どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年8月29日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「緑の×黒いたぬきカレーそば」の実食レビューです。
マルちゃんの和風丼カップ麺に「緑のたぬき天そば」と「黒い豚カレーうどん」を組み合わせた「天ぷら入りのカレーそば」爆誕!!
おいしい? まずい‥‥? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
緑の×黒いたぬきカレーそば
マルちゃんの和風丼カップ麺とは、東洋水産のロングセラー「赤いきつねうどん」を筆頭に「緑のたぬき天そば」や「黒い豚カレーうどん」「白い力もちうどん」などが在籍しているシリーズ(旧・色シリーズ)で、伝統を重んじる姿勢から保守的なイメージを抱かれがちですが‥‥
今回の新商品「緑の×黒いたぬきカレーそば」は、東洋水産が誇る「緑のたぬき天そば」と「黒い豚カレーうどん」を合体させた「天ぷら入りのカレーそば」で、いつもの保守的な印象とは一線を画す攻めの企画。実は「黒の日」と呼ばれる9月6日にちなんだ新作らしく、赤いきつね×黒い豚カレーを組み合わせた「赤い×黒いきつねカレーうどん※」も展開し、ラインナップの強化を図りました。
あらためまして「緑のたぬき天そば」とは、1980年(昭和55年)8月の発売以来、多くの方に愛されている即席カップめんで、その当初から「赤いきつね」の補色である “緑” をテーマカラーにしていますが、1963年(昭和38年)発売の業界初となる和風袋麺「マルちゃんのたぬきそば(特願28914号)」にルーツを持つ商品。
現時点での最終リニューアルは、緑のたぬきが発売40周年を迎えた2020年10月5日で、レギュラーサイズの「緑のたぬき天そば」及びミニサイズの「緑のまめたぬき天そば」に使っている “小えび天ぷら” の衣部分に “たまねぎ粉末” を配合し、より甘くて芳ばしい天ぷらに改良されました。
そんな「緑のたぬき天そば」と合体することになった「黒い豚カレーうどん」は、1995年(平成7年)発売の「豚カレーうどん」にルーツを持つ商品で、1996年(平成)11月に「白い力もちうどん」がリリースされたタイミングで「黒い豚カレーうどん」に生まれ変わり、ここから正式に当時の色シリーズ(現「マルちゃんの和風丼カップ麺シリーズ」)に参加。
豚の旨みを効かせたカレーつゆに、隠し味として醤油やマグロエキスを使っているのも見どころで、2021年7月5日の最終リニューアルで “つゆのコク” がアップしました。カレー×そばの組み合わせは珍しくないですし、東洋水産も定期的に「おそば屋さんのカレー南ばんそば」という和風カップ麺を発売していますが、緑のたぬき×黒い豚カレーは史上初の試みです。
一見すると危なげなく美味しそうなイメージですが、ひとつ前のページで評価した「赤い×黒いきつねカレーうどん」は “お互いの魅力を潰しあっているような仕上がり” だったので、正直これだったら別々に食べたほうが幸せなのでは‥‥などと。
なかでも存在感が強い味付油揚げとカレーつゆの相性がベストとはいえなかったので、それが評価の足を引っ張ることになったんですけど、こちら「緑の×黒いたぬきカレーそば」のメイン具材は小えび天。イメージ的には「赤い×黒い」よりも安全そうですが、はたして実際の仕上がりや如何に。
※赤いきつね×黒い豚カレー!? ありそうでなかった変わり種「お揚げ入りのカレーうどん」爆誕!!
