どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年3月27日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「鶏肉盛りの黄色い博多ラーメン」の実食レビューです。
マルちゃんの「黄色い博多」シリーズ史上初 “1食あたり20gの蛋白質が摂取できる” たんぱく質たっぷりのカップ博多とんこつラーメン新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
鶏肉盛りの黄色い博多ラーメン
黄色い博多(きいろいはかた)ラーメンとは、東洋水産の代名詞といっても過言ではない「赤いきつねうどん」や「緑のたぬき天そば」「黒い豚カレーうどん」「白い力もちうどん」などが在籍しているマルちゃんの和風丼カップ麺シリーズ(旧「和風麺・色シリーズ」)第3弾として開発されたフレーバーで、初代の発売は現在を遡ること40年以上、1982年(昭和57年)8月の話。
「赤いきつね」と「緑のたぬき」に次ぐ記念すべき第3の色でありながら、その発売当初より九州エリア限定かつ生産数量・販売期間限定のスポット商品で、1987年(昭和62年)1月に満を持す全国デビューを飾ったこともありますが、現存するレギュラー商品としての「黄色い博多」はミニサイズのバラエティパックに含まれる「黄色いまめ博多ラーメン(まめとんこつ博多ラーメン)」のみとなっています。
そのため知る人ぞ知る味といっても過言ではない「黄色い博多」なんですけれども、2014年(平成26年)3月3日にギュラーサイズの「黄色い博多ラーメン」が期間限定で復活を果たすや否や、不定期で標準どんぶり型の「黄色い博多ラーメン」をリリースしつつ、コンビニ向けの縦型BIGタイプや湯切り専用の「黄色い博多焼ラーメン」なども展開しているため、ある程度は認知されてきたでしょうか。
しかし、今回の新作「鶏肉盛りの黄色い博多ラーメン」は、黄色い博多シリーズ史上初となる “たんぱく質たっぷり” をコンセプトにしたハイプロテイン仕様のカップラーメンで、たんぱく質の量は1食あたり20gとのこと。数年前からFORICA(ホリカフーズ)と腎臓病食としてのカップ麺(減塩&低たんぱく質&カリウム・リン制限)を販売している東洋水産ですが、その逆を行く製品は前例がありません。
即席カップめん業界における高たんぱく製品といえば、2021年(令和3年)4月5日に “国内初のたんぱく質強化カップ麺” として日清食品がリリースした「カップヌードルPRO(プロ)高たんぱく&低糖質」及び「同 シーフードヌードル」が台頭で、翌年3月21日に第3のPRO「同 チリトマトヌードル」を市場に投下。
拡大加速が止まらないプロテイン(たんぱく質)市場の盛り上がりも追い風になり、日清食品の「カップヌードルPRO」は瞬く間に確固たるポジションを築き上げたのですが、2023年3月27日に同グループの子会社である明星食品が “おいしさ・PFCバランス・高たんぱく質・たっぷり食物繊維” を兼ね備えた「明星 ロカボNOODLES おいしさプラス」3品を発売したことで日清食品の牙城が崩れそうな展開。
さらに、明星食品の「ロカボNOODLESおいしさプラス」と同じタイミングで東洋水産が「鶏肉盛りの黄色い博多ラーメン」を発売しているため、もはや見過ごせないレベルで即席カップめん業界でも “たんぱく質” の重要性が注目されている現在。やはりカップ麺といえば漠然と不健康なイメージで敬遠されがちな加工食品なので、もはや市場規模で健康的な意識を高めたいとの思惑もあるのでしょう。
ただ、現段階で注目しておきたいのは東洋水産のポジションで、日清食品と明星食品の高たんぱく製品はプラス○○の付加価値を盛り込んでいるのに対し、東洋水産は “高たんぱく質だけに焦点を絞っている” こと。ひとつ前のページでレビューした同時発売品の「お揚げとお揚げのきつねそば」は、機能性製品・付加価値製品に有り勝ちな物足りなさは皆無に等しかったので、こちらも期待が高まります。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」2袋と「かやく」の計3パックで、パッケージでも “W(ダブル)粉末スープのコクのある豚骨味” と訴求されているように、ここも見どころの。2種の粉末スープは小袋の色が違うため、配合などを変えているのかもしれません。
麺は油で揚げたフライ麺で、博多とんこつラーメンといえばのストレート麺とは異なる形状になりますが、高たんぱく質という健康的な付加価値を備えつつ、カップラーメンならではのジャンクさも楽しめそうな雰囲気。製造ラインの関係か、茶色い味付鶏挽肉は最初から容器の中に入っている状態で、味付チキンダイスのみ個包装となっています。
ちなみに2023年3月現在「赤いきつねうどん」や「緑のたぬき天そば」のメーカー希望小売価格は214円(税別)となっているのですが、高たんぱく質を売りにした「鶏肉盛りの黄色い博多ラーメン」と「お揚げとお揚げのきつねそば」は230円(税別)と高めの設定になっているため、それも視野に入れて評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:鶏肉盛りの黄色い博多ラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:伊万里東洋株式会社(佐賀県伊万里市山代町楠久929-53) 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901990374200(JAN) |
