どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月17日(火)新発売のカップ麺、サンヨー食品「青ネギオイル仕立てのネギバカ にんにく塩ラーメン」の実食レビューです。
三真「ネギバカおかき」がコンビニのカップラーメンに!?
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ネギバカのカップ麺
「青ネギオイル仕立てのネギバカおかき」とは、「ラッキーマヨネーズ」シリーズや「ごぼう畑」を製造・販売している株式会社三真(さんしん)の主力商品で、発売日は2017年6月12日。すべてのネギバカ達に贈る、バカなくらいネギを感じるおかきとして登場し、当初はセブンイレブンを中心に販売されていました。
あまりにもヤル気がなさすぎる、しかしながらジャケ買いの衝動に駆られるシュールなデザインのパッケージに射止められた人は何人いたでしょう――そんな気の抜けたパッケージとは裏腹に、葱(ねぎ)や食塩、にんにくパウダー、黒こしょう、昆布エキスパウダー、わさび風味シーズニングなどで味付けされた “やみつき系おかき” としての確かな味で人気を博し、コンビニでも品切れ続出。
当時と比較して最近あまり売っている店を見なくなりましたが、ちょいちょいコンビニに入荷されたり、スーパーやドラッグストア、ドンキホーテなどのディスカウントストアに並んだり、公式を含むネット通販サイトでも販売されたりと三真きっての売れ筋。それでいて本家の販売価格は当時から2019年12月現在も税込108円という、軽い気持ちで手に取りやすいのもポイントですね。
以前に私もハマッたことがあって、実際そこまでネギは強烈ではないと感じていたのですが、やや強めのニンニクと絶妙な塩加減にサクッとエアリーな軽めの食感が食べやすく、昆布の下支えとワサビの風味で奥行きがあり、じわじわと途中から追い上げてくる青ネギのニオイが――なんですけど、意外に空気を読む奴でして、ストイックな環境でなければ3時のオヤツにも食べられる感じでした。
さて、今回のカップラーメン「青ネギオイル仕立てのネギバカ にんにく塩ラーメン」は、サッポロ一番ことサンヨー食品株式会社及び株式会社三真が共同開発したローソン専用の新商品で、 “本製品は「ネギバカおかき」の味わいをイメージしたカップめんです。「ネギバカおかき」を使用した製品ではありません。” との注意書きが記載されているのですが、ほぼパッケージの再現度は完璧。
毎度おなじみ勢いがあるんだか投げやりなんだか掴めない、なんとも愛嬌のあるパッケージデザインで、ローソンの店内でも異様に目立つw 本家「ネギバカおかき」が発売された当初はセブンイレブン先行販売的な立ち位置だったはずですが、2018年10月2日(火)に続編「青ネギオイル仕立てのネギバカⅡ揚せんべい」をローソン限定で発売していたので、今回のローソン限定商品はその流れかもしれません。
ちなみにカップ麺と同時に「三真 ポテトチップ 青ネギオイル仕立てのネギバカ」というポテチバージョンもリリースされていて、販売エリアはナチュラルローソンを除く全国のローソンで新発売。ただ、実際に立ち寄ったローソン5軒すべて「ネギバカにんにく塩ラーメン」は陳列してあったのに対し、ポテトチップスのほうは1軒も売っていませんでした。
もしかしたら地域によって入荷が遅れているだけかもしれませんが、年末に近づいた今週は新作カップ麺のリリースが少ないため、「ネギバカにんにく塩ラーメン」の入手は比較的に難しくないと思います。さて、どちらも再現度が高いシンプルな白いデザインから、外見だけでは “中身が分からない・想像できない” というのも一つの戦略ですね。
開封
カップ麺に別添されている小袋は、サンヨー食品の縦型ビッグで馴染みのある「仕上げの小袋」が1袋。本家おかきと同じく “青ネギオイル仕立ての” というタイトルなので、おそらく青ネギ風味のネギ油的な調味油が予想されます。そして、カップめん本体の中に本物の「ネギバカおかき」は入っていないようですが――
