どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年2月12日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「沼るコショウ 長崎風ちゃんぽん」(160円+税)の実食レビューです。
胡椒(こしょう)をガツンと効きさせた味わいが “沼級に美味しい” マルちゃんが「長崎ちゃんぽん」の魅力を高コスパご当地カップめんブランドで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
沼るコショウ 長崎風ちゃんぽん
沼る(ぬまる)とは、周りが見えなくなるほど没頭する・熱中する・どっぷりハマる・夢中になる・のめり込むetc. そのような様子を表現する際に用いられている通俗的な表現で、趣味の分野ではもちろん、推し活や恋愛話、中毒性のある作品の感想など、さまざまな場面で見かけますが、それを業界に先駆けて即席カップめんのブランド名に取り入れたのが “マルちゃん” こと東洋水産。
今回の新商品「沼るコショウ 長崎風ちゃんぽん」は、2023年5月29日発売の第1弾「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン / 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」に続く新フレーバーで、昨年9月25日に縦型ビッグの「沼るニンニク」と「沼るニボシ」をリリースしていますが、純然たる新作としては第2弾に該当します。
長崎ちゃんぽんとは‥‥などと、そのような解説は必要ないくらい、一般的の家庭にも広く浸透している麺料理かと思いますが、そのルーツは1899年(明治32年)創業の老舗「四海樓(しかいろう)」にあり、初代店主を勤め上げた故・陳 平順(ちん へいじゅん)氏が考案した「支那饂飩(しなうどん)」が原点。
1892年(明治25年)福建省福州から日本に渡ってきた陳平順氏(当時19歳)は、長崎の地で一旗揚げようと行商で開業資金を蓄え、1899年(明治32年)に中華菜館兼旅館を生業とする「四海樓清國御料理御旅館」を創業。福建料理の「湯肉絲麺(とんにいしいめん)」から着想を得て「支那饂飩」を考案し、それが後に「長崎ちゃんぽん」という名称で日本全土に知れ渡ります。
ちゃんぽん(champon)という名前の由来は、中国語で “簡単な飯” を意味する「喰飯(シャンポン)」が鈍った説、あるいは中国語で “混ぜる” を意味する「攙」と “食材を油で炒めてから手早く調味料を加え、すぐに火から下ろして煮る調理法” を意味する「烹」を組み合わせた「攙烹」が有力など、その語源については諸説あるのですが、掘り下げると長くなるため割愛w
ちなみに長崎県長崎市の長崎ちゃんぽん、長崎県雲仙市の小浜ちゃんぽん、熊本県天草市の天草ちゃんぽんが「日本三大ちゃんぽん」に選定されており、他にも佐賀県武雄市の井手ちゃんぽん、愛媛県八幡浜市の八幡浜ちゃんぽん、滋賀県彦根市の近江ちゃんぽんなど、日本各地に “ご当地ちゃんぽん” と呼ばれる独自のスタイルが点在しているのですが、商品名にもあるように本題の「沼る」は長崎風。
東洋水産のホームページに掲載されている商品情報には “ポーク、野菜、魚介の旨みをベースに、胡椒を強く利かせた沼る美味しさのちゃんぽんスープ。特製油付き。” との記載があるため、胡椒の刺激についてはもちろん、ちゃんぽん特有の複雑な旨みだったり、別添されている特製油の効果だったり、そういったところも見どころになります。
なお「沼るコショウ」と同時にリリースされた「沼るタマネギ」は、ひとつ前のページでレビューしているため、感想や評価などの詳細が気になる方は「マルちゃんの “沼る” ご当地カップめん第2弾『沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン』も高コスパ!!」をご覧ください。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製油」1パックのみで、パッケージには “特製油付き” という訴求しかありませんし、東洋水産のホームページにも “特製油付き” としか記載されていません。ただ、ニュースリリースには “別添の特製油により、さらに旨みがアップします。” と書かれていたので、さらに旨みがアップするそうです(語彙力)。
かやくはキャベツ、コーン、カニカマ(かに風かまぼこ)の組み合わせで、残念ながら本物のエビやイカなどは入っていませんが、注目すべきはメーカー希望小売価格が異様に低いこと。ひとつ前のページと重複する解説になりますが‥‥
2024年2月現在、東洋水産を代表する「赤いきつね」「緑のたぬき」「麺づくり」「QTTA(クッタ)」の定番フレーバーを例に挙げると、レギュラーサイズの製品は例外なく236円(税別)に設定されているのに対し、今回の「沼るコショウ」は160円(税別)と破格の値段。オープン価格の商品ではないけれど、お店によっては98円(税込105円)前後の商品に位置付けられているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:沼るコショウ 長崎風ちゃんぽん 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:68g(めん52g) 商品コード:4901990377133(JAN) |
発売日:2024年02月12日(月) 実食日:2024年02月15日(木) 発売地域:全国(量販店・一般小売店 他) 取得店舗:スーパー 小売価格:160円(税別) 購入価格:127円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白)、添付調味料(植物油、ポークエキス、食塩、香辛料(こしょう、ガーリックパウダー)、野菜エキス、魚介エキス、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(キャベツ、コーン、かに風かまぼこ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、レシチン、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、クチナシ色素、カラメル色素、香辛料抽出物、香料、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、パプリカ色素、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は4分。長崎ちゃんぽんといわれて思い浮かぶ麺とは異なる形状ですし、東洋水産のニュースリリースに記載されている “食べごたえのある太めの麺。” という訴求や原材料名の構成など、同時発売品の「沼るタマネギ」と完全に一致することから、コストを浮かせるために同じフライ麺を使っているのかも。
麺を使い回しているのであれば、コストカットを感じるポイントになりますけど、前述のようにメーカー希望小売価格が160円(税別)という異例の安さを実現し、なおかつ調理後も具沢山に見える仕上がりで、香りのベクトルは紛う方なし長崎ちゃんぽん。非常識な量のコショウに期待していたので、私なんかは大人しいと感じてしまったんですけど、純粋なブラックペッパーとは違う、オイル系の清涼感も印象的な調理直後。
ちなみに製造所は酒悦の房総工場となっていますが、1983年(昭和58年)7月より東洋水産が資本参加している連結子会社の工場なので、単純に “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続きコショウのインパクトと長崎ちゃんぽんらしさに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(68g)あたり |
カロリー:318kcal たん白質:6.7g 脂 質:15.3g 炭水化物:38.3g 食塩相当量:3.2g (めん・かやく:1.0g) (スープ:2.2g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:122mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:318kcal(めん・かやく:257kcal)(スープ:61kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
こちらのほうが比較的もちもち?
