どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年3月30日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 本気盛 黒マー油鶏白湯」の実食レビューです。
鶏白湯に黒マー油!?「本気盛」から “ありそうでなかった” 組み合わせの変わり種が登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
本気盛 黒マー油鶏白湯
本気盛(まじもり)とは、大盛の麺量と濃い系スープ、がっつり具材を特徴とする縦型ビッグカップのブランドで、初代発売日は2007年3月26日。当時、縦型カップ麺ユーザーの中心を担っていた10代~30代のニーズに応えるべく、FD(フリーズドライ)野菜ブロックを使用したボリューム満点の具材と濃いめのスープを強調し、発売当初から食べ応えに力を入れていました。
ブランド発足から13年を過ぎた現在も基本コンセプトは変わっておらず、Yahoo!特別企画「ラーメン特集」と「ラーメンデータバンク」協力のもと、これまでにない “次世代ラーメン” を生み出す企画「最強の次世代ラーメン決定戦!」にて、人気ラーメン店とコラボした変わり種の再現カップ麺を定期的に発売していますが、引き続き今回のように単独での新作にも取り組んでいます。
今回の新商品「本気盛(マジモリ)黒マー油鶏白湯」は、文字通り鶏白湯(とりぱいたん)ラーメンに黒マー油(焦がしニンニク油)を組み合わせたもの。とんこつラーメンに黒マー油は実際に提供している店が多く、最近では味噌ラーメンに黒マー油も見かけるようになりましたが、鶏白湯×黒マー油はカップラーメンでも珍しい組み合わせ。
念のため「鶏白湯 黒マー油」でGoogle検索してみたところ、京都・烏丸にあるラーメン店「濃厚京鶏白湯らーめん めんや 美鶴(ミツル)」がヒット。2017年6月頃の期間限定メニューとして「限定黒マー油鶏白湯そば」を提供していたらしく、東京・中野の「麺匠 黒庸介」(現在閉店)でも同様に鶏白湯×黒マー油の「濃厚黒鶏白湯らーめん」があったことを知りました。
他にも日清オイリオグループの関連会社で、ラーメンスープやタレなどの業務用調味料を製造・販売している和弘食品(わこうしょくひん)株式会社が自社の商品を使用した “黒マー油名古屋コーチン鶏白湯” というアレンジレシピを公開していたのですが、鶏白湯×黒マー油で目立っていた検索結果といえばそのくらい。
実は2019年1月7日に「夢のWコラボ」シリーズ第10弾の新作として、東洋水産が「マルちゃん 博多新風×気むずかし家 焦がしニンニク香る濃厚鶏豚骨」という縦型ビッグのカップラーメンを発売していましたが、商品名のとおり純粋な鶏白湯ではなかったので、おそらくカップラーメンでは初の試みだと思います。
なお、本気盛×黒マー油といえば、2019年9月16日に発売された「マルちゃん 本気盛 黒マー油濃厚みそ」が記憶に新しいところ。内容は文字どおり黒マー油とニンニクのパンチを効かせた濃厚みそラーメンで、従来よりも硬くコシが強い “新がっつり太麺” を採用した変わり種のカップ麺でした。
思えば今回の「黒マー油鶏白湯」とパッケージのデザインも雰囲気そっくりですし、容器側面でアピールしている “硬くコシが強い がっつり太麺” という部分も似ているポイント。まだ東洋水産が正式にシリーズ化しているわけではないのですが、今回の「黒マー油鶏白湯」は続編の第2弾的な背景があるのかもしれません(関連ページ「マルちゃん 本気盛 黒マー油濃厚みそ」)
開封
さて、別添の小袋は「特製油」が1袋。前述の「黒マー油濃厚みそ」と同じ構成で、おそらく中身は豚脂をベースに焦がしニンニクの芳ばしさをプラスしたもの。前回はカップ麺にありがちな “なんちゃって黒マー油” ではなく、きちんと焦がしニンニクのホロ苦い芳ばしさが打ち出せていたので、問題は鶏白湯と合うのかどうか——
具材は「味付鶏挽肉」「メンマ」「ねぎ」とシンプルな構成で、粉末スープの量が多く、けっこう黒胡椒(ブラックペッパー)の爽やかな香りが強かった開封直後。現段階、鶏の香りがムワッとくるような野趣に富んだタイプではなく、どちらかというとスナック菓子のシーズニングにありそうなジャンクで軽めの香り。
メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入した場合の税込価格は232円(軽減税率8%)が相場となっている2020年4月4日現在。東洋水産が公表している発売地区は全国となっているのですが、販売ルートは “CVS 他” となっているため、コンビニでの販売を優先しているようです(ローソン、セブンイレブン、ミニストップで販売を確認)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 本気盛 黒マー油鶏白湯 販売者:東洋水産株式会社 製造者:株式会社酒悦 房総工場 製造所:千葉県長生郡長南町美原台1-34 内容量:107g(めん80g) 商品コード:4901990365635(JAN) |
発売日:2020年03月30日(月) 実食日:2020年04月04日(土) 発売地域:全国(CVS 他) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:470ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(豚脂、チキンエキス、香味油脂、砂糖、食塩、植物油、たん白加水分解物、香辛料、酵母エキス、かつおエキス)、かやく(味付鶏挽肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、カラメル色素、かんすい、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