ネギ、大量です。ただ、ちょっと想像と違うw 漠然とオールグリーンな光景が広がってるんだろうなー、くらいは想定していたんですけど、まさか斜め切りとは‥‥もっとこう、繊維質の硬い歯触り強めの小葱(あんまり高級感のないヤツ)が大量に入っていると思っていたので、ネギ具材の中でも比較的にコストが高そうな斜め切りの登場には意表を突かれました。
あとは大量のネギにまみれて鶏・豚味付肉そぼろがチラホラと入っていて、そんなに量は多くないものの、肉そぼろ系の具材としては大きめ。2019年12月現在、今回と同じようなタテ型ビッグのカップ麺をローソンで購入すると、税込232円が標準的な値段となっているのですが、ローソン標準価格は同じ製品スタイルの平均売価よりも安めの税込228円に設定されています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:青ネギオイル仕立てのネギバカ にんにく塩ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場(W)奈良県大和郡山市額田部北町944 内容量:96g(めん70g) 商品コード:4901734039136(JANコード) 商品サイズ:φ112×118(mm) 発売日:2019年12月17日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、やまいも粉)、スープ(糖類、食塩、香辛料、植物油脂、香味油、ポークエキス、チキンエキス、しょうゆ、酵母エキス、デキストリン、発酵調味料)、かやく(ねぎ、鶏・豚味付肉そぼろ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、香辛料抽出物、かんすい、増粘剤(キサンタン)、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
麺は黄色味の目立たない油揚げ麺で縮れが強く、湯戻し時間は熱湯3分と標準的。一見すると平凡で特徴のない麺に見えますが、ちょっと注目したいのが原材料名(油揚げめん)の末尾で、「やまいも粉」の記載があります。サンヨー食品の麺で「やまいも粉」が練り込まれているといえば、ご存知「サッポロ一番 塩らーめん」と共通するポイント。
そして最近はPS(ポリスチレン)ではなくPP(ポリプロピレン)樹脂を主要資材とする、一般的なプラ容器よりも硬いカップを採用してくることも珍しくなくなってきたサンヨー食品ですが、今回は二重構造の紙容器を採用しています。ちなみに熱湯を注ぐ前の香りは、どことなく「サッポロ一番 塩らーめん」の粉末スープに近いような‥‥
一面に広がるネギの緑も然る事乍ら、熱湯を注いでからのニンニク臭が想像以上に凄まじく、その勢いは申し分ありません。もはや食べる前からブレスケア必須なのは間違いないレベルなので、くれぐれも周囲に対するスメルハラスメントに注意してください。それでは、引き続き青ネギオイルにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)当たり
カロリー:427kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:427kcal(めん・かやく:325kcal)(スープ:102kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
やはり麺は「サッポロ一番 塩らーめん」の系譜にある油揚げ麺で、それなりにモチモチとした弾力が楽しめるのですが、総体的にインスタント感の強いタイプです。直近に発売された新作カップ麺を引き合いに出すと、横浜・川崎のソウルフードを再現して話題になった「元祖ニュータンタンメン本舗 タンタンメン」と同じ原材料名なので、それと共通の麺かもしれません。
元祖ニュータンタンメン本舗に使われていた油揚げ麺よりも比較的にモチモチとしていたので、もしかすると構造が違うのかもしれませんが、やまいも粉入りの丸刃でカットされた中細ちぢれ麺という特徴は「塩らーめん」の縦型カップ麺も含めて共通のポイント。それにイソゲン(ニュータンタンメン)の時には足を引っ張ったインスタント感ですが、今回は全体の雰囲気にバッチリとハマっています。
