どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年10月20日(火)新発売のカップ麺、ローソン名店シリーズ「麺屋武蔵監修 大蒜(にんにく)背脂味噌ら〜麺」の実食レビューです。
東京の名店「麺屋武蔵」が “にんにくのパンチ” と “背脂のコク” を効かせたコンビニ限定のカップラーメンを監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺屋武蔵 大蒜背脂味噌ら〜麺
麺屋武蔵(めんや むさし)とは、東京都新宿区に総本店を構える人気ラーメン店で、元アパレル出身の店主・山田雄(やまだ たけし)氏が1996年(平成8年)5月14日に1号店「麺屋武蔵 青山(せいざん)」を開業。同じく1996年にオープンしたWスープの火付け役「中華そば青葉」や横浜淡麗系の名門「くじら軒」と並ぶラーメン業界のエポックメーカー “96年組” の代表格として知られ、その中でも筆頭に位置する存在です。
今回の新商品「麺屋武蔵監修 大蒜(にんにく)背脂味噌ら~麺」は、麺屋武蔵とエースコック株式会社(大阪府吹田市)の共同開発商品で、コンビニの中でもローソンでしか買えないPB商品として展開。麺屋武蔵の特徴である動物系と魚介系の濃厚ダブルスープに、にんにく・背脂でパンチを加えた “カップ麺だけのオリジナル味噌ラーメン” として商品化されました。
エースコックと麺屋武蔵のタイアップ第1弾は、ラーメン文化の発展と促進を目的に、食のポータルサイト「ぐるなび」内における全国のラーメン情報サイト「ぐるなびラーメン」並びにラーメン評論家・石山勇人(いしやま はやと)氏とコラボした、ラーメンコラボレーション企画「濃厚チーズ豚骨ラーメン」及び「濃厚チーズまぜメン」が皮切りで、2020年10月現在から12年以上前の2008年(平成20年)6月9日に新発売。
ラーメン評論家×カップめん×ラーメン店×WEBの新たな融合による情報発信をコンセプトに、新しい風を吹き込む夢のプロジェクトとして、当時のラーメン界におけるトレンドだった “チーズ系” と首都圏を中心に取り扱いが増え始めていた “汁なし系” に着目。その企画をもとに関東地区の有名ラーメン店(実店舗)でも実際にメニュー化され、蔵野市吉祥寺に店を構える「麺屋武蔵 虎洞(こどう)」も対象店舗になっていました。
その後、サークルK・サンクス限定商品として、とかち麺工房(旧:十勝新津製麺株式会社)が何度か麺屋武蔵監修のカップラーメンを製造しており、2014年11月17日には東洋水産(マルちゃん)が「麺屋武蔵×ゴーゴーカレー 黒カリー麺」というNB商品を発売していたのですが、エースコック×麺屋武蔵のカップ麺が始めて初めて発売されたのは2018年5月と比較的に最近の話。
エースコック×麺屋武蔵監修のカップめん第1弾は、2018年5月22日発売の「麺屋武蔵監修 節鶏(ふしちょう)ら~麺」で、ローソン名店シリーズとして商品化。以降、エースコックとタイアップしたカップ麺は、ローソン限定商品として開発され、1880年(明治13年)創業の伝統的な日本そば店「かんだやぶそば」や1901年(明治34年)創業の老舗「新宿中村屋」とWコラボした創作メニューを展開してきました。
2019年11月19日発売の麺屋武蔵×かんだやぶそば「前代未麺!ヤバそば」は、豚骨ベースのスープに黒マー油と日本蕎麦を合わせた変わり種で、これまでにないフレームワークの新境地を開拓。絶品かと聞かれたら即答しがい味だったんですけどw 麺屋武蔵らしい創意工夫にあふれた商品で、たしかな爪痕を残します(関連ページ「麺屋武蔵×かんだやぶそば 前代未麺 ヤバそば」蕎麦×豚骨×黒マー油!?前代未聞のヤバい蕎麦)
2020年6月23日発売の麺屋武蔵×新宿中村屋「麻辣(マーラー)カリー麺」は、東京・西武新宿で営業している「創始 麺屋武蔵」の期間限定メニューを再現したもので、もう実店舗では提供されていないのですが、つい先日「BASE」というネット通販サイトでリアル版が “お取り寄せ” できるようになったばかり。
2020年10月現在、それをイメージしたカップラーメンも全国のローソンで絶賛販売中なので、今回の新作と一緒にローソンのカップ麺コーナーに並んでいるかもしれません(関連ページ「麺屋武蔵」と「新宿中村屋」W監修!!ローソン限定カップ麺 “麻辣カリー麺” 1901年創業の老舗と96年組の代表格が異色のコラボ)
