どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月31日(月)新発売、セブンイレブン限定のカップ麺「ニュータッチ 極麺処 横浜 家系豚骨醤油」の実食レビューです。
凄麺ご当地シリーズを超える最強のラーメン!? 何の前触れもなくセブンイレブンに現れた高級志向のカップめん「極麺処」と製造者が同じ「凄麺」の “家系” を比較してみた結果‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
極麺処 横浜 家系豚骨醤油
極麺処(きわみめんどころ)とは、突如としてセブンイレブンの店舗に並び始めた数量限定のカップラーメンで、製造者はニュータッチのブランドを展開しているヤマダイ株式会社。パッケージには “ご当地の旨さ” という訴求があり、なおかつノンフライの太麺を使用していることから、ニュータッチを代表する凄麺(すごめん)の人気定番商品「ご当地シリーズ」がベースとみて間違いありません。
このページでレビューする「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」は、横浜を発祥とする家系ラーメンの味わいを再現した商品で、同日に「極麺処 札幌 濃厚味噌*」と合わせて市場に投下。後者は既存の「凄麺 札幌味噌ラーメン」と明らかに異なる仕様だったのに対し、こちらは2022年12月現在も販売されている「凄麺 横浜とんこつ家」との共通点が多そうだったので、何が違うのか比較することにしました。
あらためまして「凄麺」とは、2001年(平成13年)10月29日に発売された「これが煮玉子らーめん」を皮切りに、ヤマダイ独自の特許製法を用いたノンフライ麺を特徴とするブランドで、ブランド名にもなっている麺のクオリティもはもちろん、2022年12月現在は全25種のフレーバーを展開している「ご当地シリーズ」や「逸品シリーズ」「期間限定」など、豊富なバリエーションも人気の秘訣。
凄麺(すごめん)という名前の由来は、2019年3月21日に現役を引退し、現在はシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めている鈴木一朗(イチロー)その人で、ヤマダイが「これが煮玉子らーめん」を開発していた2000年(平成12年)当時、メジャーリーグ(MLB)への移籍を果たしたイチロー選手の活躍を “凄い” と賞賛する人々の声にヒントを得て命名されました。
そんな凄麺に初めて「横浜とんこつ家」が加わったのは、現在を遡ること17年以上、2005年(平成17年)9月12日の話。そのため詳細な資料は少ないのですが、定期的にリニューアルを繰り返し、定番商品としての確固たる地位を築き上げ、現在の市場に出回っている「凄麺 横浜とんこつ家」は “2022年10月10日にリニューアルした16代目” に該当します。
まだ最終のリニューアルから日が浅いため、15代目(2019年9月2日発売品)を陳列している店舗もありますが、栄養成分表示や天面に記載されているカロリーが “371kcal” となっているのが現時点での最新版(ちなみに15代目は377kcal)。さらに最新版のパッケージには、天面の右上に “食べ応え満点の極太麺” の訴求と麺リフトの写真を配しているため、すぐに見分けが付くでしょう。
話を「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」に戻しまして‥‥前述のように「凄麺 横浜とんこつ家」の流れを汲んだ商品であることは間違いないのですが、大きく異なるのが販売価格。凄麺のメーカー希望小売価格は242円(税別)に設定されているのに対し、セブンイレブン限定の「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」は328円(税込354円)で販売されているため、数あるカップラーメンの中でもハイエンドクラス。
ちなみに同時発売品の「札幌 濃厚味噌」にはレトルトタイプの肉味噌を別添していたので、販売価格は358円(税込386円)と「横浜 家系豚骨醤油」よりも高かったんですけど、いずれにせよカップラーメンの中では高級品。というわけで、ここから先は定番の「凄麺 横浜とんこつ家」とセブンイレブン限定&数量限定販売の「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」を比較しながら違いや共通点を解説します。
