どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年3月14日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清×食べログ 百名店 櫻井中華そば店 淡麗醤油中華そば」の実食レビューです。
『日清×食べログ 百名店』第6弾は “モチモチちぢれ麺×淡麗醤油の清澄な一杯” 横浜を代表する人気店「櫻井中華そば店」の味わいが再びカップラーメンに!! ただし、前回から大きな変更点も——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清×食べログ 百名店 櫻井中華そば店 2022
日清×食べログ 百名店(ひゃくめいてん)とは、カカクコムが運営する国内最大級のレストラン検索・予約サイト「食べログ」と日清食品の共同企画で、食べログの “ラーメン” ジャンルに登録されている全国約5万店舗の中から、特に高い評価を得た100店に贈られるグルメアワード「食べログ ラーメン 百名店」に選出された店主に監修を仰ぎ、その味わいを即席カップ麺として商品化するシリーズです。
今回の新商品「日清×食べログ 百名店 櫻井中華そば店 淡麗醤油中華そば」は、食べログ評価(2021年10月末日時点の食べログ点数)3.95を叩き出し、栄えある「The Tabelog Award」にも選出された「櫻井中華そば店」の櫻井啓吾(さくらい けいご)店主監修のもと、同店の看板メニューである「中華そば(醤油)」を再現したカップラーメンで、日清食品とは2度目のコラボレーション。
櫻井中華そば店(さくらいちゅうかそばてん)とは、保土ケ谷(ほどがや)駅東口から徒歩3分の商店街で行列をつくる名店で、店主の櫻井啓吾氏は東京・府中の名門「麺創研(めんそうけん)」グループの出身。2017年9月15日に「櫻井中華そば店」をオープンするや否や、その実力から瞬く間に注目を集め、KADOKAWAのラーメン専門誌『ラーメンWalkerグランプリ2018』神奈川の新店ベスト2を獲得。
2018年10月発売の『第19回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2018-2019』では、業界最高権威の審査員が決定するTRY新人賞「しょうゆ部門」6位とTRY新人賞「つけ麺部門」9位に選ばれ、開業3年目で「食べログ ラーメン WEST 百名店 2019」に初掲載。その後も「食べログ ラーメン 百名店」に3年連続で選出され、2021年から前述の「The Tabelog Award」Bronzeを2年連続受賞しています。
そんな「櫻井中華そば店」で提供されている「中華そば(醤油)」は “中華そばの王道を突き詰め、極める” という店主の信念に基づくネオクラシックな一杯で、スープには信州黄金シャモ(長野県の畜産試験場が開発した「歯ごたえ、うまみ、風味」の三拍子が揃った長野県オリジナル地鶏)や「櫻井中華そば店」でしか味わえないヨネビシ醤油特注の生揚げ醤油など、こだわり抜いた厳選食素材を使用。
余談ですが、一般的に「生」と付く醤油は大きく分けて「生(き)醤油」「生(なま)醤油」「生揚(きあ)げ醤油」の3つに分類され、生(き)醤油は醪(もろみ)を搾った後に火入れと濾過を行い、添加は塩だけに留めた本醸造タイプのこと。対して生(なま)醤油は火入れをせず、濾過のみ行った醤油で、生揚(きあ)げ醤油は “火入れも濾過も行っていない醤油” を指します。
話を戻しまして‥‥先に “日清食品とは2度目のコラボレーション” と触れたように、櫻井中華そば店監修のカップラーメンが初めて発売されたのは、2021年2月15日と比較的に最近の話。商品名は今回と同じ「日清×食べログ 百名店 櫻井中華そば店 淡麗醤油中華そば」だったのですが、容器の形状は大判どんぶり型だったので、今回とは製品スタイルが異なりました。
縦型ビッグは基本的にコンビニ向けの商品で、大判どんぶり型よりも手軽に食べられる分、どうしても本格さが犠牲になってしまう形態。ただ、日清食品のニュースリリースには “コク深い淡麗醤油スープの清澄(せいちょう)な逸品” とあり、なおかつ “店主と試行錯誤を重ねて新開発した中太ちぢれノンフライ麺” とのアピールも記載されていたので、そこが注目すべきポイントになります。
※ちなみに「日清×食べログ 百名店」シリーズは、第1弾から第5弾まで漏れなくレビューしているので、感想や評価などの詳細が気になる方は、タグの「食べログ 百名店」から過去のレビューに遡ってください。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「特製香味油」のみで、日清食品のニュースリリースには “醤油をベースに鶏のコクと煮干しのうまみを合わせた淡麗醤油スープは、上品でコク深い味わいが特長です” と記載。信州黄金シャモと生揚げ醤油をイメージした要素も然る事乍ら、煮干しの効かせ方も興味深いところ。
具材は炙りコロチャーシューを中心に、かきたま、ネギとシンプルなラインナップ。この炙りチャーシューは、AFURI(あふり)監修によるカップ麺の第5弾「日清 THE NOODLE TOKYO AFURI 限定柚子塩らーめん」(2018年3月19日発売品)に導入されたことを切っ掛けに、以降は他の商品にも使われている肉具材で、炙り特有の芳ばしい風味と噛み応えのある弾力が魅力的。
ただ、メーカー希望小売価格は248円(税別)ということで、2022年3月現在の縦型ビッグ製品における標準的なメーカー希望小売価格(税別220〜230円)よりも高めの値段。販売店は限定されていないナショナルブランド商品ですが、コンビニで購入した場合の税込価格は268円が相場になるため、それも踏まえて評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清×食べログ 百名店 櫻井中華そば店 淡麗醤油中華そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4902105271889(JAN) |
