どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月28日(月)新発売のカップ麺、まるか食品「ペヤング 牛脂MAXやきそば」の実食レビューです。
ペヤング「MAX(マックス)シリーズ」初となる “胸焼け必至” の牛脂(ぎゅうし)入りカップ焼そば爆誕‥!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング 牛脂MAXやきそば
ペヤングの「MAXシリーズ」とは、2012年2月20日に発売された激辛カップ麺「ペヤング 激辛やきそば」が第1弾で、まるか食品の開発課所属・小島裕太さんが仕掛け人。変わり種の新商品が多いペヤングやきそばの中でも異彩を放つ、まさにキワモノ路線に精通しているペヤングだからこそ許されるようなシリーズなんですけど——
“胸やけにご注意ください。”(なんてキャッチフレーズだ‥‥)というわけで、今回は牛の脂「牛脂」を胸焼けMAXレベルでぶちこんだ「牛脂MAX(ぎゅうしマックス)やきそば」がテーマ。暖簾を掲げている手前、商品名こそ「やきそば」を名乗っていますが、ジャンルとしては「まぜそば」「油そば」に該当しそうな雰囲気ですね。
たとえば豚の脂を「豚脂」といいますが、豚脂(とんし)よりも「ラード」と言われたほうがピンとくるでしょう。この「ラード」という呼び名は英語(lard)が語源で、豚の脂肪組織を加熱・精製し、料理用の油として作られた食用油脂のこと。100gあたりのカローリーは約940kcal、融点は摂氏27~40度、それ以下の温度では乳白色に凝固します。
一方、豚脂はラードが一般的なのに対し、今回の「牛脂」は「ヘット」とも呼ばれ、英語ではなくドイツ語の「fett」又はオランダ語の「vet」 が語源という説が有力。100gあたりのカロリーは豚脂と同じ約940kcalですが、反芻類(はんすうるい)の脂に属す牛脂の融点は豚脂よりも高く、だいたい摂氏40〜50度。つまり、 “冷めて凝固し始めるまでのスピードが早い” ということ——
豚脂は人の体温で溶けるのに対し、牛脂を人の体温(口腔内)でスムーズに溶かすのは容易ではありません。そのためアツアツのうちは滑らかな舌触りも冷えればザラつきのある不快なものに変わりますし、豚脂よりも牛脂のほうが圧倒的に癖がある、そんな扱いの難しい牛脂にフォーカスを当て、なおかつ胸焼け注意の喚起あり。
気になるカロリーは1食(129g)あたり726kcalで、これが大盛りサイズのカップ油そば・まぜそばであれば珍しい数値ではありませんし(むしろ標準)、同社が2004年8月27日から販売している「ペヤング ソースやきそば 超大盛」(1081kcal)からすれば可愛いもんですけど、標準サイズの汁なしカップ麺で脂質は50.8g超えと頼もしい数値を叩き出しています。
実際かなり話題性が高く、すでにネット上でもTwitterなどのSNSを中心に、「えぐい」「ふつうにまずい」「食後ほんとに気持ち悪くなるからヤメとけ」「めっちゃベタつくわろた」などの投稿が相次ぐ中、それと同じくらいの勢いで「なんともない」「胸焼けなんてしなかった」「ふつうにおいしい」などなど、意外にも好意的な評判・口コミも多く見られました。
これについては食べ手の経験値(極端な話 “アブラマシマシの二郎系ラーメン” を完食できる・できない等)に大きく左右されるので、基準となるように筆者の耐性値を記しておきます——「豚脂も牛脂も味は好き」「でも胃腸は弱い」「東京・北千住『まぜそば専門 闘牛脂(マタドール)』の『明星 闘牛脂監修 濃厚牛まぜそば』(上記画像)には超高評価をつけた」。
開封
すでにツイッターでも何人かの方に情報を提供しているのですが、引き続き「売ってない」「見つからない」との声が多かったので、まるか食品に販路限定なのかどうか問い合わせてみたところ、 “全国のスーパーやコンビニなどで取り扱っていただいているため、特に販売店やエリアは限定していません(一斉販売)” との回答。
今回はドンキホーテにも取り扱いがなく、実際に立ち寄った大手コンビニの中でもセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートの全店舗で “売ってない” と言われたのですが、ふつうに「ミニストップ」で見つかりました。他、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)でも販売されていたので、IYグループ(セブン&アイのスーパー)も意欲的かもしれません。