たとえば有名店の再現カップ麺に使用されていた場合、生麺から遠く掛け離れた油揚げ麺特有の食感や風味がマイナスに作用することも多く、それが原因で最近のサンヨー食品は頻繁にズッコケていたくらい。けれども今回は油揚げ麺臭を物ともしない強烈なニンニク臭が常に攻めてくることに加え、お互いのジャンクな魅力を高め合うような相乗効果を発揮している、とても相性のいい組み合わせでした。
スープ
前述した元祖ニュータンタンメン本舗のカップ麺も油断ならないニンニク臭の強さを誇っていましたが、今回の「ネギバカにんにく塩ラーメン」も同等の強さを――いや、それ以上に強いかもしれません。一見すると味付けは複雑なものではなく、たとえば居酒屋なんかで “ニンニクと豚バラ肉のスタミナ炒め” みたいなメニューがあったとしたら、そのテンプレになりそうな味。
「仕上げの小袋」を入れる前からニンニクの風味は凄まじく、さすがに生おろしニンニクほどの主張ではないけれど、単純にガーリックパウダーをマシマシにしたようなテイストではありません。熱した中華鍋にスライスにんにくを入れ、そのまま強火で炒めたような、そんなプロセスを思わせるニンニクの風味が印象深く、それ一つとっても臨場感がありました。
仕上げの小袋に入っているのは無色透明のオイル(葱油系)で、直接舐めるとわずかにネギの辛味があり、土台は醤油で香り付けを施しながらもタイトルどおりの塩味。けっこう塩気がキリッと効いているのですが、ニンニクのエッジと具材(ねぎ)の甘味、そして膨よかなオイルのコクによってカドが立ちすぎることはなく、年末年始に増える飲み会後の〆(しめ)にもよさそうなパンチの効いた味付け。
動物系はポークエキスとチキンエキスによる畜肉の旨味が丁寧で、鶏肉・豚肉・ネギをニンニクと一緒に炒めて塩気をキリッと効かせたような——あ、それと何気に胡椒たっぷりで身体もポカポカしてきます。葱油の芳ばしい風味にはニンニクの調理感を高める効果があるのもポイントで、正直かなり食べる場所もタイミングも選びますが、このスープめちゃくちゃ美味しいですよ。
具材
すいません、もうちょっとあります。たとえば青ネギだと香りの強い九条種葱、白ネギだと甘みの強い下仁田系葱など、ご当地系のネギもあるのですが、今回は特別なブランドの品種ではないと思います(たぶん中国産)。しかし、その中でも何種類かのネギがあって、今回のような「斜め切り」から歯触りの強い「輪切り」、後入れ可能な「薬味系」に粉末スープ同梱型の「飾り」などなど――
正直、風味と食感のインパクトでいえば「輪切りの小葱」が最強で、それはもう邪魔に感じるくらい主張してくることもあるのですが、あえて今回はワンラン上の「斜め切り」を採用しているようなイメージ。それによってリアルなネギの甘味と若干の辛味を打ち出しつつ、悪い意味で全体が葱一辺倒になることはありません。
肉そぼろの量は少なく、すべて掻き集めても上記の画像に写っている量で全部だったのですが、肉の旨味がギュッと詰まっているワイルドな味と食感なので、価値の見出せないスカスカの端材や大豆たん白加工品(フェイクミート)を使っていないのが好印象。ネギの形は実食前の想像と違いましたが、邪魔にならず埋没しない、ベストな量とサイズだと感じました。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6+)
麺は汎用の油揚げ麺で、よくよく考えてみたら具材もコスト的には赤字覚悟の内容ではないのかもしれませんが、とにもかくにもスープがヤバい。一見して明白なガーリック臭のインパクトも然る事乍ら、実際に味としても反則級の美味しさで、かなり中毒性の高い一杯でした。‥‥あ、でも本家「三真ネギバカおかき」の再現度は低いです。
昆布やワサビの隠し味は意識されておらず、また本家のニンニクは空気が読めるのに対し、カップ麺のニンニクは空気が読めません。読む気もありません。むしろ食後の人間関係をぶち壊しにくるようなヤツです。ただ、それだけにリピート必至の常習性を兼ね備えているので、特にニンニク強めの居酒屋メニューに目がない方は、最寄りのローソンに急いでください。