どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年11月14日(火)ローソン限定発売、日清食品のカップ麺「超豚骨 京都無鉄砲 濃厚ドドド豚骨」の実食レビューです。
超濃厚な一杯。これぞ、無鉄砲。自他共に認める豚骨馬鹿・赤迫重之店主監修によるシリーズ史上最も高級なカップラーメンついに完成!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
超豚骨 京都無鉄砲 濃厚ドドド豚骨
無鉄砲(むてっぽう)とは、1998年(平成10年)6月7日の創業以来、厳選した国産豚骨と水だけで作る、純度100%の超濃厚とんこつスープが特徴のラーメン店で、店主の赤迫重之(あかさこ しげゆき)氏は “豚骨馬鹿” として知られる人物。そのルーツは宮崎県宮崎市の「風来軒(ふうらいけん)」にあり、修行後も自身が信じる豚骨スープを追求し続け、唯一無二の超濃厚ジャンルを確立しました。
今回の新商品「超豚骨 京都無鉄砲 濃厚ドドド豚骨」は、これぞ「無鉄砲」監修の即席カップめんシリーズにおける集大成といっても過言ではない、とことん豚骨の濃度を高めたカップラーメンで、即席めん業界最大手の日清食品とローソンが共同開発。2023年11月現在も縦型ビッグの「日清 無鉄砲 濃厚ド豚骨」を常時販売していますが、こちらの「濃厚ドドド豚骨」は満を持しての大判どんぶり型です。
日清食品と「無鉄砲」の関係は、現在を遡ること14年弱、2009年(平成21年)12月1日発売の近畿地区限定商品「無鉄砲 超濃厚豚骨 2人前」(日清食品チルド)から続いており、せたが屋の店主・前島司(まえじま つかさ)その人からの推薦が切っ掛けで、2011年(平成23年)10月11日に発売開始となった「有名店が推す一杯 無鉄砲」より即席カップめんの監修をスタート。
その流れで「日清 極旨重ね せたが屋×無鉄砲 豚骨ホタテ煮干し味」だったり、有名店シリーズの第1弾を飾った「無鉄砲 濃厚豚骨」だったり、レンジ調理専用の「冷凍 日清推し麺! 無鉄砲 濃厚豚骨正油ラーメン」だったり、いくつか日清食品のNB(ナショナルブランド)商品を監修しているのですが、2019年(平成31年)4月9日発売の「無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン」からローソンとの取り組みを開始。
これを機に「無鉄砲」監修の即席カップめんはローソンの留型に切り替わり、縦型ビッグのカップラーメン(2023年11月現在は3代目「日清 無鉄砲 濃厚ド豚骨」販売中)を通年商品に据えながら、湯切りタイプの「無鉄砲 汁なし濃厚豚骨馬鹿まぜそば」(レビューは2021年10月12日発売の2代目)なんかも展開していましたけど、ここまで力が入った大判どんぶり型のカップラーメンは初めて。
いつもの「濃厚ド豚骨」と差別化を図るため、豚骨を強調させる表現(ド)を3つに増やし、なおかつ “凝縮した豚の旨みと醤油 コクとキレにこだわった やみつきな豚骨スープ 超濃厚な一杯。これぞ、無鉄砲。” などと、もはやシリーズにおける最終形態と捉えられなくもない表現のメッセージをパッケージに印刷しているのですが、注目すべきは販売価格。
ここ最近、値上げラッシュで全国的に節約志向が進む傍ら、ちょっと高くても自分にとって価値を感じるものに対しては財布の紐が緩んでしまう、そのような消費行動が目立っているため、まさに “そこを突いた商品” と評価できなくもないけれど、ローソン標準価格は398円(税込420円)というゴリゴリのハイクラス系。
もちろん値段相応の‥‥いや、もともとの期待値を超える高級感が表現できているのであれば、頭ごなしに割高と叩くことはできません。しかし、諸々の高騰が相次いでいる現状を考慮しても、1食あたり税込420円のカップラーメンは高級品なので、それなりのハードルで参ります。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「特製香味油」の合計4パックで、スープに直接関係する小袋に注力していることが目に見えて伝わってくるフレームワーク。ただ、近年ちょいちょいリリースされている “麺とスープだけ系” ほど全ツッパしているわけではないため、かやくの効果にも期待。
麺は油で揚げずに、熱風で乾燥させたノンフライ麺なので、揚げ油に由来するインスタント特有の風味がスープに滲み出る嫌いは皆無に等しく、湯戻し前の麺重量も縦型カップでいうところの大盛りに相当する “80g” と多めに入っているのですが、問題は日清食品が製造する高価格帯の商品であること。
もちろん普遍的な不具合とはいえないけれど、日清食品のノンフライ麺は指定の時間を正しく守っても適切に戻らないことが珍しくありません。それはハイエンドクラスの商品も例外ではないため、きちんと指定の時間で適切に戻るのかどうか、そこも評価する上で見逃せないポイントになります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:超豚骨 京都無鉄砲 濃厚ドドド豚骨 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:149g(めん80g) 商品コード:4902105278468(JAN) |
発売日:2023年11月14日(火) 実食日:2023年11月29日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:398円(税別) 購入価格:430円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・特製香味油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキン調味料)、スープ(ポークエキス、豚脂、ポーク調味料、糖類、しょうゆ、植物油脂、食塩、ポークパウダー、大豆粉末、香辛料)、かやく(背脂加工品、ねぎ)/増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、カラメル色素、酒精、乳化剤、かんすい、香料、リン酸Ca、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、フラボノイド色素、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容はフリーズドライのネギと背脂加工品だけのシンプルなラインナップ。ノンフライ製法の麺とスープの濃度にコストを費やすため、可能な限り「かやく」に必要なコストを削ぎ落とした感じのバランスです。それだけ麺とスープの完成度が高いのかどうか、期待しながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「特製香味油」の小袋を温めながら待つこと5分。
