どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年6月19日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 辛麺屋輪監修 汁なし宮崎辛麺」の実食レビューです。
人気沸騰中の宮崎辛麺が汁なしに!? 衝撃辛旨「輪」監修カップめんシリーズに初の湯切りタイプ降臨!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛麺屋「輪」監修 汁なし宮崎辛麺
辛麺屋 輪(からめんや りん)とは、2004年(平成16年)3月の創業以来、辛麺発祥の宮崎でも一目置かれている人気店で、元祖「辛麺屋 桝元(ますもと)」の流れを汲む味分け店。2017年(平成29年)3月25日にオープンして話題になった、中目黒の辛麺屋「一輪(ICHIRIN)」の源流としても知られ、宮崎県宮崎市中央通の本店を旗艦とし、現在は愛知・福岡・高知にも店舗を展開しています。
今回の新商品「明星 辛麺屋輪監修 汁なし宮崎辛麺」は、先述の名店 「辛麺屋 輪」 監修のもと、宮崎辛麺の味わいを湯切りタイプの即席カップめんにアレンジした一杯で、辛さに強弱を付けた2種類の唐辛子(ふりかけ)と卵黄ソース(たまごタレ)を別添しているのが見どころ。販売者の明星食品とは何度もコラボしている 「辛麺屋 輪」 ですが、汁なしタイプの辛麺は過去に前例がありません。
あらためまして辛麺(からめん)とは、宮崎県延岡(のべおか)市を発祥とする “唐辛子の辛味を効かせた旨辛系ご当地麺” で、1987年(昭和62年)に原田夫妻が営んでいた一軒の小料理店「桝元」がルーツ。もとは裏メニューとして提供されていた、知る人ぞ知る〆(しめ)の一杯で、当時からの常連客だった現「株式会社 桝元」の代表取締役・長曽我部隆幸(ちょうそかべ たかゆき)社長が事業を継承。
1964年(昭和39年)の創業以来、神奈川県川崎市を中心に店舗を展開している中華系チェーンストア「元祖ニュータンタンメン本舗」が確立した「ニュータンタンメン」に似ていると比較されることもありますが、それもそのはず。ニュータンタンメンを現地で食べた原田延子さんが感銘を受け、夫と試行錯誤の末に開発したのが現在の「辛麺」である‥‥というのは、知る人ぞ知る話。
そんな「桝元」の味分け店とされる「輪」の辛麺も正統派で、スープには1杯あたり約5片ものニンニクを使っているのですが、生のニンニクを直接放り込むのではなく、事前に蒸しているのがポイント。辛さの決め手となる唐辛子は、特徴が異なる3種をブレンドし、辛さレベルは0辛〜25辛の中から1倍刻みで選べるところも人気の秘訣(唐辛子の分量は辛さ1倍=匙1杯)。
その味わいを再現したカップ麺は、2020年4月20日発売の「明星 辛麺屋輪監修 25辛宮崎辛麺」に始まり、2021年5月31日には二代目「明星 辛麺屋輪監修 宮崎辛麺25辛」を、続けて2022年6月6日には「明星 辛麺屋輪監修 トマト宮崎辛麺」を発売しているため、カップ麺の監修は今回で “4度目” になるのですが、前述のように湯切りタイプの「汁なし宮崎辛麺」は初めての試み。
ちなみに初代「25辛宮崎辛麺」から昨年の「トマト宮崎辛麺」まで、パッケージの辛さレベルは5段階基準で最大の「5」となっており、今回の「汁なし宮崎辛麺」も例に漏れずではあるものの、初代「25辛宮崎辛麺」は拍子抜けするほど刺激が弱く、それについては二代目「25辛宮崎辛麺」でリベンジ達成。昨年の「トマト宮崎辛麺」も市場に出回る市販品としては充分辛い部類に入っていたのですが‥‥
「辛麺屋 輪」監修のカップ麺は “よくも悪くも唐辛子の味が強い” ので、それ一辺倒に傾いてしまうところが玉に瑕。しかし、シリーズ初となる「汁なし宮崎辛麺」には新たに「たまごタレ」を別添しているため、そういった部分も含めて新たな世界観に期待できそうです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「液体ソース」と「たまごタレ」「ふりかけ」の計3種で、かやくは個包装になっておらず、容器の中に最初から入っている状態。たまごタレの小袋は、2022年12月12日発売の「みかさ監修 ソース焼そば(六代目)」と共通するデザインです。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。初代及び二代目「25辛宮崎辛麺」並びに「トマト宮崎辛麺」には、もれなく熱湯4分のノンフライ麺を搭載していたので、ちょっと寂しい変更点。容器は大判どんぶり型ですが、調理前の麺重量は湯切りタイプでいうところのレギュラーサイズに該当する90gなので、大盛り仕様ではありません。
