どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年11月7日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 おだしの和 つるみおうどん トマトとおくら」の実食レビューです。
Venusプロジェクトついに解禁!? おだしと野菜の旨みで “おいしさ” の「和」キラリと輝く女性社員の粘り強い提案で和(なご)みの一杯を商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
おだしの和 つるみおうどん トマトとおくら
Venus(ヴィーナス)プロジェクトとは、東京都渋谷区に本社を置く明星食品が “女性活躍推進” を目的に立ち上げたプロジェクトで、2021年に発足。Venusは「明けの明星(金星)」や「愛と美の女神(アフロディテ)」を指すことから、同社の女性社員が “キラリ” と輝くためのプロジェクト名として採用され、幅広い年代の女性メンバーが女性ならではの視点で商品の企画・開発を行っています。
今回の新商品「明星 おだしの和 つるみおうどん トマトとおくら」は、作業の合間に済ませなければいけない昼食や疲れて帰った日の夕食など、日頃から忙しい方でも “サッと食べられて心も体もホッとできる” をコンセプトに開発された即席カップうどんで、Venusプロジェクトの記念すべき第1弾。女性でも手に取りやすいシンプルなパッケージに身を包み、満を持しての発売となりました。
先に「Venusプロジェクト」の概要と名前の由来について紹介しましたが、商品名になっている「おだしの和」にも複数の意味があり、ひとつは洋風のスープではなく「和風つゆ」であること。さらに魚介だしと野菜の旨みを組み合わせた「和(足し算)」を楽しむ「和(なご)みの味わい」にも掛かっているため、商品名ひとつとっても込められた想いが多い一杯。
近年の即席カップ麺におけるスポット商品のパッケージといえば、ひときわ目を引くインパクトを意識したデザインが多いのに対し、その逆張りを狙うかの如くシンプルな「おだしの和」のパッケージは売り場で目立ちにくく、手に取るまでの視覚的な訴求が弱いというか、そこに一つのネックを感じたんですけど、捉え方によってはエモいデザインといえなくもありません。
魚介だしは鰹(かつお)と昆布をベースに、鯖(さば)とアゴ(飛び魚)を重ね、野菜の旨み要素にはトマトパウダーを使っているのも注目すべきポイント。具材にもトマトペースト加工品を使い、オクラと2種類の浮き卵を組み合わせているため、漠然と夏っぽいラインナップではあるものの、それはさておき調理後のイメージ画像は女性らしく繊細で華やか。
さらに麺も今回のために新開発したノンフライうどんで、そこも大きな見どころ。縦型カップには油揚げ麺の組み合わせを主流としている企業が多いのに対し、以前から縦型カップにも積極的にノンフライ麺を使っている明星食品なので、安心と信頼の実績を備えているのですが、同社の「麺神(めがみ)」よろしく麺に塩麹(しおこうじ)を練り込んでいるようなので、期待せずにはいられません。
またニュースリリースには “忙しい方たちにむけて、「和(なご)」みの味わいのうどんは飲んだ後の〆の一杯や、さっぱり系の汁ものの代替としてなど、性別や世代の垣根を越え、幅広い層にお楽しみいただける一杯です。” という男性陣に対してのアプローチも忘れていないため、かなりターゲットの範囲が広い商品です。
とはいえゴリゴリのカップめんユーザーやジロリアンに刺さる感じの商品ではなさそうですど、普段はヘヴィ級の食べ物を好む方でも箸休め的に楽しめる仕上がりなのか、いろんな方面からの需要を意識しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、オイルのコクや液体しょうゆ等の臨場感には期待できない製品スタイルになりますが、お湯を注ぐだけで食べられる簡便性の高さはもちろん、話題のSDGs的に出るゴミが減るのも評価すべきポイント。
かやくは前述したトマトペースト加工品とオクラ、さらに2種の浮き卵と彩りにも配慮が行き届いた組み合わせで、2種の浮き卵は「明星 中華三昧(ちゅうかざんまい)タテ型 赤坂榮林(えいりん)酸辣湯麺(すーらーたんめん)」にも使われているフレーク状と線状のタマゴでしょうか。トマトとタマゴは珍しくないけれど、オクラを使った商品は限られているため、ちょっと特別感を覚えるトッピング。
メーカー希望小売価格は248円(税別)に設定されているため、2022年11月現在の縦型ビッグ製品における平均的な希望小売価格よりも3円だけ高いのですが、即席めん業界は1銭(100分の1円)単位でコストを調整しなければいけないシビアな世界。たった3円の差に思えますけど、我々が想像している以上に大きな金額差です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 おだしの和 つるみおうどん トマトとおくら 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:78g(めん65g) 商品コード:4902881454568(JAN) |
発売日:2022年11月07日(月) 実食日:2022年11月10日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:248円(税別) 購入価格:224円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:380ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、たん白加水分解物、米麹調味料(でん粉、米麹加工品、塩麹、食塩))、スープ(食塩、かつおエキス、デキストリン、しょうゆ、トマト粉末、香味調味料、昆布エキス、さばぶし粉末、昆布粉末、たん白加水分解物、そうだがつおぶし粉末、焼きあご粉末、しいたけエキス)、かやく(卵、トマトペースト加工品、オクラ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸塩(Ca、Na、K)、増粘多糖類、ソルビット、グリセリン、乳化剤、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(スクラロース)、香料、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・さば・大豆・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライうどんで、前述のように塩麹を練り込んでいるのも見どころの一つ。そういえば2022年7月18日に「麺神」がブランド史上初の「濃香カレーうどん」を発売している明星食品なので、サイズこそ極太ではないけれど、その技術を応用しているのかもしれません。というか、このタイミングだと間違いなく応用してますよね。
