どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年12月4日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、エースコック「来来亭 こってりラーメン」の実食レビューです。
“情熱は抜けません” エースコックとファミマが「来来亭」の「こってりラーメン」を再現! ところで「しょうゆラーメン」と「こってりラーメン」の違いをご存知でしょうか。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
来来亭監修 こってりラーメン
「来来亭」のカップラーメンは歴史が古く、以前から製造はエースコックが担当しているのですが、最近の再現カップ麺は “油揚げ麺” を使用した “タテ型ビッグ容器” が主流でした。今回と同じく “どんぶり型” カップでの再現は、もう何年ぶりのことになるでしょう‥
少なくとも私が最後に食べたノンフライ麺・どんぶり型の来来亭は4年以上も前に販売されていた製品で、その当時 “サークルK・サンクスのオリジナルカップ麺” として「プライムワン」ブランドから発売されていました。カップ麺の名前は、「来来亭 しょうゆラーメン どんぶり」‥そのままですね(笑)
2018年11月30日(金)に国内すべてのサークルK・サンクスが営業を終了し、ファミリーマートへのブランド統合が完了したのですが、来来亭のカップラーメンは統合発表後もファミリーマートで生き残り、それどころかタテ型の「しょうゆラーメン」と「旨辛麺」は常時店頭に並ぶようになりました。
エースコックと来来亭はサークルK・サンクス(プライムワン)時代から現在にかけて何度もタイアップしているのですが、そもそも「こってりラーメン」の再現カップ麺は記憶にないので、もしかすると “こってりラーメンを再現すること自体が初めて” なのかもしれません(違ったらごめんなさい)。
さて、来来亭の「こってりラーメン」と普通の「ラーメン」は何が違うのでしょうか。
「お店のラーメンは背脂の “多め・普通・抜き” をオーダーして自分流にカスタマイズしてアレンジできるから、普通のラーメンに背脂を多めに入れたやつなんじゃないの?」いいえ、違います。実は、 “スープのベースからして別物” なんです。
来来亭のレギュラーメニューにある「ラーメン」は “鶏がら醤油” に “背脂” を合わせた “京都風醤油味” となっているのですが、「こってりラーメン」は “豚骨” がベースになっています。Wikipediaには「鶏ガラを長時間煮込んだ」と書いてあるのですが、以前に関係者(独立店のオーナー)から「豚骨だよ(笑)」と教わりました。
さて、エースコックは “背脂に強いメーカー” ですし、来来亭とは長年のタイアップによる実績があるので、かなり本格的な内容に期待できそうですよね。それでは、開封して内容物をチェックしてみましょう。
開封
別添の小袋は、「液体スープ」が2袋と「かやく」の計3袋構成で、白いほうの液体スープはガッチガチに凝固しています。これまでの傾向から、おそらく白い小袋の中身は “フルで背脂” が入っているのでしょう。先ほどエースコックは背脂に強いと書きましたが、昔からリアルな背脂の演出に長けているメーカーなんです。
もちろん麺はノンフライ麺(油で揚げていない麺)が採用されているのですが、一箇所ちょっと焦げてますね(写真で左のほう)。一般的なノンフライ麺の作り方(製造工程)通りであれば、蒸し器で蒸した麺を金属枠ごと熱風乾燥機に入れて30分以上、80℃前後の熱風で乾燥させているはずなので、その工程で焦げたのかもしれません。
お店の麺は色が白っぽく、比較的に加水率は高くない丸刃の細麺が使われているのですが、カップ麺は黄色味の強い平打ちの多加水麺に見えます。お湯を注いだ後、どのように仕上がるのか楽しみですね。今回のカップ麺はファミリーマート通常価格258円(税込278円必至)なので、値段も加味した上で評価します。
製品情報・購入価格
製品名:来来亭 こってりラーメン 製造者:エースコック 内容量:113g(めん60g) 発売日:2018年12月4日(火) 実食日:2018年12月4日(火) JANコード:4901071287375 ファミリーマート通常価格:258円(税抜) 発売地域:全国(ファミリーマート限定・数量限定) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:中判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:380ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ2袋・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 めん(小麦粉(国内製造)、食塩、たん白加水分解物、大豆食物繊維、卵白粉)、スープ(動物油脂、しょうゆ、ポークエキス、還元水飴、食塩、ポークゼラチン、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、砂糖、酵母エキス)、かやく(焼豚、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、乳化剤、増粘剤(キサンタンガム、加工でん粉)、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、カラメル色素、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉・鶏肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉・ゼラチン |
