どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月21日(火)新発売のローソン限定カップ麺、日清食品「カネキッチンヌードル 芳醇醤油らぁめん」の実食レビューです。
話題のミシュラン掲載店 “KKN” が1年以上の開発期間を費やしてカップラーメンに!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カネキッチンヌードル 芳醇醤油らぁめん
カネキッチンヌードル(KaneKitchen Noodles)とは、もともと間借り営業から始まったラーメン店で、現在の東京都豊島区南長崎(マチテラス南長崎2F)に創業したのは2016年12月12日。素材の旨味を最大限に引き出した絶品らぁめんを提供する名店として話題になり、初めて商品化されたカップ麺「芳醇醤油らぁめん」も多方面から注目されています。
今回の新商品「カネキッチンヌードル 芳醇醤油らぁめん」は、もともと生粋のラーメンフリークというカネキッチンヌードルの店主・金田広伸氏と日清食品の共同開発商品で、ローソンのオリジナル商品として企画。販売店は全国のローソンが対象となっているのですが、初回生産分しかない完全数量限定品で、2020年1月23日現在すでに売り切れの地域も出始めました。
カネキッチンの店主・金田広伸氏は、アニメ『マクロス7』の原画などを手掛けていた元アニメーターという経歴を持ち、その後は学生時代にアルバイトをしていた店に寿司職人として就職。寿司職人の次は本田技研工業に入社と職を転々としていたそうですが、HONDAで車を作っていた頃にラーメンの魅力に目覚め、当時に新しくできた「六厘舎」の工場に身を移し、6年半ほど腕を磨きます。
けれども所帯を広げた「六厘舎」が「株式会社松富士食品」になり、方向性の違いから工場を退社。工場を辞めてからは埼玉県朝霞市本町にある友人の食堂「ごはんや まーむ食堂」の定休日を利用した間借り営業をはじめ、修行していた出身店の「六厘舎」とは違う “醤油らぁめん” を軸にラーメンを提供していたところ、その間借り時代にTBS『有吉ジャポン』に出演という快挙達成。
勢いに乗った当時の「らぁめん屋カネキッチン」は、2016年10月18日から東京都千代田区麹町(シエルブルー麹町)にあったソラノイロブランドの3号店「素良(そら)」で間借り営業を始め、その時に屋号を現在の「KaneKitchen Noodles」に改名。お店の名前に “Noodles” をつけたのは、リスペクトしている「Japanese Soba Noodles 蔦」に因んでいるそうです。
実店舗は “女性が一人でも入れるお店” をコンセプトにカフェやレストラン系のオシャレな内装で、現在の味も出身店の「六厘舎」とは違う、代々木上原の「Japanese Soba Noodles 蔦」(※巣鴨から移転)や大塚の「創作麺工房 鳴龍」をモチーフにしているそうですが、もちろん味は店主のオリジナル。2018年には「食べログ百名店」に選出、ミシュランガイド東京2019にも掲載されました。
さらに今回のカップラーメンにも「ミシュランガイド 東京 2020」の文字とイメージ写真が印刷されているように、2年連続でミシュランのビブグルマン掲載店に選出され、その味を再現すべく日清食品とカップ麺の開発に費やした歳月は1年以上。中でも特に醤油感と鶏感にこだわり、今までに出ている醤油ラーメンとは明らかに違うものに仕上がっているそうです。
念のため実食前にTwitterでの評判・口コミをチェックしてみたところ、カップ麺のレベルじゃない、これまでにない再現度の高さなど、軒並み悪口らしい悪口が見当たらず高評価。もはや絶賛の嵐といっても過言ではない状態だったので、レビューするのを楽しみにしていました。
開封
さて、別添の小袋は「特旨ブレンド醤油入りオイル」が1袋。中心のサークルには “KaneKitchen Noodles” を省略したKKNのロゴマークが印刷されていて、実店舗のカウンターと椅子の写真を採用しています。この小袋は後入れなので、かならず食べる直前に入れてください(※先に入れると麺が戻らなくなります)。
次に開封して最初に驚いたのが独特の “香り” で、その中でも特に目立っていたのが酸っぱい匂い。もちろん不快なニオイではなく、まるで生醤油を彷彿とさせるようなキュンとくる香り。醸造酢でも入っているのか‥‥? と、原材料名をチェックしてみたのですが、酢酸系の成分は見当たらなかったので、特殊な粉末醤油を使っているのかもしれません。
具材は味付豚肉、味付鶏肉、ねぎの3種類とシンプルで、実店舗のように低温調理された鶏ムネ肉や豚肩ロース(レアチャーシュー)とは程遠い、いわゆるチャーシューチップと “白い謎肉になる前” の「カップヌードル チリトマトヌードル」に入っていたようなダイスチキンが採用されているのですが、リアル店舗と同じく肉具材が2種類なのはポイント。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カネキッチンヌードル 芳醇醤油らぁめん 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:91g(めん70g) 商品コード:4902105260968(JAN) |
発売日:2020年01月21日(火) 実食日:2020年01月23日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:228円(税込) 希望小売価格:211円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(醤油入りオイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(食塩、豚脂、粉末しょうゆ、でん粉、チキン調味料、しょうゆ、糖類、鶏脂、ポーク調味料、魚介調味料、植物油脂、酵母エキス、しいたけ調味料)、かやく(味付豚肉、味付鶏肉、ねぎ)/ 加工でん粉、香料、調味料(アミノ酸等)、かんすい、カラメル色素、乳化剤、炭酸Ca、酸味料、増粘多糖類、グリセリン、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は全粒粉入りのノンフライ麺で、製品スタイルはタテ型ビッグ。この形態は通常、麺の上部が内側の線(お湯の目安線)から1cmほど下に位置していることが多いのですが、だいたい半分くらいのところまで下がっていて、ほとんど容器の底に隙間がない状態。この特殊な麺の配置は、日清食品の縦型ノンフライ麺ならではの特徴です。
