どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月2日(月)新発売のカップ麺、エースコック「おだしを利かせた なめこおろし風そば」の実食レビューです。
カップ麺では珍しい「なめこ」が入った “おろし蕎麦” がセブンイレブンに登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
おだしを利かせた なめこおろし風そば
「おだしを利かせた」シリーズとは、セブン&アイグループとエースコック株式会社の共同開発ブランドで、セブン&アイ限定販売のPBカップ麺として発足。今回の新商品「なめこおろし風そば」は、2019年4月15日発売の第1弾「揚げなすのおろし風そば」及び2019年8月19日発売の第2弾「あさりだしそば」に続く第3弾の新作として発売されました。
販売店は全国のセブンイレブンをはじめ、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、セブン&アイグループのコンビニとスーパーマーケット(IYグループ)が対象で、希望小売価格は198円(税込213円)。2019年12月現在、縦型ビッグのカップ麺はセブンイレブンで税込232円が相場となっているため、カップ麺の値上げ前(価格改定前)と同じ価格で販売されています。
いずれも「おだしを利かせた」というコンセプトと商品名は一貫されているのですが、第1弾は大根おろし風パウダーを “使用” した「揚げなすのおろし風そば」、対する第2弾は大根おろし風パウダー “未使用” の「あさりだしそば」(非おろし風)、そして第3弾の「なめこおろし風そば」は大根おろし風パウダー “使用” となっていて、それについては今のところ交互の状態。
「大根おろし風パウダー」とは、乾燥させた大根を細かく砕き、大根おろし特有のサッパリとした風味や愉(たの)しい食感を実現したもの。これまで「おだしを利かせた」シリーズを食べてきた方にとっては馴染みのあるアイテムになりますし、エースコックの和風タテ型カップ麺ブランド「THE和」シリーズでも定番のアイテムなので、そちらで既知の方もいらっしゃるでしょう。
そう、この「おだしを利かせた」シリーズは、いうなれば “セブン&アイグループ専用のTHE和” といったところ。たとえばセブン&アイグループと東洋水産株式会社の「マルちゃん大盛!」という大盛バケツ型の格安カップ麺があり、それはイトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート専用の「ごつ盛り」的なブランドなので、それと同じような背景。
話を戻すと第1弾「揚げなすのおろし風そば」に使用されていた大根おろし風パウダーはもちろん、第1弾や第2弾「あさりだしそば」の油揚げ麺も「THE和」の秀逸な蕎麦と共通で、ほぼ麺のクオリティは手放しに称賛できる実力の高さ。それに、揚げ茄子や浅蜊(あさり)といった具材にこだわっているのも特徴で、今回も新作カップ麺では久々に見た「なめこ」を採用しています。
エースコックの親会社であるサンヨー食品(サッポロ一番)のカップ麺に「きのこ庵」というシリーズがあって、2004年頃から「なめこそば」も何度か発売していたのですが、2008年8月25日発売の「サッポロ一番 きのこ庵 なめこそば」で終了。その後、東洋水産が2012年10月1日に「マルちゃん 田舎風なめこおろしそば」を発売しているのですが、それ以来の “なめこ系” かもしれません。
おだしを利かせた第1弾・第2弾と同じように、蕎麦つゆは「かつおだしのうま味」をアピール。さらに「ぷりぷりなめこ」ということで、乾燥なめこの滑りまで再現できているのかどうかも気になるところ。ちなみにサンヨー食品の「きのこ庵」では正直ちょっと風味がイマイチで、東洋水産はFD(フリーズドライ)ブロックを駆使していましたが、まるで “なめことは思えない歯応えだった” と記憶しています。
開封
さて、毎度おなじみ別添の小袋はエースコックらしく最初から容器の中にあり、大根おろし風パウダーと思われる「ふりかけ」が1袋。たとえば液体スープや調味油が別添されていた場合、フタの上に貼り付けるための接着剤を使用していないので、小袋を温めるときに再接着しない! というメリットがあったりするのですが、今回あまり効果はありません。
なめこの数は多くないものの、なかなか軸は太くて傘も大きめの個体が入っています。とうぜん長期保存を可能とするために乾涸びた状態につき、しわっしわのカラッカラなんですけど、イメージとしてはフリーズドライ加工されたような状態。エースコックは以前、キノコのトップメーカー・ホクト(HOKTO)とコラボしたカップ麺を発売していたこともあるので、きのこの加工経験はバッチリです。
もしかするとイトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートの実店舗では、年末にかけて年越しそば関連のセール対象になっているかもしれないけれど、セブンイレブンでは税込213円での販売が基本。それからイトーヨーカドーのネット通販サイト・オムニ7でも取り扱いがあり、そちらで購入すると配送料・支払手数料が別途必要になりますが、同じく税込213円でバラ売りされていました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:おだしを利かせた なめこおろし風そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:80g(めん70g) 商品コード:4901071288112(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm(個装) 発売日:2019年12月02日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、ヤマイモパウダー、卵白)、スープ(食塩、大根パウダー、でん粉、砂糖、粉末しょうゆ、魚介パウダー、たん白加水分解物、カツオブシエキス、コンブエキス、唐辛子、植物油脂、魚醤、ポーク調味料)、かやく(なめこ、かまぼこ、卵、わかめ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、酸味料、増粘多糖類、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、紅麹色素、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