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」が1袋。本家「緑のたぬき天そば」の小袋はセパレート状(粉末スープ+七味唐辛子)なのに対し、こちらは粉末スープのみとなっているのですが、小えび天のおかげで小袋の表面がヌルヌルするのは共通するポイント。これ、地味にストレスw
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。見た感じ蕎麦も小えび天も「緑のたぬき」と同じなので、まだ「黒い豚カレー」の要素はありません。パッケージのイメージ画像にはカマボコとネギも写っていますが、おそらくカマボコは麺の下に、ネギは粉末スープの小袋に同梱されているパターンでしょう。
メーカー希望小売価格は214円(税別)なので、同時発売品の「赤い×黒いきつねカレーうどん」と同じ値段。コンビニで購入した場合の税込価格は231円になりますが、スーパーやドラッグストアなども販売店の対象で、私の購入したローカルスーパーでの販売価格は128円(税込138円)でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 緑の×黒いたぬきカレーそば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:94g(めん63g) 商品コード:4901990372282(JAN) |
発売日:2022年08月29日(月) 実食日:2022年09月01日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:138円(税込) 希望小売価格:214円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白)、かやく(小えびてんぷら、かまぼこ)、添付調味料(砂糖、食塩、香辛料、しょうゆ、粉末野菜、豚脂、デキストリン、ポークエキス、粉末かつおぶし、ねぎ、発酵調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、リン酸塩(Na)、香料、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・大豆・豚肉・やまいもを含む) |
実食開始
別添の粉末スープは先入れで、開封した途端に「黒い豚カレー」の要素が色濃くなるのですが、漂ってくる香りは「赤い×黒いきつねカレーうどん」と異なります。オリジナルの「黒い豚カレー」に入っているソースは省かれているのに、ちょっとソースっぽいというか、フルーティでツンとした香りが印象的。
こちらも「赤い×黒いきつねカレーうどん」の粉末スープと同様に、とろみ成分が入っているため、お湯を注ぐときは “熱湯を粉末スープの上から” ゆっくりと入れるのがポイント。天ぷらは「日清のどん兵衛」のように個包装ではないので、調理方法の通りに作ると半分くらいフヤけますが、それも「緑のたぬき天そば」の魅力。
強引に天ぷらを後入れすることも可能ですけど、今回は公式の作り方を守りました。さて、同時発売品の「赤い×黒いきつねカレーうどん」では評価が伸び悩んだ合体ですが、今度こそオリジナルにはない相乗効果に期待しつつ「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:448kcal たん白質:10.3g 脂 質:23.2g 炭水化物:49.6g 食塩相当量:4.6g (めん・かやく:1.9g) (スープ:2.7g) ビタミンB1:0.57mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:141mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:448kcal(めん・かやく:384kcal)(スープ:64kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「緑のたぬき」と同じ品質
小麦粉を主原料としつつ、そば粉で風味を付け、とろろ芋を繋ぎに使い、植物性たん白と卵白で食感を調整している、これは「緑のたぬき天そば」と共通する手法で、原材料名も並びまで一言一句まったく変わりません。それと比較して若干ながら強付きを覚えますが、とろみ成分を含む粉末スープの影響でしょう。
けっこう遠慮なく縮れているので、ライバル関係にある「日清のどん兵衛 天ぷら」のような喉越しは楽しめないけれど、この無骨さも「緑のたぬき天そば」が支持されている理由の一つ。やま芋の風味が並行するものの、後述するスパイシーなカレーつゆに負けないくらい、そば粉の香りも負けていないのは好印象。
即席カップめん業界における蕎麦は、基本的に小麦の含有量が多いため、特有の粘りを伴うのに対し、ちょっとモソモソした感じというか、ボソボソした感じというか、加水率の低い歯切れのよさがクセになる感じ。麺重量は「緑のたぬき天そば(めん72g)」よりも少ない63gとなっているのですが、和風丼カップ麺シリーズの「そば」におけるスポット商品の標準量なので、今回が特例ではありません。
つゆ
ずいぶんと「黒い豚カレー」から離れたけど悪くはない
オリジナルの「黒い豚カレー」と比較して、鰹節の粉末を追加しているのは「赤い×黒い」と共通するアレンジになりますが、こちらは昆布を使わずに、砂糖と醤油の使用量を増やすなど、蕎麦に合わせて調整していることが伝わってくるフレームワーク。また「赤い×黒い」がマイルドなカレー味だったのに対し、こちらはスパイスに癖を持たせているのもポイントで、とろみも明らかに抑えてあります。
調理中に印象的だったツンとする香りは、おそらくスターアニス(大茴香)やクローブ(丁字)、カルダモン(小豆蔲)あたりに由来するもので、オリジナルの「黒い豚カレー」と掛け離れたベクトルを歩んでいるのですが、蕎麦との相性は悪くありません。あの優しくて、まったりとコクのあるカレーつゆで食べてみたかった思いもありますけど、結果的な印象は悪くありませんでした。
具材
カレーとの相性は良好
「黒い豚カレー」に入っている味付豚肉、たまねぎ、人参は不在なので、ほぼ‥‥というか完全に「緑のたぬき」と共通のトッピング。同時発売品の「赤い×黒い」は、油揚げから滲み出る強めの味付けが仇になっていたのに対し、こちらの天ぷらは前述のカレーつゆと相性がよく、違和感を覚えることはありません。
たまねぎの芳ばしさに、ホロ苦いアクセントなど、味わいの相性も然る事乍ら、食べ始めは下半分がモッチリと、上半分はサクサクとしている絶妙な食感については本家超え。小エビやアオサの風味がカレーの奥に隠れてしまうところが玉に瑕ではあるものの、素直に “あり” だと思います。
総評
スープの方向性が「黒い豚カレー」と違っていたので、そこにギャップを覚えたものの、蕎麦との相性に問題はなく、それだけに同時発売品(赤い×黒いきつねカレーうどん)との差別化が明確だったのは評価すべきポイント。たまねぎの風味豊かな天ぷらとカレーつゆの相性に違和感を覚えることもなかったので、これはこれで “あり” だと感じました。
すこしツンとくるスパイス感は人を選びそうなので、いつものマイルドな「黒い豚カレー」に「緑のたぬき」の天ぷらが入ってるヤツ、みたいなイメージで臨むとギャップを覚えることになりますけど、これはこれと割り切れば、新たな発見に出会えると思います【author・taka :a(大石敬之)】