どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月10日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「MARUCHAN QTTA(クッタ)明太チーズ味」の実食レビューです。
マルちゃん「QTTA」からカップラーメンでは珍しい「明太チーズ味」の新作登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
QTTA(クッタ)明太チーズ味
「MARUCHAN QTTA(マルちゃん クッタ)」とは、 “食べた人に「はぁ~、くった~」とホッと一息ついて前向きな気持ちになってもらいたい” というコンセプトを掲げて発足した東洋水産のタテ型カップ麺ブランドで、「QTTA」が初めて発売されたのは2017年3月27日——日清食品の「カップヌードル」と対峙するかの如く、真っ向から鳴り物入りで登場しました。
今回の新商品「MARUCHAN QTTA(クッタ)明太チーズ味」は、禁断のカップル「明太子」と「チーズ」をバランスよく配合した一杯で、東洋水産曰く濃厚な味わいに仕上がっているとのこと。基本的に明太チーズ系の商品って間違いなく美味しいイメージがあったりしますけど、カップラーメンのテーマとしてはメジャーなフレーバーではありません。
カップパスタ(スパゲティ)やカップ焼そばなどの汁なしカップ麺では定番の明太子味ですが、「明太チーズ味」に絞った商品は珍しく、明星食品「一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 明太チーズ味」(2016年6月12日発売)以来となる明太チーズ味のカップ麺。ただ、明太チーズ味の「カップラーメン」を見たのは今回が初めてです。
稀に実店舗で明太子をトッピングした豚骨ラーメンがあったりしますけど、やはり底に溜まりがちな明太子の粒はスープありのラーメンだと扱いが難しく、プロの職人でも敬遠している方は珍しくありません。けれども東洋水産は「俺の塩」や「やきそば弁当」で培ってきたシーズニング技術の持ち主ですし、「QTTA」のスナック的なイメージとも相性がよさそうですよね。
パッケージはピンク色の背景にドットで明太子の粒感を表し、「QTTA」の「Q」と「A」が溶けたチーズをかぶるなど、シズル感も意識しているポップで可愛いデザインを採用。その下には英語で「This is the MENTAI CHEESE RAMEN of “QTTA” 」と書いてあるのですが、翻訳すると読んで字の如く「これはクッタの明太チーズラーメンです」。
ちなみに続きの「So excited to present it, please enjoy this ramen. It will give you great satisfaction as never before.」を翻訳すると「それでは、ぜひこのラーメンをお楽しみください。それはこれまでにないほど大きな満足をあなたに与えるでしょう」となるのですが、小さな英文の中に自信のある強気なメッセージが込められています。
また「QTTA」の「Q」はローリング・ストーンズのロゴマークよろしく「Q」の一画を「舌」に見立てているのですが、その舌先に当たる部分がフタの開封口なのも個性的で、発売当初は一部のユーザーから気味悪がられていましたが(分からなくもないw)、なかなか洒落のきいたパッケージですよね。
ちなみに同ブランドの商品名は定番商品だと英語、スポット商品は日本語と差別化が図られているのですが、今回の新商品は「MENTAI CHEESE」(ローマ字表記)ではなく「明太チーズ味」(日本語)なので「期間限定」。溶けかけのチーズが食欲をそそってくれるイメージ写真通り「チーズ」は濃厚なのか、それと “たらこ” ではなく「明太子」のニュアンスにも注目です。
開封
開封すると大量の粉末スープで麺が見えない状態で、その粉末スープに小さなピンク色の粒と濃いめの赤い粒が入っています。ピンクの粒が「たらこシーズニング」で、赤い粒が「明太子シーズニング」でしょうか——月並なイメージですけどw 具材はチーズ加工品、玉ねぎ、ネギとシンプルで、後入れの調味油や液体スープなどの小袋は別添されていません。
カップ麺の製造所は、兵庫県神戸市にある東洋水産の「関西工場」(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8)となっていて、これはブランド発足時から現在も販売が継続している定番の初代「QTTA」3品(SHO-YUラーメン、SEAFOODラーメン、TONKOTSUラーメン)の製造所と同じ工場。
