どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年3月14日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 麺とスープだけ 琥珀貝だし中華そば」の実食レビューです。
カップラーメンなのに具材なし!? トレンドの具なしカップめん第3弾は再び「だしパック」入り!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺とスープだけ 琥珀貝だし中華そば
麺とスープだけとは、2020年3月28日に設立70周年を迎えた明星食品のプロジェクト「明星セレクション(MYOJO SELECTION)」の一環で、社員から広く商品アイデアを募集する社内公募を実施したところ、もっとも高い評価を得たのがラーメンの本質ともいえる「麺とスープだけ」で勝負する特別な一杯。究極のかけラーメンをテーマに “あえて具材を抜いた” ことで、新たな需要と境地を開拓しました。
今回の新商品「明星 麺とスープだけ 琥珀(こはく)貝だし中華そば」は、2021年3月29日発売の第1弾「黄金鶏油(おうごんチーユ)中華そば」及び同年12月20日発売の第2弾「漆黒マー油豚骨ラーメン」に続くシリーズ第3弾の新作で、ラーメン業界でも注目されている “貝だし” がテーマ。前回・前々回と同じように、徒ならぬ情報量を詰め込んだパッケージから、明星食品の自信と気合を感じます。
まず注目すべきポイントは、第1弾にして即席カップめん業界にイノベーションを起こした “手早く本格的な風味が堪能できる「だしパック」入り” という部分。枕崎産や利尻産など、第1弾のパッケージにあった産地についての情報は記載されていませんが、その件について明星食品に問い合わせてみたところ “第1弾と同じ「だしパック」を使用しています” とのこと。
つまり、今回も枕崎産かつお節粉末、利尻産利尻昆布粉末、さば節、焼あご(トビウオの焼干し)を組み合わせた「だしパック」で、これをカップの中に入れてから熱湯を注ぎ、麺を戻している間に混合だしが取れる特別仕様。手軽に食べられる即席カップ麺という枠組みにありながら、まさかの一番だしが楽しめるだけでなく、取り出すタイミングによって出汁(だし)の濃さが調節できる粋な計らい。
さらに “4種の貝エキス” を使用しているのも注目すべきポイントで、アサリ・ホタテ・ハマグリ・カキの旨みをギュッと凝縮し、それを統率するタレには生(なま)醤油を使用。さらに、アサリとホタテから風味を抽出した香味油を仕込むなど、即席カップめん類のステータスといっても過言ではない具材を省いた分、スープに注力したことが伝わってくる骨組み。
また麺の製法について、パッケージには「明星が誇るノンフライ技術」としか表示されていませんが、明星食品のノンフライ麺は大きく分けて「スーパーノンフライ製法」と「スチームノンフライ製法」の2つに分類されており、今回は大判どんぶり型のカップラーメンで主流としている “スーパーノンフライ製法” とみて間違いありません。
スーパーノンフライ製法とは、熱風乾燥の際に表面や内部に発生する気泡の数や大きさを自在にコントロールすることで、多様な食感の麺に仕上げることを可能にした明星食品の独自製法。とんこつラーメン専用に開発された業界最高水準の極細低加水麺はもちろん、その対極にある加水率の高い多加水麺まで幅広く対応し、ラーメン店さながらの質感を実現しました。
ちなみにスチームノンフライ製法とは、スーパーノンフライ製法から派生した独自技術で、ノンフライ麺と油揚げ麺の中間的な麺組織を形成し、ノンフライ麺ならではの本格さと油揚げ麺ならではの簡便性を両立したもの。基本的に大判どんぶり型の商品でノンフライ麺ならスーパーノンフライ製法、縦型カップでノンフライ麺ならスチームノンフライ製法と棲み分けを図っています。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「だしパック」に、後入れの「液体スープ」という極めてシンプルな構成。第1弾の「黄金鶏油中華そば」には後入れの薬味(ネギと胡椒)を別添していましたが、それさえも入っていません。ただ、第2弾の「漆黒マー油豚骨ラーメン」には別添されていなかった「だしパック」は復活したので、それについては素直に喜ばしいところ。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、前述のスーパーノンフライ製法を採用した逸品。調理前の見た目は第1弾の「黄金鶏油中華そば」に使われていたノンフライ麺と瓜二つの雰囲気で、念のため原材料名を確認してみたところ、並びまで完全に一致しましたが、めん重量は70gから65gに減っています。たぶん、量に関してはコスト配分の問題ですね。
メーカー希望小売価格は230円(税別)なので、前回・前々回と同じ値段。わずかにメーカー希望小売価格を上げ、麺の量を増やすことも可能だったと思いますが、即席カップめん業界は “円” ではなく “銭” の世界。100分の1円単位でコストを調節しなければいけないため、たった5gの違いでも凄まじいコスト差が生じる分、販売価格を維持するために調節せざるを得なかったのでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 麺とスープだけ 琥珀貝だし中華そば 販売者:明星食品株式会社 製造所:R・東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:104g(めん65g) 商品コード:4902881453097(JAN) |
発売日:2022年03月14日(月) 実食日:2022年03月16日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:203円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(だしパック・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、乳たん白)、スープ(しょうゆ(生しょうゆ)、豚脂、鶏肉エキス、貝エキス(アサリ、ハマグリ、ホタテ)、糖類、香味油、たん白加水分解物、食塩、オイスターソース(カキエキス、糖類、食塩)、かつおエキス、昆布エキス、香辛料、かつおぶし粉末、昆布粉末、酵母エキス、さばぶし粉末、焼きあご粉末)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、かんすい、酒精、香料、炭酸カルシウム、卵殻カルシウム、乳化剤、カラメル色素、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は「だしパック」のみ先入れで、前述のように第1弾と同じ代物。あえて調理後も取り出さずに、最後まで出汁を滲ませながら食べる方法もアリかと思いますが、小袋には「4分後、パックを10回お湯の中でゆらして液体スープを入れる前に取り出してください」とのアドバイスが記載されているため、指示通りに調理します。