時間になったらフタを剥がし、軽く麺をほぐしてから「粉末スープ」「液体スープ」「特製香味油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。後入れの小袋は数が多く、とろみ成分も入っていたので、粉末スープを入れては溶かし、液体スープを入れては溶かし‥‥などと、それなりの手間を要しますが、日清食品のノンフライ麺で第一関門となる “ほぐれにくさ” については突破。
また縦型ビッグの「濃厚ド豚骨」よりも穏やかなアタックではあるものの、香味油に含まれるニオイには共通点があり、骨っぽい香りは圧倒的に強く、なるほど大判どんぶり型ならではの風格を感じるファーストインプレッション。ただ、前述のように値段が値段なので、引き続きコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(149g)あたり |
カロリー:558kcal たん白質:13.5g 脂 質:19.6g 炭水化物:81.9g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:2.9g) (スープ:4.5g) ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.48mg カルシウム:381mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:558kcal(めん・かやく:362kcal)(スープ:196kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
縦型ビッグとは異なる仕様で差別化
縦型ビッグの「濃厚ド豚骨」にもノンフライ麺を使っており、チキン由来の原材料や大豆食物繊維を配合しているところも共通するポイントになりますが、パッと見の色合いや質感も別物。一見すると密度が高めのガテン系に見えますが、加水率は低めの設定で、粘りは弱く、それよりも適度な歯応えと歯切れの良さが印象的。
スープの粘度が高い、つまりスープの温度が長く持続するため、やや早めに歯応えが衰えてくるタイプではあるものの、それはそれでスープのインパクトを強調する媒体としての機能がアップする、などと捉えられなくもありません。さらに縮れの強さが功を奏し、スープを存分に絡め取ってくれること、また下味の塩気が少し強かったこともあって、一体感については申し分なし。
縦型ビッグの「濃厚ド豚骨」に使われているノンフライ麺は、それ特有のゴムっぽい質感が払拭できていないのに対し、こちらは強靭すぎるコシが目立つこともなく、お店の麺を完璧に再現できているわけではないけれど、さすが高級品なだけあって「濃厚ドドド豚骨」のほうが雰囲気のある仕上がりでした。
スープ
とんこつに苦手意識さえなければ試す価値あり
まずは「粉末スープ」を単体で味見してみたところ、胡椒やニンニクなどの香辛料に、醤油、うまみ成分、とろみを強める原材料なども入っていましたが、もっとも目立っていたのは骨っぽい風味。骨髄のソレとは異なるベクトルではあるものの、骨粉を彷彿とさせる風味だったり、それを強調させるザラついた舌触りだったり、全体の豚骨感を高めることに大きく寄与していることが伝わってきます。
片や「液体スープ」は醤油ベースの豚骨醤油味を想起させる色合いで、こちらにも粘度を高める成分が入っているらしく、ぼってぼてのテクスチャーに仕上がるのですが、血生臭さなどを抑えながら長時間じっくりと豚骨を煮込んだような炊き出し感があり、おかげでトロミの加減も不自然ではありません。
また一見すると醤油感めっちゃ強めの色合いなのに、そこまでエッジのある返しではなく、たしかに濃口ではあるけれど、まろやかでコク深い醤油感で豚骨の濃度を尊重するスタンス。
さらに臨場感をアップさせる「特製香味油」は、入れた途端に “むわっ” とくる縦型ビッグの「特製コク旨たれ」ほど強烈ではないけれど、それに通じる香りの強いオイルに、たっぷりの豚脂をブレンドしているため、さらに重厚感のある味わいにグレードアップ。しっかり混ぜてもスープの表面を覆うレベルの量を確保しつつ、きちんと動物油脂を主体にしていたので、見掛け倒しではありません。
かやく
麺とスープの出来を踏まえると及第点か‥‥
えーっと‥‥結論からいうと “ショボい” です。前述のようにネギと背脂加工品の組み合わせなので、チャーシューやメンマなどは入っていませんし、レトルト背脂のような高級感も得られません。ただ、ネギは凍結乾燥(フリーズドライ)なので、熱風乾燥(エアドライ)特有のジャキジャキした歯触りではなく、食感も風味も比較的に自然。
背脂加工品はスープのインパクトに飲まれがちではあるものの、たまにプニッとした食感が楽しめるので、まったくの希薄ではありませんでした。とはいえ税込430円の商品なので、もうちょっと頑張ってほしかった気持ちは無きにしも非ず。
総評
というわけで、値段を踏まえると手放しに評価できない部分もありますが、日清食品の高価格帯に見られる戻りムラを克服したノンフライ麺に、骨っぽさを強く打ち出したスープの満足度も高く、なかでも後者には値段相応の価値が詰まっていました。リピートするかどうかは置いといて、スープにウェイトを置いている方は、とりあえず興味本位でも試す価値あり。
ちなみに絶賛販売中なのに、ローソンの公式サイトに掲載されていた製品情報は早くも削除されているのですが、ラーメン無鉄砲グループの公式X(Twitter)曰く販売期間は “およそ2ヶ月” とのこと。いずれにせよ期間限定品なので、気になっている方は早めの確保をオススメします【author・taka :a(大石敬之)】