どうも、taka :aです。
本日の一杯は、ファミリーマート限定発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 長尾中華そば こく煮干し」の実食レビューです。
青森の名店「長尾中華そば」監修! 煮干しを強く効かせた香り・旨味・コクを併せ持つという「こく煮干し」がカップラーメンで再現されました。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
ファミマ 長尾中華そば こく煮干し
カップ麺を製造しているのは「マルちゃん」こと東洋水産で、販売ルートは全国のファミリーマート・サークルK・サンクス限定・数量限定商品です。東洋水産と「長尾中華そば」のコラボカップ麺といえば、以前に「マルちゃん 縦型ビッグ 田中商店×長尾中華そば バリ豚激煮干」という「田中商店」とのタイアップ製品もありました。
「長尾中華そば」の店主・長尾大氏は、津軽煮干ラーメンで有名な青森市の出身。新宿調理師専門学校を卒業後、六本木・香妃園、海老名・皇華蘭、渋谷・一番、横須賀・孔雀園などの中国料理界で修行を積み、横浜市の某ラーメン店で働いた経歴もあるそうです。
その後、25歳で地元の青森に戻り、青森国際ホテルの「吉慶」という中国料理店に勤め、時間がある時に青森のラーメンを食べ歩いていたそうなのですが、青森県弘前市撫牛子にある「たかはし中華そば店」で食べたラーメンに衝撃を受け、2004年5月‥なんと29歳の若さで独立し、現在の「長尾中華そば」を開業しました。
まだ当時は珍しかった “あっさり” と “こってり” の二枚看板で、地元青森県民の心をキャッチ。お店のメニューは「あっさり」「あっこく」「こく煮干し」が基本メニューで、 “煮干し苦手な方はご遠慮ください” という裏メニュー「ごくえぎ」もあるのだとか‥すっごい気になるけど、今回のカップ麺は「こく煮干し」の再現です。
お店の「こく煮干し」は手打麺・中太麺・細麺と3種類の麺から選べるらしいのですが、カップ麺のパッケージには「生麺ゆでてうまいまま製法」‥そう、「マルちゃん正麺」のノンフライ麺と同じ製法ですね。ちなみに前述した縦型ビッグのコラボカップ麺と、袋麺の「あっこく麺」(八郎めん製造)は食べたことがあります。
さて、 “新・津軽煮干しラーメン” とも言われている長尾中華そばの「こく煮干し」とは、いったいどんな個性派なのでしょう。
開封
別添の小袋は、「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」の合計3袋で、最初に入れるのは「かやく」のみ。「液体スープ」と「粉末スープ」は熱湯を注ぐ前に入れると麺が戻らない危険性があるため、うっかり入れないように注意してください。
これが「生麺ゆでててうまいまま製法」(湯戻し前)のノンフライ麺なんですけど、見た目が白っぽいですね。雰囲気的に「マルちゃん正麺 カップ 濃厚とろ豚骨」と瓜二つなので、もしかすると正麺カップの豚骨から引っ張ってきているのかもしれません。その麺は博多系とんこつスープだと少しイメージが違ってくるのですが、低加水麺との相性がいい煮干系とはどうでしょう。
ちなみに青森では「津軽煮干ラーメン」と「味噌カレー牛乳ラーメン」が二大ご当地ラーメンとされているのですが、東洋水産のラインナップには「日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」というカップ麺や東北地区限定の「日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン」という製品もあるので、以前より青森とは所縁のあるメーカーなんですよ。
製品情報・購入価格
製品名:長尾中華そば こく煮干し 販売者:東洋水産 製造所:関東工場 内容量:113g(めん65g) 発売日:2018年11月20日(火) 実食日:2018年11月21日(水) JANコード:4901990361750 ファミリーマート通常価格:258円(税抜) 発売地域:全国(ファミリーマート・サークルK・サンクス限定) |
麺の種類:ノンフライ麺 容器材質:プラ(PS) 必要湯量:420ml 目安 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、植物油脂、大豆食物繊維)、添付調味料(魚介エキス、豚脂、しょうゆ、デキストリン、植物油、香味油脂、ポークエキス、こんぶエキス、食塩、チキンエキス、香辛料、砂糖、発行調味料)、かやく(焼豚、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、かんすい、酒精、増粘多糖類、炭酸カルシウム、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】 小麦・乳成分・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
実食開始
フタを開けたら「かやく」開封し、お湯を注いで5分待ちます。待っている間に「液体スープ」をフタの上で温めるのですが、5分後にフタを開けたら “スープを入れる前に” 軽く麺をほぐし、それから粉末スープを入れて混ぜる、最後に液体スープの順に投入すると調理しやすいです。