発売日:2023年03月27日(月) 実食日:2023年03月29日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:230円(税別) 購入価格:192円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:360ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末スープ2袋・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、卵粉)、添付調味料(ポークエキス、コラーゲンペプチド、デキストリン、食塩、砂糖、香辛料、ごま、チキンエキス、粉末野菜、ねぎ、植物油)、かやく(味付チキンダイス、味付鶏挽肉)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、増粘多糖類、カラメル色素、かんすい、レシチン、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は3パックとも先入れで、あまりに粉末スープが多く、かやくのチキンダイスが隠れてしまったんですけど、それだけに濃厚な味わいに期待できそうな予感。でもって熱湯を注ぐ前に粉末スープの味を確認してみたところ、どちらも豚骨をベースにしていたのですが、青い小袋に入っている粉末スープのほうが少しカドを感じる味だったので、まったく同じ配合ではありませんでした。
後入れの小袋は別添されていないため、3つの小袋を麺の上にあけたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。おそらく高確率で部分的に粉末スープが残っていると思うので、溶け残りがないよう念入りに混ぜ合わせてください(お湯を注ぐ前に容器を小刻みに振って粉末スープを分散させておくと安心かも)。いやー、それにしても鶏肉のボリュームすごいですねw
ちなみに「お揚げとお揚げのきつねそば」は酒悦の房総工場(+M74)で製造されていたのですが、こちらの製造所固有記号は “+M11” となっているため、東洋水産グループの佐賀工場=伊万里東洋が製造した個体。伊万里東洋の麺は他の工場と仕上がりが異なるのですが、今回は比較対象が手元にないため、引き続きコストパフォーマンスと美味しさの両立に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:455kcal たん白質:20.2g 脂 質:20.2g 炭水化物:48.1g 食塩相当量:4.6g (めん・かやく:1.6g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:216mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:455kcal(めん・かやく:371kcal)(スープ:84kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
うーん、なんか違う
「黄色い博多ラーメン」といえば、丸刃で切り出された縮れ麺の印象が強いのに対し、今回は角刃で切り出された平打ち麺ということで、だいぶガラッとイメージチェンジ。揚げ油の風味は穏やかで、加水率は体感的に30%以下と低く、特に食べ始めは低加水麺ならではの歯切れ感が楽しめるのですが、これが「黄色い博多ラーメン」らしいかと聞かれたら返答に困るクオリティで‥‥
けっしてクオリティが低いわけではないんです。むしろ逆に洗練されているというか、上品すぎる仕上がりで、古き良きインスタント感が鳴りを潜めているようなイメージ。めん単体としてのクオリティを評価するのであれば、もう一つ星をプラスしてもいいかなと思いつつ、このあたりは好みと経験値(思い出補正)や期待値の問題でしょうか。
ひとまず「黄色い博多ラーメン」とは別物と割り切った上で再び向き合ってみたのですが、麺の内部に発生する気泡が少ない質感が故に、スープとの一体感が可も無く不可も無しだったので、やっぱり丸断面の細麺を合わせるべきだったかもしれません。ちなみに “伊万里東洋の麺は他の工場と仕上がりが異なる” と前述したのは、この洗練さなんですよね。
スープ
ふつうにおいしい
粉末スープの量が驚くほど多かったので、さぞかし味が濃いのかと思いきや、意外と常識的。タイトルでは「鶏肉盛り」のワードで高たんぱく質のイメージを強めているのですが、たんぱく質の源泉は粉末スープに仕込まれている「コラーゲンペプチド」で、これは「お揚げとお揚げのきつねそば」と同じ手法。
とんこつエキスは「黄色い博多ラーメン」の流れを汲んでいるため、なんとも粉末的でチープな味わいなのですが、それこそが「黄色い博多ラーメン」の魅力。ただ、ほどよい獣臭が雰囲気を底上げしてくれる “特製油” の別添は省かれていたり、隠し味として効果的な “粉末煮干し” も不使用だったり、ちょいちょい飛び込んでくる “紅生姜” のアクセントもなかったり、重要な要素が欠落しています。
でも、それは「黄色い博多ラーメン」の味わいと比較しているからこその不満であって、それを片隅に置いておけば高たんぱく質でも “ふつうに美味しい” 豚骨スープでした(紅生姜ちょい足しアレンジで星5クラスに化けるかもしれない)。
かやく
マルちゃん頑張ったw
前述のように紅生姜は省かれていることに加え、このシリーズといえばのキクラゲも入っていませんが、たっぷりの味付チキンダイスは満足度が高く、噛めば噛むほど滲み出る旨みと胡麻油の風味で食べ応えはバッチリ。特に胡麻油の風味がバイプレイヤーで、わずかながら特製油不在の物足りなさを補ってくれます。
片や茶色い味付鶏挽肉はジャンクさが売りのアイテムで、本格さこそ皆無に等しいけれど、スープの雰囲気には合っていました。
総評
どうしても「黄色い博多ラーメン」のイメージと比較してしまったので、ちょいちょい厳しめに評価したことは認めます。それを抜きにしても特製油の有無だったり、ちょっとスープの味がピンボケ気味だったり、麺の仕様だったり、もうちょっと頑張ってほしい部分はありましたけど、かやくのチキンダイスに関してはメーカー希望小売価格を踏まえても文句なし。
塩分や糖質・脂質に対してネガティブな印象さえなければ、本文中でも触れた紅生姜をトッピングしてみたり、ほんのすこし胡麻油をプラスしてみたり、辛子高菜も絶対に合うと思うので、ちょい足しアレンジでオリジナルのカスタマイズも検討してみてください【author・taka :a(大石敬之)】