* 凄麺の “札幌” とは別物? セブンイレブン限定の高級カップ麺【極麺処】札幌「濃厚味噌」を食べてみた結果‥‥
開封
定番の「凄麺 横浜とんこつ家」に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「焼のり」の計3種。液体スープの小袋はズッシリと重く、焼き海苔は大判の六切りサイズが3枚入りで、かやくのホウレンソウがFD(フリーズドライ)ブロックなのも嬉しいポイント。
片や「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「焼のり」の計4種で、凄麺には入っていない粉末スープを追加。おそらく焼き海苔は共通で、一見して明白にネギの形状が変わり、ちょっと画像では分かりにくいのですが、ノンフライ麺のブロックも形状が違います(凄麺は表面が真っ平)。
定番の凄麺ご当地シリーズは、基本的にスーパーやドラッグストアなどをメインの販売店に据え、全国のコンビニに並ぶタイミングといえば “○○フェア” などの催事が開催されたときくらい。そのため凄麺の販売価格は税込215円〜230円前後が相場になると思うのですが、極麺処はセブン&アイグループの中でもコンビニのセブンイレブン限定=税込354円確定なので、それ相応の差別化に期待したいところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 極麺処 横浜 家系豚骨醤油 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:138g(めん65g) 商品コード:4903088016078(JAN) |
発売日:2022年10月31日(月) 実食日:2022年12月04日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:328円(税別) 購入価格:354円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(粉末スープ・かやく・液体スープ・焼のり) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】スープ(しょうゆ、動物油脂、ポークエキス、糖類、食塩、ニンニクペースト、香辛料)(国内製造)、めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、かやく(味付豚肉、焼のり、ホウレンソウ、ねぎ、糖類、デキストリン、でん粉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香料、酒精、乳化剤、カラメル色素、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、リン酸Ca、クチナシ色素、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。 |
実食開始
『凄麺 横浜とんこつ家』栄養成分表示[1食(117g)あたり]カロリー 371kcal、たんぱく質 11.8g、脂質 9.6g、炭水化物 59.4g、食塩相当量 5.6g(めん・かやく 1.1g / スープ 4.5g) |
さて、まずは「凄麺 横浜とんこつ家」の調理直後。うずらの卵はトッピングされていませんが、スープは直系よりも亜流に近い色合いで、家系に必須の鶏油(ちーゆ)も極端に主張してくることはありません。ただ、家系に必須のホウレンソウは漏れなく押さえていることに加え、動物系の香りは明確かつ大きな海苔が印象的。
『極麺処 横浜 家系豚骨醤油』栄養成分表示[1食(138g)あたり]カロリー 505kcal、たんぱく質 11.5g、脂質 21.2g、炭水化物 67.1g、食塩相当量 7.4g(めん・かやく 1.6g / スープ 5.8g) |
片や「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」の調理後は‥‥ええ、もはや別物。海苔は既存の「凄麺 横浜とんこつ家」と同じサイズになりますが、味付豚肉は一回り以上大きくなり、スープの色合いは明らかに濃く、その表面には湯気が立たないほどのオイルが浮かぶなど、たしかな違いを実感しました。
さらにカロリーの数値は凄麺(371kcal)よりも高い505kcalを記録し、脂質も凄麺(9.6g)と比較して倍以上となる21.2gに達していました。というわけで、引き続き「極麺処」と「凄麺」の違いや共通点に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