さて、別添の小袋は「ソース」と「かやく」の合計2袋。普段よりも液体ソースの量が多く、原材料名を見ても動物油脂の使用量が多いので、ペヤングの小袋にしては珍しく “ソースはフタの上で温めてください” との記載があります。メーカー希望小売価格は、ノーマルペヤング(税別193円)よりも高い205円で、コンビニ税込価格は軽減税率(8%)適用で216円でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング 牛脂MAXやきそば 製造者:まるか食品株式会社(本社工場) 内容量:129g(めん90g) 商品コード:4902885005865(JANコード) 商品サイズ:縦162mm×横127mm×高さ57mm 発売日:2019年10月28日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型容器・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(動物油脂、しょうゆ、ポークエキス、糖類、チキンエキス、ガラスープ、食塩、でん粉、ガーリックペースト)、かやく(メンマ、ナルト、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、増粘剤(グァーガム)、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、クチナシ色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、(一部に小麦・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、具材のラインナップはメンマ、ナルト、ねぎとカップラーメンのトッピングみたいな構成で、定番のキャベツは入っていません。しかし、麺は定番のラード(豚脂)を使用している油揚げ麺で、この段階から早くも芳ばしい香りが漂っている、つまりソースを入れてからは “豚脂と牛脂の波状攻撃” が待ち構えているということ——
アブラまみれのペヤングMAXやきそばといえば、2017年3月27日に発売された「ペヤング 背脂MAXやきそば」以来の新商品。当時もミニストップで購入しており、購入価格も税込216円と同じ値段でしたが、「背脂MAX」のカロリーは696kcal、脂質は44.7gだったので、今回は数値上その背脂MAXを超えるヘヴィーなカップ麺。
とりあえず体(てい)としてはカップ焼そばですが、ジャンルとしては汁なしラーメンに属す今回の「牛脂MAXやきそば」から “あえて” インターバルになるキャベツを抜いたのであれば、もう悪意しか感じません。すでに強烈な牛脂臭が漂っている実食前の現在、ほんとうに胸焼けするほど強烈なのか、「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(129g)当たり
カロリー:726kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
まるか食品の自社工場(本社工場・赤堀工場)で製造している油揚げ麺は基本的に2種類で、ひとつは今回のペヤングやきそばシリーズの麺、もう一つはペヤングヌードルの麺。ノンフライのラーメンはテーブルマーク株式会社のグループ企業・加ト吉水産工業株式会社フーズ部群馬工場(クラシエフーズ新町工場)に製造を委託しています。
微妙に太かったり細かったり、硬かったり軟らかかったり、いつもと違うかも——と、感じることがあるかとは思いますが、基本的にペヤングの焼きそば用の麺は “1種類” しかありません。標準サイズ、超大盛、超超超大盛GIGAMAXなどのサイズバリエーションはもちろん、廉価版の「ペヨング」も麺量が違うだけで同じ麺。
ただし、今回の添付調味料はオーソドックスでサッパリとしたウスターソース基調ではなく “牛脂基調” のアブラ。豚脂で揚げたフライ麺を牛脂入りの動物油脂でズルズルにした状態で食べるわけなので、食感はソフトなのに暴力的です。ある意味この頼りない麺だからこそ動物油脂のインパクトが引き立っている、あいかわらずの万能麺でした。
ソース