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「ふりかけ」と最初から容器の中に入っている2種類の「液体スープ」で合計3袋。白い小袋の液体スープには “深うまいの素” と記載してあるため、おそらく同社が製造・販売しているNB商品「飲み干す一杯」などに使われている背脂とみて間違いありません。
具材はキャベツ、揚げ玉、ねぎ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子の5種類で、パッと見た感じ唐辛子は目立っていませんが、キャベツ・ねぎ・揚げ玉がメイン具材になっている様子。エースコックの鶏・豚味付肉そぼろ(NB商品でいうところの “程良く味付けした肉そぼろ” )は、とにかく当たり外れが激しいので、その仕上がりも気になるところ。
今回と同じ縦型ビッグのカップラーメンをコンビニで購入した場合、税込価格は232円が相場となっているのですが、ローソン標準価格は税込228円ということで、若干ながら安めの設定。前述のように前回・前々回のコラボはW監修商品となっていましたが、今回は “麺屋武蔵” 以外の有名店は関わっていないため、エースコックとの歴史では第1弾「節鶏(ふしちょう)ら~麺」以来の単体監修商品です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺屋武蔵監修 大蒜背脂味噌ら〜麺 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場 / 埼玉県川越市大字今福461-1(K) 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4901071288709(JAN) |
発売日:2020年10月20日(火) 実食日:2020年10月21日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:228円(税込) ローソン標準価格:211円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ2袋・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(動物油脂、みそ、ポークエキス、粉末みそ、ガーリックペースト、食塩、魚介パウダー、おからパウダー、ポーク調味料、砂糖、チキン調味料、カツオ調味料、香味調味料、たん白加水分解物、ガーリックパウダー、ニボシエキス、しょうゆ、酵母エキス、ジンジャーパウダー、唐辛子、ジンジャーペースト、植物油脂、白胡椒)、かやく(キャベツ、揚げ玉、ねぎ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、重曹、カラメル色素、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、甘味料(カンゾウ、スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
前回の「麻辣カリー麺」にはノンフライ麺を使っていましたが、今回の「大蒜背脂味噌ら〜麺」には熱湯5分の油揚げ麺を使っていて、お湯を注ぐ前からエースコック特有の油揚げ麺臭が目立っています。個人的にはカップ麺らしくて嫌いではないのですが、スーパーカップをはじめとするエースコックの油揚げ麺臭は人を選ぶ傾向にあるので、それが苦手な方は気になるかもしれません。
今回の小袋は “すべて後入れ” なので、お湯を注いでから5分間——待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、時間になったら麺をほぐし、粉末スープを溶かしてから2種類の液体スープを加えて混ぜ合わせ、ふりかけをトッピングしたら出来上がり。調理前は油揚げ麺のニオイが気になると書きましたが、液体スープを加えた瞬間から大蒜(にんにく)が主張を始め、ふりかけの魚粉も力強く香ってくる調理直後。
ちなみにローソンの公式ウェブサイトには “コクの強い赤味噌と甘味のある白味噌をバランスよく加えた味噌ラーメン” と商品の特徴が紹介されていたので、にんにくのパンチと背脂のコク、そして赤味噌と白味噌のバランスにも注目しながら「めん」「スープ」「具材・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:414kcal たん白質:10.2g 脂 質:16.2g 炭水化物:56.8g 食塩相当量:6.5g (めん・かやく:1.8g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.92mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:239mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:414kcal(めん・かやく:295kcal)(スープ:119kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
