どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月7日(月)新発売、エースコックのカップ麺「辛旅 うま辛熊本豚骨ラーメン 華火入り」の実食レビューです。
ご当地調味料×ご当地ラーメン「辛旅」シリーズ待望の新作は知る人ぞ知る熊本の新・辛みスパイスとコラボレーション!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛旅 うま辛熊本豚骨ラーメン 華火入り
辛旅(からたび)とは、2022年(令和4年)8月29日に突如として現れた「島ネロ味の沖縄風島そば 激辛」に端を発する即席カップめんシリーズで、製造者は大阪府吹田市に本社を構えるエースコック。記念すべき第1弾は “激辛×ご当地めん” をコンセプトに、島唐辛子を主原料とする沖縄産の辛味調味料「島ネロ」の味わいを再現していました。
今回の新商品「辛旅 うま辛熊本豚骨ラーメン 華火入り」は、日本各地の “辛くて旨いものを巡る旅” をコンセプトに、九州産の唐辛子から作られる熊本ご当地香辛料「華火」とコラボしたカップラーメンで、約1年ぶりの新作となる「辛旅」シリーズ第2弾。パッケージには「華火」のイラストと熊本県の営業部長兼しあわせ部長「くまモン」も配し、ご当地感を強く演出しています。
華火(はなび)とは、九州全域の栽培農家が丹精込めて作った唐辛子を主原料に、熊本県熊本市南区に本社を置くエヴァウェイ(Eveway CO., LTD.)が県内の工場で乾燥・選別・加工・商品化までを一貫して行なっている唐辛子加工食品で、まるで “打ち上げ花火のような感覚の辛みスパイス” である、という特徴の比喩が「華火」という名前の由来。
品種から厳選した九州産の赤唐辛子と青唐辛子を独自の比率でブレンドし、最初に赤唐辛子の「風味」を、次に青唐辛子の「刺激」を口の中に巻き起こしつつ、それが消えた後に出てくる「辛みの余韻」まで意識された “新・辛みスパイス” は、日本テレビ系列の人気番組『有吉ゼミ』でも紹介され、一躍脚光を浴びたこともあります。でも、まだまだ “知る人ぞ知るスパイス” ですよね。
そんな「華火」を入れた「うま辛熊本豚骨ラーメン」ということで、ご当地感あふれる組み合わせのイメージは悪くありません。しかし、熊本ラーメンといえばフライドガーリック、あるいはローストガーリックのトッピングと、1955年(昭和30年)6月創業の「桂花(けいか)」を発祥とするマー油も象徴的なアイテムなので、そのあたりにも注目しながらレビューします。
開封
エースコックのTL(タテロング)製品といえば、いつも容器の中に小袋を放り込んでいるのに対し、今回はフタの上に「スパイス」を別添しています。同社のニュースリリースには “熊本のご当地香辛料「華火」入りの別添スパイスを加えることによって、口の中で弾けるような辛さに仕上げました。” との記載があるため、この小袋に「華火」が入っているようですが‥‥
フタを開けると容器の中に「液体スープ」の小袋が入っているので、こいつも忘れずに取り出します。ええ、あいかわらず表面が粉末スープまみれになっている、というストレスが玉に瑕ではあるものの、縦型カップに2種(場合によっては3種)の小袋が別添できるのはエースコックならではの大きな強み。
メーカー希望小売価格は271円(税別)に設定されているため、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は292.68円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の販売店にも流通しているNB(ナショナルブランド)のカップラーメンです。ただ、それでも税込250円前後の販売価格が相場になりそうですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:辛旅 うま辛熊本豚骨ラーメン 華火入り 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901071401757(JAN) |
発売日:2023年08月07日(月) 実食日:2023年08月09日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:271円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、しょうゆ、卵白粉)、スープ(ポークエキス、食塩、豚脂、乳化油脂、植物油脂、酵母エキス、乳糖、ポーク調味料、ガーリックパウダー、ガーリックペースト、唐辛子、たん白加水分解物、胡椒、ポークコラーゲン、でん粉分解物、オニオンパウダー、ジンジャーパウダー、全卵粉)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、キクラゲ、にんにく、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、増粘多糖類、酒精、重曹、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
かやくは、キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、キクラゲ、ニンニク、ネギの組み合わせで、キャベツとニンニクのトッピングは熊本ラーメンを想起させるポイント。ただ、エースコックの鶏・豚味付肉そぼろといえば「あたり」と「はずれ」の差が激しいため、前者だと嬉しいのですが、これは‥‥あたりか?
