どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年11月17日(火)新発売のカップ麺、日清食品「無鉄砲 汁なし濃厚豚骨馬鹿まぜそば」の実食レビューです。
熱狂的なファンを抱える名門「無鉄砲」がローソン名店シリーズより初の湯切りタイプを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
無鉄砲 汁なし濃厚豚骨馬鹿まぜそば
無鉄砲(むてっぽう)とは、国産豚骨と水だけで作り上げた純度100%の濃厚とんこつスープを特徴とする行列の絶えない人気ラーメン店で、創業は1998年(平成10年)6月7日。
そのルーツは1989年(平成元年)12月に創業した宮崎の名門「風来軒(ふうらいけん)」にあり、そこで修行を積んだ赤迫重之(あかさこ しげゆき)氏が奈良県奈良市南紀寺町で「無鉄砲」を立ち上げ、現在は京都府木津川市にある店舗を「総本店」としています。
今回の新商品「無鉄砲 汁なし濃厚豚骨馬鹿まぜそば」は、株式会社ローソン及び日清食品株式会社並びに有限会社無鉄砲(代表取締役社長:赤迫重之氏)の共同開発商品で、2019年4月9日よりタイアップを続けている3社の即席カップめん事業では初となる‥‥いや、それ以前より無鉄砲が監修したNBカップ麺の中でも初の試みとなる汁なしアレンジということで、全国のローソンを対象に新たな展開を繰り広げてきました。
現在は有限会社無鉄砲の代表を務める赤迫社長は、京都市左京区の出身で、幼い頃から千葉・富山・広島・神戸と父親の転勤を理由に日本全国を転々としていたそうですが、中学生の頃には親の転勤も落ち着き、奈良の中学校と高校に通っていた頃、奈良県天理市に本店を置く「彩華(さいか)ラーメン」の味に衝撃を受け、以前は特に執着のなかったラーメンに興味を持ち始めたのだとか。
中学・高校と卓球に励んでいた赤迫氏は、高校時代に国体の選抜で奈良県3位の実力を備え、それを理由にスポーツ推薦で九州(宮崎)の大学に入り、進路は経営学部を専攻。ビデオ店や喫茶店、工事現場など、さまざまな業態のアルバイトを経験するなか、前述の「風来軒」で食べたラーメンに魅了され、自分も1杯のラーメンで人を幸せにできるのではないか——と、後に群雄割拠のラーメン業界に身を投じることを決意したそうです。
ひとまず大学を卒業してから和歌山の大手製鉄所で現場監督として働いたあと、やはり「風来軒」の味が忘れられず、脱サラの半月前に「風来軒」の店主に電話。とりあえず話を聴くと言われたので、ちょうど入社から3年後の1993年3月15日に会社を退職し、荷物をまとめて宮崎に行ったそうですが、弟子をとったばかりで人を雇う余裕はないと修行を始めることができず、大淀川の河川敷にテントを張って通い詰めること10日間。
赤迫氏の熱意に折れた「風来坊」の店主が修行することを承諾してくれたものの、スタートラインは “ねぎも切ったことがない” ところからだったので、初日から失敗ばかり。それでも厳しい師匠のもと、5年間の修行を終え、親の住む奈良に戻り、満を持す「無鉄砲」を創業したのは29歳の頃。人を選ぶラーメンは、コアな固定ファンを掴み、現在は通称「ムテヲタ(ムテ信者)」と呼ばれる熱狂的なファンを全国に抱えています。
「無鉄砲」の実店舗で提供されているスープは、豚のゲンコツ(脛骨、大腿骨)や背骨を大きな羽釜に放り込み、香味野菜や鶏などの副材は使用せず、豚骨と水だけで長時間、骨が砕けるまで煮込むのが流儀。1日に使う豚骨の量は300kg以上、どろどろに煮込まれた純度100%の豚骨スープは多くのファンを魅了し続け、そこに目を付けた日清食品チルドが2009年12月1日に近畿地区限定商品「無鉄砲 超濃厚豚骨 2人前」を新発売。
その頃から日清食品とタイアップを続け、日清食品×無鉄砲コラボ初のカップ麺「日清 有名店が推す一杯 無鉄砲」が発売されたのは、2011年10月11日の話。その後も何度か販路を問わないNB(ナショナルブランド)のカップラーメンを開発していた日清食品と無鉄砲ですが、2019年4月9日にローソン名店シリーズから「無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン」を発売以降、両者のカップ麺はローソン限定商品として企画されるようになりました。