麺は熱湯4分の油揚げ麺で、前回・前々回の「おだしを利かせた」シリーズや「THE和」に使用されている油揚げ麺と同じ原材料名となっています。けれども「THE和」はPP(ポリプロピレン樹脂)製のプラ容器を採用しているのに対し、「おだしを利かせた」シリーズでは紙製のカップを採用しているため、原材料名や湯戻し時間は同じでも調理環境は別物。
さて、ふりかけを取り出したら熱湯を注いで4分待機、上記の写真は別添の小袋を入れる前の状態です。わかめで具沢山に見えますが、卵は飾りにもならないほどの量で(ちなみに写真で全部)、かまぼこは小さなものが2枚。なめこも特筆して多いわけではないものの、比較的に普段から馴染みがある素材なのに、カップ麺だと新鮮味があっていいですね。
それでは、なめこの食感や風味に注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。おだしを利かせたシリーズ第1弾と第2弾の感想・評価につきましては、「おだしを利かせた揚げなすのおろし風そば(なすのうま味と風味豊かな鰹だし)」及び「おだしを利かせたあさりだしそば(鰹と昆布の豊かな風味)」の記事をご覧ください。
栄養成分表示:1食(80g)当たり
カロリー:330kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:330kcal(めん・かやく:292kcal)(スープ:38kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
さすがに何度も食べていると感動は薄くなってきますけど、やはり久しぶりに食べたら “おっ” と思うクオリティの高さ。縮れの少ない細身の油揚げ蕎麦で、わかりやすい比較対象を引き合いに出すと、「緑のたぬき」ではなく「日清のどん兵衛」に近いタイプ。しかし、製麺技術はエースコックが上かもしれません。
縮れのなさについては「どん兵衛」の蕎麦が一歩先を歩みますが、コシの強さと食感の持続力については間違いなくエースコックが頭ひとつリードしている状態で、やはり前回・前々回と同じように「THE和」の流れを汲む麺が使用されています。というか、たぶん「THE和」の油揚げ麺と同じもの。厳密には違ったとしてもレベルの高さは同等で、税込213円のカップ麺としては上出来以上の完成度。
かなりコシが強く、それでいてスパッと軽快に切れる歯切れの良さも兼ね備え、熱湯4分でフタを剥がしても目立った戻りムラが目立たないのも素晴らしいところ。後述する大根おろし風パウダーや具材のナメコも個性的な要素ですが、ある意味もっとも注目すべきはエースコックの和蕎麦における製麺技術の高さかもしれません。そば粉の香りも立っていますし、文句なしの出来栄えです。
つゆ・ふりかけ
別添の小袋は大根おろし風パウダー(ふりかけ)のみ、つまり液体醤油をはじめとするカエシは別添されていないため、醤油は粉末しょうゆ特有の軽いもの。しかし、その軽さ故にワカメの風味やキノコの旨味が目立っているように感じられたのと、かなり鰹の旨味が強く、芳醇な出汁(だし)というよりも完全に魚粉添加型の荒いスタイル。
そして別添、大根おろし風パウダーは大根を “すりおろしたものではなく「砕いた」もの” なので、なるほど大根おろし風なんですけど、なかなか風味は大根です。ただ、ここにも昆布系の旨味成分が添加されていて、さらに人工的な甘みも追加。おかげで純粋な大根おろしではないものの、きちんと “おろし風” は表現されていました。
それから体感的には目立っていませんが、魚醤やポーク調味料を使っているのもエースコック(THE和)らしいポイント。原材料名でも「スープ」の末端に記載されているように、そもそもの使用量が少なく、ほんとに隠し味程度の存在なんですけど、たぶん入っていないと味のバランスは大きく変わってくるのでしょうね。
具材
パッケージには「ぷりぷりなめこ」と書いてありましたが、実際の食感は「こりこり」で、なんというか歯応え抜群。わりと傘(かさ)の部分はプリッとした歯触りなんですけど、完全に軸の部分は “なるほど乾物” です。というわけで乾物らしくギュッと旨味が凝縮されたような状態なので、これはこれと思えば悪くありません。
表面に若干の滑りはあるものの、つゆ全体にトロミがつくことはなく、生なめこではなく乾物を戻した感じ(実際そうなんですけど)。たとえば最近かなりレベルが高くなってきたフリーズドライブロックの味噌汁(なめこ汁)のようなリアリティはないので、あくまでも乾燥なめこ加工品として割り切る必要はあるものの、しっかりキノコを食べている実感は得られました。
歯触りの強いネギと卵は少量で、見た目に可愛いカマボコについても他に書くことはないのですが、わかめは「わかめラーメン」に入っている肉厚わかめと同じもの。枚数ざっと4、5枚だったので、見た目のわりに量が多いわけではないけれど、部分的にコリッとした茎の部分が混ざっているリアルなワカメでした。さすがエースコック、わかめの質は高い。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
たとえばカップの即席なめこ汁に入っている、リアルな生なめこ風の具材を想像していた場合、思わぬ歯触りの強さに意表を突かれるかもしれません。ただ、生なめこと比較して食感がコリコリとしていることや滑りが少ないなど、北海道の特産品として知られる乾燥なめこ(吉粋など)と共通の特徴が見られたので、ご存知の方は違和感ないと思いますし、未体験の方にとっては新感覚で楽しいかも。
というわけで乾燥なめこ特有の個性を理解するスタンスで食べなければいけませんし、もうちょっと蕎麦つゆのカエシにもこだわってもらいたかったのですが、乾物らしい凝縮されたナメコの旨味と食感は面白く、蕎麦のクオリティについては申し分なし。ちょっと年越し蕎麦には頼りないけれど、乾燥なめこと大根おろし風パウダーが気になったら試してみる価値ありかと思います。