どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年6月27日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マジ盛 ど豚骨醤油」の実食レビューです。
マルちゃんの縦型BIGカップめんブランド「本気盛」が発売15周年を機にロゴとデザインをリニューアル!? 生まれ変わった「マジ盛」ついに始動‥‥!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マジ盛 ど豚骨醤油
本気盛(マジモリ)とは、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産のカップラーメンで、現在を遡ること15年以上、2007年(平成19年)3月26日に発売された「本気盛 醤油豚骨」及び「同 辛味噌」が最初の商品。以来、製品スタイルは縦型ビッグに統一され、大盛り(80g)の油揚げ麺に、濃いめのスープ、がっつり具材など、その当初から食べ応えを追求してきました。
対してカタカナ+漢字表記の「マジ盛」とは、ラーメンと本気で向き合ってきた東洋水産が考える、お客様に『今届けたい、本気(マジ)の一杯』をコンセプトに開発した、スープも麺も具材も “がっつり味わえる” カップ麺で、2022年3月26日に発売15周年を迎えた「本気盛」の後身。これを機にブランド名を改め、ロゴとデザインも一新し、さらなるブランドの強化を図っています。
今回の新商品「マジ盛 ど豚骨醤油」は、生まれ変わった「マジ盛」の記念すべき第1弾を飾るフレーバーで、やみつきになる味わいの濃厚な “ど豚骨醤油ラーメン” をテーマに開発。たとえば30〜40代の男性に刺さる味わいを目指した「本気盛 カタメコイメ濃厚豚骨醤油」など、これまでに何度も「本気盛」から「豚骨醤油」を出しているのですが、まず大きな違いを訴求しているのが麺の仕様。
パッケージには「食べごたえアップ! 新がっつり太麺!」というシンプルな記載しかありませんが、東洋水産のニュースリリースによると “従来の「マジ盛」に使用していた麺から配合を変更し、硬くコシが強い食べごたえのある太麺を使用しています” とのことなので、期待したい要素の一つ。
これまでに「本気盛」がリリースしてきた “豚骨醤油” を例に挙げると、古くは2012年10月15日発売品(がっつり豚骨醤油)に、2013年4月22日発売品(豚骨醤油)、2015年7月13日発売品(豚骨醤油)、さらに前述の2021年9月6日発売品(カタメコイメ濃厚豚骨醤油)など、それぞれの時代に合わせながら系統を変え、進化を続けてきました。
また並びは変わりますが、すべての始まりとなる2007年3月26日発売の初代「本気盛 醤油豚骨」を筆頭に、そのリニューアル版である同年8月27日発売品(醤油とんこつ)など、本気盛の基礎を築き上げてきたテーマ。つまり、今回の “本気盛” 改め「マジ盛 ど豚骨醤油」は、原点回帰ともいっても過言ではない挑戦で、まさに東洋水産の本気を感じる展開。
「マジ盛 ど豚骨醤油」のスープについて、東洋水産のニュースリリースには “豚骨スープに醤油のコクとキレを加えた、濃厚でやみつきになる味わい” とあり、なおかつ商品特徴の欄には “ポークとチキンの旨味をベースに” との記載もあるのですが、原材料名にチキンエキスやチキン調味料、鶏脂などの表記はありません(たぶん表記ミス)。
はたして商品名にもなっている「ど」の指標は豚骨に向いているのか、それとも醤油のキレに向いているのか、あるいは両方とも強いのか、そのバランスはもちろん、具材の本気度にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製油」が1袋。東洋水産の縦型ビッグにおける小袋は、名称が特製スープだとアブラとタレに該当する成分が入り、特製油だと文字通りアブラだけが基本となっています。ただ、東洋水産の縦型ビッグにしては “こじんまり” としたサイズの小袋なので、ちょっとアンバランスな雰囲気。
初代「本気盛 醤油豚骨」にはFD(フリーズドライ)の野菜ブロック(もやし、キャベツ)に、FDのニラと豚肉そぼろを組み合わせていましたが、新生「マジ盛 ど豚骨醤油」の具材は味付豚肉、メンマ、ネギの計3種。いずれも「本気盛」の頃から使い倒しているアイテムばかりではあるものの、量的な寂しさは覚えません。
メーカー希望小売価格は245円(税別)なので、2022年6月1日出荷分から適用されている価格改定前の基準に換算すると、220円(税別)の商品に該当します。つまり、これが価格改定後の縦型ビッグにおけるメーカー希望小売価格の標準的なライン。ちなみに販売ルートはCVS(コンビニエンスストア)となっているため、販売価格は税込で264.60円が相場になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん マジ盛 ど豚骨醤油 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:105g(めん80g) 商品コード:4901990371964(JAN) |
発売日:2022年06月27日(月) 実食日:2022年06月29日(水) 発売地域:全国(CVS 他) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:264円(税込) 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(ポークエキス、しょうゆ、植物油、食塩、ゼラチン、砂糖、豚脂、でん粉、酵母エキス、香辛料、発酵調味料、たん白加水分解物)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、レシチン、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、調理前の見た目には大きな変化を感じないのですが、これが「本気盛」との決定的な差を謳っているポイント。ちなみに有名店が監修した縦型ビッグの麺重量は、調理前の状態で70gが平均的なのに対し、今回は80gということで、かつての「本気盛」と同じ麺重量を踏襲しています。
別添の「特製油」は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと4分。時間になったら小袋の中身を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。ただ、粉末スープに強めの “とろみ成分” が仕込んであったので、調理の際は溶け残りがないように “容器の底から念入りに” 混ぜてください。
ちなみに製造所は株式会社酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は東洋水産が1983年(昭和58年)7月から資本参加している連結子会社で、房総工場については “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き「本気盛」からの進化に期待しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)あたり |
カロリー:473kcal たん白質:12.5g 脂 質:20.5g 炭水化物:59.7g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.9g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:284mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:473kcal(めん・かやく:386kcal)(スープ:87kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっとしたマイナーチェンジどころのレベルじゃねぇぞ‥‥!!
