どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年8月29日(月)新発売、エースコックのカップ麺「辛旅 島ネロ味の沖縄風島そば 激辛」の実食レビューです。
激辛地獄にめんそ〜れ!? 激辛×ご当地めん「辛旅」第1弾は島唐辛子を主原料とする沖縄産の辛味調味料「島ネロ」の味わいを再現!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛旅 島ネロ味の沖縄風島そば 激辛
辛旅(からたび)とは、コロナ禍における外出自粛など、生活スタイルの変化に伴うストレスにより、需要の伸長が続く「激辛」と “お取り寄せ” などで注目を集めている「ご当地めん」を組み合わせた新商品で、製造者は大阪府吹田市に本社を置くエースコック。その舞台に選ばれたのは、国内の旅行先として不動の人気を誇る「沖縄」で、沖縄生まれの辛味調味料「島ネロ」にスポットが当たりました。
今回の新作「辛旅 島ネロ味の沖縄風島そば 激辛」は、数年前から注目を浴びている「島ネロ」の味わいを再現したカップ麺で、パッケージには「島ネロ」の写真とオリジナルキャラクターのシュガースカルを大々的に配置。加えて沖縄の方言を交えながら、激辛地獄にめんそ〜れ(いらっしゃい)と訴求しているように、けっこうな辛さに期待できそうな予感。
あらためまして島ネロ(HABU HOT PEPPER)とは、沖縄産の島唐辛子を主原料とする辛味調味料で、元料理人の経歴を持つ大島東修さんが考案。大島さんはエースコックが本社を置く大阪府の出身ですが、縁あって2000年から沖縄に移住し、そこで知り合った仲間から “指で潰した島唐辛子に塩を混ぜ込んだ即席の薬味を刺身に付ける食べ方” を教わり感銘を受け、島唐辛子の魅力を追求することを決意。
農業の経験はなかったのに、移住先の沖縄で畑を借りて、種子から島唐辛子の栽培をスタート。何度も台風に畑を荒らされながら、手塩に掛けて育てた島唐辛子に、泡盛(沖縄の焼酎)やシークワーサー果汁、しょうが、リンゴ酢、食塩、米酢、砂糖などを独自の配合でブレンドし、島唐辛子をメインに据えた新しい調味料「島ネロ」を完成させました。
そもそも島唐辛子(しまとうがらし)とは、伊豆諸島や小笠原諸島を中心に栽培されている唐辛子の品種で、サイズは1.5〜3cm弱と小さめですが、噛むと瞬発的に攻めてくる鋭い辛味の持ち主。しかしながらハバネロのようにダラダラと居座るタイプではなく、しっかりと辛さを感じさせながら、スッと引く潔さも兼ね備え、際立つ辛さの中に感じるフルーティな風味も魅力的なポイント。
沖縄産の唐辛子でも島唐辛子と呼べるのは、F1(Filial 1 hybrid:一代交配種)ではない在来種のみで、それを泡盛に漬けた調味料としての「コーレーグス(高麗胡椒)」は沖縄土産の定番。また山葵(わさび)が貴重だった時代に重宝された、八丈島の特産品「島とう醤油」や「柚子辛子」を作る上でも欠かせない存在で、沖縄の食文化に深く根付いています。
そんな島唐辛子を100%使用した「辛旅 島ネロ味の沖縄風島そば 激辛」の容器側面には “本製品に「島ネロ」は使用しておりません” との免責条項を記載しているため、あくまでもエースコックが「島ネロ」の味わいを再現したカップ麺という位置付けになりますが、これを機に「島ネロ」の存在を知った方も多いでしょう。
モデルになっている「島ネロ」の原材料名は “島唐辛子(沖縄県産)、泡盛、シークワーサー果汁、しょうが、リンゴ酢、食塩、米酢、砂糖、酸化防止剤(ビタミンC)、トレハロース” となっており、それをイメージした「辛旅 島ネロ味の沖縄風島そば 激辛」の原材料名を確認してみると‥‥
開封
スープに「泡盛」や「醸造酢」「シークヮーサー果汁」「島唐辛子」などを使っているため、再現度は高そうな構成‥‥っていうか、カップ麺の原材料名に泡盛って珍しいですよねw そういえば「スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば」にコーレーグースをイメージした特製調味料を別添していたことがあり、酒精を強めに効かせることで雰囲気を演出していたのですが、ガチの泡盛使用は初めてかもしれません。
別添の小袋は「液体スープ」のみで、エースコックが販売する縦型ビッグの例に漏れず、最初から容器の中に入っている状態。同社の公式ウェブサイトを確認してみたところ “別添の液体スープを加えることで「島ネロ」の様な辛味と酸味が広がります” との記載があったので、ここに「島ネロ」のエッセンスを詰め込んでいる様子。
メーカー希望小売価格は245円(税別)なので、2022年8月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段。コンビニで購入した場合の税込価格は264円になりますが、販売店はスーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗も対象になっているNB(ナショナルブランド)商品です。参考までに、私の行動圏内にあるスーパーでの販売価格は208円(税込224円)でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:辛旅 島ネロ味の沖縄風島そば 激辛 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901071247805(JAN) |
