どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年6月27日(土)新発売のコスモス限定カップ麺、寿がきや食品「麺や兼虎監修 激辛魚介とんこつ担担麺」の実食レビューです。
ドラッグストア限定の激辛カップ麺!? 辛辛魚の遺伝子を引き継いだ福岡・天神の名店「麺や兼虎」初監修のカップラーメンが登場!!
“辛辛魚らーめん” よりも辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺や兼虎監修 激辛カップ麺
麺や兼虎(めんやかねとら)とは、福岡県福岡市中央区に本店を構えるラーメン店で、創業は2013年11月13日。カップ麺にもなっている “辛辛魚らーめん” を生み出した東京都練馬区石神井町の人気店「麺処 井の庄(めんどころ いのしょう)」出身の店主・益成兼太郎(ますなり けんたろう)氏が福岡市中央区赤坂で立ち上げ、2018年8月9日から現在の天神に移転し、行列のできる名店として名を馳せています。
今回のカップ麺「麺や兼虎監修 激辛魚介とんこつ担担麺」は、福岡県福岡市に本社を置く株式会社コスモス薬品(ディスカウント ドラッグコスモス)と「麺や兼虎」の修行元「麺処井の庄」のカップ麺を手掛ける寿がきや食品株式会社の共同開発商品で、福岡繋がりのコスモスと辛辛魚繋がりの寿がきや食品から益成店主に声が掛かり、麺や兼虎監修のもとカップ麺だけの限定味が企画されました。
麺処井の庄とは、東京都練馬区・神石井公園に本店を構える “辛辛魚(からからうお)らーめん” で有名な人気店で、2006年1月20日に創業。東池袋大勝軒の系譜にある津田沼の名店「必勝軒(ひっしょうけん)」や辛うまラーメン日本一「蒙古タンメン中本 池袋店」出身の経歴を持つ店主・中村泰介(なかむら たいすけ)氏が開業し、2009年1月26日から寿がきや食品がカップ麺を販売しています。
その「麺処井の庄」で修行を積んだ益成店主が “辛辛魚” を福岡に持ち帰り、つけ麺専門店「麺や兼虎」を立ち上げ、運営母体である株式会社GO-ONE(ゴウワン)を設立。麺処井の庄仕込みの看板メニュー「辛辛つけ麺」や「辛辛魚らーめん」をはじめ、辛くない「濃厚つけ麺」や「日向地鶏の油そば」に各種限定など、オリジナルメニューも展開。
麺や兼虎では “豪快で荒々しく、漢らしい一杯” をコンセプトに、スープは麺処井の庄から受け継いだ独自の製法で、寸胴のフタが閉まらないほど大量の豚骨や鶏ガラ、野菜、魚介類を長時間煮出し、麺は濃厚なスープに負けないよう国産小麦のみ使用した三河屋製麺(麺処井の庄が提携している製麺所)の太麺を取り寄せているとのこと。
しかし、今回のカップ麺は “辛辛魚” の遺伝子を引き継いだ魚介の旨味と濃厚な胡麻のコクを特徴とする「激辛魚介とんこつ担担麺」ということで、オリジナリティが光る一杯。商品のパッケージには “カップ麺 限定味” と書いてありますが、麺や兼虎の実店舗でカップ麺と同じ味の特濃激辛担担麺「クレイジータイガー」を1日30食限定で提供しているそうです。
実店舗の限定「クレイジータイガー(激辛魚介とんこつ坦坦麺)」について検索してみたところ、2020年7月4日現在、多数の評判や口コミはヒットしなかったのですが、麺や兼虎の公式アカウント(on Twitter)が公開しているイメージ写真には大量の挽肉にレッドオニオン、ニラ、ヤングコーンなどがトッピングされていて、一般的な担担麺とは異なる雰囲気を醸し出していました。
麺処井の庄が誇る「辛辛魚らーめん」といえば、カップ麺でも激辛クラスの辛さで有名な一杯で、その遺伝子を引き継いだ今回の「麺や兼虎監修 激辛魚介とんこつ担担麺」にも “大変辛いラーメンです。辛いものが苦手な方はご注意ください” と警告文を記載。実店舗の「クレイジータイガー」を食べた方曰く、麺や兼虎の “辛辛魚よりも辛い” との感想もあったので、カップ麺での辛さレベルが気になるところ——
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は「液体スープ」「かやく入スープ」「後入れ粉末スープ」で合計3袋。パッケージのイメージ写真(調理後)も似ているように、寿がきや食品が販売している「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん(2020)」と同じ構成です。つまり、カップ麺での “辛辛魚らーめん” と同じく具材のボリュームに関しては期待しないほうがよさそうですね。
