どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月19日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 本気盛 背脂みそ」の実食レビューです。
背脂のコクとニンニクのパンチを利かせたコンビニ向けの “濃厚背脂みそラーメン” が復活!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
本気盛 背脂みそ 2019
「本気盛(マジモリ)」とは、ボリューム感のある「大盛り」の麺と「濃い系」スープ、「がっつり」具材が特徴的な東洋水産の縦型ビッグ製品で、同シリーズから「背脂みそ」が出るのは今回が初めてではありません。ちょうど遡ること2年前の夏、2017年8月28日に「マルちゃん 本気盛 背脂みそ」という同じ商品名で発売されていました。
しかし、2年前の本気盛と2019年現在の本気盛は、当時の仕様と比較にならないくらい麺のレベルが高くなっています。さらに前回の「背脂みそ」は “太めの角麺” と紹介されていたのに対し、今回は “食べ応えのある丸刃で切った麺” とのこと。パッケージでも「なめらか太麺」をアピールしているため、早くも大きな違いが見られます。
1、2年前の東洋水産(酒悦)が製造する縦型ビッグの油揚げ麺は、スープを容赦なく蹴散らす無骨な角刃の太麺、もしくは丸刃で切り出した軽い食感のスナック的な細麺の2パターンが基本となっていて、さらに細分化すると同じ太麺でも熱湯4分、熱湯5分と麺の太さに違いがあったりもしたのですが、だいたい共通して言えたのは “お店の再現カップ麺には向かない” こと。
もちろんニンニクがっつり系のラーメンを再現するときには麺のポテンシャルが発揮されていた反面、スープが繊細な場合はマイナスに働くことも多く、それが低評価を招く大きな要因でもありました。そんな麺を大幅に変えたのが神奈川・湯河原の行列店「らぁ麺屋 飯田商店」が監修したセブン&アイ限定商品、「セブンプレミアム らぁ麺屋 飯田商店 醤油拉麺」の存在です。
「飯田商店」のカップ麺が発売されたのは2018年12月11日、それは本気盛シリーズではなかったのですが、まるで東洋水産らしからぬ麺線を描いた平打ちストレート麺で、これまでのマルちゃん縦型ビッグに抱かれていたイメージを大きく覆す洗練さは一種の革命。そのコラボを皮切りに、本気盛シリーズ×有名店コラボ企画(TRY×Yahoo!)のカップ麺にも同種の製麺技術が応用され始めました。
2019年8月現在、数年ぶりに復活した「謹製」やIYグループ限定の「極屋」など、すでに縮れの少ない “しっとりとした” 次世代系の油揚げ麺が主流になりつつあるので、2年越しの純粋なアップデートに期待できる今回——コンビニでの取り扱いも意欲的で、大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)すべて販売対象店となっています。
もちろん店舗によっては取り扱いがない場合もありますが、実際に足を運んだコンビニ4社すべての企業で取り扱いを確認しました。それもそのはず今回の「本気盛 背脂みそ」は、基本的に “コンビニでしか買えない” ので、スーパーマーケットやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗には売ってないかもしれません(※地域によっては例外あり)。
東洋水産のニュースリリースに記載されている商品詳細には、「販売ルート CVS 他」とあり、「CVS」はコンビニエンスストア(convenience store)の略称。その横に「他」とあるのは、発売から2、3ヶ月経って売れ残っていた場合、イオンリテールやドンキホーテなどの安売りワゴンに放り込まれている(セール品になっている)可能性がある——というのが定番のパターンです。
開封・注意事項
メーカー希望小売価格は税別220円なので、割引キャンペーンでも実施・適用されない限り、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、どこで買っても税込232円が相場。前回と同じく後入れの小袋は別添されていませんが、大粒挽肉・キャベツ・背脂加工品も多く、小袋がないのもコンビニの店内で食べることを想定し、手間を省いてくれているのかもしれません。
ただし、この縦型容器は “異様に熱くなる” のが注意すべき項目。カップ麺に熱湯を注いだ後、移動距離の少ないコンビニ内のイートインで食べるなら比較的に危険は少ないのですが、2019年10月1日に予定されている消費税率10%への引き上げと同時に「軽減税率制度」が実施されるため、コンビニのイートインで食べる場合は “消費税を10%支払わなければいけません” 。というのも——
酒類以外の食品は軽減税率適用(8%)の対象商品なので、コンビニでも “持ち帰りであれば増税後も消費税率8%のまま購入可能” です。しかし、コンビニの休憩スペースで食べると「外食」扱いになるので、軽減税率制度が適用されません。つまりコンビニの屋内で食べる場合は消費税率10%、コンビニで熱湯を入れてから店外に持ち出せば消費税率8%、くれぐれも火傷に注意してください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 本気盛 背脂みそ 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(※東洋水産グループ) 内容量:112g(めん80g) 商品コード:4901990363822(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ122mm 発売日:2019年8月19日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、かやく(味付挽肉、キャベツ、背脂加工品、ねぎ)、添付調味料(ポークエキス、食塩、香辛料、みそ、野菜エキス、砂糖、チキンエキス、でん粉、たん白加水分解物)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