しかし、メーカー希望小売価格の設定は306円(税別)ということで、2023年6月1日出荷分に実施された価格改定以降の基準(レギュラーサイズ=236円+税、大盛りサイズ=271円+税)で見ても高めの設定。其れ相当の完成度であれば問題ないですけど、評価する上では避けて通れない部分です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 辛麺屋輪監修 汁なし宮崎辛麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:121g(めん90g) 商品コード:4902881 406321(JAN) |
発売日:2023年06月19日(月) 実食日:2023年06月23日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:306円(税別) 購入価格:300.24円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体ソース・たまごタレ・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、酵母エキス、香辛料(ガーリック))、ソース(卵黄ソース、香味調味料、豚脂、しょうゆ、鶏・豚エキス、植物油脂、糖類、香辛料(ガーリック、ジンジャー、ペッパー)、香味油、しょうゆもろみ、たん白加水分解物、食塩)、かやく(キャベツ、豚・鶏味付肉)、ふりかけ(香辛料(赤唐辛子))/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、カラメル色素、香料、香辛料抽出物、乳化剤、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、増粘剤(キサンタンガム)、炭酸マグネシウム、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、えび・かに・そばを含む製品を生産しています。 |
実食開始
宮崎が誇る辛麺のトッピングといえば、たまご・ニラ・挽肉・ニンニク・唐辛子が代表的ですが、具材としてのニンニクは不使用で、ニラの代わりにキャベツを採用。たまごも入っていませんが、後入れの「たまごダレ」を別添しているため、それで手を打った感じでしょうか。
先入れの小袋は別添されていないため、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体ソース」を温めながら待つこと5分。時間になったら湯切りを行い、温めておいた「液体ソース」を馴染ませて、仕上げに「ふりかけ」と「たまごタレ」をトッピングしたら出来上がり‥‥なんですけど、唐辛子の量めっちゃ多いやんけw というのも「辛麺屋 輪」監修の魅力となりつつありますが、心配なのは味の面において。
ちなみに「たまごタレ」の小袋には “フタの上で温めないでください” との注意事項が記載されているため、調理の際は気を付けてください。それでは、体感的な辛味の強さについてはもちろん、たっぷりの唐辛子に負けない魅力が備わっているのかどうか、そしてコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「ソース・たまごタレ」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(121g)あたり |
カロリー:522kcal たん白質:9.7g 脂 質:20.0g 炭水化物:75.8g 食塩相当量:4.4g ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:142mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
基礎クオリティは高い
