どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年11月13日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 辛麺屋輪監修 とろみ宮崎辛麺」の実食レビューです。
明星×辛麺屋「輪」監修シリーズ史上初、即席カップめん第5弾は “さむ~い冬に、とろ~り辛旨” 今しか食べられない冬限定のカップラーメン新登場!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
明星 辛麺屋輪監修 とろみ宮崎辛麺
辛麺屋 輪(からめんや りん)とは、2004年(平成16年)3月の創業以来、辛麺の本場・宮崎でも一目置かれている人気店で、元祖「辛麺屋 桝元(ますもと)」の流れを汲む味分け店。2017年(平成29年)3月25日にオープンして話題になった、中目黒の辛麺屋「一輪(ICHIRIN)」の源流としても知られ、宮崎県宮崎市中央通の本店を旗艦とし、愛知・福岡・高知にも店舗を展開しています。
今回の新商品「明星 辛麺屋輪監修 とろみ宮崎辛麺」は、東京都渋谷区に本社を置く明星食品と「辛麺屋 輪」の共同開発商品で、概要の文体が敬体(です・ます調)ではなく常体(だ・である調)とは珍しい‥‥と、それはさておき「とろみ宮崎辛麺」は同店監修の即席カップめんコラボ第5弾に該当する一杯。今年は “夏限定” が出たので、もしやとは思っていましたが、今度はシリーズ初の “冬限定” です。
明星食品と「辛麺屋 輪」のコラボが始まったのは、2020年(令和2年)4月20日に発売された大判どんぶり型のカップラーメン「明星 辛麺屋輪監修 25辛宮崎辛麺」からなので、まだ3年前(開発期間も踏まえると約4年前?)の話。当時、それは大量の唐辛子が幅を利かせた、それでいて拍子抜けするほど辛くない一杯で、まずまずのスタート。
その次、2021年5月31日に発売された「明星 辛麺屋輪監修 宮崎辛麺25辛」は、なぜかプレスリリースの発表がなかったので、明星食品の公式ウェブサイトにも情報は残っていませんが、第1弾と同じ “辛さレベル5” を謳いながらも極端に辛さが跳ね上がり、いやはや信用できんなと。そう思いながらも確かなレベルアップを感じたので、このブログでは前作を凌ぐ評価を叩き出しています。
続けて2021年9月6日に「明星 ひとり〆ラー鍋 辛麺屋輪監修 宮崎辛鍋」という単身世帯をターゲットにした鍋の素をリリースし、2022年6月6日にはコラボ初の変わり種「明星 辛麺屋輪監修 トマト宮崎辛麺」を市場に投下。さらに同年8月15日には袋麺の「明星 野菜が超絶うまい 鍋ラーメン 辛麺屋輪監修 宮崎辛麺味」を展開し、監修商品の可能性を広げました。
その後、2023年6月19日にシリーズ初となる湯切りタイプの「明星 辛麺屋輪監修 汁なし宮崎辛麺」を発売しており、これが前述の “夏限定” で、今回の「明星 辛麺屋輪監修 とろみ宮崎辛麺」は「辛麺屋 輪」監修カップめんシリーズ初の “冬限定” という流れ。それに、このコラボで縦型ビッグの容器を採用してきたのも今回が初めての試みです。
というわけで、通算すると明星×辛麺屋輪コラボ第7弾、カテゴリーを即席カップめんに限定するとコラボ第5弾に該当する「とろみ宮崎辛麺」は、文字通り “とろみ” が特徴の一杯。もともと宮崎の辛麺は、川崎の「元祖ニュータンタンメン本舗」に影響を受けて生まれたとされているため、とろみを施すとニュータンタンメンに寄ってしまう可能性もありますけど‥‥
それはさておきパッケージの辛さレベルは5段階基準で真ん中の「3」となっており、しかしながら “小さなお子様や辛みが苦手な方は注意してお召し上がりください。” との注意事項も添えられているので、辛味の強さにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「調味油」1パックのみで、お召し上がりの直前にお入れくださいの後入れ仕様。明星食品のプレスリリースには、ラー油・にんにく・チリの香りを効かせた調味油との記載があるため、パンチをプラスするためのアイテム。
かやくはダイス状の味付豚肉を筆頭に、かきたま、ニラとシンプルなラインナップ。実際の辛麺もニラ、タマゴ、ニンニクとシンプルな具材を特徴としているため、基本は押さえたぞ、って感じの構成です。ただ、この時点でのニンニク臭は特筆して強いわけではなく、唐辛子の匂いも控えめで、どちらかというとスナック的。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)に設定されているため、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は292.68円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外でも購入できるNB(ナショナルブランド)商品。ここ最近、縦型ビッグの基準となっている271円(税別)を超える商品も珍しくないため、なんだか良心的に感じてしまいます。ヤバいかなw
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 辛麺屋輪監修 とろみ宮崎辛麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:91g(めん70g) 商品コード:4902881456418(JAN) |