発売日:2022年03月14日(月) 実食日:2022年03月18日(金) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:246円(税込) 希望小売価格:248円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、植物油脂、チキン調味料)、スープ(豚脂、食塩、粉末しょうゆ、チキン調味料、でん粉、糖類、しょうゆ、植物油脂、ポーク調味料、魚粉、酵母エキス、香味油、発酵調味料、にぼし調味油)、かやく(味付豚肉、卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、カラメル色素、炭酸Ca、酸味料、乳化剤、増粘剤(キサンタンガム)、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、カロチノイド色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は前述のように “店主と試行錯誤を重ねて新開発した中太ちぢれノンフライ麺” を搭載しているため、お店で食べるような “モチモチ” とした食感が楽しめるらしく、そのための湯戻し時間は熱湯5分と長めの設定。いくつかある既存のパターンを使い回しているわけではないので、こだわりを感じます。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。その間に漂ってくる香りは魚粉の主張が強く、小袋の中身(特製香味油)を加えた後も引き続き魚介の香りが優勢で、2021年2月発売の大判どんぶり型で受けた印象とは異なる雰囲気。
炙りコロチャーシューの量が多いので、そこは好感が抱けるポイントになりますが、こんなに魚粉の香りが強かったっけ‥‥? と、ギャップを感じている実食前。はたして「櫻井中華そば店」ならではのネオクラシックな “こだわり” は感じられるのか「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:359kcal たん白質:9.1g 脂 質:8.1g 炭水化物:62.3g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.46mg カルシウム:181mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:359kcal(めん・かやく:298kcal)(スープ:61kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
個性的だけどフライングは厳禁
弾力を強めるために植物性たん白や大豆食物繊維を配合し、なおかつチキン調味料(チキンエキス)を使用することでスープとの一体感を高める手法など、いかにも日清食品らしい原材料の構成となっているのですが、ほかの縦型ビッグに使われているノンフライ麺とは口当たりも弾力も別物。
さすがに明星食品の「麺神(めがみ)」ほどではないけれど、日清食品の縦型ビッグにおいて、これほど幅のあるノンフライ麺は珍しく、イメージとしては中華麺よりも “強靭なコシを兼ね備えた冷凍うどん” に通じる質感。後述するスープとの兼ね合いに引っ張られた部分もありますが、コシの強い冷凍うどんを茹で上げたような状態に近い弾力で、独特の感覚が印象に残ります。
ただ、注意すべきは “ぜったいにフライングしない” こと。櫻井中華そば店の公式ツイッターも「しっかり5分待って食べて下さい」「硬めはお薦め出来ない麺になっております」とツイートしていますが、実際のところ熱湯5分しっかり待っても部分的に戻っていなかったので、別添の特製香味油を加えた後、さらに2〜3分ほど休ませた頃合いがベストかもしれません。
スープ
こんな感じだっけ‥‥
まずは別添の小袋を入れる前に味を確認してみたところ、体感的には動物系よりも魚粉が優勢で、あまり鶏は目立ちません。この時点での醤油も粉末なので、生揚げ醤油を彷彿とさせる特別感もなく、ラーメンのスープというよりも “うどんのつゆ” に近い立ち位置というか、前回の大判どんぶり型で感じた印象とは大きく異なります。そうか、ここに「特製香味油」を入れたら鶏の力強さが‥‥
大幅に増すかと思いきや、さほど鶏油の芳ばしさが強いわけでもなく、むしろ風味としては “煮干しオイル” が優勢で、より和風だしライクなスープに仕上がります。そのオイルとは別に少量の液体しょうゆ(タレ)も入っているのですが、前回ほど醤油のコクとキレが強く主張してくるわけではないので、だいぶデフォルメされているように感じました。
具材
「麺庵ちとせ」と同じだった
メインの炙りコロチャーシューは、2019年10月21日(リニューアル)以前の「カップヌードル」に入っていた “コロ・チャー” を炙ったもので、芳ばしさがプラスされることにより、従来のコロ・チャーから数段上の美味しさにグレードアップしています。ただ、今回のスープは和風だし路線だったので、炙りの芳ばしさよりも加工肉特有の雑味が目立っている、ちょっと残念な側面も‥‥。
かきたまは店舗の味玉(寿雀卵)ほど存在感のある具材ではないのですが、ふんわりとした卵の優しい口当たりと風味がアクセントになり、ネギもフリーズドライなのが嬉しく‥‥と、これって2021年12月20日発売の第5弾「日清×食べログ 百名店 麺庵ちとせ 淡麗醤油ラーメン」に入っていた具材と完全に同じ内容じゃないですか。せっかくだったので、もう少しオリジナリティを出してほしかったです。
総評
読み返してみたらネガティブなレビューに見えますけど、おいしくないわけではありません。再現度を抜きにしていえば、冷凍うどんっぽいノンフライ麺も和風だし強めのスープも美味しかったです。ただ、前述の鶏や醤油に対する「櫻井中華そば店」の “こだわり” が反映されていなかったのは残念なポイント。
メーカー希望小売価格の高さも評価が伸び悩んだ要因で、295円(税別)だった前回の「淡麗醤油中華そば」よりも格段に安くなっているのですが、結果的に前回と同じ大判どんぶり型で再現してほしかった‥‥というのが正直な意見。ちょっと厳しめの評価になりますけど、せっかくのコラボなのにスープと具材の個性が薄かったので、今回は及第点+αとします【author・taka :a(大石敬之)】