おー、けっこうニボってますね粉末スープの色。ちなみにノンフライ麺は熱湯5分ジャストでスムーズにほぐれたので、まったくもってストレスフリーでした。
で、液体スープはドロッと高粘度。しっかり混ぜると少しトロミがついてきたのですが、どろどろのスープではありません。
さて、完成です。私は誰よりもカップ麺の盛り付けにこだわっているのですが、今回は楽だったw ネギも大きめ、メンマも大きめで実にサルベージしやすかったです。もちろん具材のリアリティやクオリティについては、いかにも東洋水産のカップ麺で “よく見るタイプ” なので、その領域を大幅に踏み出すことはないでしょう‥
しかし、お店のラーメンも基本はチャーシュー、メンマ、ネギなので、今のところ構成としては忠実ですね。青森と所縁のある東洋水産と “新津軽煮干しラーメン” 長尾中華そばのタイアップということで、期待せずにはいられない実食前の現在。コンビニ限定で税込278円のカップ麺になるため、コスパにも注目しながらレビューします。
1食(113g)当たり
カロリー:378kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) エネルギー:378kcal(めん・かやく:262kcal)(スープ:116kcal) |
めん
コシが強く縮れのない中太ストレート麺で、若干の平打ち。切刃は丸く、口当たりにカドは見られません。お店の「こく煮干」では手打麺・中太麺・細麺の3つから麺が選べると書きましたが、今回は細麺でもなければ中太麺の縮れも見られなかったので、おそらく “手打麺” を意識しているものと思われます。
マルちゃん正麺シリーズでおなじみの「こんにゃく」が練りこまれているノンフライ麺になるのですが、いつもの黄色味がかったタイプと比較して加水率が抑えられ、低加水麺ではないものの、しっかりとした歯応えと芳醇な小麦の香りが心地よく、今回のスープとも取り合わせは悪くありませんし、時間が経っても伸びにくい‥というか伸びないw
熱湯5分で食べ始めると強めのコシに加えてギュッ、と詰まった密度の高い弾力が楽しめ、少しずつスープに馴染んでくるのですが、そこまで強い粘り気ではありません。しかし、もしこれが正麺カップの醤油味に使われている麺だったら違和感あったと思いますし、今回の煮干スープとのバランスは良好。麺量は65gなので、正麺カップの標準値ですね。
スープ
調理中の解説でドロドロのスープではないと書きましたが、けっこうスープの粘度は高く、それはデキストリンなどによって人工的に施されたトロミになるものの、ポークを中心とした動物系の厚みによって不自然な印象は覚えません。スープの表面に光を当てるとニボシがキラキラしているのですが、特有のエグ味は抑えられています。
強烈なニボシの勢いに期待していると物足りなさを感じてしまうかもしれませんし、私自身 “もう勘弁してくれ〜w ” と音を上げたいくらいクラクラする煮干しスープが好きなので、だいぶ大人しいなぁ‥とは思ったのですが、煮干しが苦手ならヤメといたほうがいい、くらいのレベルです。ただ、なんでしょう‥実に膨よか。
どうやら魚介エキスには煮干しの他にカツオ、サバ、サケ由来の成分も含まれているような、とても複合的な旨味で、その中心には確実に煮干しが存在しているのですが、もっともっと複雑なんです。エグ味ばっち恋な激にぼ灰色スープではないので、そっち系に期待しているとコケますけど、じんわり濃厚かつピンボケすることのない適切なキレ‥なるほど、この計算されたバランスこそがお店の個性なのかもしれませんね。
かやく
今回の容器は口径が広めになるのですが、それでも見栄えのいいチャーシュー! なんですけど、質としては可も無く不可も無しですし、値段を思えばチープです。ただ、大きめのメンマとネギはイイですね。どちらかというとネギはフレッシュな風味が優勢で、特に白い部分を食べた時の香味が嬉しく、濃厚なスープに慣れてきた舌を適度にリセットしてくれます。
また大きめのメンマもコリコリと歯ごたえが強く、箸休めに効果的でした。今回のスープには焼き海苔が合いそうだったので、家に海苔があったらトッピングしてみてください。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(4+)
値段的に少し思い切れなかったのですが、麺とスープに関しては値段を踏まえても★5です。ニボシ独特のエグ味と苦味を抑え、実に繊細なバランスを保ちつつも確かな動物系の重厚感がある、それでいて野蛮ではない、なのに濃厚というバランスには “新津軽煮干しラーメン” とされる名店の個性が見えました。
いくら苦手ならヤメときましょうレベルとはいえ、ゴリゴリに煮干しが攻めてくるようなスープではありませんし、キレたニボシが好きなニボラーにとっては物足りないかもしれません。また、煮干し系には低加水麺しか認めない、そのような固定観念が根付いている方は麺とスープの組み合わせに違和感を覚えるでしょう。
しかし、ひとつのカップ麺として味の総合力は高く、同社の製造する「激にぼ」との差別化も図られていました。個人的には「激にぼ」のほうが好きだったし、値段的にもヘビーリピートできる製品ではないかもしれませんが、一度は試してみても損はないかと思います。余裕があれば、焼き海苔のトッピングも視野に入れてみてください。