どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月4日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん正麺 カップ 濃厚魚介豚骨まぜそば」の実食レビューです。
「マルちゃん正麺カップ」から湯切りタイプの新フレーバー4作目「濃厚魚介豚骨まぜそば」新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺 濃厚魚介豚骨まぜそば
マルちゃん正麺(せいめん)とは、 “いま抜群においしく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席麺” をコンセプトに立ち上がったブランドで、正式に発売されたのは現在から遡ること8年前の2011年11月7日。専任の開発チームが5年もの歳月をかけて生み出した、新製法の特許技術 “生麺うまいまま製法” のノンフライ麺(特許第5153964号)が最大の特徴です。
“夕食に出しても家族が怒らない麺を作ろう——” そんな想いから生めん本来の自然な食感と味わいを実現したノンフライ麺は、彗星の如く現れて新規顧客を含む多大なファンを獲得。さらに4年の歳月をかけて進化させたのが「カップめん専用」の特許技術「生麺 “ゆでて” うまいまま製法」(特許第5719064号)で、またもや多くの人々を唸らせました。
カップラーメン版「マルちゃん正麺カップ」が発売されたのは、現在から遡ること4年前の2015年10月5日。文字通り生の麺を茹でてから乾燥させ、そこから湯かけ調理のみという条件のもと、生めん本来の味と重量感をカップ麺で復元することに成功したマルちゃん正麺。しかし、いくら麺のクオリティが高くても、スープの味を変えるだけでは焼き直しにも限界があります。
カップ麺業界で1年間に発売される新商品の数は、年間およそ1,000種類。その新規バリエーションに対応すべく、湯切りタイプ専用の新ノンフライ麺の開発に2年以上の歳月を費やし、2019年4月1日——ついにマルちゃん正麺カップ初の湯切りタイプ1作目及び2作目の「汁なし担々麺」「焼そば」を “通年商品” として市場に投下。
その勢いに乗って開発された湯切りタイプ3作目「油そば」が同シリーズにおける前回の新商品で、今回の第4弾は濃厚魚介豚骨味の「まぜそば」がテーマ。「油そば」と「まぜそば」の違いについて、どちらも変わらない・呼び方が違うだけで同じ食べ物だ——などという意見も多いのですが、先に登場したのは「油そば」で、時期は昭和30年代前半。
ごま油やラードに醤油ベースのタレを合わせ、チャーシューやメンマ、ナルト、ネギといったシンプルな具材で構成されているトラディショナルなスタイルが「油そば」と呼ばれるメニューの一般的な様式。対する「まぜそば」は、つけ麺の雄「六厘舎(ろくりんしゃ)」のセカンドブランドとして、2007年1月31日にオープンした「ジャンクガレッジ (JUNK GARAGE)」が名付け親といわれています。
というわけで、ラーメン業界としては比較的に歴史の浅い「まぜそば」をテーマにしているのが今回の新商品。油そばとの大きな違いは、トッピングや味付けのバリエーションが豊富なこと。名古屋名物の「台湾まぜそば」しかり、定番の魚粉や卵黄はもちろん、チーズにマヨネーズ、さらには背脂のトッピングから麺の上にベビースターラーメンなど何でも御座れ。
また「油そば」は最初から店の人が麺とタレ・油を混ぜ合わせた状態で提供してくれるのに対し、「まぜそば」は “客が自分で好きなように混ぜるスタイルの店が多い” という特徴も。今回のパッケージを見る限り、そこまでジャンクなタイプではなさそうですが、味は魚介豚骨系ということで「マルちゃん正麺 カップ 油そば」との違いに注目です。
開封
別添の小袋は、「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」の合計3袋。「正麺カップ油そば」の小袋は、液体スープ・かやくの2袋だったので、今回のほうが1袋多い構成となっています。ちなみに正麺カップの油そばには「〜旨コク醤油だれ “焼豚風味仕立て” 〜」というサブタイトルが付けられており、実は超ジャンクな動物系まぜそばライクなテイストでした。