ちなみに2020年4月7日にリニューアルしたローソン限定のカップ麺「無鉄砲 濃厚とんこつ」はレビュー済みなので、感想や評価などの詳細が気になる方は、関連ページ(「無鉄砲 濃厚とんこつ」獣臭が強烈な無鉄砲のカップ麺 “二代目” に進化!!)をご覧ください。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入の「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「特製ピリ辛にんにく醤油マヨ」の合計3袋。現在も全国のローソンで販売されているカップラーメンは、いい意味で豚臭い獣臭が特徴となっており、それが人を選ぶ要因となっているのですが、同時に魅力的なポイント。今回の液体スープにも独特の獣臭が含まれていた場合、当ブログでは高評価に傾くかもしれません。
麺は既存のカップラーメンと同じように、油で揚げていないノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。フタの裏には「無鉄砲 すき焼き風つけそば」と題し、まろやかさアップ!更に濃厚な味わいに!と、生卵に付けながら食べるアレンジレシピを提唱しています。ちなみにカップラーメンのフラ裏でも、残ったスープに温かい白ご飯 or おにぎりを入れて食べる無鉄砲メシ(むてめし)を紹介していました。
ちなみに近畿地区のローソン店舗限定で、2020年11月17日(火)よりチルドグロサリーのレンジ麺「無鉄砲監修 ブタブタラーメン」並びにコンビニおにぎり「(同)ピリ辛高菜炒飯おにぎり」を展開しているローソン×無鉄砲ですが、今回の即席カップめん「無鉄砲 汁なし濃厚豚骨馬鹿まぜそば」は全国区のローソンが販売店の対象かつ話題性の高い新作なので、取り扱っている店舗は多いかと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:無鉄砲 汁なし濃厚豚骨馬鹿まぜそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:133g(めん90g) 商品コード:4902105265086(JAN) |
発売日:2020年11月17日(火) 実食日:2020年11月17日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:278円(税込) 希望小売価格:257円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・特製ピリ辛にんにく醤油マヨ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、植物性たん白、チキンエキス、卵粉)、スープ(豚脂、ポークエキス、半個体状ドレッシング、糖類、しょうゆ、ポーク調味料、発酵調味料、たん白加水分解物、酵母エキス、食塩、香味調味料)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、炭酸Ca、カラメル色素、乳化剤、グリセリン、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・いか・牛肉・ごま・さけ・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身は四角いカットのチャーシューチップ(味付豚肉)に、斜め切りのネギという、かなりシンプルな構成。なお「液体スープ」の入っている小袋は “がちがちに凝固していた” ので、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めること。一方の「特製ピリ辛にんにく醤油マヨ」は “フタの上で温めないでください” となっているため、調理の際は留意してください。
さて、油揚げ麺と比較して全体のカロリーや脂質の数値が圧倒的に低くなるノンフライ麺を使用しているのですが、総カロリーは575kcalかつ脂質も26.3gと高めの数値が物語っているように、けっこう油脂の量が多く、液体スープを開封した瞬間、あの “むわっ” とした獣臭も健在。カップラーメンの小袋が厳しかった場合、この自転で撤退案件ではあるものの、逆であれば好印象なこと間違いなし。
ローソン標準価格は257円(税込278円)と格安の部類ではないものの、同じくローソン名店シリーズの定番商品で、なおかつ日清食品が製造を担当している「えびそば一幻 えびみそ」の汁なし版「えびそば一幻(汁なし一幻)濃厚えびみそまぜそば」と同じ値段。それに続く今回の「無鉄砲」の実力は——
というわけで、一幻と同じような流れの企画となっている今回、費用対効果にも注目しつつ「めん」「スープ・特製ピリ辛にんにく醤油マヨ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(133g)あたり |
