どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月7日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 謹製 山椒香る塩焼そば」の実食レビューです。
およそ4年ぶりに復活を果たした「謹製(きんせい)」シリーズから “湯戻し1分” の塩焼そば新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
謹製 山椒香る塩焼そば
「謹製」とは、丁寧に “謹”(つつし)んで “製” 造すること——これまで定期的に新作が開発されていたマルちゃんの謹製シリーズですが、2015年5月4日発売「マルちゃん 謹製 辛ダレ鶏しお」を境に新作のリリースが途絶え、2019年4月15日発売「謹製 山椒香る塩そば」から再始動。今回その続編として、カップ焼そばバージョン的な新商品が発売されました。
テーマは旨味の中に「華やかな山椒」の風味が利いた塩焼そば、ブランドロゴの “謹製” はもちろん、山椒の葉と実を模した背景のデザインやタイトルの筆字、全体のカラーリングなど、まさに前回の「謹製 山椒香る塩そば」を焼きそばに落とし込んでいるような雰囲気で、特製カップスープ付きの大盛サイズ。
2001年1月に発売された「謹製 鶏だし水炊き風うどん レトルト鶏肉入り」や2001年前期発売「謹製 豚コク 味噌ラーメン」など、18年以上も前からカップに「謹製」とデザインされた商品が発売されていたのですが、正式な商品名として東洋水産が採用し始めたのは2001年8月6日発売「謹製 濃厚白濁とんこつラーメン」以降の話。
それから約14年、前述した「謹製 辛ダレ鶏しお」まで定期的に新商品が開発されていたのですが、しばらく休止期間を挟み、今年4月15日に再始動。今回はジャンルをカップ焼そばに切り替え、しかも「湯戻し1分」の極細麺に「特製カップスープ付」の「塩焼そば」という、バリバリのマルちゃんカラーで刷新後2度目の新商品が登場しました。
湯戻し1分の極細麺といえば、同社の製造する定番商品「俺の塩」が思い浮かんだ方も多いでしょう。2019年6月3日のリニューアルにより、長年「俺の塩」を支えてくれていた名脇役の “貝柱風かまぼこ” がカットされてしまいましたが、 “世界初のカップ塩焼そば” として1997年(平成9年)7月から販売されているロングセラーブランドです。
そしてスープ付きのカップ焼そばといえば、北海道限定「やきそば弁当」や東北・信越地域限定「焼そばバゴォーン(BAGOOOON)」など、最近では2019年9月発売の「珍々亭 油そば」にも別添されていた特製カップスープが記憶に新しく、まさに今回の「謹製 山椒香る塩焼そば」は東洋水産ならではの魅力と歴史が詰まっている新商品と言っても過言ではありません。
前回のカップラーメン版は、同社の「本気盛(マジモリ)」と同じタテ型ビッグ容器を採用したもので、しかしながら麺は数年前のマルちゃん縦型ビッグとは完全に別物。しなやかで慎ましく、それでいてコシの強い最近の新世代系フライ麺を採用し、具材には大きな鶏肉団子を入れて、「謹製」シリーズは “女性層やアッサリ系を好むユーザー” を意識したブランドに刷新されました。
それは “淡麗系カップ麺の革命” と言っても過言ではない出来栄えで、今回の商品コンセプトも “食べて「クセになる」あっさり・すっきり味” という前回と同じ内容から、思わず期待が高まります(※カップラーメン版の詳細につきましては、「マルちゃん 謹製 山椒香る塩そば」の記事をご参考ください)。
開封
別添の小袋は、「粉末ソース」「特製油」「かやく」「特製カップスープ」の豪華4袋構成で、特製カップスープを作るのに別の容器が必要です。調理方法や小袋にも書いてありますが、以前に特製カップスープを “カップ麺に入れてしまった” 事例を何度か耳にしているので、いまいちど調理の前に確認してください。
メーカー希望小売価格は税抜220円、コンビニで購入した場合(※イートインスペースでの飲食を除く軽減税率8%)の税込価格は232円。東洋水産のニュースリリースには今回も “女性層” を意識して開発した旨が記載されているのですが、麺量130gの「大盛り」なので、およそ一般的なカップ焼そばの1.5倍なので、ちょっと女性向けではないかもしれません。