だしパックを入れてから熱湯を注ぎ、待っている間に出汁を取る、ある意味これってアトラクション的なワクワク感に通じるところがあるよな‥‥などと考えながら待つこと4分。その間にフタの上で「液体スープ」の小袋を温めて、時間になったら「だしパック」を箸で挟み、10回ほど揺らして取り出した後、仕上げに「液体スープ」を馴染ませたら出来上がり。
待っている間に漂ってくる混合だしの香りも然る事乍ら、液体スープを加えた途端に漂ってくる香りも圧倒的で、もはや具材なんて邪魔だとでも言わんばかりの洗練されたオーラを漂わせている「麺とスープだけ」第3弾。たぶん、史上もっともシンプルな調理後の写真ですよねw はたして具材がなくとも満足できるのか、引き続き「めん」と「スープ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)あたり |
カロリー:371kcal たん白質:9.6g 脂 質:11.0g 炭水化物:58.5g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:1.3g) (スープ:5.8g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.24mg カルシウム:137mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:371kcal(めん・かやく:253kcal)(スープ:118kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。※カップ内側下線までスープを残した際の摂取する食塩相当量の目安は、4.7グラムです(しおケアカップ)。 |
めん
あいかわらず高密度で洗練されている
パッケージ(天面)のイメージ写真では、ほぼ縮れのないストレート麺で、新進気鋭の行列店よろしく綺麗に麺線を整えているのに対し、実際そこまでストレートではありません。むしろ緩やかな縮れが施されているため、パッケージのイメージとはギャップが生じているのですがw なんのこれしき高品質。
やはり食べてみた感じ、2021年3月29日発売の「黄金鶏油中華そば」と共通で、やや加水率は高く、しっとりとした口当たりを打ち出しながら、食べ始めは中心部に芯を残す適度な歯応えも魅力的。そのコシ(弾力)も然る事乍ら、後半にかけてのアシ(伸び)も素晴らしく、ノンフライめん特有のゴムっぽさを感じさせません。
また小麦の風味も芳醇で、液体スープを入れる前に食べても “麺が美味しい” と思えるレベル。第1弾と比較して、調理前の重量は5gほど少なくなってはいるものの、体感的に物足りないとか、明らかに少なくなったとか、そういったマイナスも感じません。このノンフライ麺は “食べ始めよりも後半が美味しい” と思うので、液体スープを馴染ませた後、2分くらい休ませるのがオススメの食べ方です。
スープ
バランスは「だしパック」が優勢
まずは液体スープを入れる前に「だしパック」の存在感を確かめてみたところ、さほど目立った塩味はなく、しかしながら混合だしに由来する香りは芳醇で、この香りを嗅ぎながら、最初にノンフライ麺の小麦感を楽しむのも一興と思えるファーストインプレッション。なんかこう、日本人の本能に訴えかけてくるというか、ときに出汁って卑怯ですよねw
などと思いつつ、指示通り「だしパック」は10回ほど揺らしてから取り出し、続けて「液体スープ」を馴染ませ始めると、最初に感じたのは動物系の香り。けれども白濁した豚骨スープや鶏白湯とは違う、丸鶏を丁寧に低温で炊き出した清湯(ちんたん)を軸に、豚脂で厚みを持たせ、そこに複数の貝をバランスよく重ねているようなテイスト。
やや糖類の甘さが気になるところではあるものの、最初に動物系の旨みが口の中に広がって、すぐさま貝の多重奏な旨みが味蕾に届き、特有の滋味と若干の苦味を下の脇に残すほど。指示通りに「だしパック」を取り出した場合、旨みは7:3(だしパック:貝)のバランスで、その輪郭を整えてくれる生醤油のキレは絶妙な加減。ちょっと後半はオイスターソースが残るけど、それも含めて印象に残りました。
実食前に「だしパック」は “あえて調理後も取り出さずに-・” と触れたように、えぐ味も含めて出汁の味を強めたいのであれば、あえて放置するのも “あり” だと思います。ただ、貝だしとのバランスを緻密に計算した上での “液体スープを入れる前に取り出してください” だと思うので、貝だしの繊細な部分を際立たせたいのであれば、あまり長居させないほうが懸命かもしれません。
※ちなみに「だしパック」の中に入っている粉末は調理後も濃いめに味が残っているので、そのまま “2番だし” として別の料理に二次利用するもよし、中身を取り出して “ふりかけ” にするもよし、ちびちび食べながら肴(さかな)にするもよしw ただ捨ててしまっては勿体ないので、ぜひ有効活用してください。
総評
個人的に二枚貝のエグ味を感じるほど強烈な貝だしラーメンが好きなので、もうちょっと貝が強くても‥‥などと思ったのですが、それについては好みの問題。あくまでも「だしパック」が主役で、それを引き立てる役目を担っているというか、そんなイメージの仕上がり。なので、貝を鮮明に感じたい方は “だしパックを5回ほど揺らす” あるいは “揺らさずに取り出して様子を見る” のがオススメの食べ方。
その逆であれば、あえて “だしパックを入れたままにする” のも方法の一つ。それによって味の表情がガラッと変わってくると思うので、何度かパターン別に試してみると新しい発見があるかもしれません。はたして次回の第4弾も「だしパック」入りか、それとも順当に塩や鴨、あるいは洋風路線で新境地開拓か、引き続き楽しみです【author・taka :a(大石敬之)】