どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月1日(月)リニューアル新発売のカップ麺、エースコック「焼そばモッチッチ」と「塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」の実食・新旧比較レビューです。
「真空仕立て麺」の湯戻し時間を熱湯5分から熱湯4分に短縮!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、リニューアル前と後の違いに注目しながらカップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
焼そばモッチッチ 調理時間を4分に短縮
「焼そばモッチッチ」とは、カップ焼そばの常識を覆すべく、今までにないモチモチの食感を実現したモッチッチ専用麺「真空仕立て麺」が特徴的なブランドで、モッチッチのデビューと入れ替わりで自然消滅した同じボックス型容器のタテ型カップ焼そばブランド「JANJAN(ジャンジャン)」が前身と見て間違いないでしょう。
もともとJANJANは若年層(10代〜20代)の “若者目線で開発” されたブランドで、草食系男子に代表される「食のライト化」や「こだわりの多様化」「ながら食べ」など、2008年〜2010年(※開発期間)当時の食に対するトレンドの変化に対応すべく、次世代にフィットした新しいスタイルのカップ焼そばとして誕生。ソース練り込み麺と鉄板で焼いたような調理感を実現し、みごと狙い通り若者を中心にヒットしました。
「焼そばモッチッチ」が初めて発売されたのは、2017年6月19日の月曜日。発売当初から真空仕立て麺を実装しているのですが、お店や家で「焼そば」を食べることはあっても基本的に「カップ焼そば」は食べない、そんな “女性のために” 開発されました。モッチッチを発足するにあたり、なぜカップ焼そばを好まないのか、その理由をエースコックが調査したところ、大本の不満は「めん」にあったそうです。
カップ焼そばを好んで食べない女性がカップ焼そばの麺に抱いていたイメージの多くは「生麺の食感と違う」という不満に集中し、次いで「麺に歯ごたえがない」という意見が多く、今後の改良点として挙げられた「生麺の食感に近づけてほしい」「モチモチ感を出してほしい」「コシを良くしてほしい」などの要望を受け、それに応える形で開発されたのが「真空仕立て麺」。
「モッチッチTVCM『ローラダンス 19春改訂』篇」も公開されましたが(動画再生時間 0:15)、発売当初よりブランドのイメージキャラクターとしてモデルのローラ(佐藤えり)さんを起用。パッケージも女性がオフィスや自宅でオシャレな気分でリラックスして楽しめる、今までのカップ焼そばとは違う女性向けのデザインにこだわって設計されました。
JANJANの頃と比較して徹底的に女性を意識したブランドに刷新され、みごと女性ユーザーからの支持を獲得したモッチッチ。けれども確かな実力を備えた真空仕立て麺は女性のみならず、こだわりのある男性ユーザーからの支持も同時に獲得し、幅広い層のカップ焼そばユーザーから高い評価を得ています。
「真空仕立て」の文字通り麺の中にある組織の密度を高めることでインスタント特有のソフトな食感を抑え込み、「噛み応え」と「コシ」に特徴を出しつつ「みずみずしさ」と「弾力」を生麺のバランスに近づけることでモチモチ食感を実現しているのですが、そんな真空仕立て麺の湯戻し時間を熱湯4分に短縮ということで、もっとも気になるのは食感の変化ですよね。
「焼そばモッチッチ」の発売日は2017年6月19日で、発売から7ヶ月半でシリーズ累計出荷数1,400万食を突破。「塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」の発売日は2017年9月25日、どちらも最終リニューアルは2018年3月5日なので、約1年と1ヶ月ぶりの更新になります。カップ焼そばを新たなステージに押し上げた真空仕立て麺の感動は、熱湯4分でも色褪せることなく得られるのでしょうか——
開封
普段は1商品1記事を基本のスタンスとしているのですが、今回のリニューアルで最大の変更点となっている真空仕立て麺は「焼そばモッチッチ」と「塩焼そばモッチッチ」ともに共通なので、まとめてレビューします(※もちろんソース・かやくも解説します)。別添の小袋は「焼そばモッチッチ(写真の向かって左)‥焼そばソース・かやく」、「塩焼そばモッチッチ(写真の向かって右側)‥調味たれ・ふりかけ」で、リニューアル前から変更ありません。
「焼そばモッチッチ」の内容量は1食あたり99g(めん85g)でリニューアル前から変更なし、「塩焼そばモッチッチ」の内容量も1食あたり97g(めん85g)でリニューアル前と1gも変わっていませんが、カロリーなどの数値は微妙に変わっています(※参考値の比較は後述)。パッケージデザインも刷新されていますが、「熱湯4分」と書いてあるのが新しい商品なので、それを新旧確認の目印にしましょう。
調理前の麺はリニューアル前と同じような雰囲気で、ちょっと表面の目が粗いというか、気泡が多いというか、けっこう見た目が独特です。麺の原材料もリニューアル前と比較して違いはありませんが、ほぼサイズは変更ありません。エースコックの開発部に確認したところ、熱湯4分で適切に戻るように原材料の配合を微妙に変えているそうです。
共通の製品情報・購入価格等
製造者:エースコック株式会社 製造所:K・東京工場(埼玉県川越市今福461-1) サイズ:縦116mm×横116mm×高さ108mm 発売日:2019年04月01日(月)リニューアル |