販売エリアは北海道から沖縄まで全国を網羅、ローソン標準価格は211円(税込228円)。2020年1月23日現在、同じく縦型ビッグ製品をコンビニで購入した場合の税込価格は232円が相場なので、平均売価よりも4円お買い得。麺の湯戻し時間は熱湯5分、待っている間に別添の “特旨ブレンド醤油入りオイル” をフタの上で温めておきましょう。
そして熱湯を注いでから5分後——とあるカップラーメンと同じベクトルの香りだったのですが(※後述)、別添の小袋を開封した瞬間から鶏油の鮮烈な香りが解き放たれ、なるほど確かな手応えを感じました。それでは、引き続きカネキッチンならではの個性に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(91g)あたり |
カロリー:339kcal たん白質:8.6g 脂 質:7.1g 炭水化物:60.2g 食塩相当量:7.7g (めん・かやく:2.5g) (スープ:5.2g) ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.45mg カルシウム:164mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:339kcal(めん・かやく:290kcal)(スープ:49kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しっかり待てば生めん風
実店舗の「醤油らぁめん」には、三河屋製麺と共同開発した切刃番手22番(溝巾1.36mm)の特注中細ストレート麺を採用しているらしく、全粒粉(外皮・胚芽)特有の粒感があり、やや柔らかめに茹で上げているのも特徴となっている模様。対するカップラーメンの麺はコシが強く、ちょっとフライングはヤバそうな雰囲気。
形状は角刃でカットされた角断面の中細麺で、くっきりと口当たりには輪郭があり、ほぼ縮れのないストレート麺で高級感を演出。そこまで顕著な風味ではないものの、調理前の写真からも視認できた全粒粉特有の粒が見られるように、胚乳だけの白い小麦で打った麺からは得られない独特の芳ばしい風味が漂います。で、ちょっと長めに待ったほうがいいかもしれません。
致命的な戻りムラがあったわけではないのですが、やや食べ始めはゴムっぽさが気になったので、湯戻し時間を延ばしたほうがスープとの一体感もアップしますし、小麦の香りも芳醇な部分がナチュラルに広がるようになります。その時に鼻を通り抜ける風味ときたら、まるで生めん並にリアルだったので、ちょっと長めに待ってみてください。
スープ
優等生だけど詰まらない味じゃない
実店舗のスープには、鶏名古屋コーチンの丸鶏・吉備鶏の丸鶏・親丸鶏・阿波鶏の胴ガラから取った動物系に昆布や煮干し、貝などの出汁を合わせ、果物や香味野菜も一緒に煮込んでいるらしく、ほとんど果物は気になりませんでしたが、なるほどカップ麺のスープにも複合的な魚介出汁が組み込まれ、椎茸の出汁で旨味の相乗効果を図っています。
別添の小袋には醤油ダレと鶏油が含まれていて、鶏油のベクトルは前代未聞の風味ではなく、日清食品の子会社・明星食品が製造している「セブンプレミアム 銘店紀行 六角家」と酷似。けっこう人工的で、そのオイルが唇に薄い膜を張ってくるのが気になるところではあるものの、少量ながら香りの強さと瞬発力はトップクラスの強さ。
醤油感にも特別にこだわり、スープの食塩相当量も5.2gと高めの数値だったので、けっこうなキレを覚悟していたのですが、それほど醤油感は強くありません。確かなコクはあるけれど、思いのほかエッジは控えめで、膨よかなテイストでした。なお、調理前は酸っぱい感じの匂いが印象的と書きましたが、ほとんど調理後は気にならなかったです。
具材
懐かしの肉具材
実店舗の「醤油らぁめん」に入っているメンマと三つ葉は入っていませんし、ネギもザク切りの白ネギではなく汎用のネギですが、既存品の中でも上質なネギを採用しています。量は多くもなく少なくもないので、程よい存在感。
味付豚肉は日清食品の縦型カップ麺で頻繁に登場する、ハムみたいな食感のスカスカしたチャーシューチップなので、あまり情緒のある肉具材とはいえません。しかし、甘辛いチャーシューの味付けとスープの相性はよく、割り切れば納得できなくもない具材。
白い味付鶏肉は、やはり昔のチリトマトヌードルに入っていたチキンダイスにそっくりで、パサパサとした食感ではあるものの、なんだか懐かしい気分になれる具材。最近この鶏肉が新商品の変わり種に使われることはなかったので、まだ残ってたんだなぁ‥‥と、感慨深いものがありました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
“今までにでている醤油ラーメンとはあきらかに違うもの” という店主のツイートを先に見てしまった手前、年間1,000食以上のカップ麺を吟味している立場ということもあり、ついつい既存品との共通点を探すように食べてしまったのですが、ある意味ここまで直球ど真ん中の鶏醤油清湯は “ありそうでない” タイプかもしれません。
やや熱湯5分直後の麺から感じたゴムっぽさと唇に薄い膜を張ってくるオイル、それから具材の弱さが気になった反面、鶏油の瞬発力には目を見張るものがあり、このクオリティであればローソンで税込228円という値段にも納得の一杯です。初回生産分のみ販売の数量限定商品なので、気になっている方は最寄りのローソンにお急ぎください。