あと現行の定番ラインナップには「CURRYラーメン」(2018年3月26日発売〜2019年3月25日リニューアル)もあり、2019年3月25日に発売されたシリーズで唯一の激辛商品「EXTRA HOTラーメン(トテモカライ)」も公式ウェブサイトではローマ字表記ですが、希望小売価格が税別180円のまま値上げ前から変わっていないので、そろそろ生産終了かもしれません。
※2019年6月1日(土)出荷分からの価格改定により、主要メーカーのカップ麺で希望小売価格が「税別180円だった」ブランドは、ほぼすべて「税別193円に値上がり」しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:MARUCHAN QTTA 明太チーズ味 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関西工場(兵庫県神戸市) 内容量:81g(めん66g) 商品コード:4901990363402(JANコード) 商品サイズ:縦102mm×横102mm×高さ109mm 発売日:2019年06月10日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:280ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(小袋無し) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、でん粉、食塩、植物性たん白、チキンエキス、しょうゆ、卵白)、添付調味料(粉末野菜、乳等を主要原料とする食品、たらこ加工品、砂糖、豚脂、食塩、香辛料、しょうゆ、粉末かつおぶし、パセリ、植物油)、かやく(チーズ加工品、たまねぎ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、パプリカ色素、香辛料抽出物、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・さけ・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】えび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・さけ・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
麺はラードの芳ばしい風味が特徴的な油揚げ麺が採用されているのですが、このラードを使った油揚げ麺も「QTTA」のアイデンティティといえる個性的なポイント。調理前の香りはリアル明太子というよりも「明太子ふりかけ」にチーズを重ねたようなイメージで、かなりスナック的な香りではあるものの、ブランドのイメージにはマッチしています。
それからフタの裏に「QTTA(クッタ)明太チーズ味を食べる前においしく仕上げるポイント!」というアドバイスがイラスト付きで印刷されているのですが、スープがしっかりと溶けるように “カップの底から” よ〜くまぜてくださいネ♪ とあります。QTTAの構造上、お湯を入れてから3分ちゃんと待っても “粉末スープが乾いたままの確率が高い” ので、念入りに混ぜましょう。
さて、完成です。 “粉末スープが乾いたままの確率が高い” と書きましたが、お湯を注ぎ終わった直後に麺がプカッ‥と浮かび上がってくるので、場合によってはチーズ加工品の中心部が乾燥状態のまま‥‥というケースも珍しくありません。同様に玉ねぎも異様に硬い部分があるかもしれないので、実食の際は注意してください。
それでは、チーズのコクと明太子のピリッとしたアクセントが絡み合う明太チーズの魅力に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(81g)当たり
熱 量:358kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:358kcal(めん・かやく:300kcal)(スープ:58kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん(つやもち製法)
QTTAの油揚げ麺はフレーバーに合わせて麺の製法を変えているのですが、今回の「明太チーズ味」には “なめらかでモチモチとした食感” が特長となっている「つやもち製法」の麺を採用しています。今回は「サワークリームオニオン味」を代表とする「超スナック系」シリーズではないようですが、その系譜にある麺ですね。