麺の種類:油揚げ麺(真空仕立て麺) スタイル:ボックス型容器・標準サイズ 容器材質:プラ(PS)+胴巻き紙 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(添付調味料・ふりかけ) |
実食開始
こちらは「焼そばモッチッチ」の調理後写真になるのですが、あいかわらずキャベツたっぷりで頼もしいですね。容器がボックス型なので、焼そばソース(液体ソース)を混ぜる時ちょっと混ぜにくいのですが、一般的な角型容器の焼そばよりも放熱が少ないため、アツアツ長続きは嬉しいポイントです。
【栄養成分表示:1食(99g)当たり】熱量:408kcal(409kcal)、たん白質:8.6g(8.5g)、脂質:12.7g(12.5g)、炭水化物:64.7g(65.7g)、食塩相当量:3.9g(4.3g)、カルシウム:234mg(208mg)※右パーレン(丸括弧)内の数字はリニューアル前の値です。 |
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、たん白加水分解物、砂糖)、ソース(ソース、植物油脂、砂糖、動物油脂、食塩、発酵調味料、香味油、魚介エキス、魚介風味調味料、全卵粉)、かやく(キャベツ、鰹削り節、大豆加工品)/ 加工でん粉、着色料(カラメル、カロチノイド、アカビート、紅麹)、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、ソルビット、乳化剤、かんすい、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、甘味料(キシロース)、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・オレンジ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・オレンジ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・りんご(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
こちらは「塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」の調理後写真になるのですが、焼そばモッチッチの具材はキャベツだけ、塩焼そばモッチッチは具材にバリエーションがあります。ただ、調味たれが麺と同色なので、ちゃんと混ざってるのかどうか判断しにくい‥w けど、こればっかりは仕方ないですね。
モッチッチを作る時のポイントは、焼そばソースや調味たれなどの添付調味料は待っている間にフタの上で温めること、それから湯切る前に軽く箸で麺をほぐしてから熱湯を捨てるとスムーズに湯切り可能なのと、添付調味料を馴染ませる時かなり混ぜやすくなるので、よかったら試してみてください。それでは、実際に食べてみましょう。
【栄養成分表示:1食 97g 当たり】熱量:401kcal(397kcal)、たん白質:8.6g(8.4g)、脂質:12.4g(12.4g)、炭水化物:63.7g(63.0g)、食塩相当量:3.7g(4.3g)、カルシウム:240mg(204mg)※右パーレン(丸括弧)内の数字はリニューアル前の値です。 |
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、たん白加水分解物、砂糖)、たれ(植物油脂、砂糖、食塩、魚介風味調味料、発酵調味料、動物油脂、魚介エキス、香味油、醸造酢、香辛料、全卵粉)、かやく(キャベツ、人参、玉ねぎ)、ふりかけ(魚介風味調味料、カツオブシパウダー、黒胡椒、チキン調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、ソルビット、乳化剤、かんすい、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん(共通)
まるで家庭で調理した焼そばのような、モチモチとした食感が特長の真空仕立て麺です。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > 焼そばモッチッチ」)
安心してください、なんの問題もなくモッチッチ健在です。むしろ進化したかも‥‥? と、それは久しぶりに食べたからかもしれませんが、あらためて数ヶ月振りに食べて感動を覚えるくらいの完成度。エースコックの油揚げ麺とは思えないほど油揚げ麺特有の風味は弱く、まるでノンフライ麺と見紛うほど。
けれども油揚げ麺のネガティブなニオイを抑えながら、ノンフライ麺では出せないフライ麺ならではのコクと芳ばしさがプラスに作用しています。「焼そばモッチッチ」「塩焼そばモッチッチ」ともにソースが淡麗系の優しい味わいとなっているのですが、その優しいソースの中でも油揚げ麺臭が目立たないのは素晴らしいですね。
調理前の麺は粗くて雑な作りに見えるのに、実際ぜんぜんそんなことなくて、むしろ麺の内部にある気泡(空気の泡)を限界まで外に追いやっているような、まさに「真空仕立て」という表現がピッタリ。ジャスト4分で適切に戻り、ムラなども気にならず、まるでチルド麺の焼そばをガス火で調理したような臨場感は1ミリも欠けることなく踏襲されていました。
焼そばソース(焼そばモッチッチ)