ペヤングの容器は、基本的に底の中央が軽く盛り上がっていて、それを取り囲むように四角く凹みがあります。通常、この盛り上がっている中央の凸部分にソースや油脂が被ることは滅多にないのですが、今回それを覆い尽くしそうな勢いで、添付調味料(やきそばソース)の中身は確実に6割以上が動物油脂と見て間違いないほどのインパクト。
下層がタレになっている部分でさえも上層に2mm以上の油膜が発生し、ひとくち食べるだけで唇はギットギトのグロス状態不可避。食べてみた感じ豚脂もブレンドしてあったので、動物油脂は牛脂100%ではないのですが(※むしろ体感的に含有率としては豚脂のほうが多いかもしれない)、豚脂では出せない牛脂特有の癖や脂の甘み・うまみもバッチリ打ち出しています。
念入りに混ぜても混ぜてもアブラが容器の底に余るほど、かなり徹底してくれているのですが、いわゆるガチの「油そば」を笑顔で完食できるのであれば “意外と大丈夫” かも。油脂が動物性主体なので、もちろん豚脂の重厚感や牛脂の癖が苦手な方にはオススメできないけれど、油脂の量はさておき牛脂の風味に関していえば、ウッ‥‥ってなるほど暴力的ではありません。
(とはいえ油脂感は強烈ですけどね——)
味付けはシンプルに、けれどもポークエキスやチキンエキス、ガラエキスから丁寧に取ったスープに濃口醤油ベースのタレを合わせ、ガーリックパウダーではなくガーリックペーストが旨味を引き立てるフレームワーク。食塩も使用して味を整えているのですが、まぜそば・油そばに有り勝ちな塩っぱさなく、むしろひたすらにマイルドです。
そのため場合によっては味に輪郭がない、ピンボケしているとネガティブに捉えられるかもしれませんが、あえてガーリックペーストも効かせすぎないことで牛脂の癖を活かしている、あくまで牛脂が主役というスタンスが清々しくて好印象でした(※もし抑揚の無さが気になった場合、お酢ちょい足しアレンジするのがオススメ)。
かやく
麺は間違いなく自社の工場で製造しているのですが、定番の「ペヤング ソースやきそば」を含む「ソース」と「かやく」は基本的に提携先の下請業者に製造を委託しているので、まるか食品の自社工場では製造していません。さすがに社名までは分かりませんでしたが、このメンマが美味しいんですよね。
いずれも汎用的な具材ではあるものの、漠然と中華そばっぽいナルトが雰囲気を高め、ネギは歯触りがよく、メンマは適度な歯応えと風味が好印象。全体のバランスでいえば、もうちょっとタレを強めてキャベツを入れるのが定石なのかもしれませんけど、あえてキャベツを抜いてきたような構成にペヤングの悪意もとい潔さを感じました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
正直、ぜんぜん前評判のわりに大丈夫だったな——と、食べ終わって直後は思ったのですが、数十分後けっこうキます胸焼けタイムw 体調の優れない方や中学生未満の方、高齢者の方には全力でオススメしません。でも “ちゃんと脂が美味しかった” ので、たとえば油そば専門店でガチの油そばが食べられるのであれば、そんなに怖がることもないかなと。
もちろん生麺ではなく油揚げ麺なので、リアル専門店では味わえないジャンクさがあるものの、牛脂100%ではないことが功を奏したか、想像していたよりも食べやすかったです。とはいえ脂慣れしていない方と体調の悪い方は、くれぐれも注意してください。ちゃんと美味しいけれど、パッケージの胸焼け注意は脅しじゃありません。
各ブロガーさんのレポ見てて、発売日に買いながらも怖じけついてたんですが…
いや、これは旨い美味い! ホントにすき焼き肉の脂身味でした
コレは確かに人を選ぶでしょうが、自分個人的には全然アリ!
リピート購入決定です
底に残った脂は追いメシでキレイにさらえましたw
ただコレを超大盛とか超超大盛とかは… 自信ないなあw
でも、ソレを出しかねないのがペヤングなんですよねーwww
> ソノダヒロキ様
これは美味しかったですね! あとからタイムラグ的にキますけどw しっかり牛脂、でも意外と(最初は)勢いで食べられるのが勝因だと感じました。
> 底に残った脂は追いメシでキレイにさらえましたw
素晴らしい! 超大盛(2玉まで)なら‥‥なんとか自分は食べられそうですけど、さすがにGIGAMAXサイズになると自信ないですね(苦笑)
もし「ペヤング 超超超大盛GIGAMAX ハーフ&ハーフ激辛牛脂END」とか出たら、いろんな意味で終わりそう。←