粘りの強い多加水麺を使用
今回はカップ麺だけのオリジナル商品として開発されたので、麺屋武蔵○○店の麺をモチーフに——などの商品紹介はなかったのですが、つけ麺などに使われる多加水麺をイメージしているような雰囲気。形状は手揉み風の縮れが印象的な平打ちの中太麺で、程よく厚みがあり、軽快な歯切れの良さよりも弾力と粘り気のある噛み応えを重点的に強化しています。
麺の加水率は高く、もちもちとした粘りの強さが印象的で、やや表面に滑りを感じる口当たりとなっているのですが、その滑りが生麺を茹で上げた時の臨場感を表現しているような仕上がり。もちろん油で揚げたフライ麺なので、特有のスナック的な風味も並行しますけど、後述するスープはニンニクの風味が強く、結果的にバランスとしては悪くありません。
むしろスープの系統的に、油揚げ麺の風味もネガティブではなく、むしろカップラーメンでしか味わえない適度なジャンクさを演出してくれます。麺量は70gと有名店が監修した縦型ビッグのカップ麺における平均的な値ですが、食べ始めはコシが強く、後半にかけて徐々に粘り気が増してくるので、けっこう食べ応えが得られました。
スープ
白味噌・にんにく・背脂のバランスが絶妙
ふりかけと液体スープ(白い小袋)を入れる前の状態、つまり最初から入っている粉末スープと後入れの液体スープ(紫の小袋)を入れた状態で味を確認してみたところ、前述のようにニンニクの風味が強く、それも生おろしニンニク特有のエッジが効いたキレのあるテイスト。ガーリックパウダーも併用していますが、それ以上に生おろしニンニクが強いので、ニンニクの攻撃力は高めです。
さらに赤味噌も使用しているため、味噌ダレからはシャープな印象も受けるのですが、赤味噌と白味噌の比率は体感的に白味噌が優勢で、まろやかな味噌の旨味と丁寧な動物系のコクが土台を支える重心の低いフレームワーク。同時に程よく生姜の香味を重ね、豚骨を軸に鶏が脇を固めている、コクの指標を履き違えていない作りから、ニンニクのインパクトに感けた大味のスープではありません。
さらに白い小袋の液体スープを加えると、やはり中身はエースコックの十八番といっても過言ではない上質な背脂で、スープの臨場感がイッキに加速。こってり感も大幅にアップするのですが、きちんと背脂の芳ばしさが楽しめるので、見掛け倒しのアブラではありません。新開発の背脂ではないけれど、引き続き今後も他の商品に使ってほしい優秀なアイテムです。
具材・ふりかけ
ちょっと魚粉が蛇足的か‥‥
けっきょく最後まで赤唐辛子が表立って主張してくることはなく、怪しいと思っていた肉そぼろも残念ながらスポンジ食感の “はずれ” でしたが、みずみずしいキャベツは大蒜背脂味噌スープと相性良好で好印象。膨張した揚げ玉のジャンクなコクも今回のスープに違和感なくフィットしてくれるため、構成としてはインスタント的でも悪くありません。
ふりかけは鰹・鯖・煮干し等をパウダー状に粉砕した、とても粒子の細かい魚粉となっていて、節系の芳ばしい風味と煮干しのシャープな旨味をスープにプラス。もともとスープ側にも煮干しエキスを使っていましたが、魚粉を加えることでパンチのある魚介感が加わるため、けっこう雰囲気が変わります。
ただ、個人的には “ふりかけを入れる前のほうが美味しい” と感じたので、まずは粉末スープと液体スープだけの状態を味わってみてください。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
存在感の強い油揚げ麺を筆頭に、残念な食感の肉そぼろなど、かなりインスタント感の強い部分もありますが、それをネガティブに感じさせない魅力の持ち主で、むしろ油揚げ麺だからこそ成立しているような仕上がり。スープは白味噌のコクが味わい深く、パッケージに書かれている “背脂のコク” と “にんにくのパンチ” も明白に打ち出した、総合力の高い良品です。
個人的には魚粉が蛇足に思えたのですが、おそらく好みの問題かと思いますし、まろやかな白味噌のコク・生おろしニンニクのキレ・上質な背脂の芳ばしさ——それらが絶妙に絡み合う、これからの寒い季節にピッタリな一杯でした。白ご飯との相性も間違いないタイプなので、気になっている方は最寄りのローソンを探してみてください。