定番の「SHO-YU(しょうゆ味)」よりも幅が広く、つやのある滑らかな表面の質感と内部のモチッとした弾力で「つやもち」を表現。また「サワークリームオニオン味」を食べた時にも感じたことになるのですが、スープがクリアでシンプルな醤油味だとラード由来の芳ばしい風味が強めに主張してくるのに対し、クリーム系のスープだとラード由来の油揚げ麺臭が大幅に軽減されます。
とはいえノンフライ麺のように繊細なテイストではないですし、油揚げ麺ならではのコクも並行しますけど、スープとの兼ね合いから今回ちょっとパスタっぽい雰囲気もありました。ちなみに同ブランドの「SHO-YU(しょうゆ味)」と「SEAFOOD(シーフード味)」の麺も「つやもち製法」ですが、「TONKOTSU(とんこつ味)」のみ「ノンスチーム製法」の麺を採用しています。
明太チーズ味のクリームスープ
いやいやいや‥‥これは想像以上ですね。まず「明太子」なんですけど申し分なく、原材料名では「たらこ加工品」となっているのですが、ほんのちょっと唐辛子のピリッとしたアクセントもあって、たらこ(辛味ゼロ)ではなく明太子。けれども辛さレベルは完全なるピリ辛なので、辛い食べ物が苦手な方でも構える必要ありません(ちなみにスープの写真に浮かんでいる小さな緑はパセリ)。
それに風味だけでなく、きちんと明太子の粒感まで楽しめますし、スープの粘度が低いと底に溜まって目立たなくなってしまいますが、粉末野菜によるトロミで明太子の粒が沈まないのもポイント。さらに乳等を主要原料とする食品と具材のチーズ加工品で乳製品系のコクも明白に打ち出し、味を要約するとクリーム系の明太チーズポタージュといった雰囲気から、なんとも裏切りのない美味しさです。
粉末ポテトやオニオンをベースに生クリームを加え、チーズと明太子を入れたような——あと隠し味に鰹節も仕込んであるのですが、ふと香る「さけ(鮭)」の風味が面白く、それも印象に残るポイントでした。えっと、乾燥の鮭ふりかけに入っているピンク色のフレーク、あれがフワッと香る感じです(笑)。さりげなくなんですけど、実によくできたスープですね。
具材
具材はチーズ加工品、玉ねぎ、ネギとシンプルな内容で、チーズ加工品はスープの一部として活躍。ネギは‥‥まぁあっても無くてもいいかな、という感じだったんですけど、あいかわらず玉ねぎがいい仕事してますね。クリーミーな明太チーズ味のスープにシャキッ、とした食感とシャープな香味がアクセントに効果的で、ちょっと食後は口臭が気になるくらい入ってるのも好印象。
ただ、東洋水産のカップ麺は基本的に “総量の重さ” で具材の量が決まるため、チーズ加工品の数などにバラつきがあります。なので、チーズ加工品は3個で玉ねぎが多かったり、もしかするとチーズ加工品が8個で玉ねぎが少なめ——みたいな個体が出てくるかもしれません。もしチーズ加工品に5個以上の差があった場合、かなりスープの雰囲気も変わってくるでしょう。
あと皮付きポテトも入ってたら「明太ポテトチーズ味」になったのになー、などと思ったりもしたんですけど、そこまでは手が回らなかったようです。とはいえ明太子の粒感とフレッシュなオニオンの存在感で、具材に貧弱なイメージはありませんでした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
麺はラードを使った定番つやもち幅広麺で、具材もシンプルな内容ですが、歴代の雄「MARUCHAN QTTA サワークリームオニオン味」に勝るとも劣らない名作です。明太子やチーズが突出しているわけではないものの、何味かと聞かれたら「明太チーズ味」。
それらがバランスよく混ざりあっている、ひとつのクリームポタージュ系カップ麺として完成度の高い一杯でした。このカップ麺を美味しく食べる方法は、全体を大きく混ぜたあとに “1分ほど休ませる” のがポイントです(麺のモチモチ感がアップしてスープも濃厚になりますよ)。
で、ちょっと個体差の話。上の写真はレビューした商品とは別の個体なんですけど、比較してチーズ加工品は半分の3個、そのかわり玉ねぎが多め。ほぼ明太子の濃度に差はありませんでしたが、チーズ加工品の数に比例して少ないほうはスープのチーズ感も弱くなり、けれども鮭のニュアンスが分かりやすくなる、といった違いが生じていました。
しかしながら両方ともスープは高粘度で濃厚、結果的に得られた満足感も同等だったので、クリーミーな明太チーズ味のカップラーメンが気になる方は要チェック。もしクッタの「サワークリームオニオン味」が気に入っていて、明太子×チーズのクリームポタージュ系にネガティブじゃないのであれば、売っている間に食べておかないと後悔するかもしれません(※QTTAのサワクリ味にドハマりした私の感想です)。