別添の小袋は2パックとも後入れなので、それを回収してから熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。時間になったら「液体スープ」を加えて混ぜ合わせ、仕上げに「スパイス」をトッピングしたら完成です。前述のマー油は入っていませんが、ちょっとスナック的な豚骨感と唐辛子の芳ばしさが印象的な調理直後。
ちなみに容器の側面(くまモンの左側)に小さく “※辛い味わいにつき、小さなお子様や辛いものが苦手なお客様のご飲食はご注意ください。” との注意書きがあったので、辛味の強さと赤唐辛子×青唐辛子のバランスにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく・スパイス」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:411kcal たん白質:10.3g 脂 質:18.4g 炭水化物:51.0g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:1.4g) (スープ:4.8g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:416mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:411kcal(めん・かやく:325kcal)(スープ:86kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
けっこう雰囲気あるかもしれない
とんこつラーメンの基準で見ると中太に該当するサイズ感なので、長浜や博多で定番の細麺とは異なるタイプになりますが、熊本ラーメンは久留米(くるめ)のラーメンにルーツを持ち、今でも多くの店で中太ストレート麺が提供されています。つまり、とんこつラーメンにしては少し太いかな? くらいのサイズが正解。
そのため太さについてはもちろん、縮れが強くないのもポイントで、やや加水率が低く、プツンとした歯切れのよさも印象的。意識して噛めば噛むほどエースコックの揚げ油に由来する芳ばしさが滲み出てくるので、ノンフライ麺に見紛うほど本格的とはいえないけれど、それも込みでスープとの相性は悪くありません。
詳しくは「かやく・スパイス」の項目で触れますが、唐辛子の清涼感が功を奏し、油揚げ麺ならではの風味は思っていたよりもネガティブではなく‥‥いや、むしろ「華火」の辛さに対し、油揚げ麺のコクや風味がプラスに作用していたと、そう思える取り合わせでした。
スープ
これはなかなか‥‥
まずは粉末スープ単体の味を確認してみたところ、いかにもカップラーメンらしいスナック的な味わいで、高級感は皆無。別添の小袋を入れる前の状態では、前述の揚げ油に由来する風味のほうが目立ちます。しかし、玉ねぎの程よい甘さはワザありポイントで、別添の「液体スープ」を投入すると優しく舌を包み込んでくるような、乳化感の強いミルキーなコクが全体に行き渡り、なんとも侮れない味わいに。
小袋の中に充填されている乳白色の強いスープは、しっかり下処理した豚骨を長時間、強火でガンガンに炊き出したようなコクを備え、なおかつ一般的にネガティブとされるニオイは抑えられている、丁寧で炊き出し感の強いテイスト。その “まったり” としたコクも然る事乍ら、適度に骨っぽさを残す余韻も味わい深く、けっこう本気で作り込んできたなと。
熊本ラーメンといえばのマー油は使っていませんが、実際にマー油をトッピングしていない熊本ラーメンも珍しい話ではありません。ガーリックペーストや生姜のアクセントを効かせながら、印象的な炊き出し感は壊さない、ちゃんと濃厚で美味しい豚骨スープでした。
かやく・スパイス
かやくも頑張りました
キャベツは即席カップめん業界において珍しい具材ではなく、むしろカップ焼きそばには欠かせない存在なのですが、きちんと豚骨が濃厚なスープに野菜の甘さが優しくフィット。キクラゲはコリコリとした強めの歯応えで、サイズのわりに主張が強く、こちらのアクセントもスープと相性バッチリ。
鶏・豚味付肉そぼろも “あたり” だったので、例のスポンジみたいな食感は皆無に等しく、チップ状のニンニクは熊本ラーメンらしさを演出することに貢献。ネギは熱風乾燥だったので、特に書くことなかったんですけどw 邪魔にならない適度な存在感。そして、本日の主役といっても過言ではない「スパイス」を投入すると‥‥
ニュースリリースでは “ご当地香辛料「華火」入りの-・” となっていたので、華火100%ではないのかもしれません。しかし、赤唐辛子の芳ばしい辛さだけでなく、青唐辛子特有の清涼感も重なって、かなり爽やかな辛さ。
体感的には全投入でも “ふつうに辛口” だったので、火を吹くことにはならないと思いますが、青唐辛子ならではの青臭さは適度に抑えつつ、赤唐辛子だけでは出せない、スッキリとした余韻の辛味も印象に残りました。
総評
熊本ラーメンといえばのマー油は入っていませんが、縮れの弱い丸刃の麺に、まろやかなポークエキスの旨みが印象的なスープ、そこに「華火」で個性を付けながら、かやくの内容にも不備を感じさせない、想像していた以上に‥‥などと書いたら失礼かもですけどw きちんと総合力の高い一杯でした。
スパイスを全投入すると “ふつうに辛口” あるいは辛い食べ物が苦手な方にとっては “大辛に片足を突っ込む辛さ” になりそうですが、ただ辛いだけではない、青唐辛子の清涼感を特徴とする夏に嬉しいカップラーメンです【author・taka :a(大石敬之)】