おそらく「沼るタマネギ」と同じフライ麺を使用しているのだと思いますけど、粉末スープのpH(水素イオン指数)が影響しているのか、とろみ成分の問題か、あるいは「沼るタマネギ」とは微妙に異なる配合なのか、比較的に粘りを強めに感じます。ただ、そこまで劇的な差が開いているわけではありません。
熱湯4分ジャストでフタを開けた場合、やや硬い部分が残っていたので、それが苦手な方は気になるかもしれないけれど、1分30秒くらい休ませたら解決するレベル。むしろ後半にかけて粘りが増してくるタイプなので、ひとまず指定の時間を守り、フタを開けて混ぜ合わせた後、再びフタをして2、3分くらい放置するくらいの気構えがベスト。
やや加水率は高めの質感ですが、いわゆる定番の「長崎ちゃんぽん」とは異なるタイプの麺なので、こだわりが強い方は違和感を覚えてしまうかもしれません。しかし、悪い意味での安っぽさは皆無に等しく、いい意味でカップラーメンらしいと思える質感で、スープとの相性はもちろん、伸びにくさや160円(税別)というメーカー希望小売価格を加味すると、充分な水準に達していると感じました。
スープ
コショウのベクトルに注目
赤唐辛子の例に漏れず、黒胡椒の刺激に関する耐性値も人それぞれなので、これを強いと感じるか、それとも物足りないと感じるかについては個人差に左右されますけど、SNSで賛否両論が飛び交うほどのレベルには達していません。けれども「長崎ちゃんぽん」をイメージした商品のスープとしては、そこそこ思い切りのある清涼感。
とろみ成分の演出が強く、粘度の加減が不自然に思えた反面、容器の底に沈みがちな黒胡椒の粒が麺に絡みやすいところはメリットで、常に黒胡椒の清涼感が口の中に居座ることになりますが、それに負けじと旨みも奮迅。動物系は豚骨が中心の白湯(ぱいたん)で、野菜や魚介の旨みもソツなく丁寧に、ちゃんと濃厚なスープに仕上げてあります。
さらに面白かったのが「特製油」の効果で、よくある中華鍋で野菜を炒めたような臨場感をプラスしてくるアイテムかと思いきや、オイルのコクが加わると同時に黒胡椒の清涼感がアップする、これまでにない手法が個性的。それでも刺激が極端に強くなるわけではないけれど、香りの透明度が増すというか、黒胡椒のクリアな部分がブラッシュアップされるようなイメージで、その変化が印象に残りました。
かやく
すばらしい
キャベツでボリュームを稼ぐ戦法は、即席カップめん業界における常套手段で、今回も例に漏れず。しかし、オープン価格すれすれの価格設定でありながら、236円(税別)の商品に見劣りしないキャベツのボリューム感は素晴らしく、コーンの甘味がコショウの清涼感と対比を描き、カニカマの赤が彩りに映えている、値段を思うと充分すぎる内容でした。
総評
想像していたよりもコショウは常識的で‥‥という感想は胡椒バカの私、taka :a の私見で、長崎ちゃんぽんをイメージしたカップラーメンの中では比較的に思い切りのある効かせ方を実現しつつ、その清涼感をブラッシュアップしてくれる特製油の効果だったり、具材のボリューム感にも余念が無かったり、あいかわらずコストパフォーマンスの高さが光る着地点。
麺の系統は長崎ちゃんぽんのイメージから外れますけど、結果的にスープとの相性に問題はなかったし、同時発売品の「沼るタマネギ」と味の系統も区別されている、そういった意味でも高く評価できる一杯でした。スーパーやドラッグストアを中心に、広く取り扱われていると思いますので、ご当地の魅力を手軽に楽しみたい方は要チェックです【author・taka :a(大石敬之)】