実食開始
お湯を注ぐ前に開封する小袋は「かやく」だけで、液体スープは2袋とも “後入れ” です。なぜか白い小袋だけフタの上で温めるようにとアドバイスが記載されているのですが、両方ともフタの上で温めたほうがよいでしょう。白い小袋は背脂なので、私は黄色い小袋から馴染ませました。
そして、さすが “こってり” 背脂も多いですね。やはり白いほうはフルで背脂+動物油脂だったんですけど、植物油脂で割っていないので、投入した瞬間から昇ってくる背脂の芳ばしい香りに食欲をそそられました。うんうん、期待大ですね。
さて、ちょっと寂しげですが、調理直後はオーソドックスな見た目。カップ麺のカロリーは399kcalと高めの数値に思えるかもしれませんが、お店のラーメンは基本的に「醤油ラーメン」で約650kcalとなっており、その他のメニューは約600~700kcal(※それぞれ個人オーダーなしの目安)となっているので、そう考えたら単純計算のカロリーは低いです。まぁチャーシューとか物が違いますけどw
それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、お店の再現度も意識しながらカップ麺としての総合力をレビューします。
1食(113g)当たり
カロリー:399kcal |
※参考値(調理直後に分別した値) エネルギー:399kcal(めん・かやく:228kcal)(スープ:171kcal) |
めん
お店のラーメンと比較して色が濃く、多加水麺に見えると実食前に書きましたが、やはり多加水麺ですね。まず “しっとり” とした口当たりが印象的で、何人の方に伝わるか分からない例えになってしまうんですけど、数年前にエースコックが製造していた「芳醇香味 塩そば」という海老油が強烈なカップ麺に使われていたノンフライ麺を思い出しました。(あれ美味しかったなぁ‥)
歯切れよりも粘り気や弾力を意識しているような、それでいて適度に歯切れもよく、しなやかで縮れのない平打ちの中細ストレート麺。正直、袋麺(乾麺)の来来亭とも違いますし、お店の麺に近いか遠いかと言われたら少し遠いですね。ただ、この麺ほんとに美味しくて(笑)もう無条件に好印象でした! と、言えなかったのがスープとのバランス。
詳しくは次の項目で解説しますがスープの塩気が鋭いので(それも舌に刺さってくる直接的な塩気)、繊細で女性的なノンフンライ麺では太刀打ちできないような状態だったんです。もうちょっと小麦の粉っぽい風味を強化する、もしくは再現度が低くなってしまうのですが、単純に今回のスープには太麺が合うように感じました。
スープ
定番ブランド「来来亭」の、こってりラーメンをカップ麺で再現。豚骨ベースの液体スープに、香味野菜の旨みと背脂のコクを加えた濃厚スープが特徴です。[ファミリーマート限定・数量限定]
(出典:ファミリーマート「商品情報」)
軽く3mmほどの油膜が張るくらい背脂の量は多めに入っていて、以前に「EDGE」シリーズからリリースされた、ぶっ飛び企画の大量背脂入りカップ麺「鬼背脂とんこつ醤油ラーメン」ほどではないものの、軽く見積もってタテ型の「来来亭」や「飲み干す一杯」シリーズに入っている “深うまいの素” 3袋分以上の量でしょうか。
前述したように植物油脂は含まれていないので、がっつり動物系の重厚感が得られます。これについてはエースコックらしい安心と信頼の実績を打ち出してくれていたのですが、「めん」の項目でも触れたように塩気が鋭利なので、人を選ぶかもしれません。ただ、実際の「こってりラーメン」もデフォルトで塩気は強いんですよね。
豚骨寄りの豚骨醤油味で、醤油は薄口。本物には負けるけど背脂たっぷりの方向性から、「来来亭」の「こってりラーメン」に通じる要素は多く、再現度は高いと‥いや、ちょっと待ってください。来来亭には欠かせない “あれ” が見当たりませんよ‥だ、誰だ俺のオーダーを “一味唐辛子・抜き” と間違えたのはw
って、まぁ一味唐辛子くらい自分で入れたら済む話なんですけど、来来亭のアイデンティティは背脂と一味唐辛子が大きくウェイトを占めていると勝手に思っているので、ひとつ大きな個性が欠落してしまっているように感じました。
かやく
とりあえず構成としては本物のラーメンと同じですが、それぞれの品質は定価180円のカップ麺と変わらないので、ここに期待しているとズッコケます。チャーシューはエースコックのタテ型カップ麺に入っている丸型よりも控えめな味付けで、プリッとした肉らしからぬ食感が少し不自然だったんですけど、まぁないよりマシ‥? ですかね。
メンマは小さくて食感もクタクタだったので、あまり存在感はありません。ネギは九条ネギでも九条種ネギでもないけれど、乾燥ネギ特有の歯触りがシャキッと目立っていたので、塩気の強いスープの中でアクセントに効果的でした。もちろん、お店の「ネギラーメン」ほどの存在感ではありませんが(笑)
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3)
麺はノンフライ麺としてのクオリティが高い一方で再現性としては少し遠く、またスープの塩気とバランスが取れていなかったので、どちらか調節する必要があると感じました。それに、具材もカップ麺の領域を出ないばかりか定価180円の安いカップ麺と大差なかったので、これについては値段相応と言えません。
でも多めの背脂に強めの塩気が効いた来来亭らしい「こってりラーメン」を意識した豚骨醤油スープは雰囲気の再現性が高かったので、惜しげも無く上質な背脂のクオリティも加味して及第点を付けました。残念ながらデフォルトで “一味唐辛子・抜き” だったので、各位お手元の一味唐辛子で調節しましょう。