どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月5日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 極屋 豚骨醤油ラーメン」と「マルちゃん 極屋 ゆず香る塩ラーメン」のW実食レビューです。
マルちゃん×セブン&アイ限定商品の格安カップ麺「極屋(きわみや)」シリーズ始動!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん 極屋 豚骨醤油×ゆず香る塩
「マルちゃん 極屋」とは、セブン&アイグループの新たな開発商品で、読み方は “ごくや” や “きょくや” ではなく「きわみや」。東洋水産からもセブン&アイグループからも事前の告知はなく、容器のサイズは “微妙な大盛り”(ミドルサイズ)で、「豚骨醤油ラーメン」と「ゆず香る塩ラーメン」2つのフレーバーが同時に発売されました。
容器のサイズは縦108mm×横108mm×高さ106〜108mm、同社の「QTTA」(縦102mm×横102mm×高さ109mm)よりも微妙に背が低く、口径は縦型ビッグ(縦108mm×横108mm×高さ122mm)と同じ広さ。その縦型ビッグ容器を1.5cmほど縮めたような形状になるのですが、「ゆず香る塩」のほうが1mmほど高く、微妙に型紙が足りてない状態です(※後で理由が判明します)。
男らしいというか可愛らしいというか、「本気盛(マジモリ)」の弟分みたいな雰囲気で、 “ずんぐりむっくり” した愛嬌のあるサイズ。それに材質もプラ容器に蛇腹の型紙が巻きつけてある最近のマルちゃん縦型ビッグと同じで、容器の底にある特徴的な模様も一致するのですが、ちょっと女性の方には持ちにくいかもしれません。
そのような容器の形状からも男性ユーザーを意識して開発されたと思われる今回、「極屋 豚骨醤油ラーメン」は、 “ポークエキスをベースに、ガーリックを利かせたコクのある豚骨醤油スープ” が特徴。対する「極屋 ゆず香る塩ラーメン」は、 “チキンエキスをベースに、ゆずの風味を加えて特徴づけた、あっさりした塩味スープ” とのこと。
東洋水産に販売ルートを尋ねてみたところ、セブン&アイのIY(アイワイ)グループ専用商品、つまりセブン&アイ系列の “スーパーマーケット専用商品” との回答でした。「IYグループ」とは、基本的に「イトーヨーカドー」(全国)や「ヨークベニマル」(福島県、宮城県、山形県、栃木県、茨城県)、「ヨークマート」(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)計3社のことを指します。
いずれもセブン&アイ・ホールディングスの子会社で、 “ハトのロゴマーク” が共通点。2005年にイトーヨーカドーからハトのマークが消え、ちょっと騒動になったこともあるのですが(※約12年ぶりとなる2017年に復活)、「イトーヨーカドー」は白・赤・青の組み合わせで、白は「誠実」、赤は「情熱」、青は「清潔」。
「ヨークマート」は色違いの白・赤・緑の組み合わせで、イトーヨーカドーと同じく白は「誠実」、赤は「情熱」、そして緑は「成長」の意味が込められているそうです。「ヨークベニマル」とは上下の色が違うだけなので、パッとマークだけ出されたら地元民もしくはマニアや業者じゃないと区別がつきません。と、それはさておきカップ麺の話に戻しましょう。
今回のカップラーメンはコンビニのセブンイレブンには売ってないのと、私の行動圏内には対象店舗が一軒もないので、オムニ7(イトーヨーカドーのネット通販サイト)を利用しました。本体価格は118円(税込127円)、激安商品ではないけれど、さすがスーパー限定 “格安” と言えるラインですし、オープン価格の廉価版よりも丁寧な作りに期待できそうですね。
開封
さて、まずは「豚骨醤油ラーメン」から開封です。具材はキャベツ、味付鶏挽肉、メンマ、ねぎ、そして多めに入っている白い “背脂加工品” が特徴的。商品名には書いてありませんが、背脂入りの豚骨醤油ラーメンがテーマで、この時点からニンニクの香りも強く、なかなか力強いファーストインプレッション。
対する「ゆず香る塩ラーメン」は、量よりもシンプルに単発のインパクトで満足感を与える少数精鋭型の具材構成で、麺を覆い隠すほどの具材量ではないけれど、大きな “味付鶏だんご(4個)” が特徴的。どちらもネギは大きめですが、ネギもメンマも「豚骨醤油」より多く、まだ柚子の香りは強くありません。