そのため「まぜそば」との境目が曖昧にならないように、次回作は「台湾まぜそば」が来ると予想していたのですが、今回のサブタイトルは “かつおと煮干しの芳醇仕立て” ということで魚介系をアピール。また “豚骨” の名を冠しているということは、豚脂(ラード)ではなく “骨の旨味” にも注目しなければいけません。
もちろん麺はノンフライ麺で、やや幅のある平打ちという形状から、「正麺カップ油そば」と似ています。シリーズ1作目と2作目の「焼そば」「汁なし担々麺」は同じ日に発売されたのですが、きちんと味付けの方向性に合わせ、違う形状の麺が使われていました。(※関連商品「マルちゃん正麺 カップ 焼そば」及び「マルちゃん正麺 カップ 汁なし担担麺」は、どちらも実食レビュー済みです)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ 濃厚魚介豚骨まぜそば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:129g(めん90g) 商品コード:4901990364690 (JANコード) 商品サイズ:縦180mm×横180mm×高さ77mm 発売日:2019年11月04日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(植物油、しょうゆ、ラード、ポークエキス、デキストリン、魚介エキス、砂糖、香味油脂、醸造酢、食塩。香辛料、粉末野菜)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、レシチン、カラメル色素、炭酸カルシウム、酒精、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、酸味料、香料、香辛料抽出物、(一部に小麦・乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、おそらくネギは前回の「油そば」と共通ですが、味付豚肉の見た目が違います。それから「油そば」には大きめのナルトが一枚入っていたのに対し、今回はナルトではなくメンマと棲み分けが図られていました。東洋水産の希望小売価格は税別225円、これは汁なし・汁あり関係なく「マルちゃん正麺カップ」での標準的な値段設定になります。
コンビニで購入した場合の税込価格は軽減税率8%で240円、麺の量は汁あり商品(75g)よりも15g多い90gで、ノンフライ麺でも油揚げ麺を使った汁なしカップ麺(標準サイズ)の平均と同量。いまのところ先発組の「汁なし担々麺」「焼そば」「油そば」すべて通年商品なので、しばらく汁なし部門は4商品体制で展開されるかもしれません。
かやくを麺の上にあけたら熱湯を入れて5分待機、かなり液体スープの量が多い上に低温で凝固する動物油脂(ラード)も含まれているので、液体スープの小袋は待っている間にフタの上で温めてください。さて、早くも香りに一癖ある実食前の現在、油そばとの違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(129g)当たり
カロリー:505kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
そんなに厚みのない平打ち麺ですが、その見た目に反した密度の高さを誇る加水率の高い多加水麺で、さすが「生麺ゆでてうまいまま製法」——高密度な歯応えと丁寧な粘り気を兼ね備えた弾力は、久々に食べると感動モノ。原材料名は「小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂」で、 “こんにゃく” を使っているのも特徴的なポイントです。
まさに自家製麺よろしく生麺ライクな箸で持ち上げた時の重量感が正麺カップらしく、そのクオリティは折り紙つき。実は正麺カップが生まれる以前の話、2015年9月に発売された「マルちゃん hanauta(はなうた)イタリアンヌードル」という女性向けの縦型カップラーメン(油揚げ麺)にも “こんにゃく” が練り込まれていたので、いま思えばプロトタイプだったのかもしれません。