カロリー:575kcal たん白質:9.1g 脂 質:26.3g 炭水化物:75.4g 食塩相当量:5.1g ビタミンB1:0.26mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:210mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ハイクオリティなノンフライ麺を採用
無鉄砲グループの実店舗では「がむしゃら」と「つけ麺 無心」「つけ麺 無極(むきょく)」のみ自家製麺を使っているのに対し、京都の「総本店」をはじめとする「無鉄砲」系列では「風来軒」から付き合いのある宮崎県の製麺所・日本めん株式会社直送の中太ちぢれ麺を採用しており、しばしば超ど濃厚なスープに対して麺の存在感が弱いとのクチコミも見られるのですが、それでも一貫して “人との繋がり” を大切にしている無鉄砲。
対して今回のカップ麺に使われているノンフライ麺は、角刃で切り出された平打ちの中太ちぢれ麺で、中心部にかけてギュッと詰まったようなコシの強い噛み応えもさることながら、後述するインパクトの強い液体スープと特製ピリ辛にんにく醤油マヨに負けない芳醇な小麦の風味も見どころ。表面は滑らかな口当たりで、しかしながら平打ちの縮れ麺という形状から、スープの絡みも悪くありません。
そこまで加水率の低い麺ではなく、適度な粘りも感じるのですが、同時に歯切れのよさも意識された作り。調理前の麺重量は汁なしカップ麺における標準90gなので、大盛り仕様ではないものの、日清食品が得意とするコシの強さで物足りなさを払拭。かなりスープのオイルが多かったので、油揚げ麺だと厳しかったかもしれないけれど、ノンフライ麺だからこその洗練された印象が功を奏していました。
スープ・特製ピリ辛にんにく醤油マヨ
獣臭を乗り越えた先に中毒性が‥‥
液体スープは半分以上のアブラとタレで構成されており、しかも動物油脂の豚脂(ラード)が主体なので、麺は洗練されていてもギットギト。しかしながら嫌味なギトギト感ではなく、旨みと甘みが楽しめる良質な豚脂を軸に、程よく濃口醤油のキレを効かせ、カップラーメンの「特製コク旨たれ」と同じ獣臭が日清食品×無鉄砲のアイデンティティとインパクトを表現。
なかでも “むわっ” とくる獣臭は特筆するレベルにあり、撮影中に同居人から「くさっwww」と笑われるほど。それは確実に人を選ぶ要素になる反面、強烈な個性を放つと同時に慣れたらクセになる、これぞ日清食品と無鉄砲の境地といっても過言ではありません。
別添の「特製ピリ辛にんにく醤油マヨ」の量は特別に多くはないものの、なかなかどうしてピリッと辛く、強めの酸味とパンチの効いたガーリックの風味から内容量以上の存在感。麺は洗練されたノンフライ麺を採用しているのに対し、特製ピリ辛にんにく醤油マヨが加わることで、いっきにテイストの方向性はジャンクな向きに傾きます。
しかしながら香味の強いガーリックのキレとマヨネーズの酸味に、唐辛子の辛味が重なった結果、スープのアブラを適度に中和してくれるので、こってりでも飽きないように工夫されていました。もちろんマヨネーズで重たくはなりますけどw 味変アイテムとしては申し分のない効果が得られるので、まずは特製マヨなしで食べ進めたあと、気分転換したいタイミングでトッピングしてみてください。
具材
具材は及第点
ノンフライ麺とスープの完成度が高かったのに対し、具材は甘辛い味付けのチャーシューチップとネギなので、値段に伴った内容とはいえないものの、斜め切りのネギは地味に多く、情緒のないチャーシューチップも味は悪くありません。
スープの方向性が硬派に「まぜそば」だったので、欲をいえば箸休めのメンマを採用する、もしくはフライドガーリックや一味唐辛子、刻み海苔などの「ふりかけ」を別添してほしかったところではあるものの、特製ピリ辛にんにく醤油マヨのアクセント思えば大目に見られる範囲内でしょう。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
おおむねノンフライ麺は人を選ぶような質感ではなく、しかしながら液体スープの獣臭は曲者で、そこがターニングポイントになりますが、実店舗のラーメンも人を選ぶことで有名な天下の無鉄砲。もうすこし豚骨を煮詰めたような風味が欲しいところではあるものの、ひとつの汁なしカップ麺としてクオリティの高い一杯だったので、コンビニ限定かつ税込278円でもコストパフォーマンスは悪くありません。
せっかくなのでフタ裏の「無鉄砲 すき焼き風つけそば」も試してみたところ、期待を裏切ることなくマイルドでコク深い味に落ち着いたのですが、卵黄もしくは温泉卵をアツアツの麺にトッピングしてみたり、とけるチーズでジャンクな背徳感をブーストしてみたり、一味唐辛子や辣油、生おろしニンニクも間違いないと思うので、ちょい足しアレンジも試してみてください(author・taka :a)