やや「俺の塩(2019年リニューアル版)」よりも太めに見えますが、おそらく基本は同じ油揚げ麺で、熱湯60秒のスピード調理が可能。コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ミニストップ」での販売を確認。他、スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなども販売店に登録されています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 謹製 山椒香る塩焼そば 販売者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(M1)群馬県館林市赤生田本町3831-1 内容量:150g(めん130g) 商品コード:4901990364256(JANコード) 商品サイズ:177縦mm×横177mm×高さ68mm 発売日:2019年10月7日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛カップ焼そば 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:焼そば 720ml / スープ 150ml 調理時間:熱湯1分 小袋構成:4袋(粉末ソース・特製油・かやく・特製カップスープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、卵白)、ソース(植物油、粉末野菜、チキンエキス、鶏脂、砂糖、香辛料(山椒、ガーリックパウダー、こしょう、唐辛子)、しょうゆ、食塩、こんぶエキス、チキン風味パウダー)、かやく(味付豚肉、ねぎ)、スープ(食塩、チキンエキス、魚介エキス、しょうゆ、砂糖、野菜エキス、たん白加水分解物、ねぎ、植物油、香辛料(こしょう))/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、カラメル色素、香料、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、その中に入っているのは味付豚肉とネギという実にシンプルな内容なんですが、この味付豚肉はマルちゃんが誇るリアル系の豚肉で、開封直後から醤油と砂糖の甘辛い香りで食欲を刺激。必要なお湯の目安量は “カップ麺だけで720ml” と多く、通常のカップラーメンを作る時よりも多めに熱湯を沸かしておく必要があります。
特製カップスープは別の容器に入れて調理しなければいけないので、さらに150mlの熱湯(合計870ml)が必要になるのですが、「やきそば弁当」や「焼そばバゴォーン」の作り方に倣い、湯切り時の戻し湯を利用するのも手ですね。とりあえず調理ミスを防ぐために、あらかじめ特製カップスープを別の容器に開封しておきましょう。
あとはカップ麺の本体に熱湯を注いで1分待機、湯切り後は “先に特製油を入れて軽く混ぜ、それから粉末ソースを入れて” よく混ぜ合わせてください。さて、思いのほかジャンクな香りが漂っている実食前の現在、山椒の痺れにも注目しつつ、「めん」「ソース」「具材・特製カップスープ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(153g)当たり
カロリー:745kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
レギュラーサイズの「俺の塩」に使われている湯戻し1分の極細麺[製造所:関西工場(M8)兵庫県神戸市西区見津が丘6-8]と比較して、今回の「山椒香る塩焼そば」[製造所:関東工場(M1)群馬県館林市赤生田本町3831-1]は若干ながら太めに切り出しているように感じるのですが、麺の原材料名は一致しますし、中の人(東洋水産)曰く “基本的に熱湯1分の麺は「俺の塩」と同じ麺” とのこと。