複数の野菜と果実の甘みが楽しめる、鰹の旨みを利かせた、だし香る特製ソースです。別添ふりかけの鰹節と紅生姜の風味でアクセントをつけた、クセになる味わいです。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > 焼そばモッチッチ」)
「焼そばモッチッチ」の焼そばソースはリニューアル前と比較して香味油の含有量が魚介エキスを上回り、新たに魚介風味調味料が追加されているのですが、エースコック曰くソースの配合は変えていないとのことだったので、おそらく今まで魚介エキスに要約していたものを分けて表記しているだけ——かと思ったんですけど、だいぶ穏やかな味になっています。それなりに油分があるので適度にコッテリ感もあるのですが、ちょっと珍しい “淡麗系ソース” なので、攻撃性はありません。
麺の配合が変わったことも関係しているように思いますが、食塩相当量の数値が4.3gから3.9gに減っているように、けんけんしてない穏やかな風味。けれども鰹出汁の上品な和風味が重なって、なんとも味わい深いテイストを打ち出します。ガテン系なカップ焼そばのヘビーユーザーには物足りないかもしれませんが、これなら普段あまりカップ焼そばを食べ慣れていない女性の方でも抵抗なく楽しめるでしょう。
さらに「ふりかけ」の鰹削り節がソースの鰹出汁の背中を押して、淡麗系の焼そばソースに寄り添いながら優しいパンチを与えてくれる、なんとも好印象な存在感。ただ、見た目に鮮やかなピンク色の粒は軽く酸味を添加しただけの「大豆加工品」なので、紅生姜ではありません。見た目には効果的なんですけど、できたら本物の紅生姜を使ってほしいですね。
調味たれ(塩焼そばモッチッチ)
鰹だしと野菜を炒めたような風味がバランスよく合わさった塩だれです。甘味と酸味のバランスの良い、飽きの来ない味わいです。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > 塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」)
「塩焼そばモッチッチ」の調味たれもリニューアル前と比較して食塩相当量が4.3gから3.7gに下がっているのですが、どうも麺に練り込まれている食塩の量が減ったようで、むしろリニューアル前からカロリーは上がってるんですよね(※調味たれを入れる前に麺だけ味見してみたところ、一般的なカップ焼そばの麺よりも明らかに下味は控えめでした)。
脂質の量は変わっていませんが、リニューアル前よりもコッテリ感が強くなったような気がします。けれどもネガティブに脂っこいわけではなくて、まろやかになった感じですね。こちらも攻撃性はありませんが、比較的に味が濃いのは塩焼そばモッチッチ。製品説明にある酸味は控えめですが、野菜を炒めたような風味と甘みがマイルドな塩味です。
別添の「ふりかけ」は焼そばモッチッチの鰹削り節よりも淡い風味の削り粉で、それが和のテイストを深めているのですが、ブラックペッパーによる洋風のアクセントも重なります。それらは喧嘩することなく、そして程よく穏やかなタレを引き立ててくれる適切な存在。ただ、こってり感が増したのとテイストの方向性からレモン果汁が抜群に合うカップ麺なので、よかったらレモンちょい足しアレンジも試してみてください。
かやく
シャキシャキとした食感の良いキャベツを加えて仕上げました。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > 焼そばモッチッチ」)
「焼そばモッチッチ」の具材はキャベツのみとなっているのですが、これはリニューアル前から変更ありません。エースコックの開発部曰く、「すこしキャベツの量が減っている」とのことでしたが、単純に体感的にはリニューアル前から減った感じはしなかったので、いい意味で印象は変わりませんでした。
シャキシャキとした食感の良いキャベツ、玉ねぎ、人参を加えて仕上げました。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > 塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」)
「塩焼そばモッチッチ」も同じくリニューアル前と比較して構成は同じですが、開発部の方曰く「すこし人参の量が増えている」とのこと。片や微妙に減ったキャベツ、片や微妙に増えた人参——大人の事情があるのでしょうw ただ、以前の人参は飾り程度のショボい量(サイズ)だったので、たしかに言われてみれば増えたかもしれません。
けれども真打は細長くカットされている玉ねぎで、湯切りの時から自己主張を放ってくるほど香味は強く、淡麗系の調味たれに香味野菜ならではの頼もしいパンチを与えてくれる頼もしさ。そんなに量は多くないのに存在感は絶大なので、玉ねぎが嫌いな方は気をつけてください。
まとめ
メーカーが既存の製品を「リニューアル」する場合、それは純粋に製品の価値が高くなっている “改良” かコスト調整などによる “改悪” かの2パターンなんですけど、今回は「改良」です。真横に並べて食べ比べると粗が見えてくるかもしれませんが、久しぶりに食べて愕然とした‥‥などということはないでしょう。
現に私は定番商品の「焼そばモッチッチ」と「塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」は数ヶ月ぶりの実食になるのですが、真空仕立て麺の感動は衰えることはなく、ソースの印象も平行線だったので、熱湯4分への短縮は純然たる進化だと感じました。もともとモッチッチが嫌いな方は今回のリニューアルを機に好きになれるかどうか分かりませんが、これまでモッチッチが好きだった方は今後も同じように楽しめます。