麺は加水率の低そうな細めのノンフライ麺で、小麦全粒粉が練り込まれたもの。寿がきや食品の工場には麺を製造する設備が整っていないため、いつもテーブルマークの加ト吉水産群馬工場に製造を委託していたのですが、2020年6月30日より寿がきや食品は加ト吉水産が所有する群馬工場を譲受することで合意し、契約を締結。新工場の建設も検討していた中、晴れて加ト吉水産群馬工場の資産と人材を譲り受けたようです。
カップ麺の販売店は、冒頭でも触れたようにコスモス薬品(ディスカウント ドラッグコスモス)限定商品となっているため、それ以外のストアでは手に入らない販路限定商品として展開。寿がきや食品の公式ネット通販サイトやコスモス薬品のオンラインストアにも取り扱いがなかったので、東京都と茨城県の一部地域を除く東日本では売ってないかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺や兼虎監修 激辛魚介とんこつ担担麺 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 群馬県高崎市新町2330 内容量:150g(めん75g) 商品コード:4901677082749(JAN) 商品サイズ:φ167×70(mm) |
発売日:2020年06月27日(土) 実食日:2020年07月04日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ドラッグストア(コスモス薬品) 商品購入価格:248円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく入スープ・後入れ粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(ごま、しょうゆ、動物油脂、香辛料、ねりごま、ポークエキス、糖類、香味油、たん白加水分解物、粉末かつお節、ピーナッツバター、チキンエキス、食塩、加工脱脂大豆粉、デキストリン、しょうゆ調味料、ポーク調味料、ポークパウダー、ローストしょうゆ調味料、ローストガーリックペースト)、かやく(味付肉そぼろ、ローストネギ、フライドガーリック)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、着色料(カラメル、パプリカ色素)、かんすい、炭酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、乳化剤、香辛料抽出物、セルロース、トレハロース、酸化防止剤(V.E、ローズマリー抽出物)、香料、炭酸水ナトリウム、(一部に卵・小麦・落花生・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく入スープ」のみ先入れで、開封した瞬間から鰹を軸に魚粉の香りが漂ってくるのは “辛辛魚らーめん” との大きな違い。上記の画像では判別しにくいのですが、粉末スープの中に味付肉そぼろやローストネギが入っています。今回の湯戻し時間は熱湯3分と短めなので、ゆっくりと粉末スープの上から熱湯を注いでください。
お湯を注いでから3分間、小袋をフタの上で温めて、先入れの粉末スープを溶かしてから「液体スープ」を投入し、再度よくかき混ぜて「後入れ粉末スープ」を盛れば完成です。調理後の雰囲気は同社が販売している麺処井の庄監修「辛辛魚らーめん」やファミリーマート限定の「スパイシー辛辛豚らーめん」と酷似していますが、いずれも担担麺の要素は含まれていないため、そこには新鮮味を感じる調理直後。
ちなみに購入店舗(兵庫県)のコスモス薬品では “麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん” を税込228円で販売していたのですが、今回の “麺や兼虎監修 激辛魚介とんこつ担担麺” は税込248円だったので、20円の価格差が生じていました。それでは、魚介と担担麺のバランスや辛さレベルに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(150g)あたり |
カロリー:588kcal たん白質:18.2g 脂 質:25.1g 炭水化物:72.5g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.6g) カルシウム:240mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:588kcal(めん・かやく:323kcal)(スープ:265kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
歯応えのある全粒粉入り低加水麺