麺の原材料名は同シリーズの「油そば」と同じですが、そちらでは麺のほぐれにくさが気になったのに対し、ほとんど今回は気にならなかったので、密かにマイナーチェンジ‥‥いや、油脂の量かも。どうしても寒い時期は麺が戻りにくくなるので、不安な方は “湯切りの前に” 軽く箸で麺をほぐしてから湯切りすると安全です。
スープ
「油そば」の脂質は13.2gだったのに対し、「まぜそば」の脂質は17.3gに増えているのですが、油脂のインパクトが圧倒的に強いのは「油そば」のほう。もちろん粉末スープの有無や味付けの方向性で食べやすさは変わってきますけど、「油そば」は豚脂の含有量が多かったのに対し、今回の「まぜそば」は動物油よりもライトな植物油が多いので、アブラの印象は完全に別物。
植物性とはいえ油は油、量が量なので、ぜんぜんアッサリとした淡麗系の口当たりではないですし、ちゃんとラードもブレンドしてありますが、もはや “豚くさい” と感じたほど(※いい意味で)凶悪な「油そば」の液体スープよりも食べやすく、かなりハードルが下がりました。しかし、ある意味 “魚介” が今回のハードルです。
液体スープのタレにも魚介系の要素が仕込んであって、節系(かつお節メイン、さば不使用)と煮干しをブレンドしているのですが、きもち節系が優勢な魚介感。醤油ダレは穏やかな濃口で、食塩の使用量が最低限ということもあり、まぜそば系統の汁なしカップ麺にありがちな塩っぱさは感じません。ただ、もう一つの粉末スープが曲者(くせもの)——
粉末スープの中身は純粋な魚粉ではなく、人工的な旨み成分(化学調味料系統)に加えて砂糖と食塩が仕込まれている、けっこうジャンクで甘塩っぱいテイスト。そして煮干しパウダーと思しき粉末と粉末野菜(最近よく見る無差別原材料)もブレンドしてあるのですが、えぐ味や苦味こそ抑えられてはいるものの、粉末スープを投入した瞬間 “ちょっと生臭い” くらい(※いい意味で)癖のある風味。
残念ながらポークエキスの指標は人工的で、あまり骨っぽさは意識されていなかったのと、後味に砂糖の余韻が響くため、思いのほかインスタント感の強い味に仕上がっています。つまり正麺カップ的には硬派な味とはいえないのですが、クオリティの高い麺にジャンクな味付けのギャップが面白く、「まぜそば」という食べ物の立ち位置的には悪くないと思いました(一味唐辛子は辛さが弱いので、ほぼ飾りです)。
具材
同じく汁なし正麺カップの「焼そば」には、定評のあるFD(フリーズドライ)野菜ブロックが採用されているのに対し、前回の「油そば」と同じく具材の量は控えめで‥‥いや、それより少ないかもしれません。やはりクオリティの高い麺を増量する上で、しわ寄せ(コスト調整の対象)が具材に向いてしまうのでしょう。で、今回の味付豚肉——
原材料名こそ普段通り「味付豚肉」となっているのですが、いつもの甘辛く煮込んだ歯応え強めの豚肉ではありません。今回は比較的に厚みのあるチャーシューを細切れにしたような具材が入っていて、けっこう食感も軽く、もし大判だったらヤバかったかも。いわゆるチャーシューチップ的な具材で、最近の東洋水産が手掛けるカップ麺では比較的あまり見ないタイプでした。
食感の軽い豚肉とは逆にメンマは歯応え抜群で、こりこりとした食感が箸休めに効果的。風味こそ今回のスープに対して弱めでしたが、単純に存在感だけでいえば今回の具材でイチバンかもしれません。ねぎは汎用の小葱、お湯を捨てる時に何個か湯切り口から脱走しました。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
あいかわらずハイクオリティなノンフライ麺を大盛り(90g)で食べられることに価値が見出せる一杯で、鼻を抜ける煮干しの風味が印象的だった反面、どうしても具材の寂しさが否めなかったのと、良くも悪くもチープな味付けが期待値とのギャップを招くかもしれません。思いのほか食べやすい油脂感はハードルの低さに繋がっていましたが、後味の余韻に居座る砂糖の甘さが気になるところ。
それから濃厚魚介豚骨でも豚骨が(骨っぽさも豚脂も)弱かったので、「マルちゃん正麺」というブランド的にもシンプルに背脂! 煮干し! みたいなほうが本格的だったかなと思いました。とはいえ “おいしい” か “まずい” かでいえば前者ですし、たとえば刻み玉ねぎや酢を足すなど、アレンジの土台としてはのポテンシャルは実に高い商品だと思います。