どちらも調理時間は熱湯3分で、別添の小袋は無し。特製油や特製スープが付いていないのは寂しいけれど、お湯を注ぐだけの簡便性は大きなメリットですし、なんといっても税込127円の格安カップ麺。ネット通販サイトのオムニ7は基本的に系列実店舗の販売価格(最高値)と連動しているため、店頭でこの価格より安くなることはあっても高くなることはないでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 極屋 豚骨醤油ラーメン / ゆず香る塩ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:87g(めん70g)/ 79(めん70g) 商品コード:4901990364041 / 4901990364065(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ106〜108mm 発売日:2019年08月05日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ミドル 容器材質:紙+プラ 湯量目安:370ml / 390ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【マルちゃん 極屋 豚骨醤油ラーメン】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(ポークエキス、食塩、しょうゆ、香辛料、発酵調味料、酵母エキス、植物油)、かやく(キャベツ、味付鶏挽肉、背脂加工品、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【マルちゃん 極屋 ゆず香る塩ラーメン】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(チキンエキス、食塩、香辛料、しょうゆ、たん白加水分解物、植物油)、かやく(味付鶏肉だんご、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉) |
実食開始
調理前から光沢のある洗練された見た目の油揚げ麺は、マルちゃんが誇る “新世代系フライ麺” の特徴で、若干ながら「ゆず香る塩」のほうが太めでしょうか。そして、上記の写真中央に注目してください。ちょうどフタのフチひとつ分「ゆず香る塩」(向かって右側)が高くなっているように、実は今回「必要なお湯の目安量」が “違う” というのが興味深いポイント。
「豚骨醤油ラーメン」の湯量目安は370ml、対する「ゆず香る塩ラーメン」は390ml。その微妙な湯量を調節するために容器を使い分けているので、それぞれ容器のタッパに若干の差が生じているのですが、これって地味にスゴいことですよ。かなりマニアックな違いで、東洋水産の強いこだわりを感じました。
それに容器は大盛りサイズ(縦型ビッグ)よりも短いけれど、麺は70gと縦型ビッグの麺量に匹敵する大盛りで、具材にも廉価版らしさはありません。これ、ほんとに税込127円でいいのでしょうか——それでは、コストパフォーマンスの高さに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
【豚骨醤油ラーメン / ゆず香る塩ラーメン】
栄養成分表示:1食(87g / 79g)当たり カロリー:379kcal / 350kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:379kcal / 350kcal(めん・かやく:310kcal / 311kcal)(スープ:69kcal / 39kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
やや比較的に「豚骨醤油」のほうが縮れを控えめに感じたのですが、しっとりとした口当たりと強靭なコシが素晴らしく、ノンフライ麺にも引けを取らない完成度。このクオリティはメーカー希望小売価格220円(税別)以上、かつ本格さが重要な有名店監修のカップ麺(縦型ビッグ)に使われる麺と遜色のないレベルです。なのに実売価格は税込127円‥‥マルちゃん大丈夫か?(※たぶん赤字覚悟)