実店舗では太麺が標準仕様となっているのに対し、カップ麺では比較的に加水率の低い縮れた中細麺で、じっくり噛むと全粒粉ならではの粒感が楽しめるのもポイント。激辛魚介とんこつ担担麺のリアル版「クレイジータイガー」に使われている麺に関しては情報量が少なすぎるため、再現度は評価できないけれど、単純に今回のスープとの相性は悪くありません。
まったく粘り気がないわけではないのですが、熱湯3分しっかり守っても中心部に芯の残る硬めの歯応えで、粘り気よりも歯切れのよさをブラッシュアップしているようなイメージ。けれども福岡を代表する博多とんこつラーメンで定番のスパッと切れる低加水麺ではなく、どちらかというとコリッとした歯切れと噛み応えが印象に残りました。
縮れの強い中細麺という形状に、粘度の高いスープがあいまって、かなり麺とスープの一体感は高く、しかしながら硬めの歯応えで刺激的なスープに麺が埋没することはありません。また麺の量も75g(「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」と同じ量)で少なくはないですし、スープのインパクトを引き立てながら、全粒粉を配合している特別感もあり、印象がよかったです。
スープ
ごまと揚げネギに中も注目
先入れの「かやく入スープ」には粉末かつお節をはじめ、舌がザラつくほど “すりごま” が多めに入っているのもポイント。近年のトレンド味覚としても注目されている花椒(かしょう, ホワジャオ)の痺れは目立っていませんが、この時点で唐辛子の辛さは一般的にみても中辛〜苦手な方は注意レベルに達しています。で、思いのほか主張の強かった揚げネギ(ローストネギ)も見どころ。
ふと揚げネギが口の中に入ってきた瞬間、独特の苦味が口の中で弾けて個性を打ち出してくるため、見た目には多くないのですが、意識して注目したいアクセントです。なお粉末スープだけの段階から粘度は高く、そこに “とろみ成分” が含まれていたので、完全に粉末スープを溶かしてから液体スープを加えてください。
その「液体スープ」を加えた途端、けっこう強めに濃口しょうゆベースのタレが主張してくるのですが、それと同時に “ねりごま” の存在感も特筆すべきレベルにあり、ピーナッツバターを重ねることで独特のコクをブースト。この段階に入っても花椒の痺れは目立っていないため、王道の担担スープではないものの、ねりごまのコクが既存の「辛辛魚」や「辛辛豚」と違う世界観を表現していました。
かなり粘度の高いスープに仕上がるのですが、ねりごま・すりごまに豚骨の旨味も丁寧で、揚げネギやローストしょうゆ調味料、ローストガーリックペーストなどのアクセントで一辺倒にならないように工夫するなど、よく練られたスープです。
具材
固形具材はショボいけど——
具材に味付肉そぼろを使ってはいるものの、正直しょぼ過ぎて話になりません。とりあえず集めてみましたが、税込248円のカップ麺にしては貧弱といわざるを得ず、ここに関しては悪い意味で「辛辛魚」や「辛辛豚」に共通するところ。しかし、別添の「後入れ粉末スープ」も “かやくの一部” と思えば悪くない——というのは、いい意味で「辛辛魚」や「辛辛豚」に共通するところです。
小袋のデザインは「辛辛魚」と完全に同じですし、鰹を中心とした魚粉と赤唐辛子をブレンドしているのも同じ構図になりますが、中身は完全に別物。思っていたよりもクミンの香りが強く、黒胡麻が入っているのも「辛辛魚」と違うポイントで、スープのねりごま・すりごまとは違う芳ばしいアクセントが胡麻の表情を広げます。
結果ここにきても花椒の痺れは目立っていなかったので、そこに期待すると肩透かしではあるものの、最終的な唐辛子の辛さレベルは大辛〜激辛クラスで差し支えありません。ねりごまと豚骨のコクが辛さを中和してくるため、瞬発力のある鋭い辛さではないのですが、食べ進めるうちに蓄積されていく、じわじわ辛いスープでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
けっきょく花椒の痺れは目立っていなかったので、そこに期待していると肩透かしを喰らいますが、ねりごま・すりごまのコクは明白。唐辛子の辛さは「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」よりも低い(80%くらい?)程度だったので、非常識な辛さではないものの、ドラッグストア限定のカップラーメンにしては思い切った辛さです。
想像以上に主張の激しかったクミンの香りと具材の貧弱さがターニングポイントになりそうですが、粘度の高さも不自然に思わせないくらい濃厚な一杯かつ個性的な一杯だったので、気になった方は最寄りのコスモス店舗をチェックしてみてください。