パッケージに “新” の文字はありませんでしたが、前回の「黒マー油濃厚みそ」と同じように独特の艶がある新世代系の平打ち油揚げ麺を採用していて、湯戻し時間は熱湯4分。別添の「特製油」は食べる直前に加える後入れなのですが、待っている間にフタの上で “温めないほうがいい” かもしれません。
特製油には動物性の豚脂(ラード)が含まれているので、ちょっと時期的に凝固していると思うのですが、それを溶かさずに利用するのがコツ。というのも中に小さな焦がしニンニクの粒が多めに入っていて、豚脂を溶かしてしまうと小袋の中に焦がしニンニクの粒が残りやすくなり、逆に豚脂を溶かさなければ焦がしニンニクの粒も一緒に出しやすくなるので、よかったら参考にしてください。
なお、今回も東洋水産の縦型ビッグらしく熱湯4分経つ前に容器が熱くなるので、お湯を入れてから移動しなければいけない時や片手で持ちながら食べなければいけない場合は、くれぐれもヤケドに注意してください。それでは、鶏白湯と黒マー油の相性に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(107g)あたり |
カロリー:513kcal たん白質:11.0g 脂 質:27.3g 炭水化物:55.7g 食塩相当量:5.8g (めん・かやく:1.8g) (スープ:4.0g) ビタミンB1:1.20mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:193mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:513kcal(めん・かやく:405kcal)(スープ:108kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安定のハイクオリティ
かなり口当たりは滑らかで、もちもちとした加水率の高い弾力。東洋水産の新世代系フライ麺には何パターンかあって、特にクオリティが高いのは縮れの少ないストレートタイプなのですが、おそらく今回は「黒マー油豚骨みそ」と同じナチュラルウェーブ製法の “がっつり太麺” と同じ油揚げ麺だと思います。
熱湯4分でフタを全部剥がし、粉末スープを完全に溶かしてから特製油を入れて、だいたい合計4分30秒前後。この時点で食べ始めると、やや麺の戻りムラが気になるのですが、致命的な欠陥ではありません(オススメは熱湯4分30秒~5分)。それに食べ応えのある太麺にもかかわらず、油揚げ麺特有の風味が控えめなのも技術力の高さがうかがえるポイント。
食べ始めはコシの強い歯応えが目立ち、油揚げ麺特有のスナック的な風味も並行しますが、後半にかけてモチモチ感が強くなると同時に油揚げ麺臭は減退。とはいえ今回のスープと麺の芳ばしさは相性がよかったので、結果的には気になりませんでした。
スープ
悪くないけどベストマッチでもないw
後述の特製油に豚脂を使っていますが、土台の粉末スープはチキンエキスを筆頭に豚骨系の成分は不使用で、ほんのり隠し味の鰹とブラックペッパーの清涼感を加えた鶏がメインの鶏白湯。やや鶏骨特有の骨っぽさがあるものの、油揚げ麺と具材の味付鶏挽肉からスナック的な風味が滲み出てくるため、結果的に強めのインスタント感が伴う味わい(※とろみ成分の溶け残りに注意)。
で、この特製油が強烈——中に含まれている油脂は豚脂が大幅な割合を占めているため、豚骨エキス不使用でも鶏白湯の要素が薄れます。とはいえ豚骨特有の癖が加わるわけではないのですが、しっかりと苦い焦がしニンニクの小さな粒が大量に入っているので、とりあえずイメージは一般的な鶏白湯とは大幅に掛け離れたもの。
けっして今回の鶏白湯と黒マー油の相性が悪いわけではないのですが、純度の高い豚骨スープと黒マー油ほどの相乗効果なく、特製油を入れる前の骨っぽさは焦がしニンニクのインパクトに喰われている状態。ある意味これはこれで黒マー油を活かした構成ではあるものの、豚脂ではなく鶏油をメインに組んだら大化けしそうだったんですけどね。
具材
とりあえず及第点
冒頭で “がっつり具材” も「本気盛」の特徴と書きましたが、黒マー油鶏白湯の具材は援護射撃的な 小さい鶏挽肉にメンマ、ネギとなっていて、ちょっとブランドの特性を思うと物足りない印象。斜め切りのネギと歯応えの強いメンマは単純に美味しかったのですが、良くも悪くもインスタント感の強い味付鶏挽肉は可もなく不可もなし。
もちろん安定の東洋水産クオリティなので、おいしくないわけではないですし、ある意味なまじ本格的な具材(味付鶏だんご等)を使わなかったのは正解だったのかもしれないけれど、あまり印象に残るラインナップではありませんでした。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
まず結論として「おいしい」か「まずい」かでいえば前者なのですが、今回の鶏白湯×黒マー油が革命的な組み合わせなのかといわれると、もう一捻りほしいのが本音。たとえばスープの項目でも触れたように、豚脂ベースの黒マー油ではなく鶏油(ちーゆ)に焦がしニンニクを混ぜていたら、大幅に印象は変わっていたと思います。
縦型ビッグの麺は70gとなっていることも多いのですが、きちんと「本気盛」らしく80g入っていて、なおかつクオリティも先進的。ある意味これはこれと割り切ればジャンクで食べ応えのある美味しい一杯ではあるものの、まだ伸び代があるジャンルだと感じました。とりあえず「味噌」「鶏白湯」と変わり種が続いたので、次は王道の「黒マー油豚骨」が来るかもしれません。