「辛麺屋 輪」をはじめとする辛麺の専門店では、いわゆる「中華麺」の他に、通称「こんにゃく麺」と呼ばれている ——韓国の冷麺にも使われている蕎麦粉入りの麺で、実際に蒟蒻(こんにゃく)が練り込まれているわけではない—— 独特な食感の麺、あるいは「うどん」から好きな麺を選べる店が多いのですが、今回のカップ麺に搭載されているのは梘水(かんすい)を使用した中華麺。
めちゃくちゃ加水率が高いわけではないけれど、かなり反発性が強く、ある程度の気泡を感じさせながら、噛んでも噛んでも押し返してくる強靭なタイプ。従来のカップラーメンに使われていたノンフライ麺は、やや加水率が低めの質感だったので、大きく雰囲気は異なりますけど、後述するソースとの相性は悪くありません。
メーカー希望小売価格が税別で300円を超えるため、ここはバシッとノンフライ麺を使ってほしかった‥‥という不満が無きにしも非ずではあるものの、すこし温度が低下してくる中盤から途端に密度が高くなる、その変化には面白みを感じました。しかし、麺の重量は汁なしカップ麺の基準でみるとレギュラーサイズなので、もうちょっと頑張ってほしかったです。
ソース・たまごタレ
辛麺のイメージとは違うけど悪くない
まずは「たまごタレ」や「ふりかけ」なしの状態で味を確認してみたところ、ちょっとショッパめの濃口しょうゆダレを軸に、動物系の旨みも丁寧で、この時点での辛さレベルは体感的に2〜3(中辛)といったところ。しょうゆの諸味(もろみ)で深みを持たせるワザは明星食品らしく、ちょっとクセのある豚脂の風味も印象には残りました。しかし、ニンニクの攻撃性については題材のわりに大人しめ。
「たまごタレ」は卵黄のコクを中心に、前述の「みかさ」監修とは違う、だし醤油っぽい味付けが施された卵黄ソースで、なんというか手放しにウマいw 辛麺のスープと渾然一体になっている掻き玉とはベクトルが異なるものの、これを絡めた部分はワンランク‥‥いや、ツーランクほどコクがブーストされるアイテムで、いっきにリッチなテイストに。
ただ、ちょっと量が少なかったので、この倍は欲しかったところ。ひとまず実食の際は、最初に入れて全体に馴染ませてしまうのではなく、途中からスポット的に使うのがベストだと感じました。
かやく・ふりかけ
唐辛子はインパクト抜群だけど適量とは思えない
キャベツは調理環境の影響か ——いたって普段通りだったんですけど—— 部分的に戻っておらず、ときどきバキッと歯に衝撃が走ったのでw ちょっとビックリしたのですが、それはさておき量としては充分に及第点。挽肉は食感・風味ともにジャンクな質感で、本格的とはいえないけれど、そこそこ大きめのサイズで存在感があります。ただ、やはりニラが入っていないのは寂しいポイント。
「ふりかけ」に入っている2種の唐辛子について、明星食品のニュースリリースには “辛さが強い唐辛子とほどよい辛さの唐辛子の組み合わせ” としか書かれていませんが、おそらく「中国産」と「韓国産」の組み合わせ。すべて使うと表面全体が粗挽き唐辛子で染まるほど、かなり量が多いこともあり、インパクトは絶大ですが、ほとんど唐辛子味になってしまうところが玉に瑕。あと、舌触りが悪い。
その感覚が好きな方にとっては堪らない仕様になるかと思いますが、せっかくの「たまごタレ」や「ソース」の深みも霞んでしまうので、残念に感じてしまいました。ちなみに辛さのタイプは遅効性の蓄積型で、食べ始めこそモサモサと芳ばしいなー、くらいなんですけど、連続で食べ進めると大辛〜激辛に片足を突っ込むくらいの辛さには到達します。ただ、自然と涙が出るほどの辛さではありません。
総評
せっかく注目すべきポイントが多いのに、ふりかけを入れた途端、そのほとんどが唐辛子味に駆逐されてしまう‥‥という結果は今回も例に漏れず。もはや「辛麺屋 輪」監修シリーズの様式美みたくなっているので、これが「辛麺屋 輪」らしさと言い切られたら、それまでと納得するしかないものの、総評から★ひとつマイナスした理由はメーカー希望小売価格と釣り合いが取れていないと感じたから。
せめて従来品と同様にノンフライ麺を採用する、あるいは「たまごタレ」を今回の2倍は搭載するなど、値段的に惜しいと感じる部分が総評の足を引っ張りました。しかし、汁なし辛麺の実現は、ひとつの区切りとなる前進なので、引き続きカップめん第5弾の登場も楽しみにしています【author・taka :a(大石敬之)】