先入れ・後入れの小袋は別添されていないため、フタを半分まで剥がしたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと5分。時間になったらフタを剥がし、よく混ぜ合わせたら完成です。ちょっと画像では分かりにくいのですが、オクラに由来するトロミがイイ感じで、かやくのボリュームについても申し分ありません。
調理後のファーストインプレッションは、Venusプロジェクト第1弾にして素晴らしいの一言に尽きる「おだしの和」ではあるものの、それに味が伴っていなければ意味がないため、引き続きノンフライうどんと “おだし” の和(足し算)に注目しつつ「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(78g)あたり |
カロリー:293kcal たん白質:6.9g 脂 質:4.3g 炭水化物:56.6g 食塩相当量:5.3g (めん・かやく:2.3g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.20mg ビタミンB2:0.23mg カルシウム:123mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:293kcal(めん・かやく:270kcal)(スープ:23kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
縦型カップ用のノンフライうどん枠では最強かもしれない
まず印象的だったのが摩擦抵抗ゼロの滑らかさで、商品名にもなっている「つるみおうどん」の表現は誇張ではなく、驚きの口当たりと喉越しのよさを実現。また一般的なカップうどんよりも若干ながら短めに切り出されているのは、女性の方がオフィスでも食べやすい(汁はねしづらい)ように、汁物の代替や飲み〆(しめ)にも重宝されるように、といった想いが伝わってくるポイント。
たとえば讃岐うどんのように強靭なコシが楽しめるタイプではないけれど、それについては「麺神」のフィールドで、こちらは “しなやかさ” と “つるみ” を徹底的に追求しているような仕上がり。それでいて食べ初めは適度なコシを感じるため、頼りないペラペラうどんではありません。揚げ油の雑味も皆無に等しいため、つゆの繊細な部分を壊すことはなく、噛めば噛むほど感じる小麦と塩麹の旨みが印象的。
ちなみに縦型ビッグの麺重量は70〜80gの大盛り仕様が一般的なのに対し、今回は65gしか入っていないため、レギュラーサイズの「カップヌードル」と変わりません。ただ、それだけに少食の方でも食べやすいのはメリットでもありますし、同じ値段で80gの油揚げうどんを搭載していたら全体の世界観が激しく壊れていたと思うので、量より質を優先したことはコンセプト的にも素晴らしいと感じました。
つゆ
強めの出汁(だし)とトマトの調和が絶妙すぎる
魚介だしはイノシン酸を豊富に含む鰹エキス、宗田節粉末、さばぶし粉末を中心に、ふわっと漂う焼あご粉末の芳ばしさも印象深く、昆布エキスと昆布粉末のグルタミン酸、さらに椎茸エキスのグアニル酸を重ねることで「三大うま味成分」が揃い踏み、それぞれの旨みが何倍にも強くなる “うま味の相乗効果” を1つのカップ内でバランスよく実現。
うま味の相乗効果を狙った即席カップめん自体は珍しくないけれど、ここにトマト粉末を組み合わせた商品は斬新で、なおかつ違和感は皆無といっても過言ではありません。うどんに梅をトッピングしたレシピがあるように、それを彷彿とさせる味わいなのですが、梅ではなくトマトの優しい酸味で清涼感をプラスしている、そこに強い個性と魅力を感じました。
しょうゆに関しては淡口(うすくち)のイメージというか、濃口しょうゆ特有のコクやキレは備わっていないため、そういった部分には期待できないテイストではあるものの、それだけに “おだしの強さ” と “絶妙なトマトの個性” に集中できるフレームワークです。
かやく
夏野菜が中心で季節感はズレてるけどw 素晴らしい
おそらく浮き卵は「赤坂榮林」監修のカップラーメンと共通で、ふわっふわの掻き玉と食感を残した掻き玉の2種が入り、トマトペースト加工品で前述のトマト粉末とは違うホールトマト的なコクと旨みを表現。オクラはFD(フリーズドライ)加工なので、とても風味がリアルですし、つゆ全体にトロミを与えてくれるのも大きな役割の一つ。
ノンフライうどんは摩擦抵抗ゼロの滑らかさと前述しましたが、オクラのトロミがあったからこそ孤立することもなく、さらに “つるみ” を増す効果も持ち合わせ、量も申し分なしと文句の付け所が見当たりませんでした。
総評
ちょっとパッケージのデザインは地味ですし、こってりしたラーメンや濃口しょうゆキレッキレの饂飩(うどん)が好きな方には物足りない一杯になるかと思いますが、おにぎりを食べるときの汁物代わりや飲み〆には誂え向き。しょうゆは弱くとも出汁は強く、けっして味が薄いわけではないので、とくに関西圏ではポジティブに評価されるでしょう。
そんな強めの出汁に凛として通る、トマトの清涼感と優しい酸味が絶妙で、なおかつ清楚なノンフライうどんの仕上がりなど、かなり幸先がいいスタートが切れたのではないでしょうか。というわけで、早くも第2弾の内容が楽しみになったんですけど、もうすこし店頭でパッと華やぐような、おもわず手にとってしまうようなパッケージのデザインに変わると、なお良いですね【author・taka :a(大石敬之)】