どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年10月16日(火)新発売のカップ麺、明星食品「六厘舎 濃厚中華そば 背脂とんこつ醤油」ローソン先行商品の実食レビューです。
濃厚スープに極太麺というスタイルを築き上げ、つけめん界に大きな旋風を巻き起こした日本屈指の行列店、「六厘舎」が監修したカップラーメンが発売されました。
どのくらい濃厚?背脂の量は?魚介は入ってる?味の特徴は?定価購入必至のコンビニで買っても大丈夫なのか、実際に食べてみた感想と経験をもとにカップ麺としての総合力を評価し、その疑問を解決します。ローソン「先行」と表記されている理由についても問い合わせてみたので、お時間よろしければ最後までお付き合いください。
六厘舎のカップ麺
「六厘舎」とは、株式会社松富士食品が運営しているラーメン店のブランドで、極太麺を使用した魚介系濃厚つけ麺のパイオニアと言っても過言ではない、全国的にも知名度の高い超有名店です。ラーメン通でなくとも、お店の名前を知っている方は多いでしょう。
「池袋大勝軒」の創業者で、つけ麺の元祖を考案したラーメンの神様・山岸一雄氏のもとで修行を積んだ三田遼斉氏が2005年4月、東京都品川区大崎にて「六厘舎 大崎本店」を開業。もともとサラーリマンだった三田氏は池袋大勝軒の常連客で、たまたま公園にいた山岸氏に挨拶したところ、「覚えてますよ」という氏の一言で人生が変わったそうです。
“生まれ変わるのなら山岸一雄になりたい‥” ラーメンの神に心酔し、修行の末に六厘舎を開業するも開店から1ヶ月の客足は1日20人程度。それから濃厚スープに極太麺というスタイルを築き上げて持ち直し、その味に理解を示すファンも増え、待ち時間は2時間越えという超弩級のモンスターつけ麺店へと成長しました。
しかし、その行列に対する近隣住民からの苦情が絶えず、あまりに “人気がありすぎる” という理由から、2010年8月29日に大崎本店は閉店します。
「最後の一滴まで美味しく頂けるつけめん」「ガサツで荒々しく男らしいつけめん」そんなキャッチフレーズもある六厘舎ですが、今回のテーマは汁ありの「濃厚中華そば 背脂とんこつ醤油」ということで、実際のメニューにもある「中華そば」をが再現されました。六厘舎のカップ麺といえば、2017年2月6日発売されていた清食品の「有名店シリーズ 六厘舎 魚介豚骨中華そば」が記憶に新しいところでしょうか。今回は明星食品が製造しているので、個性の違いにも注目ですね。
開封
フタを開ける前に、別添の「特製スープ」を外します。通常、熱湯を注いでから、またフタの上で温めろと指示されるパターンがセオリーなんですけど、今回のパッケージ側面に書かれている「調理方法」には、その旨が珍しく記載されていません。私なんぞは条件反射で無意識に小袋をフタの上で温めてしまうんですけど、今回は温めないほうがいいのだろうか‥
かなり粉末スープの量が多いので、ゆっくりと熱湯を注ぐ必要があります。すでに濃厚豚骨系の粉末スープに有り勝ちな独特の香りが漂っているので、けっこう期待している実食前の現在。生臭いとまではいいませんが、女性の方にとっては少し抵抗がある香りかもしれません。
製品情報・購入価格
製品名:六厘舎 濃厚中華そば 背脂とんこつ醤油 製造者:明星食品 内容量:109g(めん80g) 発売日:2018年10月16日(火) JANコード:4902881470971 ローソン標準価格:216円(税込) 発売地域:全国(ローソングループ限定) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:紙 必要湯量:340ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、酵母エキス)、スープ(豚・鶏エキス、豚脂、しょうゆ、小麦粉、でん粉、たん白加水分解物、糖類、香味油、香辛料、食塩、香味調味料、チキンオイル)、かやく(チャーシュー、背脂加工品、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香料、増粘多糖類、カラメル色素、かんすい、乳化剤、酒精、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】小麦・卵・乳成分・えび・豚肉・鶏肉・牛肉・さけ・さば・大豆・ごま・ゼラチン ※本品製造設備では、そば・かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
調理方法には「温めてください」と書かれていませんでしたが、「温めないでください」とも書かれていなかったので、いつも通りフタの上に小袋をのせて4分待ちます。もう習性みたいなものですよね‥小袋にも書かれているように、特製スープは食べる直前に入れましょう。ちなみにタテ型ビッグサイズの容器ですが、お湯の目安量は340mlと比較的に少なめです。
ところで以前から “限定” じゃなくて “先行” というのが気になっていたので、明星食品に問い合わせてみたところ、まずは “ローソン先行” で発売し、後日 “「ポプラ」などのローソングループにて販売されることもある” とのことでした。つまり、ローソングループ限定の専売商品ですね。
あー、すっきりw
