どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月13日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん正麺 カップ 汁なし黒マー油担々麺 ~焦がしニンニクの芳醇仕立て~」の実食レビューです。
カップめん業界では初の組み合わせ!? 湯切りタイプの正麺カップに “黒い汁なし担担麺” が仲間入り!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺カップ 汁なし黒マー油担々麺
“いま抜群においしく、そして10年後20年後も古びることなく愛され続ける即席麺” をコンセプトに、様々なフレーバーを展開している「マルちゃん正麺」のカップめん部門。その湯切りタイプ第5弾として開発された今回の新作は、焦がしニンニクオイル仕立ての「汁なし黒マー油担々麺」という、変わり種の多いカップ麺の中でも稀に見る組み合わせ。
サブタイトルが ~焦がしニンニクの芳醇仕立て~ となっているように、黒マー油(焦がしニンニク油)と汁なし担担麺を組み合わせたもの。たとえば以前にカップめん化された担担麺専門店「地獄の担担麺 護摩龍(ごまりゅう)」の実店舗に “黒の修羅場” という商品があって、要約すると黒マー油入りの担担麺なのですが、汁なし担担麺ではありません。
念のため “黒マー油 汁なし担担麺” で検索してみた結果、神奈川県鎌倉市大船で2019年10月18日にオープンした「汁なし担々麺 MATSU(まつ)」という店の “汁なし黒マー油担々麺” がヒット。吉野家ホールディングスと軒先株式会社が共同運営しているシェアレストランサービス「軒先レストラン」を活用した新店で、焼酎酒場「大船ダイマル」を間借りして昼のみ営業しているそうです。
他にも栃木県芳賀郡芳賀町祖母井に本店を構える「担々麺専門 發巳(はつみ)」の汁なしメニュー “正宗担々麺” に黒マー油(追加トッピング)をかけた方の感想などがヒットしたので、今回の正麺カップが発売される以前から黒マー油×汁なし担担麺の組み合わせは実在していたようですが、それでも一般的にメジャーな題材ではありません。
2019年4月1日、マルちゃん正麺カップ初の湯切りタイプ「汁なし担々麺」と「焼そば」を2品同時に発売。同年6月17日に「油そば」をリリース、さらに11月4日には「濃厚魚介豚骨まぜそば」を展開しているため、実は初っ端に汁なし担担麺を出しているのですが、それは芝麻醤と花椒を効かせているオーソドックスな汁なし担担麺。
東洋水産のニュースリリースに記載されていた「黒マー油汁なし担々麺」の商品概要は、生麺のように滑らかな口当たりの中太麺に、ガーリックとラー油を利かせたポークの旨味がベースの担々スープを合わせ、黒マー油は別添の小袋になっているとのこと。花椒については未記載ですが、原材料名を見ると芝麻醤(ねりごま)や豆板醤、りんご酢も使用していますね。
ちなみに担担麺(擔擔麪)の発祥は、中国南西部にある四川省の省都・成都とされ、1841年頃に陳包包(チェン バオバオ)という男性が考案。天秤棒に道具や材料を提げ、それを “担いで売り歩いていた” ことから「担担麺」と記されるようになりました。したがって「担々麺」や「担担面」は正しいのですが、日本で見かける土へんの「坦々麺」は間違い(当て字)。
話を戻しまして「黒マー油汁なし担々麺」のメーカー希望小売価格は税別225円、2019年12月23日に発売された前回の新作「マルちゃん正麺 カップ がっつり系豚骨醤油」は税別270円だったので、既存の正麺カップと同じ値段に戻りました。2020年1月15日現在は “通年商品を予定” していますが、売れ行きがよければ販売が継続、人気が出なければ製造終了です。
開封
先発組の汁なし正麺カップ4品はレギュラー商品として生き残っている現在、しかしながら今回は完全に変化球なので、もしかすると期間限定に終わるかも——と、それはさておき別添の小袋は「液体スープ」「特製油」「かやく」の合計3袋。液体スープはズッシリと重く、特製油はガッチガチに凝固していて、かやくは‥‥少ないですね。
麺は正麺カップらしく加水率の高そうなノンフライ麺で、いつも通り原材料には “こんにゃく” を使用しているのですが、珍しく今回は商品のパッケージにも東洋水産の公式ウェブサイト内にあるニュースリリースにも、どこにも「生麺ゆでてうまいまま製法」を示す表示がありません。おそらく例外ではないと思うのですが——
「生麺ゆでてうまいまま製法」とは、生の麺を茹でてから乾燥させ、乾燥麺でありながら生めん本来の味と滑らかでコシのある食感が楽しめる、東洋水産独自の特許製法(特許5719064号)のこと。湯切りタイプのノンフライ麺は、汁ありタイプと違う汁なし専用のノンフライ麺で、2年の歳月をかけて新たに開発されました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ 汁なし黒マー油担々麺 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:134(めん90g) 商品コード:4901990365093(JAN) 商品サイズ:縦180mm×横180mm×高さ77mm |
発売日:2020年01月13日(月) 実食日:2020年01月15日(水) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:240円(税込) 希望小売価格:225円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・特製油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(香味油脂、植物油、みそ、ねりごま、豚脂、糖類、ポークエキス、しょうゆ、香辛料、たん白加水分解物、りんご酢、豆板醤、食塩)、かやく(チンゲン菜、味付豚肉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酒精、乳化剤、炭酸カルシウム、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、香辛料抽出物、クチナシ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・豚肉・りんごを含む) |