発売日:2022年08月29日(月) 実食日:2022年08月30日(日) 発売地域:全国 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白)、スープ(糖類、食塩、泡盛、粉末しょうゆ、ポークエキス、醸造酢、魚介パウダー、シークヮーサー果汁、でん粉、たん白加水分解物、ホタテエキス、デキストリン、大豆たん白、植物油脂、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、魚醤、チキン調味料、コンブエキス、島唐辛子、香味油、全卵粉)、かやく(味付豚肉、かまぼこ、ねぎ、紅しょうが)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物、炭酸Ca、酒精、香料、かんすい、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、増粘多糖類、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は沖縄そばをイメージした太めの油揚げ麺で、かやくは味付豚肉、かまぼこ、ねぎ、紅生姜の計4種。エースコックのカップ麺に使われる肉具材といえば “程良く味付けした肉そぼろ” が入っていた場合、高確立でスポンジみたいな食感のハズレに当たるのですが、今回は来来亭のカップラーメン(ファミマル)に使われているタイプの味付豚肉を搭載しています。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタをして待つこと5分。液体スープの小袋には “お召しあがりの直前に入れて、よくかきまぜてください” と記載されているのですが、温めてください・温めないでくださいの記載はありません。その液体スープを加えた途端、泡盛に由来する独特の香りに、シークヮーサー果汁が重なって、独特の世界観を漂わせている調理直後。
容器側面には “辛い味わいにつき、小さなお子様や辛いものが苦手なお客様のご飲食はご注意ください” との注意事項があったので、引き続き「島ネロ」の個性と辛さレベルに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:357kcal たん白質:9.0g 脂 質:9.6g 炭水化物:58.7g 食塩相当量:6.8g (めん・かやく:1.8g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:229mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:357kcal(めん・かやく:295kcal)(スープ:62kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと加水率は高め
白っぽい色の縮れた油揚げ麺なので、一見すると「うどん」っぽいのですが、原材料に梘水(かんすい)を使用している=種別としては「中華麺」に該当します。ただ、いわゆるラーメンの中華麺とは異なるベクトルにあり、啜り上げたときの躍動感や噛んだときの強付きなど、沖縄そばに使われる麺は独特で、島そばも入れると一口には括れません。
それをイメージしている今回の麺は油で揚げているため、特有の芳ばしさを伴いますが、後述するスープとの相性は悪くありません。むしろ油揚げ麺ならではの甘みとコクが心地よいと思える取り合わせだったので、油揚げ麺であることが極端に足を引っ張ることはなく、むしろノンフライ麺ではないことが功を奏していたと感じたくらい。
カップうどんに使われる油揚げ麺(かんすい不使用)に通じる部分もありますが、コシの感覚は中華麺の流れを汲んでいるため、和風麺の “それ” とは異なります。もうすこし加水率を下げて、ごわごわした質感を強調したほうが‥‥などと感じた節もありますけど、私のイメージしている質感はカップ麺にすると万人ウケしにくいタイプなのでw いい意味でデフォルメされていると思いました。
スープ
液体スープを入れる前は豚だし×鰹の王道型
液体スープを入れる前に味を確認してみたところ、豚骨に豚肉を加えて畜肉系の深みを持たせたタイプの清湯(ちんたん)に、カツオやサバの魚粉をバチッと効かせた分かりやすい味付けで、まだ「島ネロ」を彷彿とさせる個性は感じません。
ただ、香味野菜を強めに主張させる手法がエースコックらしく、しれっとホタテエキスを使っていたり、昆布の旨味を重ねていたり、けっこう濃いめの味付けなのですが、細部に “こだわり” を感じるフレームワークです。で、別添の「液体スープ」を加えると‥‥
ふわっと香る泡盛に、島唐辛子の爽やかな辛味など、それらについては調味料としてのコーレーグスと共通する魅力になりますが、シークヮーサー果汁によるアクセントが個性的。島唐辛子の泡盛漬けともタバスコソースとも違う、独特のクセと清涼感が「島ネロ」を彷彿とさせ‥‥なんですけど、これって激辛ですかね?
そこそこ辛い食べ物は好きなほうだと自負しておりますが、現在の即席カップめん市場における基準で見ても中辛〜辛口で、大辛にも満たない程度。ただ、シークヮーサー果汁とは異なるフルーティな風味だったり、口に入れた瞬間は辛くてもスッと引く潔さだったり、なるほど島唐辛子の個性が伝わってくる辛味だったので、島とうがらし100%使用の訴求には納得できました。
具材
紅生姜がハイライトかも
メインの味付豚肉は、このブログで “燻製感のないベーコンみたいな” と形容しているチップ状の肉具材で、ちょっとジャーキーっぽい質感も備えているのですが、とにもかくにもスポンジみたい食感の肉そぼろとは雲泥の差で好印象。
やたらと多い半月かまぼこの量が気になるところではあるものの、対して少量の紅生姜は小さくても存在感が強く、もっともポピュラーな沖縄そばを表現することに適したアイテムで、これといった不満を覚えることはなかったです。強いて改善点を挙げるなら、青ネギのジャキジャキとした歯触りが何度も続くと不自然に思えるため、もうちょっと少なくてもよかったかな、ということくらい。
総評
パッケージや商品名で “激辛” を謳っているわりに、実際の辛さは常識的というか “ふつうに辛口〜大辛には満たない程度” だと感じたので、辛さについては物足りなかったものの、原材料に泡盛やシークヮーサー果汁を使い「島ネロ」の個性を表現していたところは面白く、実際の味わいも個性的。
強烈な辛さに期待していた場合、おそらく肩透かしを食うことになりますが、島唐辛子を主原料とする「島ネロ」の特徴が伝わってくる仕上がりだったので、そこに価値が見出せる一杯でした。はたして新たに始動した「辛旅」は単発の企画に終わってしまうのか、それとも “激辛×ご当地めん第2弾” の開発も進んでいるのか、個人的には続編の展開も楽しみにしています【author・taka :a(大石敬之)】