発売日:2023年11月13日(月) 実食日:2023年11月15日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:271円(税別) 購入価格:235円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、乳たん白、卵粉)、スープ(食塩、たん白加水分解物、豚脂、香味調味料、デキストリン、香辛料(ガーリック、赤唐辛子、ジンジャー、ペッパー)、糖類、しょうゆ、とろみ粉末(でん粉、デキストリン、植物油脂)、チキンエキス、香味油)、かやく(味付豚肉、卵、ニラ)/ 加工デンプン、増粘剤(増粘多糖類、加工デンプン)、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、炭酸カルシウム、香料、かんすい、カラメル色素、ソルビット、乳化剤、グリセリン、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は揚げ油を通過させるのではなく、熱風で乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は標準よりも長めの4分。宮崎の辛麺といえば、通称 “こんにゃく麺” と呼ばれている蕎麦粉入りの麺が特徴的なので、そろそろカップラーメンにも導入してほしいタイミングではあるものの、技術的な問題だったり、ラインの都合だったり、いろいろ課題があるんでしょうね。
などと考えながら熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」の小袋を温めながら待つこと4分。時間になったらフタを開け「調味油」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。ボッテボテの餡掛けレベルではないけれど、とろみ成分の量が多かったので、溶け残りが出ないよう容器の底から念入りに混ぜてください。
さて、多めのタマゴも然る事乍ら、調味油を入れた途端、ニンニクとニラの香りが格段に強くなる、なかなか頼もしいファーストインプレッション。それが味覚に訴えかけてくる効果はもちろん、引き続き辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(91g)あたり |
カロリー:359kcal たん白質:8.8g 脂 質:9.2g 炭水化物:60.2g 食塩相当量:6.1g (めん・かやく:3.1g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.63mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:117mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:359kcal(めん・かやく:329kcal)(スープ:30kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
食べ始めは「★5」クラスだったけど‥‥
明星食品の公式ウェブサイトに製法までは記載されていませんが、おそらくスチームノンフライ製法(どんぶり型の製品に使われる「スーパーノンフライ製法」の流れを汲んだ明星の独自技術で、それと「油揚げ麺」の中間的な麺線組織を特徴とする特許製法)で、それ特有の風味を伴うのですが、油揚げ麺よりも明らかに洗練されている、スチームノンフライ製法ならではの上品な仕上がり。
——いや、もしかするとスチームノンフライ製法に近い別の製法かもしれませんけど、いかにも明星食品の縦型カップらしいノンフライ麺で、ちぢれは強く、それでいて “しなやか” な質感。やや加水率は低めの設定で、目立った戻りムラはなく、食べ始めは適度な弾力と歯切れの良さが楽しめました。しかし、以降は早い段階でヘタれるところが玉に瑕。
もともと耐久性の高い麺ではない、というのが大きな要因になりますが、とろみの強い(保温性が高い)スープが仇となり、後半は伸び切ったような柔麺になってしまいます。ぜんぜん問題ないよッ☆ であれば、文字通り問題ないですけど、柔麺が苦手な方は麺を優先的に食べ進めてください(やけどには気を付けて)。
スープ
ぜんぜんニュータンタンっぽくなかった
まずは別添の「調味油」を入れる前に味を確認してみたところ、唐辛子の辛さは想像していたよりも強くなかったのですが、あとからジワジワくるタイプ。それよりも胡椒(ペッパー)や生姜(ジンジャー)の効き目が意外と強かったので、どちらかといえばカプサイシンよりもピペリンが目立つ感じ。
やや食塩の当たりは強く、しょうゆの効き目もハッキリとしていたので、川崎のニュータンタンメンを彷彿とさせる味ではありません。また濃いめの味が功を奏し、ノンフライ麺が独り歩きすることもなかったけれど、食べ始めは程よいバランスだったのに、やや後半はスープのほうが勝気で‥‥などと感じたのは、ノンフライ麺の耐久性が問題。
続けて「調味油」を加えると、けっこう刺激的なニラの風味と縦に攻めてくるニンニクがバチッと決まり、スタミナ感が大幅にアップ。なるほど辛さレベルは “3” となっていたように、激辛カップ麺よろしく極端な辛さではなかったのですが、とろみの強いスープが追い風となり、体感的には “3.5” くらいになるかもしれません。
かやく
これは文句なしです
ダイス肉は日清食品の「カップヌードル」に入っている謎肉(なぞにく)ほどジャンクな風味ではないけれど、その親戚筋に当たるような肉具材なので、本格的なタイプではありません。しかし、そのジャンクさは今回の辛旨とろみスープと相性良好で、ニラは風味が強く、別添の「調味油」とパンチを引き立て合うような相乗効果あり。
タマゴは混ぜる工程で散り散りになりますが、それでも存在感が埋没することはありません。むしろ、とろみの強いスープにタマゴの優しさが行き渡り、それぞれの個性が渾然一体となる、辛麺の魅力を伝える上で効果的な演出でした。
総評
とろみの強い辛麺というジャンルは、群雄割拠の即席カップめん業界においても新しい訴求ですし、けっこう胡椒や生姜のアクセントも強かったので、そこも印象に残ったのですが、もうちょいノンフライ麺の耐久性が高いと最後までテンションが保たれたかなと。あえて店主が柔らかめに茹でたようなタイプではなく、ただ単に食感の持久力がなかったので、それが星ひとつマイナスした理由です。
とはいえスープの構成的に「ニュータンタンメン」っぽい味にはなっていなかったこと、それから “とろみ” には高いポテンシャルを感じたので、来年の「冬限定」にも期待したくなりましたし、辛い食べ物と柔麺にさえネガティブでなければ試す価値はあると思います【author・taka :a(大石敬之)】