麺は熱湯4分の油揚げ麺で、前述した感動の平打ちストレート麺ではなく厚みのある縮れた中太麺を採用しているのですが、調理前の表面に見られる艶は2年前の本気盛にはなかったポイントですし、これまでの経験上 “本気盛は熱湯5分の麺よりも熱湯4分のほうが力強い” という特徴があります。で、にんにくの存在感大ww
2017年8月発売品もガツンとニンニクが効いていたのですが、2019年もガーリック強めのスタミナ系で、開封した瞬間から “食べる場所を選ぶほどのニオイ” が漂います。加えて芳醇な豚骨と味噌の香りにも奥行きがあり、もしこの香りがそのまま味になったら‥‥と、かなり期待値を煽ってきます。あとは “ゆっくり” と熱湯を注いで4分後——
とろみ成分が粉末スープに仕込まれているため、溶け残りがないよう念入りにかき混ぜてください。2年前は熱湯を注ぎ終わる前に麺がプカッ‥と浮き上がってきて、内側の線が見えなくなることも多かったのですが、そういうことも少なくなりました。それでは、本気盛らしさに期待しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(112g)当たり
カロリー:488kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:488kcal(めん・かやく:391kcal)(スープ:97kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
パッケージには太麺と書いてありますが、実際のサイズは中太で、幅は狭く厚みもありません。けれども製品説明どおり丸刃でカットされた滑らかな麺で、口当たりに攻撃性はなく、歯切れの良さよりもグルテンの結束力を重点的に強化している強靭なコシと弾力にマルちゃん次世代系の共通点を感じます。
麺の中心にギュッと小麦をプレスして詰め込んだような弾力は長時間続き、タイプとしては加水率の高い多加水麺に分類されますが、平打ち縮れ麺という形状からスープの掴みがよく、加えて若干ながら表面にザラつきを見せ、その隙間にスープが入り込んでいます。おかげ自己主張の強さを打ち出しつつもスープとの一体感を兼ね備え、かつての無骨な印象は皆無。
スープがジャンクなテイストなので、油揚げ麺特有の風味もプラスに作用していますし、麺の内部は完全に多加水麺(水分を多く含む麺)、けれども表面は若干ながら低加水麺(水分の含有量が少ない麺)の機能性を兼ね備え、もちもち麺に懸念されがちなスープから孤立する懸念もなし。期間限定の大盛サイズは麺の重量が70gになることも多い中、きっちり麺80gなのも本気盛らしいですね。
スープ
大盛りカップ麺ブームのパイオニアはエースコック、東洋水産は後発組になるのですが、エースコックの大盛はスープのアタリが強い(塩カドの強い)テイストで濃厚さを打ち出してくるのに対し、東洋水産は旨味重視の濃い味+強めのニンニクで攻めてくるケースが多く、今回その典型的なパターン。生おろしニンニクではなくガーリックパウダー主体ですけど、けっこうキます。
全体の食塩相当量は6.8gと高めでも、スープ単体の食塩相当量は3.8gと大盛カップ麺にしては控えめで、まったりとした乳化感の強い豚骨の旨味を軸に、味噌は赤と白をバランスよくブレンド。さらに白湯系の鶏を重ねることで乳化感を高め、野菜の旨味で優しさを組み込み、食塩で味を整えているのですが、どちらかというとキレはガーリックに委ねているような構図。
まったりとした乳化感が強いため、もうちょっとキレがあってもいいように思いますが、この徹底して攻撃性のない乳化具合も魅力。とろみの由来は澱粉質なので、やや人工的ではあるものの、確かな動物系の濃度から頭ごなしにネガティブな粘性ではありません。もしキレが欲しくなった場合、一味唐辛子と生おろしニンニクちょい足しで解決です(※これはほんとうに中毒性注意)。
具材
2017年8月発売品と比較して具材の構成(味付挽肉・キャベツ・背脂加工品・ねぎ)自体は変わっていませんし、それぞれの質も当時と同じような印象ですが、明らかに味付挽肉の量が減ってキャベツと背脂加工品の量が増えたように思います。ただ、ちょっと2年前の肉具材は多すぎるくらいだったんですけどね。
(2017年8月発売品:調理後写真)
当時のメーカー希望小売価格は税別205円、コンビニで買っても216円。現在のメーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで買うと税込232円、これについては時代の流れを感じざるを得ません。とはいえ大粒の味付挽肉はスパイシーな味付けで食べ応えがあり、ネギは輪切りかつ大きめにカット、たっぷりキャベツも濃厚なスープに嬉しい存在で、食べ応えアップに寄与しています。
またスープの表面に浮かんでいる背脂加工品(白い粒)の量が思いのほか多く、あくまで加工品ではあるものの、原料は本物の背脂なので、プニッとした口当たりがスープの雰囲気を高めます。ここに特製油が別添されていると雰囲気さらにアップするのですが、地力の高さを思うと現状でも充分ですけどね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
かなりスープがエマルション状態なので、ガツンとしているわりに塩気の攻撃性は控えめです。それをピンボケと取るか濃厚と取るかで評価が変わってくると思うのですが、豚骨+鶏白湯系の乳化感が強いため、イメージは後者。さらにレベルアップした油揚げ麺は手放しに印象が良く、食べ応えのある具材もあいまって、きちんと「本気盛」らしさが打ち出されていました。
もし味にピンボケを感じた場合、スープの項目でも触れた一味唐辛子+生おろしニンニクちょい足しで解決です。もちろん追いニンニクのアレンジなしでも充分おいしいけれど、ニンニクマシマシ後はリピート必至のモンスター爆誕。ご飯がススム系かつ異様に中毒性がアップするため、くれぐれもご利用は計画的に。