はい、完成。豚骨臭とは少し違いますけど、なかなか力強い動物系の香り。それでは、実際に食べてみましょう。とろみ成分が事前の粉末スープに仕込まれているので、底から念入りにかき混ぜた後に特製スープを入れてください。
1食(109g)当たり
カロリー:501kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:501kcal(めん・かやく:415kcal)(スープ:86kcal) |
特製背脂入りオイルで香りと味わいがクセになる濃厚な名店「六厘舎」の中華そばです。
(ローソン「商品・おトク情報」より引用)
めん
もちもちとした中太麺
(ローソン「商品・おトク情報」より引用)
丸刃でカットされた中太麺で、残念ながらノンフライ麺ではありません。明星食品はスチームノンフライ製法というタテ型の容器に合わせた製麺技術も持っているのですが、今回は油揚げ麺です。きちんと4分待ち、しっかり混ぜてから食べてみたところ、もちもちとした食感は得られたのですが、大量の粉末スープが影響してか部分的に(ごく一部ですが)サクッとしたままでした。
油揚げ麺特有の風味は強引に主張してくるタイプではなかったものの、それよりも気になったのは伸びるスピードです。通常、このサイズであれば熱湯を注いだ瞬間からカウントアップで8分前後くらいは食感を維持してくれるのですが、わりと早い段階から柔らかい食感に変わってしまいました。なので、つけ麺クラスの弾力に期待していると、かなり頼りないかもしれません。
スープとの相性は、可も無く不可も無しといったところ。押しのけたり埋没したりというわけではありませんが、ベストマッチとも言えません。お店のイメージはともかく、単純にカップ麺での印象としては、やや加水率の低い中細ストレート麺を合わせたほうが整ったのではないかと感じました。
スープ
ポークとチキンのだし、醤油や胡椒、ガーリックをきかせたス-プ
(ローソン「商品・おトク情報」より引用)
日清食品が製造していた「有名店シリーズ 六厘舎 魚介豚骨中華そば」は、幻となったメニューを復活させる、というのがコンセプトだったんですけど、今回は店主監修のもと現在の六厘舎で提供されている中華そばが再現されたようなので、日清食品の時とは方向性が異なります。
まず魚介系のテイストですが、原材料にエキスや魚粉なんかは使用されていません。香味調味料や香味油の中に多少は旨味成分が要約されているのかもしれませんが、体感的には完全に畜肉系の旨味で押し切るようなタイプです。
別添の特製スープは背脂ではなく、カエシと香味油が仕込まれていたのですが、かなりキレ(醤油と食塩)が強め。お店の口コミや評判を検索してみると、カエシが強いとのコメントを多数見かけたので、その再現度は高いのかもしれません。実食前に漂っていた独特の香りは醤油に切られて埋没していたのですが、かわりに香味油の獣臭が添加され、かなり押しの強いガテン系の味わいに仕上がります。
実は後から柚子と思われる柑橘系の皮や少量の胡麻に気がついたんですけど、実食中はカエシの強さで気が付きませんでした。とろみ成分によってスープの粘性率は高かったんですけど、そのベクトルは人工的だったので、ちょっと自然ではないかもしれません。
かやく
チャーシューはチップ状のハムみたいな具材だったので、あまり情緒のある肉具材とは言えませんが、そこそこ厚みがあって食べ応えは得られます。メンマは大きくて厚みがあり、こっちは素直に好印象。濃い味スープの箸休めに嬉しく、量も多めに入っていました。
ねぎは大きめにカットされていたのですが、実際に食べている間はスープの味が強すぎて気にならなかったです。さて、上記の写真では背脂加工品が見えにくいと思ったので、ちょっと集めてみたのですが‥
この白いヤツですね。こうやって集めると不自然ですけどw 実際はプニッとした口当たりが面白く、本物の背脂みたいに熱湯を注いでも溶けて無くなることはありません。っていうのも不自然なんですけどw 特製スープに含まれていた動物系の香りと重なることで背脂の印象を確立させてくれる、なかなか効果的な存在です。ご覧の通り量も多く、タイトルの背脂は体現できていました。
エースコックの背脂系はリアルな背脂をパックした別添の小袋で勝負してくるのですが、東洋水産や明星食品は背脂加工品+動物油脂でコッテリ感を演出することが多いですね。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3)
実際の中華そばを食べたクチコミなんかを見ていると、 “カエシが強い” という部分は再現度が高いように思えた反面、麺は少し違うような気がしたし、魚介系の濃厚つけ麺で有名な六厘舎の印象から、つけ麺のラーメンバージョンに期待して手に取ると完全に肩透かしを喰らいます。
私は実際の中華そばを知らないので、再現度について確かな評価はできませんが、柔らかい縮れた中太麺とカエシの強いスープはベストマッチと言えず、こってりとした背脂には勢いを感じたものの、結果的に可も無く不可も無しだと感じてしまいました。しかし、大量の背脂加工品と特製スープのワイルドな香りはインパクトがあったので、こってりガテン系のキレたテイストが好きならグッとくるかもしれません。
ローソンのカップ麺といえば「明星 東京タンメントナリ監修 辛激タンメン」が定番品として絶賛販売中ですが、「東京タンメン トナリ」も六厘舎と同じく松富士食品のブランドなので、いつか「東京つけめん 久臨」や「ジャンクガレッジ」が監修したカップ麺もローソンから出るかもしれませんね。