麺の「旨辛麺(非MAX)」にも入っている背脂は意識されていません。しかしながら液体スープを開封した瞬間に漂ってくる野菜を炒めたような香りが印象的で、ぐっと臨場感が生まれます。
実際の味わいも炒め野菜を思わせる風味が印象的なんですけど、即座に襲ってくる強烈な辛さ。まだ激辛注意の別添スパイスを入れる前なのに、食道から胃にかけてスープが通過した部分は一瞬にして熱を帯び、それも瞬発力のある(やや苦味を感じるほどの)突き抜けた辛さから、この時点で「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」のカップ麺と比較して体感85%以上の辛さレベルには驚きました。
スパイス投入前、まだプッコチ(青唐辛子)のアクセントは感じられませんでしたが、ただ辛いだけのスープではありません。主に激辛の源泉はオイルなので、それが薄れてくる後半は徐々に下地のスープが頭角を現し、ポークの旨味や味噌のコク、魚介エキスや芝麻醤(ねりごま)の隠し味など、中でも湧き上がってくる “甘み” には逆らえない中毒性があり、その沼へとイッキに引き摺り込まれます。
というわけで実はスパイスを入れずに1つ完食しちゃったので、2食目は最初からスパイス全投入で食べてみたのですが、そんなに変わったように感じません。スパイスを直接ちょっと舐めてみるとクミンっぽい香りと甘味もあって、むしろスパイスそんなに辛くないよね‥‥などと思いながら食べ進めていたのですが、途中で “逃げ場が無くなっている” ことに気が付きます。
スパイス投入前はオイルの減退に合わせて地の優しさが増進していたのに対し、スパイスが万遍なく行き渡ることで最後まで辛く、しかも安定してカプサイシンが蓄積されることで辛さは増すばかり——けれども激辛の奥にある旨味は健在で、スパイス投入後はプコッチを彷彿とさせる青唐辛子パウダーのアクセントもプラスされるなど、来来亭カップ麺史上究極の激辛旨スープに仕上がっていました。
具材
麺とスープは絶賛してきましたが、具材については可もなく不可もなしと言わざるを得ない弱さで、これについては手放しに褒められません。そこそこネギは入っていたけれど、白い物体は特に味を感じない大豆たん白で、ニラも実食中は気にならない程度。綱渡りの肉そぼろは必要ありませんが、せめてモヤシかメンマが入っていたら印象が変わったように思います(実店舗の旨辛麺MAXは卵、ニラ、もやし、メンマが基本)。
ただ、寿がきや食品の「辛辛魚らーめん」じゃないけれど、激辛注意のスパイスも具材の一端と思えばコスト配分は悪くないですし、麺とスープの完成度が高いですからね。それにスーパーよりも値段の高いコンビニ(ファミリーマート)で買っても税込216円という値段も魅力で、中途半端なバランス型に整えるよりも麺とスープと激辛にフルスイングしている様は清々しいとさえ感じました。
大豆加工品(大豆そぼろ)は大豆たん白系特有のクニッとした歯ごたえですが、エースコックがコスト調整に困った時に放り込んでくる(※というのはイメージですけど)スポンジみたいなスカスカ肉そぼろと比較した場合、大豆加工品のほうがマシかもしれません。
総評
★★★★★★★☆☆☆(★7)
まず実店舗の「旨辛麺MAX」と比較した場合の再現度ですが、税込216円の縦型カップ麺なので、具材を筆頭に完璧とは言えません。けれども2018年発売の「辛マシ」よりも明らかに辛い突き抜けた辛さと青唐辛子の風味は個性的で、かつスープの基盤と麺も大幅にレベルアップするなど、これまで数多くリリースされたエースコック×来来亭のカップ麺の中でも最高峰に位置する一杯でした。
辛さレベルは蒙古タンメン中本の北極ラーメン(本物)に及びませんが、カップ麺の「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 北極ラーメン」とは肩を並べるか最終的に “上かもしれない” と感じたので、北極×旨辛麺MAXの激辛バトル(食べ比べ)も記事にする予定です。というわけで辛い食べ物が苦手な方にはオススメできませんし、もっと辛い「旨辛麺MAX-END」の再現にも期待していますが、現段階「来来亭 旨辛麺」史上最強の一杯であることは間違いありません。