断面の丸い極細麺で、かなり縮れは強く、粉末ソースをガッチリとキャッチ。レギュラーサイズ(めん100g)よりも麺の量が多い分、熱湯の浸透率も変わってくるため、やや中心部に芯を残す硬めの食感に仕上がるのも大盛りバージョンの特徴になるのですが、もちろん熱湯1分で適切に食べられます。
精製ラード特有の芳ばしい風味も強いので、カップラーメン版のように繊細な麺ではないけれど、単純に今回のスパイシーな粉末ソースとの相性は悪くありません。ソースは粉末ソースが主体なのと、やや後半もさっと口の中が乾いてくるのですが、特製カップスープのおかげでテンポよく食べられました。
特製油・粉末ソース
先に馴染ませる特製油は “謹製” のイメージにピッタリな黄金色で、植物性のオイルが主体となっているのですが、その中に鶏油(チーユ)もブレンド。そこまで鶏油の芳ばしさが強くないけれど、実は特製油の中にも山椒オイル系のアクセントが仕込んであり、粉末ソースを投入する前から山椒の香りが漂います。
一方、粉末ソースは思いのほかジャンクな味付けで、おそらく原材料の粉末野菜は “ポテト” が主体。さらにガーリックパウダーのアクセントも強く、山椒・黒胡椒・赤唐辛子が旨味を引き立ててくれるのですが、どちらかというと洋風の味付けから「QTTA」の変わり種(粉末ポテトを多様)と「ごつ盛り 塩焼そば」から派生したようなイメージ。
山椒は明白でも痺れは弱く、逆に塩気はキレがあって、黒胡椒と赤唐辛子のスパイシーなアクセント、さらに強めのガーリックパウダーによるジャンクなテイストと芳ばしい極細麺の相性は悪くありません。後半は粉末ポテトで味がボヤけてくるのと、あっさり大人の味もしくは女性向けかと聞かれた場合の答えは両方とも “いいえ” になりますが、ジャンクなカップ焼そば的には悪くないと思います。
具材・特製カップスープ
ネギは取り立てて書くことがない汎用のネギで、廉価版の粉砕型、とんこつラーメン用に使われる歯触りの弱い小葱、適度に歯触りの強い小葱、大ぶりの斜め切りと何種類かあるネギの中で、今回は中庸的な適度に歯触りの強い小葱を使用(※特製カップスープのネギは粉砕型)。
豚肉は毎度お馴染みハイクオリティな味付豚肉で、湯戻し1分だと赤身の分厚い部分は硬めに仕上がりますが、意外と問題なく食べられます。脂身の部分は湯戻し1分で難なく戻りますし、赤身の部分は湯戻し時間が短い分、いつもより味が濃いめで食べ応えがありました。
さて、調理方法には記載されていませんが、東洋水産のニュースリリース(商品特徴)には “戻し湯で作るチキンスープ(ねぎ入り)付” との解説があり、写真の向かって左は熱湯で調理したスープ、右は戻し湯で調理したスープと2つに分けて飲み比べてみました。味は‥‥そうですね、要約すると “わかめの入ってない” わかめスープ(?)みたいな。旨味は化調が強めで、わかめを入れたくなる中華風の味。
「珍々亭 油そば(2019)」の特製カップスープは戻し湯で作ったほうが美味しかったのですが、今回のスープは明らかに醤油が控えめで、あっさりとしたテイスト。それだけに「謹製 山椒香る塩焼そば」との相性はよかった反面、特別に美味しいかと言われたらクオリティは可も無く不可も無しで、戻し湯で作ったスープは具材から滲み出る豚肉の臭みが気になるところ——
ただ、もし乾燥わかめを入れるなら右!! と思ったので、あっさり食べたい方は戻し湯ではなく熱湯を使用、わかめスープにアレンジするなら戻し湯を使用するのがいいかもしれません。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
夏場に需要のピークを迎え、秋〜冬になると極端に需要が下がるカップ焼そば市場。その打開策になる特製カップスープ付きというのは素晴らしいアイディアでしたが、謹製=上品で洗練された大人の味——みたいなイメージで食べ始めると、ジャンクな粉末ソースが安っぽくて、大人の味とは真逆を行くインスタント感の強い構成にギャップを感じました。
また、麺量130gの大盛り油揚げ麺に粉末ポテトの重量感で食べ応えがあった反面、そのポテトが味をボヤけさせてしまう要因に‥‥すくなくとも今後「謹製」シリーズは、量より質の高級感を追求したほうがいいかもしれません。というブランドのイメージとソースの方向性が喧嘩していただけなので、単純に味としては悪くないと思います。