実食開始
お湯を入れる前に開封する小袋は「かやく」のみ、中には青梗菜(ちんげんさい)と味付豚肉が入っているのですが、やはり少ない‥‥w それに肉具材も担担麺で定番の肉そぼろ(挽肉系)ではなくダイスミンチ系の資材が入っていて、数は3個。第1弾の「汁なし担々麺」も具材は少なめでしたが、肉具材のタイプが大きく違います。
湯戻し時間は熱湯5分、湯切りの後に液体スープを馴染ませて、最後に特製油をかければできあがり。なるほど液体スープを開封した瞬間に漂ってくる香りは胡麻系担担麺っぽいのですが、特製油を入れた瞬間かなり焦がしたニンニクの香りが強く、なかなか新鮮味のある実食前の現在。とりあえず、パッと味の雰囲気は汁なし担担麺ではありません。
ちなみにコンビニではローソンとミニストップでの取り扱いが意欲的で、コンビニでの実売価格は税込240円でした(2020年1月現在)。それでは、担担と黒マー油の相性や辛さレベルにも注目しつつ、「めん」「スープ・特製油」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します(※液体スープと特製油はフタの上で温めてください)。
栄養成分表示:1食(134g)あたり |
カロリー:523kcal たん白質:11.5g 脂 質:19.4g 炭水化物:75.6g 食塩相当量:4.4g ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.43mg カルシウム:214mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
相変わらずハイクオリティな多加水麺
適度な粘り気のある加水率の高いノンフライ麺で、しかしながらモチモチとした粘弾性ではなく、ギュッと詰まったような密度感のある噛み応え。先発の汁なし4組と同じように、若干ながらモタつくのが気になるところではあるものの、液体スープの問題か最初に発売された「汁なし担々麺」ほどダマにはなりません。
かなり強めのコシと芳醇で柔らかい小麦の風味もさることながら、箸で持ち上げた時の重さも正麺カップならではの臨場感。ちなみに第3弾の「油そば」をレビューした際(2019年6月17日)、特に寒い季節でもないのに部分的な戻りムラが気になったのですが、今回そういったこともなく——あ、でもフライングはしないほうがいいです。
同シリーズの「汁なし担々麺」「焼そば」「油そば」「濃厚魚介豚骨まぜそば」すべて原材料名は「黒マー油汁なし担々麺」と同じ “小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂” となっているのですが、麺の幅や厚みなどが微妙に調節してあるので、5品すべて同じ麺ではありません。
スープ・特製油
結論:最終的に担担吹っ飛ぶw
まず担々麺といえばの花椒(かしょう)は目立って主張してこなかったのですが、どっしりと芝麻醤(チーマージャン)を効かせている重心の低い味。それと同時に和味噌のコクと風味も強かったので、だいぶ日本仕様の味付けに仕上がっていたのですが、豆板醤のアクセントで四川風を演出しつつ、唐辛子の辛さレベルもピリ辛ちょい上〜中辛前後といったところ。
動物系も乳化感の強い豚骨がベースとなっていて、ふと上がってくるリンゴ酢のアクセントなど、純粋な担々麺ではないのですが、それだけに既存の「汁なし担々麺」との差別化は明白です。そして別添の特製油を追加してみると‥‥
通常、カップ麺に別添されている黒マー油は、たしかにニンニクの芳ばしさが追加されるアイテムではあるものの、純粋な黒マー油とは違う癖が気になることも珍しくありません。しかし、今回の特製油は “かなりピュアな黒マー油” に近く、焦がしニンニクと味覚の間に薄い膜を張ってくるような雑味が気にならないのがポイント。で、しっかり苦い。
ベトナムの袋麺に別添されているペーストかw ってくらい小袋の中身がザラザラで、オイル自体の色は真っ黒ではないけれど、焦げたニンニクの黒い粉が大量に入っています。おかげで苦味も遠慮なく強いため、結果的に担担味の繊細な部分は一瞬で消しとんでしまったのですが、芝麻醤の甘み、唐辛子の辛さ、マー油の苦みによる三重奏にはインパクトを感じました。
具材
具材は麺のクオリティを加味して及第点
青梗菜は独特の甘みとシャキシャキの食感が濃いめのスープに映えていたのですが、税別225円の汁なしカップ麺にしては少なめの具材量で、お世辞にも具沢山な内容とは言えません。それに肉具材のタイプが担担麺でメジャーな挽肉っぽくないと書いたように、実際に食べてみると風味もジャンクで、たしか他の商品でも——
どうもQTTA(クッタ)のSHO-YU(しょうゆ)ラーメンに入っている肉具材の食感や風味と瓜二つの肉具材で、日清食品でいうところの謎肉みたいな具材。個人的にはスナック的で大好きな食感と風味ではあるものの、マルちゃん正麺というブランドには似合わない具材かもしれません(※担担スープ・黒マー油との相性は悪くなかったです)。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
結論からいうと、けっしてイマイチではありません。黒マー油×汁なし担担麺というジャンルも新感覚で面白かったですし、一度は食べてみても損はないでしょう。ただ、とりあえず1回食べておけば満足かな——みたいなw 10年後・20年後も古びることなく愛され続ける味ではなく、どちらかというと期間限定の特化型に誂え向きな味だと感じました(お酢ちょい足しアレンジおすすめ)。
とりあえず「汁なし担担麺」「ソース焼そば」「油そば」「まぜそば」と王道の汁なし四天王は押さえた正麺カップ、あとは今後どう捻ってくるかが腕の見せ所。今回は最初の汁なし担担麺をアレンジしつつ、新ジャンルを開拓してきたので、第6弾はノンフライ麺では珍しい「塩焼そば」でしょうか。他にも「たらこ焼そば」や「上海風焼そば」など、引き続き今後の展開が楽しみですね。