めん
明らかに「凄麺」と厚みが違う
家系ラーメンの発祥は、1974年(昭和49年)の創業以来、現在は神奈川県横浜市で営業している家系総本山「吉村家(よしむらや)」で、そこでは酒井製麺謹製の短く切り出されたストレート麺を使用していることから、その系譜に連なる直系店も酒井製麺と提携する傾向があります。対して「凄麺」のノンフライ麺は再現度を高く評価できない質感と形状になりますが、強めの歯応えが食べ応えに寄与。
「極麺処」に使われているノンフライ麺も「凄麺」の流れを汲んでいるため、形状や質感の再現度は低いと評価せざるを得ないものの、比較して明らかに厚みのある形状で、もっちりとした粘りの強さよりも中心部までギューッ、と詰まっているような密度の高さが印象的。家系らしい麺ではないけれど、後述するスープとの相性は悪くありません。
どちらも調理前の麺重量は共通の65gで、しかしながら明らかに「凄麺」よりも「極麺処」のほうが厚みのある形状から、食べ応えについては後者に軍配です。ちなみに熱湯3〜4分で無理やり解すことも可能ですけど、それだと麺のポテンシャルを適切に発揮させられないため、最短でも5分は守ってください。
※ちなみに「極麺処」の原材料名に “国内製造” の文字がないのは、重量割合上位1位の原材料について原料原産地の表示が必要になる、という食品表示法の関係で、おそらく使用している小麦粉は国内製造だと思います。
スープ
そもそもの方向性からして違う
「凄麺 横浜とんこつ家」のスープは、前述の「吉村家」を意識しているのではなく、いわゆる亜流の代表格といっても過言ではない「壱六家」ほどではないけれど、比較的に乳白色が強い見た目通り醤油感は控えめで、それよりも豚骨に比重を置いた “分家” のスープをモデルにしつつ、さらに万人受けするようにデフォルメしたイメージ。
まろやかな豚骨の旨みを軸に、醤油感は控えめでも食塩のキレは鋭く、ペースト状の生姜とニンニクでパンチを加えているのですが、家系といえばの鶏油は特筆するほど強くありません。動物系の香りは芳醇なんですけど、食用風味油を巧みに使い、それっぽい香りに近付けようとした骨組みです。
対して「極麺処」の粉末スープにはトロミ成分が含まれているため、そこはナチュラルではありません。しかし、前述の「凄麺」と比較して明らかに醤油の色合いが強く、実際の味わいも然り。どちらかといえば家系総本山のスープを意識しているような印象で、醤油の存在感はもちろん、アブラの量も圧倒的。食用風味油も使っていないため、オイル成分は100%動物系というのも気合を感じるポイント。
とろみの加減に加え、舌に残る糖類の人工的な甘さが気になるところではあるものの、あきらかに「凄麺 横浜とんこつ家」よりも家系らしい味わいに、値段相応の差を体感しました。ちなみに余談ですけど “スープの原材料名がシンプルなほど本格的な味わいの商品が多い” というのが持論です(もちろん例外もありますがw)
かやく
かやくもワンランクUP
「凄麺」の丸い味付豚肉は可もなく不可もなしのサイズではあるものの、けっこう濃いめの味付けで、見た目以上の存在感。原材料の “糖類、デキストリン、でん粉” は、ホウレンソウをフリーズドライ化するのに必要な成分で、乾燥具材にしてはホウレンソウらしい風味が楽しめます。ネギはエアドライなので、特筆すべき個性はないけれど、六切りの海苔が3枚は迫力あってイイですね。
片や「極麺処」にも同じ六切りの海苔を3枚別添しているのですが、熱風乾燥のネギは凍結乾燥(FD)の斜め切りに変更し、丸い味付豚肉もサイズアップ。でもってホウレンソウの量も若干ながら増えていたので、そこにも「凄麺」との差別化に繋がっていました。
総評
家系らしさでいえば、2022年6月28日にリリースされたローソン名店シリーズのカップ麺「明星 家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン」のほうが本格的なので、ごりごりの武闘派ではありません。しかし、凄麺ならではの個性は見どころ。
値段が値段なので、ちょっと総評から差し引いた部分もありますけど、凄麺ご当地シリーズ「横浜とんこつ家」の流れを汲みながらも別物に近い部分には得るものがありました。再入荷しているセブンイレブン店舗もあったので、興味のある方は終売前に食べ比べてみてください【author・taka :a(大石敬之)】