さらに油揚げ麺特有のネガティブな風味は控えめなので、どちらのスープにも問題なくフィットするフレキシビリティーの高さも素晴らしい反面、熱湯3分だとパキッとした部分が残るため、この麺が持つポテンシャルを最大限に引き出すためには「熱湯4分〜4分30秒」程度必要です。それから若干「ゆず香る塩」のほうが強めに縮れていて、わずかに厚みがあるように感じました。
どうしても撮影していたら麺が伸びてしまうので、上記の感想は一通りの撮影が終わってから再び実食して書いたものになるのですが、20分以上経過した柔らかめの状態でも一定のコシと弾力をキープ、さらに税込127円で内容量めん70gという驚異的なコストパフォーマンスの高さ。これはいけませんね‥‥まったく値段の釣り合いが取れていないため、市場の価格破壊に懸念を覚えるレベルです。
スープ
たとえば「豚骨醤油」のスープを同社のブランドに例えると、こってりした「やみつき屋」系統の組み方で、ガツンとニンニクが効いた背脂入りの濃厚豚骨醤油スープにはジャンクな中毒性あり。そしてスープのポークエキスや具材の背脂加工品・味付鶏挽肉などによる効果でしょうか——別添の小袋は入っていないのに、スープの表面には適度にアブラが浮いていて、こってり感も楽しめます。
味のバランスは醤油のエッジを抑えつつ、かわりにニンニクの攻撃性にキレを任せ、まったりとした豚骨の乳化感が全体を包んでいる豚骨重視の実力派。かなり原材料は簡素な構成となっているのですが、素材を厳選して磨き上げているようなシンプルで無駄のない作りなので、まったく物足りなさはありません。
反面、「ゆず香る塩」のスープにコッテリの要素は少なく、すっきり・あっさりとした淡麗系のテイスト。それでいて鶏の出汁(だし)は深く芳醇で、余計な雑味と濁りが出ない低温で丸鶏から旨味を抽出しているような、とても上品な作り込み。そこにスッ‥‥と柚子が香る、こちらは「謹製(きんせい)」系統の慎ましい味わいです。
柚子の “味は控えめ” だったので、おそらく柚子皮や果汁ではなく香料で演出しているものと思われますが、ちゃんと “ゆず香る” を体現。麺は油揚げ麺でも特有の風味がスープに干渉しにくいタイプなので、「こってり」「すっきり」どちらのスープも味がボヤけることなく肩を並べてハイレベル。どっち味にしようか悩んだ時は、単純に好みと気分で決めちゃって問題ありません。
具材
「豚骨醤油」の具材は基本的にキャベツが多め、やや味付鶏挽肉は少なめ、ネギとメンマは標準的な量ですが、真上の写真には入る余地のなかった背脂加工品も実に効果的で、スープのコクを格段に深めています。これまでバディの調味油がなかった場合、背脂加工品は半分程度の力しか出せないヤツだと思っていたのですが、なんのこれしき今回の具材ではキャベツに匹敵する存在感でした。
そのキャベツはニンニクの効いた中毒性の高い豚骨醤油スープと相性抜群で、ザクザクと食べ応えがあり、メンマのコリコリとした食感と特有の風味も箸休めに嬉しいアクセント。それに量は多くなかった小さめの味付鶏挽肉が無意識に飛び込んできて、何気に旨味をブーストしてくれる名サポーターという構成から、値段以上の満足感が得られます。
そんなバラエティに富んだ「豚骨醤油」と対極を歩む「ゆず香る塩」の具材は味付鶏肉だんご、メンマ、ネギとシンプルな構成で、ネギとメンマは共通の具材。そして今回が初めての具材ではないけれど、やはり味付鶏肉だんごの存在感が凄まじく、ちょっと濃いめの味付けで食べ応えあり。メンマもネギも淡麗系の柚子しおスープと相性が良く、量より質で点数を稼いでくれました。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
「極屋 豚骨醤油ラーメン」は “やみつき屋” シリーズを軸に開発、「ゆず香る塩ラーメン」は “謹製” シリーズを軸に開発しているような印象で、ちょっと丈は短いけれど、麺の量は大盛り70g。もし希望小売価格が税別220円でも納得できるほど高品質なのに、実際は税込127円という末恐ろしい新作でした。そして、どちらも同じくらいコストパフォーマンスの高い素晴らしいカップ麺です。
そして2019年8月10日は「ハト」のロゴマークに因み、8と10を「ハ(8)ト(10)」と読む語呂合わせから制定された「イトーヨーカドーの日」ということで、8月10日〜13日の期間中、全店あげて「ヨーカドー夏祭り 2019」を開催予定とのこと。男性の方にも主婦の方にもオススメできる仕上がりだったので、もし足を運ぶ機会があれば今回のカップ麺も一緒にチェックしてみてください。