数年前の「本気盛」に使われていた油揚げ麺といえば、生半可なスープでは太刀打ちできないほど我が強く、それが評価の足を引っ張ることも珍しくありませんでした。しかしながら製麺技術の向上により、ほとんど実食前の懸念を覚えなくなってきた近年。けれども今回の油揚げ麺は、直近の「本気盛」とは異なる質感で、そもそものベクトルが異なります。
まず見た目で印象的なのは、キメの細かさと表面のハリ。いざ啜り上げると「沖縄そば」よろしく踊るような躍動感を兼ね備え、内部は小麦の密度が高く、がっしりとした力強い噛み応えを実現。それでいて内側からブチンッ、と弾けるような歯切れ感も両立している、いやいや面白い上にハイクオリティな仕上がりじゃないですか。
油で揚げた麺なので、それなりに特有の風味は並行するものの、後述するスープとの相性に問題はなく、むしろ芳ばしさに一種の相乗効果を感じたほど。たとえば淡麗系の繊細なスープを相手にしなければいけない場合、配合のパターンやサイズを変える必要も出てくるかとは思いますが、これまでの「本気盛」とは一線を画す、たしかな進化を感じました。
スープ
「ど」ってほどのインパクトはないが‥‥
土台にある豚骨の旨味は丁寧で、一般的にネガティブとされるクセを抑えながら、きちんと炊き出し感を演出しています。ただ、商品名の「ど豚骨」に恥じないインパクトのある豚骨感なのかと聞かれたら、もうちょっと骨の髄にある旨味とか、骨っぽさとか、久留米の呼び戻し※ を彷彿とさせるクセを持たせてほしかったところ。
さらにトロミ成分が含まれていると前述したように、粘度の上げ方も人工的で、やや口当たりと風味におけるゼラチン感が気になりました。もちろん単純に「おいしい」か「まずい」の二者択一でいえば前者ではあるものの、ど豚骨における期待値が高ければ高いほど物足りないというか、場合によっては意にそぐわない味かもしれません。しかし、別添の「特製油」は個性的で‥‥
鼻にツンとくる香りというか、これで炊き出し感を表現しているようなイメージ。中身はオイルだけなので、液体しょうゆ特有のフレッシュさはないけれど、特製油が放つ独特の獣臭は印象に残りました。
※「呼び戻し」の特徴については、半世紀以上の歴史を再現!? 久留米の老舗「大砲ラーメン」監修「呼び戻し風とんこつ味」を食べてみた結果‥‥ にて詳しく触れているため、ご参考ください。
具材
マジ盛(本気盛)に恥じないボリューム感
たとえば初代「本気盛」に使われていたFD野菜ブロックだったり、ここ最近は鳴りを潜めているクラシカルなFDチャーシューブロックだったり、せっかくのブランドリニューアルだったので、欲を言えば特別な具材を搭載してほしかった思いもありますけど、砂糖と醤油で甘辛く味付けした豚肉はリアルな質感で美味。
箸休めに嬉しいコリコリとした食感のメンマは独特の風味も強く、ネギは主張しすぎないフリーズドライの斜め切りで、それぞれスープとの相性よし。縦型ビッグの平均的な具材量と比較しても多い部類に入るため、値段に伴った内容といえるでしょう。
総評
商品名に冠した「ど」の指標は、豚骨に向けても醤油に向けても頼りなかったので、もっと振り切ってもよかったのでは‥‥と、タイトルの煽りに伴う期待値とのギャップが否めない部分もありましたが、これまでの「本気盛」とは一線を画す油揚げ麺のクオリティは一見の価値あり。
「ど豚骨醤油」というインパクトの強さ故に、総評から星ひとつ差し引きましたが、これまでにない “新がっつり太麺” のポテンシャルは高く、今後の展開が楽しみになりました【author・taka :a(大石敬之)】